SCP-914

登録日: 2016/11/24 Thu 13:52:00
更新日:2024/03/16 Sat 13:29:17
所要時間:約 12 分で読めます





全ての研究者へ向けての注意:
全ての記録に貴方の名前を記録してください。日付とアイテムがいくつ"改造"されたかも記録してください。
実験者は"出力"された全てのものについて責任を負います。実験によって死傷事件が引き起こされたならば、実験者は管理審査および懲戒処分の対象になります。
生体実験は無期限停止されています。いかなる生体実験もO5による認可が必要です。




SCP-914はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)のひとつ。
オブジェクトクラスはSafe。
項目名は『The Clockworks(ぜんまい仕掛け)』


概要

SCP-914は18㎡の広さを持つ、滑車・歯車・螺子・ベルト・そしてゼンマイでできた装置。
一部には木材や布も使われるが大部分は錫と銅である。
この中にものを放り込み、設定を選んでものを『改造』することができる。
財団内でも非常に便利な道具として扱われており、様々な研究者が実験を試みる。
…というか、今でもいろんな実験が行われている。そのためWebサイト『SCP Foundation』内のこのページは常に更新されている。

現在はギアーズ博士の管轄だが、
ギアーズ博士以外の博士も頻繁に実験している。ちなみにジェラルド博士は後述の理由で実験に参加できない。

このオブジェクトはこれ自体が恐怖というより、どちらかといえば「オブジェクトの生成物が怖い」というタイプ。
中には「なんでそれが出るねん!?」というのもある。

設定

設定は5つ存在しており、「Rough」「Coarse」「1:1」「Fine」「Very Fine」となっている。
ギアーズ博士がクロウ教授に残したメモによれば
  • Rough:圧力・熱・切断などによって入力したアイテムが破壊される。
  • Coarse:アイテムをパーツ単位で分解する。
  • 1:1:複数の物質を入れるとアイテムがくっつく。またはアイテムの再解釈が行われる。
  • Fine:アイテムの改良。
  • Very Fine:アイテムを足しあわせて再解釈する。
とある。

言ってる意味がわかんなければこういうふうに解釈してくれ。
  • Rough:ぶっ壊す。よって爆発物とか入れたら駄目。
  • Coarse:バラバラにする。入れた回数ごとにバラバラにしていき最初は螺子とかが外れるくらいなのが最後は原子分子レベルになる模様。
  • 1:1:等価交換。
  • Fine:入れたものがちょっと良くなる。
  • Very Fine:入れたものが劇的に良くなる。たまにSCiPができる。

1kgの鋼をRough、1;1、Fine、Very Fineで入れると、それぞれ
「いろんなサイズに切り分けられた鋼の山」
「1kg分のたくさんの螺子」
「1kg分のじゅうたんの止め金」
「なんどかガスが霧散して、最後に摂氏5万度にも耐える耐熱性を持つ超伝導体の金属1gが生成」
となった。最後何が起きたの…?

また、同じ入力をしてもその時々でランダムに出力される模様。
  • 入力:ギアーズ博士が持っていた懐中時計。4つの懐中時計を1個ずつ入れて出力させた
  • 設定:4つとも"Fine"で作動させる
  • 出力:それぞれ「ゼンマイ仕掛けの小鳥。音楽を奏でる」「玩具の列車用のゼンマイ式エンジン」「小さい古時計。ちゃんと動く」「金属製のピアノの彫刻」が出てきた
……ちょっと待て。これSafeでいいのか?安全な物品ぶち込んで危険なものが出力される危険はないのか?
と思われるかも知れないが、オブジェクトクラスの定義的には「作動さえさせなければ何も起こらないのでSafe」という事なのだろう。
当の研究員は危険物を産み出しまくってるけどな!

ちなみに二回FineをやるほうがVery Fine一回よりもヤバイものができる模様。実際Fineを繰り返した実験は大抵酷い結果になる。

コルトバイソンリボルバーをVery Fineで入れれば周辺の人がレーザー銃の犠牲になり、
チンパンジーをRoughで入れれば惨殺体が出てきて、人を入れてVery Fineを選ぶと謎の人型実体になった(数時間後に死んだけど)。
生物実験は危険と判断され現在は無期限に停止。

ということで、それぞれの入力で面白いものを紹介する。

Rough

  • 入力:成人男性の死体ひとつ
  • 出力:目も当てられないくらい酷く惨たらしい、ところどころ熱線で切り取られたと思われるバラバラ死体
…なんで入れたの?

  • 入力:小さい十字架ひとつ
  • 出力:でかい十字架の一部と思われる、同じ質量の切れ端ひとつ
もとの物質を分解しているわけでもないかもしれない。

  • 入力:銅の金属板
  • 出力:銅の立方体いくつかと球ふたつ
ただ分解するだけでなくアレンジを加えてきやがった。

Coarse

  • 入力:成人男性の死体ひとつ
  • 出力:内蔵・骨・臓器などが丁寧に損傷なく切り取られたバラバラ死体
同じ入力でもRoughと違い、医学的に意味のある切り取りかたをしている。まずなんで入れたの?

  • 入力:100米ドル
  • 出力:入力物とほぼ同じ質量の、インクの水たまりと少量の綿とプラスチック一山
金そのものの構成物に分解してきた。

  • 入力:空っぽ
  • 出力:地球の大気を構成する気体が混じり合わない状態で出てきた。つまり空気が分解された。
何故他の物体を入れたときに空気が分解されたり再解釈されないのかは不明。

1:1

多分一番面白いのがこれ。

  • 入力:成人男性の死体ひとつ
  • 出力:入れたのは白人だったが出てきたのはアジア人の死体だった
どういうことなの…そしてなんで入れたの?

  • 入力:初期配置のチェスボード
  • 出力:白のキングの上のポーン、ふたつ前進
  • 入力:上記のチェスボード。黒のポーンをルール通りに進める
  • 出力:白のクイーンがルール通りに斜め移動
このSCP、チェスができるぞ…

  • 入力:「あなた自身について少し教えて下さい」と書かれた紙と、鉛筆一本
  • 出力:先ほどの紙に未知の書体で「あなたはこのアクションを実行するための適切なセキュリティクリアランスを保有していません」等と書かれた紙と、著しく短くなった鉛筆
財団データベースみたいな事を、筆談でやってきやがった。

  • 入力:欽定訳聖書ひとつ
  • 出力:コーランひとつ(他にも死海文書やサタンの聖書になったりした)
SCP-073(カイン)はこの出力結果を読んで、何を思ったんだろうか。

  • 入力:Samsung Galaxy Note 7 1台
  • 出力:M67破片手榴弾1つ
おいおい。手榴弾はごく普通のものだった。どうやらこいつはユーモアと時事ネタにも強いらしい。

  • 入力:SCP-447-2
  • 出力:死体ひとつ
……それにしたって緑のスライムとは一体なんなのだろうか。

Fine

  • 入力:成人男性の死体一つ
  • 出力:SCP-008を含む死体一つ。速やかに焼却処分されました
ついにゾンビ病を出力した。だからなんで入れたの?

万能薬をぶち込むと、人を治癒する光を放つロケットになった。
ただし長時間の被曝をすると化物になる。
そして貴重な万能薬がまたひとつ減った。
事件239の後、四肢麻痺で入院していたクレフ博士を12分で完全回復させている辺り、決して無駄な代物ではないのだが)

  • 入力:100米ドル
  • 出力:財団フロント企業の『死体石鹸製品社』の株券一つ。
なぜ財団フロント企業の株券が出力されたかは全くもって分からない。なお当時の株価は100米ドルだったようだが、その後株価が10倍以上に高騰したらしい。知ってたのか?

  • 入力:製品タグ付きのとあるメーカーのスーパーボール
  • 出力:同じメーカーの製品タグ付きの”超スーパーボール”(上位製品)
どうやら市販のものと全く同じ製品だったようだ。

  • 入力:↑の実験で出来た"超スーパーボール"
  • 出力:製品タグに今度は"超サイコースーパーボール"と書かれたスーパーボール
こちらは市販されてない製品らしい。一跳ね毎のエネルギーロスが1%未満という性質を示している。

  • 入力:炭素の塊ひとつ
  • 出力:黒鉛の塊ひとつ
ちなみに同じ実験をVery Fineでやったらダイヤモンドになった模様。
いずれも質量は同じ。

  • 入力:ラジコンカー
  • 出力:最初は思考制御できるラジコンカーに変質。その後Fineを2回繰り返すと一回目でラジコンカー自身が思考し英語の命令に従うようになり、二回目で任意の炭素を石油に変換するパワード車になり、そいつ自身が英語で命令に応答するようになった。

  • 入力:コカ・コーラブランドのコーラ一本
  • 出力:コカイン
…ん?


Very Fine

多分一番出力成果がおかしいもの。場合によってはSCPオブジェクトも出来る模様。

  • 入力:成人男性の死体ひとつ
  • 出力:SCP-447-2
死体をぶちこんだら緑のスライムが出てきた。
今後、死体に緑のスライムが触れる可能性が出てきたため死体を用いることは禁止された。
だから何が起きるの?そしていったいぜんたいなんで入れたの?

  • 入力:上記の実験でできた"超サイコースーパーボール"
  • 出力:入力品と変わらない形状のスーパーボール。しかし、ボールを落下させた所[編集済]して45人もの死傷者を出した挙句宇宙まで飛んでいった。

  • 入力:余った肉で作ったハンバーガー
  • 出力:一見普通のハンバーガーだが、食った瞬間に食われた部分を再生し続ける。SCP分類が検討されている。

  • 入力:ツナサンドひとつ
  • 出力:写実的なマグロ型の小さなパン。空中を泳ぎながらドアから出ていった。

  • 入力:5ポンドのクジラの脂肪。って死体じゃねえか!
  • 出力:クジラのオブジェ。ただし飯こそ食わないが呼吸して生きてる。現在実験を行った博士の水槽で飼育され、SCP分類が検討されている。

  • 入力:ドクター・スース*1の書籍を読むウェスティ博士の映像が入っている、64GBのUSBドライブひとつ
  • 出力:内部がドクター・スースの首吊り自殺映像で埋め尽くされたUSBドライブ。なんとミーム効果を有し、実験していたウェスティ博士が危うく自殺しかけた。SCP分類が検討されている。

SCPオブジェクトが生み出されるなかで逆に特異すぎるケース。ってか現実世界で発売されてない(この項目を立てた時点ではアニヲタWikiに記事を立てる要件を満たしていなかった)ハードが生み出されるってどういうことなの?現在は発売日を誤魔化した上で厳重保管中。
ちなみに「Fine」の場合は風のタクトHDといくつかのAmiibo付きのWiiUだった。ああ、Very Fineってそういう…。

  • 入力:BEHR社の黒色塗料1ガロン缶
  • 出力:空っぽの缶と盛り上がった黒い粘液溜まり。接近すると小さな人型をとってベタンクール博士を攻撃した。銃撃すると跡形もなく溶解した。
ベタンクール博士は「もっとよく慎重になるべきだった・・・」 とコメント。当たり前だ。

  • 入力:人の頭蓋骨ひとつ。
  • 出力:暗緑色の光を放つ青い宝石で出来た頭蓋骨ひとつ。Dクラス職員に取り出させようとした際に激しい光を放ち消失。
この後この実験をした博士は何が起きたのかを調べるために今度は骨格全部をぶち込んだ。結果は[編集済]になっており、実験したフェニックス博士は何を見たのかわからないが、辞任を希望した。


というか死体を入れるなって禁止されてるはずなのに死体が割と色んな形でぶちこまれているんだがそれは大丈夫なんですかね…?
(ハンバーガーとかツナサンドとかひき肉とか頭蓋骨とかクジラの脂肪とか)

補足

  • 割と嗜好品を入れた実験が多く、「チョコ入れたら別ブランドになったぜ!」「ひき肉入れたらステーキになったぜ!」「モナリザのコピー入れたら本物になったぜ!」などというふざけた実験だらけ。終いには「ラベンダーの匂いがすると書いた紙切れを入れたら実際にラベンダーのにおいがしました」という実験が行われ、博士がブチ切れた。「つぎ娯楽のための実験が起きたらお前懲戒処分な」実際実験の大半は割と楽しそうである。なおステーキの場合は一度の成功で味をしめてもう一度ひき肉入れたら未知の生物が生み出された模様。

  • ジェラルド博士はこのゼンマイ仕掛けの実験に参加している時、ただ転んだだけで86箇所にダメージを与えており、ギアーズ博士がジェラルド博士の功績を讃えて彼のSCP-914実験への参加を一切禁止した。

  • ちなみにギアーズ博士はこのSCP-914について書いてあるドキュメントをVery Fine設定にして出力させた。これによりSCP-914の詳細な説明を得られたものの、書いてあることが難解で解読に時間がかかっている模様。

  • ブライト博士SCP-294(コーヒー自動販売機)が生成した「一杯のオーガズム」をこいつに入れてVery Fineで動かしたらしく、禁止リストに追加されている。他にもいくつかのオブジェクトを投入しようと試みた模様。なにやってんだあのエロ猿は。

  • 誰かが侵入して武器を入力していることが判明している。しかし出力は『この武器はそれ以上改善させることが出来ません』と刻み付けられた以外何も変化しなかったらしい。

  • SCP-682を入れようとしたことがある(終了実験として)。ただでかすぎて入らないということで中止。

  • 犬になってしまったことで有名なケイン・パトス・クロウ教授はこいつを利用して人工的にヒューマノイドを作ろうとしていた。その後を描いたTaleではそれらのヒューマノイドが処分された様子(Taleなので正史ではないが)。


  • 機械なので当たり前だが思考能力はない…はずなのだが、前述のようにチェスができる。意思を持っているのだろうか?


入力:SCP-914の項目。
設定:Fine
出力:追記・修正されたSCP-914の項目。

入力:上記のSCP-914の項目
設定:Fine
出力:未知の言語や現在まで使われた事がない文法で書かれた日本語が混じった項目。SCP-914に書かれた情報全てが書かれており、その上実験時より後の日付の記述や解説、それらが与えた影響や書かれた背景の事細かい記述も含まれた。
コメント:やはり記事は自分たちで書くしかないようだ。


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最終更新:2024年03月16日 13:29

*1 米国の絵本作家・詩人。