名前のわからないアレ

登録日:2015/02/08 Sun 22:23:30
更新日:2024/02/19 Mon 17:47:43
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「えーと、ほらアレだよアレ、名前わからんけど」


よく目にするものだけど、思えば名前を知らない・わからない。そんな「名前のわからないアレ」。
皆さんはその名前を知りたい……と思ったことはないだろうか。

この項目ではそんな「名前のわからないアレ」について説明していきます。




器物

「弁当に入ってるギザギザの葉っぱ」

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弁当や寿司の入れ物に入っているギザギザのアレ。

「ヤマザキ」という人も多いが正式名称は「バラン」モモンガみたいな大怪獣人間を憎む竜の騎士「あるまじき」が口癖の魔術師ではありません。
ユリ科の植物ハラン(葉蘭)をモチーフにしている。料理店等でおかずとおかずを仕切るために使われていた葉蘭を人工的に再現した物らしい(なので、昔は「人造バラン」と呼ばれていた)
ちなみに、NHKプレ基礎英語の中で放送されていた「スシタウン」ではバランは「スシタウン」の世界の貨幣として登場している。



「醤油の入った魚」

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   ̄ ̄
こちらも弁当や寿司に一緒に入っている、魚型の容器。

正式名称は「ランチャーム」
ただしこれは商品名なので、他社のものは「たれびん(タレビン、タレ瓶などの表記もある)」と呼ばれる。
日本生まれであり、他にもブタやひょうたんのデザインのものがあるので一見してみては。



「食パンの袋を留めるM」

「M字」で形を表現できる、食パンなどの袋を留めるために使うプラスチックのアレ。

正式名称「バッグクロージャー」
無駄にカッコイイ。袋(Bag)を閉めるもの(Closure)という単純な単語の並びなのに、この強者感。
なお現代ではほぼパン専用の留め具なので海外ではBread clipとかBread tagsなんて呼ばれている。

アメリカのフロリド・パクストンが「リンゴを袋詰めにして、口を留める方法はないものか」と思案した結果、
ポケットナイフでプラスチックの破片を削ったのが始まりだと言われている。
日本では埼玉県川口市に1ヶ所だけ工場があり、年間26億個以上消費されている。



「渋い酒好きがウィスキーとか入れてる金属製の水筒みたいなの」

正式名称は「スキットル」
他にウィスキーボトル、ヒップフラスコ、フラスクボトル、ケトルポケット……等の通称もある。

ウィスキー等の蒸留酒の携帯や保存の他、キャンプの水筒としても使われる。
絶妙に曲がった形状はジーンズのポケットに滑り込ませるのにも適しており格好いい。

嘗ては銀やピューター(錫の合金)が材料として使われていたが、現在は強度や値段の観点からステンレスが主流で1000円程度から買える。
高価な物はチタン製で1万円以上はするが、ステンレス等とは違い金属臭さが中身に付かない為、
本家wiki等でも「拘るのならば」チタン製が材質、風味、強度の何れからも推奨されている。
ただ思い入れからあえてピューター製のものを使って味の変化を楽しんでいる勢も少数だがいるとか。
形状から想像できる通り充分な洗浄が行いにくく、水ですすいで乾かすとか殺菌剤を入れる等の方法でしか洗えない。
そのため雑菌が繁殖しにくい 度数の高いアルコール以外を入れるのは非推奨 (メーカーが注意書きしている)。
子供が大人の真似をしてお父さんのスキットルにジュースとか入れて持ち歩き、口を付けて少しずつ飲んだりするとあっという間に雑菌が繁殖して酷い目に合う。

「スキットル」の語源は古い時代にイギリスで遊ばれていた同名のゲームから。
ボウリングの元になったゲームとも言われ、このゲームに使用される木柱(ピン)に形状が似ていることから名付けられたらしい。



視力検査で目にするC」

C
C
C

義務教育を受けた人なら必ず見ることになると思われる、様々な大きさの一部が切れた輪っか。
眼鏡店や眼科、珍しいところでは運転免許センターにもある。

正式名称「ランドルト環」
名の由来は考案者である眼科医エドムンド・ランドルトから。いわゆるエポニムである。
コイツも無駄にカッコイイ。

一方でE字型のタイプはそのまんま「Eチャート」と呼ぶ。

ちなみに目を隠すアレは「遮眼子(しゃがんし)」、
レンズを入れ替えられる黒いフチのメガネは「検眼枠」と呼ばれている。



「医者が頭に着けてるCDみたいなの」


-◎-
(´・ω・`)

「お前ら医者になったら何のCD着けたい?」などとネタにされることもあるが、もちろんCDではない。

正式名称は額帯鏡(がくたいきょう)
凹面状の鏡の中心に穴が開いており、これを通して患部を見ることで無影の明るい視野を確保できる道具である。
現在は医療用ライトなども発達しているため、着用される機会も減少傾向にあるが、医者のステレオタイプとして広く定着している存在である。



「跳び箱でよく踏む板」

踏切板の一つ。体育の授業で踏んでいた方もいることだろう。

正式名称は「ロイター板」
名の由来は開発者リチャード・ロイターの名前から。
板ばねを採用し合板の弾性を利用する構造になっている。

ロリっ子たちに踏まれてうらやまs(ry……ゲフンゲフン!
擬人化したらドMになりそうな板である。



「工事とかで立ってる赤いの」

A

よく工事現場などで見かけるとんがりコーン。

正式な名前は「パイロン」

何気に卑猥な名前である。どうぶつの森シリーズでご存じの方もいるかも。
小学生がよく被って遊んでいる。
デカいものだとプラスチックに似た材質と布製の材質を組み合わせて空気で膨らませる大体ビルの8階から9階くらいのものも存在しており、エアレースで使われている。
たまに飛行機の翼がぶつかって一部が千切れ飛んでしまう*1が、3分で張り替えて修復可能。

Wikipediaは「パイロン」だと他にも色々同名のものがあるので「ロードコーン」を項目名に採用している。
「カラーコーン」と言う人もいるがそれは登録商標である。ちなみにコーン(cone)は円錐のことで一般名詞。



「散髪屋で回っているグルグル」

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理容店や散髪屋の外でグルグル回ってるやつ。

正式な名前は「サインポール」。「ポールサイン」だとポールを用いた看板になる。
「有平棒」「アルヘイ棒」とも呼ばれる。

一説にはあのカラーリングは、
“中世の理容師が外科医も兼ねていたために、赤が動脈、青が静脈、白が包帯を表している”と言われていた。
しかし、『トリビアの泉』内のコーナー「ガセビアの沼」にて、
動脈と静脈が判別されるようになったのは17世紀頃になってからなので、上記の説のうち「青色が静脈」の部分はガセだと説明された。
(赤が血液で白が包帯であるところまでは上記の外科医起源説においては本当)
そもそも静脈血は青くなく赤黒い。
『いつ、誰が発明し、どのように普及したか』の文献記録が一切無いため、おそらくこれからも青が何由来なのか誰も解明できないだろう……。

ついでに散髪屋繋がりで言うと、髪を切るときに座るあのクルクル回る椅子は「バーバーチェア」という名前。



「福引で回すガラガラ」

よくガラガラと言われるが、赤ん坊をあやす道具とかポケモンの方ではない。

正式名称は新井式廻轉抽籤器(あらいしきかいてんちゅうせんき)
開発者の新井卓也氏が名付け親で、かつては東京抽籤器研究所の専売特許であったが、今は特許期限切れだとか。
仮面ライダーセイバー第5章において新堂倫太郎/仮面ライダーブレイズがこの名前を口にした事で知った人も多い筈。おかげで倫太郎が「正式名称辞典」と言われているとかいないとか



「アニメに出てくる、横に機械がついている風呂」

現実では見かけないのに、アニメでは頻繁に登場するあの風呂。

正式名は「バランス釜」といい、1990年代以前によく使われていた旧式の風呂で、築年数が経過している家でないとまずお目にかかれない。
ちなみに、あの機械の部分が今でいう所の給湯器+追い焚き器。少数派だが追い焚き機能しかないモデルもある。
これで沸かした湯はシャワーや浴槽への給湯に使うが、配管で湯を外部に取り出せるモデルもあり、バランス釜で台所の給湯も賄っていた、という家もあった。
今となってはこの機械でスペースを食う分浴槽が狭くなる、掃除がしにくいなどデメリットの方が目立つ。

とはいえ故障入れ替えで一定の需要はあるようで、口火の点火がカチカチと音の響く回転レバー式から、つまみをひねるだけで静かに自動点火できる電池式になり、地味にアップデートしている。
なお、そんな古いものがアニメには頻繁に出てくる理由については謎に包まれたままである。



「レジでお金を置く皿っぽいの」

「カルトン」と呼ばれるもので、お世話になってる人もいるだろう。
他にも「会計盆」「コイントレー」「キャッシュトレー」等とも呼ばれている。

一昔前はカルトンに銭を置かず手渡ししている店員や客も多かったが、色々あって今は一番使われている。



「港にある昔の映画や写真でマドロス(水夫)が足乗せてるヤツ」

            
         ┌──────
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「ビット」
当然と言えば当然だが、カッコつける為のオブジェでは無くて船のロープを引っ掻けて係留させとく為の物。
件の『トリビア』で「ボラード」と紹介され、そう覚えている方も居るが、正確には港にある「ビット」に対して「ボラード」は船の甲板にある2本並んでいる物を指す。
そして、実際にはかなり形状も違う。

…とされているが、そのビットとボラードの使い分けは日本だけの可能性がある。
オックスフォード英語辞典にはbittsが甲板上の双係柱bollardsが岸壁・桟橋にある単係柱を指すとされており、
政府間海事協議機構(国際海事機関)による用語集では甲板上の双係柱がbittsもしくはbollards岸壁上の単係柱がbollardsとなっている。
(以上の部分は、まさにこの問題に触れた1976年の論文『ビットと呼ぶかボラードか』を元にしており、ネット上でも閲覧可能である)
ちなみに路上で自動車の侵入を防ぐための埋め込む杭や構造物もボラードと呼ぶ。



「港にたくさん置かれてる四方向に出っ張ったでかいマキビシみたいな奴」

名称は「消波ブロック」。そのまんまである。

よく聞く「テトラポッド」という名前は株式会社不動テトラの登録商標。
aikoの楽曲『ボーイフレンド』で「テトラポット登って~」って歌詞が商標名どうので問題になりかけたものの、「テトラポッ」なので別物であるという結論に落ち着いた。
アニヲタ的にはじょしらくの防波亭手寅の元ネタとしても有名か。

波を防ぐのに最も適した形があのデザインだという。
フナムシなどの磯や沿岸に棲む生き物の住処になっている人気者(?)である。
但し隙間に入ったり落ちたりしたらその構造上出る・出すのが非常に難しく、更に波が当たると内部でかなりの水流が発生する為助からない可能性も高いので絶対に興味本位で近づかない事。



「スーパーのお買い得商品コーナーにおいてある、白くて手が生えてて大音量で音楽を鳴らしてるやつ」

「呼び込み君」とちゃんとした名前が付いている。製造元である群馬電機株式会社が名付けた商品名。

スナックバス江』では流れるBGMのテンポから「ポポーポポポポ」でネタにされ紹介された。
スーパーによっては手をもがれて顔だけのものや、あるいは顔も手も無いただのスピーカー状態の無残な姿になっているのものある。
非常にシンプルかつ短いメロディーを繰り返す曲調だが、むしろこれが耳と頭に残りつつ適度に買い物の邪魔をしないのだという。
(2002年に爆発的な大ヒットをしたスーパーの鮮魚売り場御用達楽曲『おさかな天国』にも同様の特徴がみられる)

実は呼び込み君本体には2種類のBGMが搭載されていて、背面のスイッチで流すBGMの切り替えができる。
通常我々が耳にするポポーポポポポは「No.4」。もう一つはボサノヴァ調の「No.2」。No.2も物凄く良いBGMなので必聴!
個人でも群馬電機オンラインショップで一台2万円ちょいで購入可能。

D4DJにも何故かこの曲が収録されている。輪舞曲やピキピキといった格好いいグループでも「私、この曲お気に入りなの…」と浸る姿はとてもシュール。



「プチプチ」

荷物の梱包材に使われる、空気の入ったビニール製のシート。
みんな大好き中毒性のあるアイツ。

正式名称は……実は会社によって名前が違うので決まった名前がないのである。

気泡緩衝材、プチプチ、エアーキャップ、エアーパッキン、ミナパック、キャプロン、エコロガード、エアセルマット、サンマット、ペインマン……。

といろいろあり、その呼び方の違いも人や会社によって違う始末。
少なくともあの「指で潰して楽しむやつ」を指す際はプチプチと呼んでおけば間違いはない。他の呼び方だと「段ボールの緩衝材」などを指す場合があるからだ。

ちなみに8月8日はプチプチの日である。



「トイレの詰まりを直すスッポン」

「ラバーカップ」
スッポンやパッコン、カッポン、パコパコ等でも通じるが、正式名称はラバーカップ
起源は1874年アメリカで、申請名は「ベント・クリアラー(vent-clearer)」。但し欧米では「プランジャー(plunger、水の中に突っ込むヤツ)」という通称で呼ばれる。
ベセスダ・ソフトワークス製作のFalloutシリーズにはこのプランジャー名称で登場するため、こっちの名前で覚えているゲーマーも多いはず。

なお欧米の発明だけあって基本「洋式」用の模様で、和式にはフィットしない。

とっても!ラッキーマン』では、勝利マンが救世主マンの救世手への対抗策でヒーロートーナメント編でチラ見せした
スッポンを救世主マンにくっつけることでブラックホールを操る救世手を使うと救世主マンまで道連れにできるという作戦だったのだ



「書類とかプリントの類いを纏める為に紐とか通す穴開けるヤツ」

「穴開けパンチ」
迂闊に底のカバーを外すと丸く抜かれた紙のカスがバラ撒かれて悲惨なことになるアレである。
世の中には殴るパンチをはじめ多くのパンチが在るため、穴開けと付いている。
穴開けポンチとも関係ないぞ。
社会人になると使う機会が多くなるので覚えておいて損はない。
ゲーム『ペーパーマリオ オリガミキング』では、そのままの名前(パンチ)・姿でボスキャラとして登場。濃すぎるキャラクター性も相まって認知度はやや上昇した。



「博士がつけてる黒い円柱の上にノートみたいなのを乗せた帽子」

「モルタルボード」「トレンチャーキャップ」など様々な名称あり。「mortarboard(セメント板)」という名称はテッペンの板部分がセメントを載せる板に似ていることに由来する、らしい。
起源は諸説あるが一般的には「スクエアキャップ(角帽)」「オックスフォードキャップ」と呼ばれており、欧米の大学では未だに卒業式の正装として用いられる。一斉に帽子を宙に投げて祝うのもお約束。

但し日本では「博士帽」という名前の方が圧倒的に通りがよく、いらすとやなどでもこの名前で掲載されている。



「針に糸を通すやつ」


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家庭科の授業でよく使うアレ。お世話になった人も多いだろう。
正式名称は「スレッダー」
「ニードル・スレッダー」「スレーダー」「ニードルスレイダー」とも。

「糸を通す」という意味の動詞threadに、〜をする人という意味の接尾語erを付けたもの。
名前の知名度のわりにストレートなネーミングである。
針の穴に糸を通すための道具であるため先端部は非常に細く作られており、授業中に雑に扱ってしまい破壊してしまう小学生が日本各地で続出したとか。



「ケチャップとマスタードが一緒に入ってる容器」

コンビニでアメリカンドックなどを買った時にお付けしてもらえるアレ。
正式名称は「ディスペンパック」だったが、日本では2019年9月より「パキッテ」に改名された。

主にシングルとツインの2タイプで、それぞれに異なる形状がいくつかある。
コンビニでお馴染みのものは「ツインタイプ」の「対称型」。



「ホテルのベッドの枕側に置いてある、電灯や電話や時計が設置してある棚か机みたいなやつ」

「サイドテーブル」。ナイトテーブルと呼ぶことも。



「お寺の鐘をつくときに使う、ヒモのかかった太い棒」

撞木(しゅもく)」。読んで字のごとく鐘を()くための木。
除夜の鐘を鳴らす時の大きな丸太が有名だが、T字型の木槌タイプもある。
シュモクザメは口が木槌タイプの撞木に似ていたことから名付けられた。
ドラえもんのひみつ道具に「心つき出ししゅ木」があるので、こちらで知った人もいるかも。


「お坊さんが葬式で鳴らす、カーンと鳴る鉢みたいな楽器」

「磬子(けいす、きんす)」
本来この手のものは「鈴(りん)」もしくは「お鈴」と呼ぶが、お寺で使う場合は呼び方を変える。
宗派や地方によって字や呼び方が変わるが、大体こう呼んでおけば問題ない。



「昔の漫画に出てくる、丸字に妙に腹の立つ笑顔を浮かべた顔文字」

でんぢゃらすじーさんや初期のこち亀に頻繁に出てくるあの絵文字だが、「BA-90」である。
写真植字機のメーカー「写研」による記号で、写植の仕事場では「記号BA-90」と呼ばれていたとのこと。「バクオ(BA90をそのまま語呂読み)」「のんきな父さん」「ぽげムた」「ニコちゃんマーク」は俗称。
近年では写研フォント自体目にする機会が激減し、滅多に見られなくなってしまった。
写研が持っているという著作権問題や、近年の著しいデジタル化によって筆耕や写植という仕事がなくなったことから情報がかなり混迷としている。



「観葉植物の植木鉢に刺さっている容器」

「アンプル」
薬液などを封入した小さなガラス製の容器のこと。密閉性は折り紙つきで、使用時には容器の首を折って開封する。
この容器は観葉植物の薬剤に限らず、注射薬等にも使われているので、創作作品でも名前を目にした人は多いはず。

強いて観葉植物用のアレだけを指す場合は「活力剤アンプル」「肥料アンプル」、製品名から「ハイポネックス」などと呼ぶこともある。



「カレールーを入れる魔法のランプみたいな容器」

正式名称は「グレービーボート」
グレービーとは肉汁の事で、ローストビーフに肉汁から作ったソースをかけるのにも使っていたことから。
日本ではカレーとグレービーボートが同時に伝わったため、カレーを入れる容器として広まったといわれる。つまりカレー容器にするのは誤用である。



「奴隷や捕虜が回している棒の生えた円柱状の装置」

キン肉マン』の超人墓場の場面で出てくるやつ、あるいは『魔法陣グルグル』で敵に捕まったキタキタおやじが回していたやつ…といえばピンとくる諸兄も多いだろう。
円柱状の櫓の側面から生えた棒を人が押して回転させている…というアレ。

一応ルーツと思われるものは存在しており、『旧約聖書』には大英雄サムソンが敵軍に捕縛された際、奴隷として挽き臼を動かす労働を強いられるという一幕がある。
現実においても、古代ローマの時代にはその手の人力回転で作動させるような圧搾機や製粉機といったものが存在していた。
またローマのコロッセオには、これを動力とする昇降機が28台あり、闘技場への野生動物の運搬に用いていたという。
もっとも、創作に登場するのは大抵「なんとなくキツイ仕事をさせられている感じ」を表現するための舞台装置としての意味合いが強くなりがちで、装置の明確な用途が描かれることは少ないのだが。
『魔法陣グルグル』のケースに至っては「意味はない」とはっきり断言されている。

但し、上記で例として出した『キン肉マン』に関しては後年になってから「禁断の石臼(モルティエ・デ・ビン)」なる名称が判明し、
これを回すことで超人が復活できるためのパワーが生成されると解説された。

また、主に帆船で使用されている、垂直軸回転式のウインチは「キャプスタン」と呼ばれている。
ONE PIECE』に登場するゴーイングメリー号内でも、砲列甲板兼錨綱格納庫の中央に据え付けられているのが、SBSで公開された図解で確認できる。


「天使や死んだ人の頭上に浮いている輪っか」

「ヘイロー」
英語でhaloと綴り、後光・光背・光輪などと訳される。
天使のイメージが強いが、神や仏などを表す記号としても用いられる。死者を表す記号として用いられることもある。

ブルーアーカイブでの少女の頭上に浮いている紋章の様なものもヘイローと呼ばれているが、その名の由来もこの光輪からきている。
またHALOシリーズや『機動戦士Vガンダム』にて、リング状の巨大構造物に「ヘイロー」とか「エンジェル・ハイロゥ」と名づけられているのも由来は同様であろう。
かの大谷翔平選手が所属しているMLB球団ロサンゼルス・エンゼルスのニックネームも「ヘイローズ」であり、現地実況に耳を傾けているとよく使われている。


カーテンのシャーっていうやつ

レールに沿ってカーテンを横に動かす金具。
正式名所は『ランナー』という割とまんまな名前。


「道端に立ってるオレンジ色の丸い反射板」

カーブや中央分離帯によく設置されているアレは、正式には「視線誘導標」と言う。英語で「デリニエーター」と呼ばれることもよくある。商品名などでは更になまって「デリネーター」と呼ばれることも。
ちなみに、道路沿いに設置されているものによく付いている、くるくる回る羽根は、汚れを落とすためのワイパー。


「服着てない/四足歩行のミッフィー」

みんな知ってるミッフィーにそっくりな(・x・)顔の動物。
↑の通り裸+四足歩行なアレ。
正式名称「ブルーナファミリー/アニマル うさぎ」。勿論ミッフィーと同じ会社の版権。最近はゲームセンターの景品でもよく見る為ようやく覚えた人もいるらしい。
何故か『 野生のミッフィー 』と言うパワーワードじみた名前まで勝手につけられている事も。


「駅の入口で流れているピンポンというチャイム」

地下鉄の駅や公共施設でよく流れている、「ピ〜ン、ポ〜ン」というあのチャイムは「盲導鈴(もうどうれい)」と呼ばれる。
名前の通り目の不自由な人を安全に誘導するための音である。
ちなみに国際基準があり、従来のものより若干シャープな音色となっている。
駅のホームで鳴っている鳥の鳴き声もこれの一種で、階段の位置を示している。



「駅の自動改札機に付いている小さな扉」

残高不足やタッチのし忘れで引っかかってしまった人もいるのではないだろうか。
あれの正式名称は「フラップドア」と言う。
パタパタと開閉するものを意味する「flap」と「door」を組み合わせた言葉。
小さいので乗り越えようと思えばできてしまうが、その分利用者が挟まれる事故を防げる利点がある。



「天井に貼ってある虫食いみたいな穴がたくさん空いた板」

ビルの天井などでよく見るコレは、「ジプトーン」と呼ばれている。厳密には吉野石膏の商品名だが、作っているのが1社しかないので他の呼び方が無い。
この板は石膏ボードの一種で、防音・吸湿・耐火などの効果があり、さらに模様がついているので壁紙を貼る必要もない優れ物。
ただし模様が不気味で怖いという意見や、安っぽく見えるという意見も多く、最近の建物では減ってきているようだ。


「引っ越し屋がエレベーター内や壁の角に貼るシートやテープ」

養生シート・養生テープ。
主にぶつけたり、擦ったりすることで発生する傷から守るために使用する。
特にエレベーター内は狭いのでしっかりと貼られている。
そして、養生シートを固定するために使うのが養生テープ。これは作業後に剥がすことを前提としているので粘着力は弱く、糊も残り難い。
エレベーター内のプラダン製の養生シートはよく凹まされたり、指で押しあてていたずら書きされる運命にあるのはある種のお約束。



「カニを食べるとき、カニの脚の身をほじくるやつ」

正式名称は蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具(かにこうかくるいだいたいぶほきゃくみとりだしきぐ)
ドラゴンボール超破壊神ビルスとウイスがカニを食べる際に名称付きで使用したためこれで知った人も多いのでは?

と思いきや、実は正式名称ではない
2008年のツアーバスにてバスガイドがネタとして出したクイズがツアー客のブログにて「正式名称」として掲載され、それがネットの海に広まっていったようだ。
2008年以前ではこの器具の名称について確認出来る情報源が見つからず正式名称は結局のところ不明である。
しかし、今日では「蟹甲殻類大腿部歩脚身取出器具」という名称で販売されていることもあるため時間をかけて正式名称となった、と見なせるかもしれない。
なお、「カニスプーン」や「カニフォーク」の名称で販売している会社もある。



「競馬場やゴルフ場に置いてたり、アンケート用紙にくっついてたりする持ち手がプラスチックのえんぴつ」

正式名称は「ペグシル」。日本のゴルフ用品メーカーである岡屋株式会社が製造している商品。
持ち手の上部がクリップになってるのが特徴で、牛乳瓶の栓抜きにも似た形だが実際それをヒントに開発されたという。
名前の由来は「ペグ」+「ペンシル」だが、このペグはテント用品のアレではなく芝生の修繕道具の「グリーンフォーク」のこと。
この通り本来はスコアを書くために作られたゴルフ用品だが、ゴルフ以外にも利用の場は広がっており
感染症対策で選挙の投票用紙記入に用意されるようになった事もある。


生物

「たまに公園とかで見かける、なかなか飛ばずに全速力で逃げる白と黒の足の速い鳥」

「ハクセキレイ」。ユーラシア全土で一般的なセキレイの仲間。
一見すると目を誘う鳥だが、実際は全然珍しい鳥ではない。
元々は河原等の見晴らしの良い所を好む鳥であるため、都市部では駐車場の鳥としてお馴染みになった。



「雨上がりの地面でよく見る溶けたビニール袋みたいなやつ」

「イシクラゲ」
ビニール袋などではなく、シアノバクテリアと呼ばれるれっきとした生物の1種。
クラゲとついているが、海のクラゲともキノコの1種のキクラゲとも関係はない。
ワカメに似ているが、実は食用にもなる。



「『ホーホーホッホー』という鳴き声のようなやつ」

田舎とかでよく聞く何かの鳴き声のようなやつ。気にした事はないけど言われてみればわからないやつである。
その正体はキジバトという鳥のさえずり。
\
ホーホーホッホー
/
キジバトとは住宅地や農耕地、森林などに住んでおり、ブドウ色の体色と背中のウロコのような模様が特徴的な鳥。
そこらでたくさん見かけるドバト(ハトポッポのあいつ)とは別の種類のハトである。



「コロコロ転がってる草」

西部劇で風が吹く荒野によく転がってるアレ。
正式名称は「タンブルウィード」(「回転草」)というオカヒジキ属の植物の仲間。

人工的な要素はなく、自然でああいう草である。
また「転がっている内にこういう形になって行く」のではなく「転がりやすいように最初からこういう形になる」
ボール状に成長した地上部が根元からちぎれ、転がることで種子を撒き散らし繁殖する。
北米では大量発生し、生活の妨げになることが多々ある。ガソリンスタンドが埋まるほど湧くことも…。
西部劇で転がっているのは直径20~30cm程度だが実際には1mを超えるものも珍しくなく、中には人間より大きくなるものもある。
余りにも西部劇に合いすぎたせいか植物も生えない不毛の地に転がっている事もある。

ちなみに、タンブルウィードは1900年以降にアメリカに持ち込まれた外来種なので、実際の西部開拓時代(1860~1890年ごろ)にタンブルウィードは存在しなかった。
撤去しても撤去しても次々と撮影シーンに転がってくるので、撮影陣が諦めてそのまんまにして撮ったところ、西部劇の定番アイテムとして定着してしまったという。

任天堂のゲーム『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』ではアイテムの1つとして登場したほか、『ティアーズオブザキングダム』では拾えはしないが壊せるオブジェクトの1つとなっている。
ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』ではこれをモチーフにしたアノクサ、アノホラグサというポケモンが登場した。


プププランドの地面によく刺さっている「アレ」


なんか毎回背景にあるけどたぶん誰も気にしたことないアレ。
え~っと……何なんだ?アレ。
だって仕方ない。アレ、 公式ですら 正式名称が定まっていないのだから。
詳しくは項目参照。



「トリコが10話で小松に渡す「アレ」」

それはグルメスパイザー。これを使うと料理が美味くなるらしい。大人の事情で無理矢理ねじ込まれたのは内緒
「「ありがとうございますっ!!」」



「上唇の真ん中にある溝」

「人中」

本来哺乳類は嗅覚が発達した部類の生物であり、その鼻の機能を維持するために鼻を常に湿らせておく必要がある。

そんなわけで哺乳類には上唇から鼻にかけて溝があり、この溝を利用して鼻を湿らせた状態にキープしているのだが、ヒトを初めとしたサルの類は視覚が発達しているため、嗅覚に頼る必要が薄く、鼻を湿らせる必要性がない。

なのでヒトの人中は痕跡器官なのだが、ここが正常に形成されないと口唇口蓋裂という異常になってしまうので、ちゃんと発達しないとそれはそれで困る。

概念

「アニメのオチ場面で画面が丸く閉じながら暗転していく演出」

スーパーマリオワールドクリア時とか、「とほほ~もう〇〇なんてこりごりだよ~」というセリフがお決まりのアレ。
これにもちゃんと名前があり、「アイリスアウト」というのが正式名称。
カメラのレンズを絞るように、画面の一箇所に向けて映像が小さく収束していくことが名前の由来。
1913年にアメリカの映画監督D.W.グリフィスが、自身の監督作品『The Battle at Elderbush Gulch』で使用したのが最初と言われている。
そう、ギャグアニメでおなじみになったアレの起源は実写映画だったのだ。
逆に一箇所から徐々に画面全体に広がるのは「アイリスイン」と呼ぶ。

昭和のアニメでばかり使われていた様なイメージがあるが、実際は平成に入ってもキテレツ大百科』(1988年~1996年)で多用されていたため、
昭和時代のギャグオチというよりも「20世紀のアニメにおける古典的表現」と言ったほうが正しいかもしれない。

現在は使い古された表現を逆手にとって、懐かしのオチ・引きとしてパロディ的に使用されることがメイン。



互いに人差し指を突き出しあい、先攻から交互に相手の好きな手をタッチして指が5本開いた手はアウトになる手遊び

名前は割り箸・マッチ・グリンピース・戦争・プラフィンなどがあるが、地域によって名称が違うため他の地方では通じないこともある。
詳しくは項目参照。



「旅館の部屋にある、窓際に机の置かれた居心地のいい空間」

「広縁(ひろえん)」
本来は「幅の広い縁側」のことを指す。デュエルスペースではない。
元々は広縁および縁側は、窓側ではなく共用の廊下側に突き出した部分。
つまり、昭和以前の昔の湯治宿の作りでは広縁のあるほうが部屋の入口だったのだ。
現在はそういった作りではなくなり、文字通り部屋の奥でゆっくりくつろげるスペースとしての役割を担っている。



「コンビニにある飲み物を補充するスペース」

正式名称は「ウォークイン冷蔵庫」。更に縮めて「ウォークイン」
人が入れる大きさの冷蔵庫を称してそう呼ぶ。場所によってはリーチインとも呼ばれる。
広さはコンビニによってまちまちで十分なスペースがある店もあれば、3-4人入るとぎゅうぎゅうの店もある。
商品を常に冷やさなければならないので中は寒く、夏場はありがたいが冬場は地獄。




楽曲

「手品の時バックで流れているあの曲」

バイオリンの前奏から始まり、チェンバロの軽妙なメロディが印象にのこるアレ。
チャラララララ~♪

クロード・モルガンの発表した曲、「オリーブの首飾り」(原題は『El Binbo』)。
例の曲はポール・モーリアが編曲し、1975年に発表したアレンジバージョン。
日本で手品のBGMとして有名になったのは日本を代表する名奇術師の一人、松旭斎すみえ氏が自身のマジックショーのBGMとして採用したことが切っ掛けなんだとか。
実は石井明美が歌ったボーカルアレンジバージョンが存在する。
一方、海外では映画「ポリスアカデミー」でゲイバーのシーンのBGMで使われたことからソッチの印象が強い曲なんだとか。



「運動会で競技中に流れているあの曲」

タタタータタタータタタタター
タッタタタッタ・タッタッター タータッ・タータッ・タータッ・タタター
タッタタタッタ・タッタッター タタタタ/タタタタ/タッタタター

ドイツのヘルマン・ネッケによる作曲『クシコス・ポスト』。
日本では「クシコスの郵便馬車」等とも呼ばれる。
「クシコス」だけで「馬車」の意味があるのでちょっと問題ある邦題なのだが
原曲はピアノソロなのだが、たいていは管弦楽版、吹奏楽版が使われる。
これ以外の定番曲は、
天国と地獄』(ジャック・オッフェンバック、ドイツ)*2
剣の舞』(アラン・ハチャトゥリアン、旧ソ連)
道化師のギャロップ』(ドミトリー・カバレフスキー、旧ソ連)
トランペット吹きの休日』(ルロイ・アンダーソン、アメリカ)
スイス軍の行進(「ウィリアム・テル序曲」という呼称の方が馴染みがあるかもしれない)』(ジョアキーノ・ロッシーニ、イタリア)
アルルの女 第2組曲ファランドール』(ビゼー、フランス)
などがある。
クシコス・ポストは嘉門達夫のコントやそれを使って作られたうごメモ等の理由で筆頭と言えるほどに知名度が高いが、なぜか本来のタイトルは知られていない。

なお運動会繋がりで、表彰式に流れるあの曲の名前は、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルによる作曲『ユダス・マカベウス』の中の一曲、『見よ勇者は帰る』(あるいは得賞歌)である。



「忙しない空気感の時の曲」

カタカタカタカタカタカタカッ、カタカタカタカタ チーン! ジャッ!

ルロイ・アンダーソンの「タイプライター」
忙しない感じなのは本当に「忙しいオフィスを表現した曲」であるため。
終始聞こえ続ける「カタカタカタカタカタ……」という音は全てタイプライターの打鍵音。つまりタイプライターが楽器として用いられている
また打鍵音が一区切りする度に聞こえる「チーン」やその直後の「ガシャッ」も、タイプライター担当者が叩く卓上ベルや文字を改行させる為に紙をスライドさせる音である。



「馬が出て来るシーンでよく流れる曲」

フォスターの「草競馬」
何の脈絡もなく馬と絡められているのではなく元から競馬をモチーフとした曲。
ばんえい競馬の締切直前BGMや、京急立会川駅*3の接近メロディ、2020年東京オリンピック開会式のピクトグラムのパフォーマンスで馬術の場面でも使用された。
日本ではなじみが薄い印象であるが実は歌詞もある。



「サッカー日本代表の応援歌になっている曲」

ヴェルディの「アイーダ 凱旋行進曲」
古代エジプトとエチオピアの戦争、その最中に繰り広げられる男女の悲恋を描いたオペラ「アイーダ」のワンシーンで流れる曲。
その名の通り、アイーダのハイライトであるエチオピア軍を撃破したエジプト軍が凱旋するシーンで流れる。
因みにアイーダは全四幕構成だが、凱旋行進曲が流れるのは第2幕第2場。つまりほぼ中盤である。

つまり本来サッカーとは全く無関係な曲なのだが、これが「サッカーの曲」となったのは「中田英寿がセリエAのパルマFC時代に応援歌として使用されていたのを気に入り、自分のHPで紹介した事が切っ掛け」とする説が有名であるが、
日本語版Wikipediaではこれを否定する説が挙げられており、根本は不明。



「ヘリコプターが出て来る時のあの曲」

ワーグナーの「ワルキューレの騎行」
悲鳴めいて甲高い弦楽器の前奏から始まり、後から続く管楽器のメロディとその背後で響き続ける弦楽器から物々しい印象を受けがちな曲。
ヘリコプターのイメージになったのはベトナム戦争を描いた映画「地獄の黙示録」にて、米軍の攻撃ヘリ部隊がベトコンの集落を襲撃する場面にて、
敵への威嚇と自軍の士気高揚を兼ねてヘリから大音量でワルキューレの騎行を流しながらベトコンを攻撃する場面がある事に因み、
それが様々にパロディされて行く内に完全にヘリコプター(が襲撃して来る時)のテーマの様になってしまった。
音楽ファンタジー ゆめの同曲ムービーのイメージ風景然り、
爆竜大佐が出て来る度にワルキューレの騎行を流すのも、「ゲート」でヘリ部隊がこの曲を流しながら対地攻撃無双するシーンがあるのも、元を辿れば皆「地獄の黙示録」である。

原曲はワーグナーのオペラ「ニーベルングの指環」四部作の第二作に当たる「ワルキューレ」の第3幕開幕直後に流れる曲である。
8人のワルキューレ達が空を駆ける馬に乗りながら岩山に集結して来るという場面で、つまり空を飛ぶものが飛んで来るという意味では地獄の黙示録は原作とそこまで変わらない
そこで繰り広げられる会話は「あなたの馬は私のの隣に繋ぐと良いよ」だの「私とあなたの連れて来た戦士は仇同士だから離した方が良くない?」だの「やけに遅かったね」「仕事で忙しかったのよ!」だのといった具合で、
別に大虐殺のシーンでもなければ緊迫の決戦シーンでもない、何てことは無い、他愛もない働く女性の会話のワンシーンの曲である。
寧ろ雰囲気が悪くなるのはこの後、主神にして父であるオーディンの命令に背いたワルキューレの一人、ブリュンヒルデが到着してからである。



「正月に初日の出や神社の映像のBGMでよく流れている、ぷぇぇぇ~ぷぇぇぇ~って曲」

「越天楽(えてんらく)」
よくこの曲を指すときに使われる「雅楽」は曲のジャンルのこと。
古代中国から伝わってきた非常に古い曲であり、伝わった正確な年代や、伝えた人は不明。
古い曲なので表記揺れや派生曲も非常に多い。



「和風の映像のBGMでよく流れてるデン デデデデデデン……って曲」

「春の海」
1929年に宮城道雄によって作曲された、比較的新しい曲。本来はバイオリン版もあったようである。


「イギリスネタの時に流れる、パーパーパ パパパパ パーパー パパパパ……って曲」

「Scotland the Brave(勇敢なるスコットランド)」
バグパイプの音色が非常に心地よくそしてイギリスがネタにされる動画でわりと流れるイメージが付きまとうケルティックな行進曲。
作曲者は不明だが、今のやたら勇ましい歌詞は1950年代に後付けされたもので一切の時代考証が存在しない。
しかしそもそも歴史的にどのようなタイミングで歌われていたかには諸説ある。



「ソ連ネタの時に流れる、デェェェェェンって曲」

「ソビエト連邦の国歌及び「ロシア連邦国歌」
作曲者はアレクサンドル・ワシリエヴィッチ・アレクサンドロフ。日本では「祖国は我らのために」と呼ばれている。
ソ連Ver.もロシアVer.もデェェェェェン部分含めメロディは大体同じだが歌詞が異なっており、ソ連Ver.も時代によって複数の歌詞がある。
近年は音MAD素材として有名。



「ファミマに入るときに流れてくるあの音楽」

元はパナソニック(旧松下電工)製のドアチャイムに用いられている音楽で、稲田康によって作曲されたが、当時は名前はなかった。
2000代に入り、ファミリーマートがこの音楽を採用したことで、この音楽の知名度が爆上がりし、広く認知されることになったのだが、それでも正式な名前は不明のままだった。
2015年にようやく、作曲者の稲田康自身によって正式に名前が付けられた。
その名も『メロディーチャイムNO.1 ニ長調 作品17「大盛況」』
割と長い



「ハードオフでよく流れている曲」

「NSC-SC-1903」
実の所これはハードオフのテーマ曲ではなく、元々は著作権フリーの有償音源である。
今日ではあまりに「ハードオフの曲」として定着しているが、配布サイトにて約3000円で購入すれば誰でも公然と使用できるため、
個人での店舗経営者のwiki籠り諸氏も購入すればご自分の店内で流して全く構わないという事である。



アンツィオ高校のテーマとか、ゼナとかハワイアンズとかクリクラとかいろんなCMで使われている曲」

「フニクリ・フニクラ」
元々は1880年にイタリアのヴェスビオス火山のケーブルカーの宣伝としてラジオで流されていた曲。
つまり最初からイタリアのCMソング……それどころか世界最古のCMソング説があるという由緒正しいCMソングである。

歌詞はナポリ語で、サビの歌詞は「行こう!行こう!頂上へ!」といった意味。
日本のCMでは様々な替え歌で歌われているが、ハワイアンズ等の「行こう、行こう」は替え歌どころかそのままという事になる。
また登山とは全く無関係な歌詞になっているわらべ歌「鬼のパンツ」もこれの替え歌である。
先述の通り元はナポリ語なので、登山用ケーブルカーのCMソングと言えど(やーま)! (やーま)! やっぱ山や!」に聞こえるのは偶然であろう。


「お風呂が湧いた時に流れる曲」

ノーリツ製の給湯器を使用していると流れる、可愛らしいメロディのあの曲。
元々は、19世紀のドイツの作曲家・オースティン作曲の「人形の夢と目覚め」という曲の一部である。
子供向けの短い曲で、ピアノの発表会では定番。
ちなみにリンナイ製の給湯器からは「パッヘルベルのカノン」が流れる。



「ハローキティポップコーンのアレ」

ポップコーンマシンから「ハローキティ~こんにちは~」と大音量で流れているあの曲。
タイトルはそのまんま「ハローキティ」である。名前の通りキティのキャラクターソングで、歌っているのは林原めぐみ。
カラオケでも歌える。



怪しげな雰囲気漂う時に流れてくるあの曲


忍び寄る時やドッキリを仕掛ける時などに、バラエティでも頻繁に流れているあの曲。
正式名称は「ピンクパンサーのテーマ」。アメリカのアニメ、ピンクパンサーの主題歌である。


「えっちい感じな展開でよく流れてるワーオ♡・オーウ♡ってSE」

KONAMIのSTG「パロディウス」シリーズから「ちちびんたリカ」のSE
初代から登場する避けるしかない敵キャラと会合する度に流れる効果音から。あまりに有名な為かコナミ別ゲームまで出張した事も。


「歩行者信号が青になった時の電子音」

パー パーポー パーパポポー…
童謡「とおりゃんせ」の歌い出しの部分。
ジブリ映画でたぬきがビビっていたのもこれ。
どうして通りゃんせなんですかハカセ
最近は「カッコー、カッコー」や「ピヨッ!ピヨッ!」といった鳥の声に



「アレ」が正式名称なもの





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最終更新:2024年02月19日 17:47

*1 パイロンヒットと呼ばれ、数秒のペナルティ。先端部分は千切れやすい材質を使っているので羽根へのダメージは少なく、普通にそのまま飛べる。

*2 文明堂のCMで流れる「カステラ一番」の曲も、この曲のアレンジ

*3 大井競馬場の最寄り駅

*4 グラフィックも、片仮名で「アレ」という文字が堂々と書かれている