ダイナブラザーズ

登録日:2016/11/27 Sun 20:15:00
更新日:2023/09/27 Wed 18:42:33
所要時間:約 10 分で読めます





『ダイナブラザーズ』とは、1992年にセガから発売されたメガドライブ用ソフト。
ジャンルはリアルタイムストラテジーで、同ジャンルとしては珍しく、自軍・敵軍ともにキャラが可愛らしくディフォルメされているのが特徴。
翌年には続編であるダイナブラザーズ2も発売された。
本項では2を中心に解説していく。

【システム】
環境を整備して恐竜を繁殖させ、侵略宇宙人を撃退するのが目的。
もう少し詳しく解説すると

草原を広げる
  ↓
草食獣を繁殖させる
  ↓
草食獣から自動でパワーが回収される
  ↓
回収したパワーで肉食獣を生産、または天災攻撃を仕掛ける
  ↓
敵ユニットを全滅させる(勝利)

以上がゲームの大まかな流れとなる。
ほぼすべてのユニットは時間経過と共に徐々に体力が減っていくが、食事をする(草食獣は植物、肉食獣は敵ユニット、卵食獣は卵)ことで回復し
体力が一定量に達すると卵を産むという特徴を持っている。

  • 繁殖型草食獣(ステゴ、ナメじろーなど)
本作を攻略する上で欠かせないユニット。戦闘力は極めて低いが、パワーの供給量、および繁殖力が最も高い。
序盤はこの繁殖型を量産し、パワーを貯めよう。

  • 防衛型草食獣(トリケラ、コロむんきなど)
繁殖型に比べて戦闘力が高く、防御力は全ユニット中最高。肉食獣が攻めてきた時も、ある程度善戦してくれる。
では使いやすくなったのかというと、正直微妙なところ。
繁殖型より生産パワーが高く、パワーの供給量・繁殖力が劣るため、パワーの回収が非常に重要な本作において出番は少ない。
とはいえ全くいないと、それはそれで敵が攻めてきた時に困るので、繁殖型と防衛型は4:1くらいの割合で生産しておこう。

  • 迎撃型肉食獣(アロ、にんぽーくんなど)
二番目に高い戦闘力と、全ユニット中最高の移動スピードを兼ね備えたユニット。
自分からはあまり移動せず、敵ユニットが近くにくると迎撃する。
ただしAIの出来は非常に残念な事になっており、誘導コマンドを使わないとまるで役に立たないこともしばしば。
体力が減ると味方の草食獣であろうと関係なく襲ってしまうため、序盤で生産するのは禁物。

  • 攻撃型肉食獣(ティラノ、ガウガウなど)
繁殖力と移動スピードこそ低いが、体力・戦闘力ともに最高のユニット。繁殖型に次いで出番が多い。
進撃モードにすれば自分から敵陣に向かって移動し続ける。
荒地を平気で移動してダメージを受けたり、落とし穴に落ちて即死してしまう事も多いため
進路を整備したり、誘導コマンドで迂回させるように心がけよう。

  • 卵食獣(ぴーちゃん、ティアラなど)
迎撃型に次ぐスピードを持ち、卵を食べることができる唯一のユニット。
たとえ攻撃型肉食獣でも卵の段階では無力なため、うまく使えば敵戦力を大幅に削減することが可能。
ただし純粋な戦闘力は繁殖型草食獣にすら劣るため、うかつに出撃させるとあっという間に返り討ちにあってしまう。
終盤に1体生産すれば十分だろう。

  • 飛行型肉食獣(プテラ、バッタもんなど)
2のみに登場するユニット。飛行して移動するため他のユニットと違い、水場や荒地の上でもダメージを受けない。
しかし完全に地形を無視できるわけではなく、木や岩壁にはぶつかるし、マグマの上では即死してしまう。
戦闘力もそれほど高くなく、使い勝手は微妙だが、水上では魚を食べて体力を回復できるため、水辺のステージでは結構活躍してくれる。


なお、ユニットの性能は恐竜側も宇宙人側もタイプによって全く同じである。
たとえば繁殖型のステゴとナメじろーは同じ性能だし、攻撃型のティラノとガウガウも同じ性能である。


◆特殊ユニット
以下に紹介するのは、同型がいない1種類のみのユニット。

  • ちょろきち
基本的に戦闘には参加せず、フィールドを走り回っているネズミのような哺乳類。
このユニットのみが持つ性能は、雑食であること(草原を食べた場合は、そのマスが荒地になる)、
卵にぶつかって1マス移動させる、の2つがある。
使い道としては、敵の陣地の草原を荒地にしまくる、敵の卵を水に落とす、
落とし穴に落として穴を塞ぐ、ティラノのエサにする、といったところか。

  • ティアラ(新)
体質が変化したティアラ。髪が金髪から茶髪になった。
このユニットは食事と産卵を行わず、近くにいるユニットにキスをして体力を回復させる能力を持つ。
この回復、なんと死んでいるユニットでも復活させる効果がある。
ちなみに回復は恐竜・宇宙人の双方のユニットに対して行う。

  • メガザウルス
2の最終ステージにのみ登場する、本作のラスボス
ティラノに圧勝するほどの驚異的な攻撃力と体力を誇るが、ロボットなので食事をしない=体力が回復しないので、
数でゴリ押しすれば意外と簡単に倒せてしまう。

【ストーリー】
1ではただ与えられたステージをクリアするだけだったが、2からはステージ開始前にストーリーデモが追加された。
このストーリー、序盤こそ典型的な子供向けゲームといった趣だが、中盤になるにつれシリアスになってゆき、後半では幾度どなく涙腺崩壊する。
時系列的には当1→2だが、前述の通り1のストーリーはあってないようなものだし、
2のOPムービーで前作の出来事が簡単に紹介されるため、2からプレイしても特に問題はない。

(1→2のあらすじ)
恐竜たちが暮らす平和な星、ジュラ星に突如宇宙人軍団が攻めてきた。
恐竜たちは苦戦を強いられたものの、団結して立ち向かい、ついに宇宙人軍団の撃退に成功する。
それから数年後・・・
平和になったジュラ星に再び危機が訪れようとしていた。
ジュラ星にとり残されていた宇宙人軍団の首領・ハカセは、生き残った部下を集め、新たな宇宙人軍団を作り上げたのだ。
果たして恐竜たちは再びジュラ星に平和を取り戻すことができるのか?


【登場キャラ】
ストーリーのない1のみに登場するキャラの紹介は割愛させていただきます。悪しからず。

◆恐竜側
  • ステゴ(繁殖型草食獣)
のんびりとした大人しい性格。半開きの眠そうな目がかわいい。
前述したように、今作で最も生産することになるユニット。
ストーリー面でも、ティアラとの絡みなど要所要所で重要な役目を果たしており、本作の主人公的な存在。

  • トリケラ(防衛型草食獣)
生真面目な性格。ゲーム内で生産する機会が少なく、ストーリーにも大して絡まないため、ぶっちゃけ空気。

  • アロ(迎撃型肉食獣)
恐竜チームのムードメーカー。関西弁で喋るハイテンションキャラ。
せっかちで怒りっぽい面もあるが、根はイイ奴。
ゲーム面でもストーリー面でもアホの子。

  • ティラノ(攻撃型肉食獣)
強くて頼りになる、恐竜チームのリーダー的存在。
ゲーム面でも非常に頼りになる。
ゲーム内のキャラ紹介では頭は悪いと書かれているが、どう考えてもアロの方が・・・

  • ぴーちゃん(卵食獣)
マイペースなお調子者。敵の卵食獣は非常に厄介に感じるが、ぴーちゃんはなぜか頼りなく感じる。
性能は同じはずなのに・・・
恐竜たちの中で、唯一モチーフになった恐竜が不明。コンプスグナトゥスあたりか?

  • プテラ(飛行型肉食獣)
空を飛べる恐竜(注:実際は翼竜です)。鳥と間違えられると怒る。喋り方が子供っぽい。
ティラノたちとは遠く離れた地域に住んでいた種族で、1での戦いの際は彼らのいた地域にまでは戦火は広まらなかった。
数が少なく、希少な種族。

◆宇宙人側
  • ハカセ
宇宙人軍団の首領。1での戦いの際、勝ち目がないと判断した部下たちが撤退のため宇宙船に乗り込む中、
あくまで戦い続けようと意地を張っていたため、ジュラ星に置き去りにされてしまった。
今度こそジュラ星を征服するため、兵器の残骸をかき集めて基地を作り、同じくとり残された部下を集めて新宇宙人軍団を結成する。
部下思いな性格だが、ジュラ星征服に執着するあまり、その性格は次第に狂気を帯びてゆく。
基本的にはステージには登場しないが、終盤では草食も肉食も卵食も、全ての敵ユニットがハカセのクローンというカオスなステージが登場する。

  • ティアラ(卵食獣)
忠誠心が高いハカセの右腕で、本作のヒロイン。服装がエロい。
当初は原始的な生物である恐竜たちを見下していたが、空腹だった所をステゴに助けられて以来、
次第にジュラ星征服に疑問を抱くようになる。
後半からはある事件がきっかけで体質と性格が変化。ストーリーの中核をなす存在となる。
卵を食べなくなり、性格も子供のような無邪気で天真爛漫なものとなる。
この状態になってからは恐竜たちと行動を共にするようになり、体力が減った恐竜にはキスをして癒してくれる。うらやましい。

  • ガウガウ(攻撃型肉食獣)
ティラノのライバルで、宇宙人側の主人公ともいえるキャラ。
怪獣のような見た目だが、恐竜ではなくれっきとした宇宙人。
血の気が多く喧嘩っ早いが、卑怯な手を好まず、人一倍仲間思いな漢気溢れる性格。ただしハカセの命令はあまり聞かない。
合成生物であるナメじろーとコロむんきと引き連れ、3バカトリオとして行動することが多い。
ステージ30のデモにおける彼の言動に涙した人は決して少なくないはず。

  • ナメじろー(繁殖型草食獣)
ハカセが遺伝子操作で生み出した合成生物。非常に呑気でマイペースな性格。
彼のボケにガウガウがツッコミを入れるのが基本パターンだが、たまにナメじろーの方が真っ当な事を言うことも。
先述したように呑気な性格だが、ぺろりんちっちの策略により多くの仲間が巻き添えになった際は怒りを露わにしていた。

  • コロむんき(防衛型草食獣)
ハカセの合成生物その2。ダンゴムシとイモムシを掛け合わせたような外見。
話すことはできないが、知能はナメやガウより高いらしい。
ナメと共に怒りを露わにし、ぺろりんちっちに反逆する姿は多くのプレイヤーが心打たれた。

  • ポンポン(迎撃型肉食獣)
ハカセたちとは別の地域でひっそりと生き伸びていた種族。卵そっくりな姿をしている。
その姿で卵食獣であるぴーちゃんをおびき寄せて襲っていたが、それは彼らが生きるため=食料を得るため
仕方なくやっていた事であり、本来は争いを好まない平和主義者。
ハカセの説得に応じ、仕方なく戦闘に参加していたが、戦闘のたびに仲間がどんどん死んでいく光景に嫌気が差し、抗議するのだが・・・

  • にんぽーくん(迎撃型肉食獣)
本作随一の苦労人。その名の通り忍者のような格好をしている。
ジュラ星に置き去りにされたハカセを心配し、宇宙船で迎えに来たが、恐竜たちを倒すためにあえて残ったという嘘を真に受け、共に戦う決心をする。
生真面目で仲間思いな性格だが、後半になるにつれ宇宙人側の内輪揉めに振り回されたり、
狂気を帯びてゆくハカセに忠告を聞き入れてもらえなかったりと、気苦労が絶えない。

  • バッタもん(飛行型肉食獣)
宇宙人側のアホの子。名古屋弁で喋る。
やたらプライドが高く、威張り散らしているが頭脳が残念なため、周りからは小馬鹿にされている。
だがそんな彼もぺろりんちっちに対する怒りは共通であり、ステージ35では漢を見せる。

  • ボスナイト(攻撃型肉食獣)
最も進化した最強の戦闘種族。という設定だが、ゲームの仕様上、その性能はティラノやガウガウと同等。
しかも人語を話せないため、その設定も怪しいものである。空気。

  • ダイナブラボーズ
恐竜たちの遺伝子から生み出したクローン恐竜たち。色違いキャラ。
ハカセいわく「狂暴だが陽気で話のわかるやつら」との事だが、
常にテンションが低かったり、マイペースだったりと、あまり頼りにならない。
こんな奴らだが、なぜか専用BGMが存在する。しかも歌詞付き。

  • ぺろりんちっち(卵食獣)

本作の諸悪の根源。

その性格を一言で表すなら、
まさに外道
表向きはハカセに忠誠を誓っているが、真の目的はハカセに替わって宇宙人軍団とジュラ星を支配すること。
その目的のためにハカセを口車に乗せ、自分に都合のいい作戦を次々に展開させた。
部下思いだったハカセの性格が歪んだのはコイツが原因だと言っても過言ではない。
その他にも

戦いに消極的なポンポンたちを裏切者と称し、抹殺しようとする(彼らは元々平和主義者である)

草原を汚染したり、レーザーによる無差別攻撃で恐竜たちを仲間の宇宙人もろとも大量虐殺(しかもその責任をティアラに押し付ける)

実験中の事故に見せかけてティアラを殺害しようとする(これが原因でティアラの体質が変化した)

など、枚挙にいとまがない。
上司に媚び、同僚や他種族を見下すそのクズっぷりは新桃太郎伝説のカルラに通ずる物がある。

【総括】
マイナーながらもゲーム性、ストーリー共に非常に完成度の高い作品。
特に2はボリュームもあり、メインのストーり-モードだけでも45ステージもある。
それに加えオリジナルモードの30ステージや、パスワードでのみ出現する隠しステージもある。
どちらもバーチャルコンソールで配信中なので、興味のある方には是非ともプレイしていただきたい。
そしてこの名作を多くの人に広めてもらいたい。


本作の存在を広めたい同士は追記・修正をお願いします。

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最終更新:2023年09月27日 18:42