五年霊組こわいもの係

登録日:2016/11/26 (土曜日) 00:00:00
更新日:2023/10/23 Mon 18:22:58
所要時間:約 7 分で読めます





学校のコワ~イ事件は

こわいもの係にぜ~んぶおまかせ!



『五年霊組こわいもの係』とは、角川つばさ文庫から発行されている児童向け小説。
前作にあたる『四年霊組こわいもの係』は第一回角川つばさ文庫小説賞で大賞を受賞している。全13巻+『四年霊組~』の1巻の計14巻。
『おもしろい話、集めました。1』『おもしろい話、集めました。2』『おもしろい話、集めました。E』に短編が収録されている。また、角川つばさ文庫の作品『キミト宙へ』の6~7巻で『こわいもの係』シリーズとのコラボが行われている。
作者は本シリーズで作家デビューを果たした床丸 迷人。挿絵担当はハナヤマタの作者として知られる浜弓場 双。
当初は『四年霊組~』の1冊のみで完結する予定だったが、前述の大賞を受賞した事でシリーズ化が決定。
『四年霊組~』のラストが主人公の友花が5年生に進級したシーンで終わったため、『五年霊組~』とタイトルを改めてシリーズ化することとなった。
なのでこれから購読を考えている人は、『四年霊組~』から読むようにしよう。間違えて『五年霊組~』の1巻を買わないように。

なお、『四年霊組〜』のさらに原案になるお話は作者の床丸氏が実際の娘のために作り出したお話だったとのこと。

特徴としては、その年のこわいもの係に選ばれた主人公が、学校にあつまる幽霊や妖怪の起こす事件を人知れず解決する様を時にコミカルに、時にシリアスに、時にハートフルに描く。
児童向けと侮ることなかれ。そのクオリティは非常に高く、特にハートフルなエピソードは大人でも目頭が熱くなること必至。
児童書なので読みやすく、文字数もそれほど多くないため

「ライトノベルを読んでみたいけど、変に凝った言い回しばっかだと読んでて疲れそう・・・」

という初心者の方にもオススメ。


【あらすじ】
  • こわいもの係ってなに!?
あさひ小学校の四,五年生がすごす北校舎は、
建物が古~~~~~~いことで有名。
そのせいか、幽霊を見た~とか、
ふしぎな声を聞いた~みたいな
こわ~いウワサがいっぱいある。
じつは本当に、ユーレイだのオバケだの妖怪だの、
ふしぎなモノたちが集まってきちゃう学校なんだ!
そんなあさひ小だから、
特別ヒミツの係が存在する。
それが、〝こわいもの係〟!
毎年、五年一組女子の出席番号四番になった子が、
一年間、〝こわいもの係〟になって、
あさひ小におこるいろんな事件を解決することに
なってるんだ!

  • 霊組ってなに!?
〝こわいもの係〟と、
〝人間じゃないモノ〟だけが
通りぬけられる、ヒミツのカベ。
(フツーの人間は、ぶつかっちゃうだけだよ☆)
そのむこうがわにあるのが、霊組の教室なんだ。

いまのクラスメートは、
あさひ小の座敷わらしで、守り神みたいな存在、花ちゃん。
家庭科室にかけられた古い鏡の精霊、鏡子さん。
オシャレ大好きな動く骨格標本、ドクパン。
死神(見習い)のミアン。
それに霊組のペット、おおかみこどもの幽霊、わんころべえ。
こんなメンバーが、ワイワイ楽しくすごしているよ!

(以上、公式サイトより抜粋)注:一部編集してあります。

【登場人物】
◆主人公

  • 豊川 友花(とよかわ ともか)
44代目及び45代目のこわいもの係にして、初代主人公。
運動神経抜群で、頭で考えるよりも行動で解決するタイプ。
麗子によってはじめて霊組に案内された際は、自分の置かれた状況に戸惑っていたが
こわいもの係として1年間活躍していくうちに霊組メンバーとの間には友情が芽生え、霊組メンバーとの別れの日(と勘違いしていた)には涙を流している。
霊組が5年生に進級するにあたり、こわいもの係も5年生が担当することになったため、史上初の2年連続で活躍し続けたこわいもの係でもある。
花ちゃんからの愛称は「ともとも」。
名前の由来は床丸氏のリアル娘。後書きでも度々「リアル友花」の存在に言及される。

  • 高田 春(たかだ はる)
46代目のこわいもの係にして、2代目主人公。
演劇クラブ「あさひ座」に所属しており、将来の夢は『大』女優になる事。
十三階段の呪い事件の際に起きたある出来事が原因で、一度はこわいもの係としての自信を失いかけるが
友花の叱咤激励により、完全復活を果たす。
花ちゃんからの愛称は「はるるん」。

  • 梨崎 佳乃(りさき よしの)
47代目のこわいもの係にして、3代目主人公。
五年生に進級すると同時にあさひ小に転校してきた。
友花や春とは異なり、引っ込み思案で怖がり屋の大人しい性格で、そのうえ幽霊や妖怪の類を一切信じないという、こわいもの係としてはかなり異色な存在。
そもそも彼女が幽霊嫌いになったのは、前の学校で起きたある事件が原因なのだが・・・
花ちゃんからの愛称は「よっしい」。当然だが、某緑の恐竜 とは無関係である。

◆霊組メンバー
  • 花(はな)ちゃん
霊組の癒し担当。5歳くらいの幼女のような外見。
赤いスカートと白いシャツという服装やおかっぱ頭、その名前からトイレの花子さんと思われがちだが、実際はあさひ小に住み着いた座敷童である。
本名は花子(はなこ)だが、彼女自身も含めほとんどのキャラから花ちゃんと呼ばれており、公式のキャラ紹介でも花ちゃんと表記されている。
こわいもの係を変わった愛称で呼ぶ癖がある。
7巻にて元は赤い着物を着た裸足のお姉さんだったことが書かれた。

  • 鏡子(きょうこ)さん
優しくて頼りになる、霊組のリーダー的な存在。金髪のロングヘアと青い瞳が特徴の、家庭科室の鏡の精霊。セーラー服を着ている。
鏡の精だけあってオシャレにはうるさいが、その美的センスはどこかズレている。
霊組では普通に実体化しているが、それ以外の場所では鏡やガラスなど、光が反射する物の中にしか存在できない。
呪いの13階段事件にて鏡の国へ強制的に連れていかれたが、春や霊組メンバー、ミアンの奮闘にて今は霊組で佳乃のサポートをしている。なお四巻にて家庭科室の鏡が割れてしまったので今は花ちゃんが首から下げている鏡のペンダントをよりしろとしている。
4巻にて本名がキョーコ・マルソーであることが判明した。
また12巻にて鏡子が霊組に来たときのエピソードが書かれた。

  • ドクパン
霊組のムードメーカー。オシャレ大好きな動く骨格標本。
ある日突然動けるようになった彼女は、夜な夜な夜の校舎を徘徊し
女子生徒たちの忘れ物のアクセサリーを収集していた。
友花と霊組メンバーの活躍で改心した後は霊組メンバーに加入。
鏡子さんに黒いアイシャドウ+黒いボンボンというパンダメイクを施され、ドクパンと名乗るようになった。
ちなみにドクパンとはドクロ+パンダの略。命名は花ちゃん。
どこか間の抜けた性格とは裏腹に戦闘力は高く、イザという時には頼りになる存在。
『骨ムチ』という武器がある。

  • 小田 美杏(おだ みあん)
友花のクラスメイト。おっとりとした性格で、クラスでも人気者のお嬢様。


というのは仮の姿。

  • ミアン
その正体は13人分の人間の魂を集めに人界にやってきた死神(見習い)。
あさひ小の生徒や教師の記憶を操作し、あたかも最初から自分があさひ小の生徒であるかのように振舞っていた。
彼女が住んでいる豪邸の両親も、彼女の催眠術で「美杏は自分たちの娘だ」と思い込ませているにすぎない。
しかし、こわいもの係である友花には催眠術も完全には通用せず、あさひ小を守ろうとする友花と対立することになるのだが・・・

  • わんころべえ
霊組のマスコット。ニホンオオカミの子供の幽霊。
初登場時には人語を話していたが、それ以降は一切喋っていない。
もっとも、喋っていたのは人間に憑依している間のみだったので、人の体を借りなければ喋れないのかもしれない。
人気投票では作者のお気に入りである麗子や、ムードメーカーのドクパンを差し置いて7位にランクインするという偉業を成し遂げた。


  • 担任の先生
霊組の担任のおっさん。といっても授業をするわけでもなく、普段はロッカーの中に隠れている。
仕事らしい仕事といえば、こわいもの係の専用アイテム「護符」の補充くらいしかしておらず、謎多き存在。
但し何か重大なことが起きると慌てて調べ、その後授業を行う。なぜか本人曰く「テストに出る」らしい。


◆歴代こわいもの係
  • 三木 麗子(みき れいこ)
43代目のこわいもの係。物静かで礼儀正しいお嬢様タイプ。
初登場時の背景に百合の花が咲き乱れていたり、優香のことを「お姉さま」と呼んだりするが、別にそっち方面の人ではない。
花ちゃんからの愛称は「れーこ」。コメントで教えてくださった方、ありがとうございます。

  • 柳田 優香(やなぎだ ゆうか)
42代目のこわいもの係。バリバリの体育会系で、麗子とは正反対のタイプ。
性格の違い故、麗子とは痴話喧嘩口論が絶えないが嫌っているわけではなく、
お互いに相手の実力は認めており、信頼しあっている。
花ちゃんからの愛称は「ゆーか」。この二人だけまんますぎやしませんか?

  • 星 亜香里(ほし あかり)
41代目のこわいもの係。オカルト好きの不思議系少女。
全身黒で統一しているが、別に中二病ではない。と思う。
佳乃のクラスメイトの妹、星 日香里がいる。
ちなみに両親は有名大学の教授。どうしてこうなった。
花ちゃんからの愛称は「あーたん」。

  • 鶴野 千波(つるの ちなみ)
34代目のこわいもの係。
非常にドジで、一学期の間に護符を使いきってしまった。
あさひ小学校に先生志望としてボランティアに着たときにも教壇のところにゴンと頭をぶつけて『鶴ゴン先生』と呼ばれてしまっている。
なお、ドジは母親譲りらしい。
花ちゃんからの愛称は「ちーちゃん」。

  • アビゲイル・ワシントン
17代目のこわいもの係。
一時期日本で暮らしていて、今はアメリカで大統領補佐官をしている。
地球人にそっくりな宇宙人に会ったらしい。

  • 柏田 桃子 (かしわだ ももこ)
7代目のこわいもの係。
三歳のころから柔道を習っていて、オリンピックでは二大会連続で金メダルを獲得している。
旧姓は「福伊(ふくい)」
今は東京で柏田柔道場を開いている。

  • 河上 美月 (かわかみ みづき)
初代こわいもの係。
小学校の頃から好きだった河上 章太郎(かわかみ しょうたろう)と結婚している。
旧姓「牧原(まきはら)」
今はあさひ小学校の校長をしている。
花ちゃんからの愛称は「みぃちゃん」。

  • 神代 文 (かみしろ ふみ)
2代こわいもの係。
高校生の時に、黒猫を助けようとして交通事故で亡くなった。

  • 橋田 美鈴 (はしだ みすず)
3代目のこわいもの係。
正義感が強く、良い人には優しく、悪者には厳しく対処する。
美月を尊敬していて、美月を誉めると喜ぶ。
今はあさひ小学校の教頭をしている。
花ちゃんからの愛称は「りんりん」。


余談だが、本作の舞台になっているM県N市は宮崎県の延岡市である可能性が高い。
延岡市はその名もズバリ、旭(あさひ)小学校という学校がある。
その他にも

  • N市のシンボルとなっている「むかさぎ山」→行縢山(むかばきやま)

  • 春が演劇クラブの合宿で訪れた「むかさぎ山少年少女活動センター」→むかばき青少年自然の家

  • ミアンのお気に入りの洋菓子店「サンシャン」→フランス菓子サンジャン

  • ミアン御用達のファンシーショップ「ハートラック」→雑貨・ギフトショップHeartWrap(ハートラップ)

など、モチーフになったと思われる地名がいくつもある。
興味のある方は一度訪れてみてはいかがだろうか。
ただし、旭小学校には不審者だと思われる危険性があるので、遠慮しておこう。


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最終更新:2023年10月23日 18:22