米国面

登録日:2016/10/16 Sun 11:30:37
更新日:2024/02/25 Sun 21:31:37
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米国面(American Side,American Style)とは、新大陸に移住し変化したフォースの英国面である。


概要

いわばフォースの植民地面…だが、「新大陸」や「多民族国家」などのイギリスとは異なる環境に置かれた結果か大きく変質している。
具体的にいえば、英国面とは逆に
『発想やアプローチそのものは真っ当』
『但し資源と資金に物を言わせたデカさと多さ』
『徹底した合理性と効率を徹底した結果、逆に雑とすら言われる』
といった特徴がある。
また多民族国家という環境で文字通り「追記修正」を繰り返して独自進化をしたものもある。
が、やはりというか、どこかで祖先の遺伝子が発現したような『それは冗談で作っているのか…?』と言いたくなるようなモノや流れも時折生まれる。
だが、それがいい。
要は豊富な金と資源にあかしたパワープレイなんでしょ?と思われがちだが、米国面の神髄はそうした大量のリソースを効果的に運用するロジスティクスと組織を作り出せる点にある。仮に日本含め他の国が同じようにリソースを確保したとしても、米国と同じだけの成果を出すのは非常に難しいと思われる。
豊富なリソースと運用術、両方あわさってこその米国面なのである。


根底にあるもの

飽くまで素人の(ry、米国面の根底には「開拓国家」「多民族国家」があるものと思われる。
まず開拓国家という事は、「基本なんでも自分の力で自己責任で行う」という事である。
それも手付かずの自然も少なからず残っている…口悪く言えば「文明のない片田舎、未開地を自分の力で開拓して住み着いた場所」であり、
特に工業製品に関しては「『誰にでも』『すぐ使えて』『しかもすぐ作れる』ものでなければ役に立たない」という事である。
高性能だけど使い手を選ぶようなものだったらもしものときに危機に即対応できない事だってあるからね。
このため「合理性」をとことん重視し、時に周囲からすれば雑とすら見られるようなものに仕上がる事も少なくない。
つまり雑ではなく、合理的なのだ。
また「人種のるつぼ」と言われるように各国からの移民、さらに「地元民」のネイティブ・アメリカンと多種多様な民族で構成されている国家であり、
当然それぞれの生活様式や趣向などとすり合わせる必要がある。
このため「最大公約数」的なものを追求し、姿形が大きく変わったりあるいは「あらゆるものを受け入れられる設計」を求められたりする。
これらが米国面の根底だと思われる。


米国面の例


力業

困難はデカさと多さで解決。それでもだめなら?財力で解決。
「金と資源はしこたまある、好きなだけやってこい!」

  • サターンVロケット
アポロ計画でおなじみ超巨大ロケット。
お値段は一発あたり5億ドル
打ち上げ能力…低軌道に118tのペイロード(宇宙船)を放り投げ、月まで有人宇宙船を着陸船付きで送りつけられる程度の能力。
どうやって実現させてるか要約するとわざと暴走させてそれを技術で無理矢理に制御している
しかも実験の段階で失敗しまくったりと先行きが不透明だったのもあり、流石のアメリカでもその金食い虫っぷりに開発者に度々圧力がかかる始末。

再利用可能なロケット、あるいはスペースプレーン(宇宙往還機)の走り。
前述のサターンVの開発に成功したはいいものの、5億ドルという数字はアメリカでも「こりゃないわー」となった、さあどうする?
「じゃあ再利用できる宇宙船作っちまえばよくね?」
うん、発想そのものは真っ当だよね。
でも大気の壁を突破して機体ごと生還できてあまつさえ再利用できる宇宙船なんてのは開発の段階で金かかりすぎて普通の国なら考えついてもやらない、いややれない。
だが、そこはアメリカ。本当に作っちゃった。
…でも安全対策にコストがかかり「あれ?今まで通りの使い捨てロケットのほうが総合的に安くね?」となり、退役。
どれくらいかかったかだって、そりゃ一回あたり15億ドル。サターンVの3倍ですよ!?完全に本末転倒。
もっともスペースシャトルの開発には大人の事情が複雑に絡んでいて、構想段階から安上がりで済まない事は判明しており、半ば確信犯で着手している。
ちなみに低軌道に25tのペイロードを放り投げる能力を有する。

  • ハッブル宇宙望遠鏡
そのスペースシャトルの搭載量25tを全部使い切って打ち上げた、宇宙に浮かぶ望遠鏡。略称HST。
お値段は日本円にして約2500億円。ほ、ほら、下記のSAGEよりは安いし(震え声
…但し宇宙で直接観測できるという最高の環境にある望遠鏡ゆえ、その予算に見合った結果を幾らでも出している。
運用途中で故障などが生じたりもしたが、それに対しNASAは訓練した宇宙飛行士を派遣して修理するという力技で対処。
2021年までに退役予定だったが、2022年現在も現役で運用が続けられている。

  • ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
もうすぐ寿命となる上記のハッブル宇宙望遠鏡の後継機。略称JWST。
といってもその形状や機能はHSTとはまったく異なっており、可視光での観測・撮影はできなくなっている。
設置位置も異なっており、HSTは地上600kmの位置にあったが、JWSTはなんと150万km。
さらには大きさも段違い。どのくらいかというと主鏡は既存のどのロケットにも収まらないサイズ。
ではどうするのかというと折りたたんだ状態で打ち上げ、その後遠隔操作で広げるという方法での展開が予定されていた。
10年以上の計画延期の末、2021年12月25日に打ち上げ。その後は順調に推移し、主鏡の展開も無事に完了。
そして2022年7月11日、JWSTが最初に撮影した画像が公開された。

  • オライオン計画
マンハッタン計画に参加した科学者たちが「兵器だけ作ってんのもアレだな…」というわけで、原子力エネルギーの平和利用の案として考えた計画。
つーことは、原子力発電か?違うんだな、これが。
その実態は核パルス推進による恒星間宇宙船計画。どういう事かわからない?
ものすごーく簡単に書くと、原爆を爆発させて宇宙船を飛ばすというもの。
しかもこいつを南極から打ち上げようと考えていたとか。当然ながら南極大陸が「放射線の匂いがギュンギュンしまーす」になるのを計算に入れて。
いや、今でも理論的に人類が現実的な範囲で運用できる推進システムとしては最高峰であり、
さらに「現段階の技術で唯一恒星間航行を実現させる可能性があるもの」なのには変わりないんだけどね。

ちなみに、「燃費が良く耐久性も優れた宇宙船」ということで、アメリカ軍に軍事兵器として売り込まれたことがあり結局兵器作ってるじゃねーか
その際に「こんな使い道がありますよ」と開発チーム側から提示されたコンセプトには
「3基の主砲、6基のプラズマビーム砲、おまけに大量のミサイルを備えた宇宙戦艦」だの、
「核ミサイルを満載して軌道上に常駐し、有事には敵国全土に宇宙から迎撃不能な核の雨を降らせる戦略爆撃船」だの、
「敵国の先制核攻撃でアメリカが潰滅した際に、前もって司令部を宇宙に逃がしておくことで戦争を続行する緊急司令船」だの、
挙句の果てには「特製の8ギガトン級核弾頭(単純計算でツァーリ・ボンバの160倍の威力)を抱えて特攻し、敵国首都をクレーターに変える終末兵器」だのと、狂気に満ちた兵器の数々が並んでいた。
幸いアメリカ軍はあまりの狂気に恐れをなしてこれらに興味を示すことは無かったが、万が一こんな兵器が本当に採用されていたら……

  • B-29 スーパーフォートレス
我々日本人にとっての「みんなのトラウマ」。まあ細かい事は個別記事を参照してくれ。


  • B-36 ピースメーカー
B-29が裸足で逃げ出す超大型爆撃機、というよりこいつのお陰でB-29が「中型爆撃機」に格下げされてしまった始末。
しかも書類上は大型爆撃機扱いだが実質「核兵器専用爆撃機」。
ちなみに作ったのは飛行機業界のSUZUKIことコンベア。なるほどな。
エンジンは色々アレな「プラット&ホイットニー R-4360 ワスプメジャー」を6基+F-86でおなじみのJ47ジェットエンジン4発。
但し当然というかこのでかさともなると運用面はボロクソで離着陸はおろか、そもそもまともに運用できる航空基地がほとんどない
しかも登場したときはジェット戦闘機が満を期して到来する時代であり、レシプロ巨大爆撃機そのものが「時代遅れ」となってしまったというオチも。
間接的ながら、核攻撃用空母として5隻(構想では8隻)の建造が予定されていたユナイテッド・ステーツ級と初代国防長官のフォレスタルに止めを刺した存在でもある。

  • メトロライナー
日本の新幹線に触発されてできたアメリカ版高速列車。
一応在来線特急扱い。
だが問題はその仕様。
一両あたり75tというクソ重い車体を出力300馬力(ワットに直すと約220kW)のモーターによるオールMで200km/hで大爆走させるという豪快な仕様。
そして台車はイコライザー式。理由?保線がアレなアメリカの鉄道じゃイコライザー式の方が確実なんだよ。
おまけに整流器は水銀整流器方式…だがこいつはそもそも電車に使うような代物ではなく、すぐに故障を連発。
お陰で機関車列車に取って代わられるハメに。
尚、現在ではフランスの技術を導入した「アセラ・エクスプレス」というヤツが任務を引き継いでいる。

  • マイルトレイン
旅客輸送はともかく貨物輸送の需要は有り余るほどあるのがアメリカの鉄道。
有り余りすぎて並の貨物列車じゃ運びきれず「じゃあものすごく長い貨物列車走らせよう」となった。
海上コンテナを二段積み(ダブルスタック)した上に編成長がマイル単位(1マイル=約1.6km)の貨物列車が当たり前のように走っている。
こいつが暴走したのが、映画『アンストッパブル』。

  • 巨大・高出力機関車へのこだわり
で、そんなマイルトレインを牽引する機関車も、ぶっ飛んだ奴らがこれでもかという程出て来る。
ユニオン・パシフィック鉄道の「ビッグボーイ」(全備重量約550t、全長40m、出力約6300馬力)や「ヘビー・チャレンジャー」(全重量486t、全長37.2m、出力5300馬力)なんてのは量産型で序の口、出力7200馬力のペンシルバニア鉄道「S1」、理論上約8000馬力を叩き出せるという同鉄道の「Q2」など。…これ、電気機関車じゃなくて蒸気機関車の数字です。
なお戦中戦後の輸送量最大期には上記ビッグボーイすら牽引力が足らなくなり「それならビッグボーイとヘビー・チャレンジャーの重連だ!!」「いやいや!ビッグボーイの重連だろ!!」となり、重連どころか「ビッグボーイ重連+補機チャレンジャー」なトンデモ三重連が生まれたりもした。ちなみにビッグボーイの重連だけでデゴイチを三重連したよりも多い車輪が動く。なんなんだお前ら

蒸気から内燃の時代に入って大人しくなったかと思いきやそんな事も無く、ガスタービンで8500馬力なんてのが生まれている。
現在では流石に4000馬力台と大人しくなったが、それでもそんな機関車が3~4重連で貨物列車を牽引している。日本の感覚で言えばEF66が重連組んで貨物列車を牽引しているようなものといえば、どれだけかわかるだろう。
なお「やっぱり蒸気機関の方が操作が楽だ…」という話がチラホラ。
皆さんもカリフォルニア州に行った時にはユニオンパシフィック鉄道の動態保存ビッグボーイ・4014号機に逢いに行くのはいかがだろうか。

  • ピックアップトラック
乗用車にも貨物車にも使える乗用車ベースのトラック。一言で言うなら「アメリカントラック」で、日本でもハイラックスとかが使われている…のだが、そこはアメリカ…大排気量のV8だのV6だの積んで「家族4人乗り込んで、荷台に遊び道具あるいは農作物満載して、ついでにキャンピングトレーラー牽引させても100km/hオーバーでの巡航楽勝だぜ!」というトンデモカーが日本で言う軽トラみたいな感覚で走り回っている。
これ以下のトラックとなるともうクロカン用のオープン型のバギー(オープンにしたパジェロJr.みたいなの)しかないので、日本の軽トラにも農園作業なんかでニッチな需要があるとかないとか。日本なめんな。
トヨタのタンドラー、GMCトップキック(実写版トランスフォーマーのアイアンハイド)、シボレー・タホ、ダッヂ・ラムなんかが日本でも時々走ってる。
意外かもだがハマーの中にもこいつの血統がいる。

ということで

  • ゼネラルモ-タース ハマーH1アルファ
水冷V8-OHV 6.5Lディーゼルターボ300馬力、5.7Lガソリンエンジン195馬力、4AT、最大重量3.6t、燃料タンク200L(日本の大型トラックと同じサイズ)

元々はアメリカ陸軍が運用する「軽装甲高機動多用途装輪車両」
(HMMWV, Humvee,ハンヴィー:High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle)
だったのだが、カリフォルニア州知事のターミネーターであるシュワちゃんが
「気に入った。俺にも売ってくれ。何?売れない?よし、壊すのを最初にしてやる」
と要望したので、武装と装甲を取っ払って民生仕様として売り出したらものすごいウケた。なんとスーパーカーマニアですらこぞって買いに来た。
それに喜んだGM、箱型ステーション、4ドアオープンカー(なぜ!?)、外観が軍用そのままの4ドアスラントバック、ピックアップトラックというシリーズ化までやりやがった。なお、サープラス(軍放出品)の、機銃ターレット付きのものも実は普通に手に入る。許可取れば日本でも手に入る。12万ドルとかするけど。

「道なき道を走るとき、背が高い障害物を四点接地で超えられないなら最低地上高と三点接地で超えればいいじゃないか」という元々の発想のせいで捻れ・衝突耐性が馬鹿みたいに高い。というかチェロキーなんかと比較すると意外にタイヤが上がるアングルが低い。
おまけに最低地上高43.5CM、地上からステップまでが60CMもある。補助ステップ?そんなもんはない。ハイエースの運転席によじ登る感じだと思えば大体そんなもん。
ハマーH1に使用されたフレームが軍用品そのままのため、装甲車仕様にするためのパーツがあちこちで売ってるとか売ってないとか。一体総重量は何tになるのか…
水没用のシュノーケルや水密強化キットも当然ある。
リッター4キロという燃費とリーマン以降の原油高騰に押されてH1は販売中止となった。元ネタのハンヴィーは作ってるし別にサープラスが買える。何も問題ないね。

また、シボレー・タホをベースにしたH2&H3も2010年を最後に生産停止となった。
H1,H2,H3それぞれに2ドアピックアップトラック、4ドアピックアップトラック仕様がラインナップされている。
まあ、終了したところで社外品でフレーム以外全部組めるほどにサードパーティが充実しているし軍用なのでメーカーいわく「30万マイル(ざっと45万キロ)走ってからが本番」とのこと。あたまおかしいんじゃないの!?

  • MTT・タービン・スーパーバイク(Y2K)
アリソン250 ガスタービンエンジン を搭載したバケモノバイク。
当然、バイクでありながら ヘリや高速船と同じエンジン音がする
「世界一高価な市販バイク」「世界最速の市販バイク」としてギネス認定されている。
開発者いわく''「なんでバイクにガスタービンエンジンを積んだのか? それが可能だからです」''。お前らはV-MAXの開発陣か。
スズキのハヤブサが持っていた「世界最速の市販バイク」の記録はこいつに塗り替えられた。
同じ土俵などというフェアプレイにこだわらず、なりふり構わず勝ちに来るところも米国面と言えよう。
なお、騒音の規定に抵触するため日本の公道を走る事はできない。

  • クライスラー ターバイン
クライスラーが趣味と悲願で作り上げたガスタービン乗用車。
ユーザーテスト用に55台のみが製造された。そして殆どは返却後に解体処理された。
ガスタービンエンジンゆえの利点として、部品点数が少ない(レシプロエンジンの1/5程度)、雑食性(メキシコ大統領曰く『テキーラでも走ったZE☆』)、
排気中の炭化水素が0、何よりパワフルという夢のクルマ…になるはずだったが、
ガスタービン特有のアクセルワークに対するレスポンスの悪さや高地(空気が薄い)では始動が難しい、炭化水素が出ない代わりに窒素酸化物は多くなった、
何より燃費が悪い…などの問題も山積みだった。
が、一番不評だったのはそんな事ではなく、『やっぱガスタービンは音がなぁ…』『V8サウンドが無い!』という理由だったそうで。
あ、クルマとしてな無茶苦茶タフで、故障率はわずか4%だったそうですよ?

  • ボスホス
5000ccの大型トラック用エンジンを積んだバイク
これだけの排気量がありながら(あるから?)ギアはわずか2速
しかし、さすがに重すぎるからか、バックギアも付いている。
「デカイ+強い=スゴイ」を体現するアメリカンスピリットが形になったような存在である。
8700cc版もあるYO!!
ちなみに日本でもやろうと思えば手に入る。Let's go 足利市

  • V8エンジン
アメリカの車用エンジンといったらとにかくV8。そこにOHVも加われば文句なし。
で、どこが力業なの?
…「とりあえずどんなクルマにもV8積んでみる」ってとこ。
輸入車向けのエンジン交換キットなんてのならまだしも、「バイクにV8積んじゃった☆」なんてのもある(しかも市販されている)。
フレームに当たるのであればフレームの方をぶったぎる。もしくはキャビン以外をぶった切って鉄パイプで作り直す。
元に戻せるようにするという単語は存在しない。イカしたメッキを付けてエンジンを目立たせるホットロッドカスタムは最高だZE☆
「タイヤがあってエンジンで走るよな?OK、V8付けようぜ」
V8を讃えよ!!

…嘘みたいな話、日本の軽トラやカプチーノにV8ぶっこもうとしたイカレポンチが居る。軽トラは車体両側にロケットエンジンとか、両側にジェットエンジンとか、魔改造という言葉すら生ぬるいゲテモノ改造されたものが存在する。そんなもんでドラグレースしてんじゃねえよ。

  • ダッジ・バイパー
そんなV8エンジン思想も上回るとんでもアメリカンスーパーカーがこのクルマ。
搭載されているのは市販車では史上最大級のサイズである7.9LV型10気筒エンジン。
それをフロントに豪快に載せたマシンがこのバイパーである。
ちなみにこの7.9Lは初代の物で、2代目の後期型からは8.4LV10と更に拡大された
元々このエンジンはダッジのピックアップトラックである「ダッジ・ラム」に搭載されていたものだったが、当時クライスラー社の子会社だった、スーパーカーでお馴染みのランボルギーニ社にエンジンのチューンを依頼して生み出された。
フロントヘビーで燃費も悪そうなこのクルマだが、なんとル・マン24時間レースでクラス優勝した事もあるから驚き、しかも3回も。
他にもデイトナ24時間でもクラス優勝、LMGTSが最上位クラスだった頃のニュル24時間では総合優勝している。
3代目モデルまで発売されたものの、残念ながらアメリカの自動車の安全基準をクリアする事が出来ず、2017年をもって生産終了してしまった。

  • M50オントス自走無反動砲
汎用のシャーシを使って何かできないかなーと思っていろいろやらせた結果できた対戦車用の自走砲。
こうしてできたのは106mm無反動砲を6門装備した米国版ガンタンク
装填は車外だし反動は無くても爆風は出るし整備性も悪いしで散々たるもの。でも300両ぐらい作った。
最終的にはミサイルとかロケランなどに押されて退役した。

超音速 で 可変翼 の 爆撃機。
「可変翼」「超音速巡航」の爆撃機というロマンの塊のような代物を…資金力で本当に作ってしまった。
ちなみに当然のようにソ連がパクったのもお約束。
超音速巡航と可変翼がネタにされるが、実はその有り余るパワーをペイロードに使うとB-52以上の爆弾を搭載できたりする。

THE・ステルス爆撃機。それまでもオーパーツだったステルス機F-117をさらに過去のものにしたキング・オブ・オーパーツ。
お値段は一機あたり日本円換算で約2000億円、誰が呼んだか「同じ重さの金塊が飛んでるようなもん」。
最初はアメリカの州の数だけ作ろうとしたがいかんせん予算がかかりすぎて断念、21機に収まった……そして1つ落ちた……
某怪獣王に3機程叩き落されていたけど多分あの世界のペンタゴンは真っ青だろうな。
更新機体が発表されたため段階的にモスボール保存に移行する…予定。とりあえず。

  • ロッキード・マーティン F-117 ナイトホーク
「レーダーに映らない戦闘機が欲しいよママン!!」と泣きついた米空軍にロッキード・マーティンのスカンクワークスが「あ、こっちで勝手に研究しといたで」と持ってきたステルス機(のプロトタイプ)
運用コストも整備コストも塗装コストもバカ高いのに64機作り、退役したぞと言っておきながら解体せず飛ばして動態保存してる変態機。
F(Fighter)と名はついているが機銃もミサイルポッドも無いため格闘戦用途には向かず、実質はB(Bomber)。
コソボ紛争においてコールサイン「ヴェガ」の一機が地対空ミサイルにより撃墜されている。

  • ノースアメリカン XB-70バルキリー
ロマンの塊を資金力で本当に作っちゃいました爆撃機その2。
「マッハ3でモスクワに乱入し核爆弾を投下する」為だけに開発された。
なんてったってマッハ3ですよ!
…だが「あれ?やっぱ核ミサイル撃ったほうが安上がりで安全じゃね?」となり開発中止に。
あとプロモーション撮影の為にいろんな戦闘機と一緒に飛ばしたら乱気流に巻き込まれた戦闘機と空中衝突して墜落するなど、
更に無駄なコストまで掛かってしまう事に。

ベルとボーイングが執念で実用化にこぎつけたおなじみティルトローター輸送機。
詳しくは本項目参照。

  • プラット&ホイットニー R-4360 ワスプメジャー
量産された中では文字通り世界最大・最強の航空用レシプロエンジン。
空冷星型28気筒(星型7気筒を4段重ねしてある)の形状はウネウネしてキモカッコイイ。お前はロータリーエンジンか。
排気量は怒涛の71.4L、出力は最初期のものでも3000馬力、最終生産型では4300馬力。お前はディーゼルエンジンか。
圧倒的じゃないかワスプメジャーは…と言いたいところだが、まともに冷却できずオーバーヒート多発・始動方法をトチると点火プラグが汚れて整備場直送待ったなし・あまりにパワーありすぎてそんじょそこらのプロペラじゃエンジンのパワーに耐えられない…などの問題も山積み。

ぶっちゃけ、こいつを採用した機体は上述のB-36(これでも比較的マシな方だが…)・B-377ストラトクルーザー・AMモーラー・ヒューズH-4ハーキュリーズと、ろくな目にあってないのばかり。
洒落怖辺りだったら「呪いのエンジン」とか言われそうなブツ。

  • ゼネラル・エレクトリック GE90
ボーイング777に搭載された巨大ターボファンエンジン。
ファンの直径はB737A320などのナローボディ旅客機に匹敵する3.4m。
お値段は一基あたり約2000万ドル。
推力に至っては、最大出力モデル「GE90-115B」では115,300lb(約52t)、この推力はB747とかに積まれているJT9DやCF6のおよそ2倍、B-52のJT3Dの約7.5倍というバケモノ。
馬力に換算すれば鉄腕アトムもびっくりの11万馬力。たった一基でひゅうが型護衛艦(ガスタービン×4で10万馬力)の出力を上回る。
但しあまりにも巨大すぎて、輸送には「最低でも」B747クラスの機体が必要になるという厄介な点もある。
ちなみにこれでもエンジンのカウルと幾つかの部品を外さないと載せられない。
要するに、アメリカには本機をそのまま輸送できる航空機が存在しないので、 分解せずに輸送するにはロシアの輸送機を借りる必要がある
実際に欧州で壊れたとき、世界一巨大な航空機であるAn-124をレンタルして動かした事もある。
米国内で完品を輸送させようとしたら空軍輸送機ギャラクシーが要るだろう。これだってアントノフ225に次ぐ世界第二位のサイズの輸送機である。

え、陸送すればいいじゃない?…あまりにでかすぎて陸送だと限界を超えてしまうので運べませんよ?
ナローボディ旅客機の胴体を公道で輸送しているようなものだと思えばわかるだろう。

当時日本が作っているとされていた大型戦艦(長門型戦艦)や、欧州方面の高速艦等に対抗する為開発された戦艦。
空母機動部隊との連携による艦隊決戦を目論んだ為、16インチ3連装砲を装備しながらも高出力の主機関により31ノットの速力を実現。
まあ実際は殴り合いの艦隊決戦ではなく、空母打撃群の護衛に回っていたのは笑い話。
更に使い勝手の良さから戦後も長らく生き残り、退役したのに復帰し、遂には誘導兵器まで搭載するという「リアル現代化改修」までやってのけた。
記念艦扱いだが現在でも4隻とも扱いとしてはモスボール保存中。つまり整備すれば動く。
侵略宇宙船とドンパチかましたりもした。
んでもって計画案だけどこれよりでかい「モンタナ級戦艦」つーものもあった。

  • ズムウォルト級ミサイル駆逐艦
ぼくのかんがえたさいきょうのくちくかん
アメリカ海軍の「新世代の駆逐艦」として計画されたステルス駆逐艦。
「今時の駆逐艦の役目は強力な防空装備で敵機を退けながら敵国の陸地に砲撃やらミサイルやらを叩き込む事だ!」とか何とか言ったかは知らないが、
推力含む全パワーを発電機で賄う「統合電気推進システム(IPS)」を採用し、大電力で高速航行は当たり前・将来的にはレールガンやレーザー砲すら搭載も視野に入れるという計画の船。
スプルーアンス級の置き換えを目的として30隻以上が建造されるはずだった。
本艦に搭載された「統合電気推進システム」の出力量は驚きの約78メガワットであり、既存の駆逐艦や護衛艦などを凌駕し原子力空母にも匹敵するという。
排水量1万4000t超えという巡洋艦サイズの船体(お前のような駆逐艦がいるか)は、ステルス性重視で表面の凹凸を極力抑え、上部構造物も角錐型という異形の艦となった。
その主砲も画期的なものであり、「155mm先進砲システム(AGS)」を二門搭載している。
これは従来の127mm砲よりも大型化したもので、威力や射程の面で高い対地攻撃能力を有している。特にGPS誘導による精密射撃と最大射程150kmを誇る「長距離対地攻撃砲弾」が搭載できる点がこの主砲の特色として挙げられるだろう。さらに、本級の多数建造による量産効果で搭載する砲弾は1発500万円以下に抑えられると見込まれた。
これにより、従来では不可能だった遠距離からの精密かつ安価で強力、そして継続的な攻撃が可能になる。
他にも、高性能な多機能レーダーなどの強力な電子装備や、イージスシステムをより発展させた戦闘システムを搭載し、艦内すべてのシステムをネットワークを通して接続すると言った技術も搭載するなど、様々な画期的先進システムを多数盛り込んだ艦となった。

さて、そんな米軍の本気を体現した最強の艦艇となるはずだったズムウォルト級。
しかし、そう簡単に事が進むことは無かった。開発が進むにつれ
  • レーダーおよび制御用CPU、戦闘システムの開発が遅延に遅延を重ね結局失敗
  • システムの開発遅延や、予算超過などによる兵器の搭載中止&ダウングレードによって艦隊防空や対潜攻撃能力が弱体化
  • 開発の難航、遅延から1隻あたりの建造費は約8,400億円まで膨張し建造数削減
  • 主砲に積まれるはずの砲弾の費用が上記の理由で量産効果が消え1発あたり1億円まで跳ね上がり搭載取りやめ、主砲がただの筒になる
など、様々な問題が浮き彫りとなる。結局のところ技術実証艦として当初の予定の約1/10の3隻だけ作って終了。
このズムウォルト級に投じられた研究開発費は破格の約224億ドル(日本円で約3兆円)という…これは最新型の米空母ジェラルド・R・フォード級2隻分の建造予算に匹敵し、日本のイージス艦あたご型やヘリ空母いずも型護衛艦の20〜25隻分に相当する。B-2スピリットが空飛ぶ金塊なら、こっちは海に浮かぶ金塊
ちなみに、日本の2019年の防衛予算(約5兆円)における海上自衛隊の割合は25%の1兆2247億円。もし日本がズムウォルト級を保有しようとすれば、2隻作っただけで割り当てられた予算を使い切ってしまう。そう、作っただけで。
名前のもとになったズムウォルトJr提督は史上最年少にして海軍技術開発局の指揮者になったが、トンデモ兵器を試作ばかりさせた人物であったらしい事を考えると皮肉という他ない。

  • 半自動防空システム「SAGE」
掲示板のsageではない、『賢者』の方のセイジだ。
あ、『ふぅ…』の方の賢者でも無いからな。
「ソ連の爆撃機が大挙して攻めてきた時に備えて防空レーダーいっぱいこしらえたよ!」→「でもこんだけレーダー作ったら今度は操作する人間の方が追いつかねーよ」→「じゃあコンピュータでやればいいだろ」
てな訳で1950年代に作られた防空システム。
だが真空管式のコンピュータでこれをやっちゃった(当時は半導体なんて便利なものはありません!)。
実は世界初の「ネットワーク接続されたコンピュータ」「タッチパネルをインターフェースに使ったコンピュータ」でもある。
つぎ込んだ金額は公にはされてないが、ある試算によると日本円換算で10兆円も行くかもしれないとか…

  • SOSUS(海底音響監視システム)
空にあるなら当然海にもある
海底に敷いたケーブルのあちこちにパッシブソナー(聴音機-水中高感度マイク)をぶっこんで、敵潜水艦がどこにいるかを探るシステム。
運用開始はなんと驚きの1950年、昭和25年。
自国の沿岸線に敷くならまだしも、こいつはイギリスを巻き込み、環太平洋、大西洋である。
海底の地形をみっちり調べ上げ、海底山脈の稜線、海溝の縁などにセンサーをひいた。
存在は明かされたものの、総延長、センサー能力等は軍事機密であり、明かされていない。
世界中の原潜はどこに何がいるか、下手すると何番艦かまでがほぼ一発でわかるらしい。
最近は、海底火山の監視、クジラの追尾などにも使われているそうな。
余談であるがP-3はこのSOSUSで発見した敵潜水艦に核兵器などをぶち込むために開発された。

ちなみに日本でも海峡や日本海に同様のシステムを敷いている事を海上自衛隊が認めている。
またロシア(ソビエト連邦)が同じようなものを沿岸に引いていた。(今は壊れて使われていないらしい)

  • シャイアンマウンテン空軍基地
アメリカ・カナダ共同の防空組織「NORAD」の本部として建設された防空基地という名の核シェルター
コロラド州のシャイアン山に全長1マイル(1.6km)のトンネルを掘り、更にその先に巨大な空間をくり抜き15棟ものビルを建設するという、
地球防衛組織の本部か何かのような代物。

  • ペーパークリップ作戦
ドイツの技術者を文字通り札束でひっぱたいたついでに家族の生活まで保証してアメリカにつれてくるという作戦。
ドイツの技術は何だかんだで優秀だから欲しいし、ついでに将来明らかに敵になるであろうソ連に渡らせないようにする為でもある。
なお当のソ連は拉致同然の手段でドイツ系技術者を連行した
ちなみにこの作戦で渡米した科学者・技術者は百数十人いたのだが、その中には著名なロケット工学者であるヴェルナー・フォン・ブラウンもいた。
だが実はこの計画の裏にはCIAの恐るべき陰謀が蠢いており…

  • XM29 OICW
これ一丁でアサルトライフルにもグレネードランチャーにもなる「ぼくのかんがえたさいきょうのじゅう」を目指して開発された銃。
マガジン給弾式の20mmグレランの下に当時まだ開発中のH&KG36をぶら下げ、アッパーレシーバーにはレシーバー一体型のごんぶとストックと複合型射撃管制システム(赤外線暗視装置、レーザー測距ユニット、最大倍率6倍のスコープの複合ユニット)を搭載という機能マシマシ全部載せの実にアメリカンな万能兵器。
しかも何を間違ったのかグレランモードの時には「射撃管制システムで敵までの距離を測定して最適な位置で弾を起爆させる」という機能まで搭載。
更にはヘッドマウント型通信デバイスや戦術コンピューターを介した兵士間の相互連携により最終的にはたった一人でありとあらゆる戦局、作戦に対応できる夢の最強兵士作ろうぜ!というSFか何かの様なとんでもない計画にするつもりだったらしい。
まあ正しくはアメリカ軍全体で共通して使える銃(軍や部隊の種類に応じて様々な銃が配備されていてそれに合わせて弾薬や銃のオプション装備も共用して使えるとは限らないなど、昔よりはマシになっているがここらは古くからの悩みの種である)をある研究所が本気で作ろうとしたものらしい。なのでこんなどっかのFPSの強武器にありそうな銃を力業で本当に試作したのだが…、
実戦を想定したフル装備だと重すぎ高価すぎ、おまけに複合射撃管制システムの稼働にかなりの電力を要する(最新型のバッテリーですら4~5時間程度の稼働が限界)でまともに使える代物ではなかった。
銃のみを別にしたXM08、グレランのみのXM25が作られたが、結局XM25のみが生き残った…がそのXM25も異論はあったものの概ね評価は高かったのだが訓練中に爆発事故を起こし、混沌とした情勢を経た後に正式に開発計画が白紙となった。
しかしそのスタートレックかぶれと皮肉られる近未来的な外観からゲームや映画などではなかなか人気が高い。

  • ハリウッド映画

制作費は日本円換算で億で3桁は(大作クラスは)当たり前。
爆発・炎上・特殊効果、ドーンと派手にやろうぜとばかりに使い放題。
下手すりゃ「本物」だって惜しみなく出してくる。軍艦の中?戦闘機飛ばす?爆撃機?兵隊?空母の上でロケ?いいよ好きに使え!
最新技術はいつだって惜しみなく投入。軍人だって出演する。

有名なところだと「バトルシップ」は実際にメインキャスト以外は正規海軍の方々だし、サッカーやってるのはアメリカ海兵と日本の海上自衛隊。ロケは実際に空母の上でもやったし、足のない負傷兵のキャストの人はイラク戦争でIEDくらって実際に両足をなくした方であの施設は実際のもの。んでもってミズーリの中のシーンは実際にミズーリの中でやってるし駆けつけた老兵たちはナム戦や湾岸の時の乗員の方々。
ブラックホーク・ダウンやフルメタル・ジャケット、フューリー、ハート・ロッカーやプライベート・ライアンなどの軍人を描いた映画ではとにかくどこにでも本職の方が紛れ込んでたりロケ地が軍基地内部だったり本物の軍用兵器引っ張り出してきたりむしろ軍事教練までブートキャンプさながらの事をやる。むしろブートキャンプにキャストを投げ込む。
でもトム・クルーズの注文には付き合いきれなかったとか*1

マイクロソフトが発売したゲームマシン。
一見すると単なるゲームマシンだが内部的には設計・パーツ共にPC/AT互換機…要するにWindowsパソコンの物が多数流用されており、
実質的に「ゲーム特化型PC」とでも言うべき代物。
OSすらWindows2000のカスタマイズ版。メディア曰く「ほぼパソコン」。
但し飽くまで『PCの設計とパーツを応用して作った限りなくPCに近いゲーム機』なのでWindowsアプリは走らない。
まあソフト製作もWindowsアプリのノリで行えるので製作は相当楽だったとか。
さらにHDDは軍用品を用いているとか。理由?子供に手荒に扱われても大丈夫なパーツという事で軍用品を採用したそうで。蹴っ飛ばすとか階段から落とすとか。
良くも悪くもアメリカンな設計のマシン。そのため当然というかお値段はお察しください。

  • ATARI Lynx
Epyxが開発し、ATARIが発売した携帯ゲーム機にして世界初の16ビットCPU搭載ゲームマシン。
CPUは6502系…早い話がファミコンスーパーファミコンのものと同系統のCPUを採用している携帯ゲーム機
SFCに先んじてスプライトの拡大・縮小・回転・変形機能をサポート…要するに絵がグリグリ動き回る事を可能とした。
おまけに液晶画面は4096色発色のバックライト付きカラー液晶という機能マシマシ全部入りのマシン。
燃費?パワフルなマシンってのは電気を食うんだぜ、気にしちゃダメだ。
こちらも色んな意味で、良くも悪くもアメリカンなマシン。

  • ATI Rage Fury MAXX
ATIが開発したグラフィックボード。
当時のATI最強のGPUであるRAGE128を2つ搭載。
ここまでならまだわかるが制御に関しては16ビットOS(Win98など)の「穴」を逆に利用し、
ブリッジチップ(マザーボード側にある制御用チップ)を介さずにドライバーなどを使って強引に稼働させているという代物。
当然ながら、Win2000以降の32ビットOSには対応できなかったというオチも。

  • TV-1
まさかの原子力巡航戦車。ぼくのかんがえたさいきょうのせんしゃでにっくきソ連兵を蹂躙すべく計画された。
だが戦車サイズの乗り物に原子炉と装甲と武装と乗員押し込んだらまともなものになるはずはなく、
戦うより先に乗員が被曝でまいる」と計画途中で気づいて開発中止に。
なお、性能としてはアメリカ大陸を無補給で横断可能というガチキチ仕様だったりする。
そして撃破された後の後始末は一切考えられていなかった。
だが、まだ実用化は諦められていなかった。

  • プロジェクト・プルートー
原子力エンジンで飛行するマジキチ巡航ミサイル。
飛行中に放射能を空中に撒き散らしつつ複数の核弾頭を敵国領土にばらまく悪夢の兵器。メリケン自重しろ。
搭載エンジンまで作ったが、安全に飛行試験できる場所がない事に気づいて計画中止。

  • マンハッタン計画
原爆製造計画。
但し当時はウラン抽出設備もさほど高性能では無かった為「遠心分離機をしこたま作って数で勝負」という豪快な手法を取った。
でもここで一つ問題が。遠心分離機にはコイルが必要だが、巻線用の銅だってれっきとした軍需物資。
訳わからん秘密兵器を作るのに回せるわきゃねえ。
じゃ、どうするんだ?
軍人「いいこと考えた。銀行から銀塊借りてきてそれで電線作ろうぜ、銀ならめちゃくちゃ電気抵抗少ないし悪くないだろ?」
…という訳で、銀行から合計15000tもの銀塊を持ち出して遠心分離機を作った。


物量作戦

金と資源は(ry、どんどん作ろうZE☆

第二次大戦時の連合軍の主力戦車。シャーマン戦車とも。
性能的には平凡だけど5万台近く作ったから数で押せばいいんだよ!戦いは数だよ!な戦車。なお人の命。
おまけに部品に至っては規格化されているから「M4戦車用」とあれば何でも使えるという凄まじい整備性も。

30-06弾セミオートマチック仕様。
ライフルといえばボルトアクションの時代にセミオートを全軍に配布した。
ボルトアクションとも張り合える性能で、おまけに部品も規格化しM1のパーツならどう組んでも動くというびっくり能力。
パットンやマッカーサーといった将軍達にも絶賛された。
しかしセミオート仕様ということは時間当たりの弾薬消費が増えるって事でもある。
そこに来て、後方支援部隊ではM2カービン、前線ではトンプソンSMGにグリースガン、M1911ガバメント、分隊支援火器BAR、M1919にM2と各種機関銃まで運用している。

ここで挙げただけで50BMG弾、30-06弾、30カービン弾、45ACP弾があり、爆弾やらグレネードやら何やら他にも配給しなきいゃいけないのは当たり前の話。
莫大な物資の配送が大問題になるわけだが…
(余談だが日本もドイツも兵站はせいぜい馬引き頼りだったので、弾薬バカ食いのセミオート小銃には消極的だった)

  • リバティ船
第二次大戦時の量産型輸送船。量産も量産、約2700隻も作っちゃったYO☆
しかもいちいち律儀にアメリカ人(故人)にちなんだ船名を付けてたらネタが切れ、まだ当時存命だった人物や外国人の名前まで付ける始末。縁起悪くねえかそれ。

ここまで多いのは、欧州方面への輸送で輸送船がUボートにやられまくったので、
「沈められる以上に船作ってしまえ!」となった一種の飽和戦術ってわけ。
で、量産性重視で当時最先端のブロック工法と溶接を採用しとにかく作りまくった。
その量産性は、最短記録4日と15時間29分(ロバート・E・ピアリ建造時の記録)。まさかの1週間未満。
…がこの溶接がクセモノで、脆性破壊の研究が未熟な内に採用したせいで、何もなくても船体が折れるという謎の事故が多発。
その原因究明が溶接の安全性向上にも寄与したという、歴史を変えた船でもある。
ちなみに現在でも2隻(「ジェレマイア・オブライエン」と「ジョン・W・ブラウン」)だけ残ってる。しかも動態保存なので動かせる。これ重要。

  • カサブランカ級護衛空母
別名週刊護衛空母
当時大型客船と上記のリバティ船を専門に手がけていた造船王カイザー率いる造船所(つまり個人企業)が、上手くいかなかった前級護衛空母の設計を捨てて、潔く大型客船の下半分を取り出して上に甲板とエレベーターをつけて空母にしてみた、という冗談のような作成方法で作った空母。
日本で言う改装空母、飛鷹、隼鷹と同じ。
護衛空母、小型空母と言う字面に騙されて侮るなかれ。160m近い体格をし、30機-50近い航空機を運用出来る。
二隻いれば日本の正規空母とガチンコができる。
開戦から1年で五十隻を揃えた、輸送から戦闘からどこにでも何にでも現れた量産空母。
なお栗田艦隊に対し、サマール島海にて輸送護衛任務についていた「タフィ3」所属ガンビア・ベイ他が戦闘を行っている。なお、戦艦の砲撃で壮絶な最期を遂げたが、
護衛空母1、駆逐艦3を損失しながらも重巡3を仕留めるという大戦果を上げている(タフィ3所属以外の戦果も含めだが)。
こんなものを量産しながら、軍需工廠で正規空母を毎月0.5隻手がけ、上のリバティ船その他艦船も量産しまくっていたし、載せる航空機も余るほど作った。
終戦の時にはこのカサブランカ級で輸送していたヘルキャット戦闘機を「終わったなら要らないよねー」と海中投棄とかしてもいた。

  • エセックス級正規空母
別名隔月刊正規空母
…だからなんでそのクラスのが月0.5隻のペースで生産出来るんだってば。
しかも近代化改修も含めかなり長時間生き残った良設計。

  • フレッチャー級駆逐艦
アメリカ海軍の駆逐艦の艦級の1つ
駆逐艦…そう、こいつは駆逐艦である。日本海軍でWW2周りで量産された艦船と言えば陽炎型や白露型駆逐艦であろうが、総数は陽炎型19隻、白露型10隻。
しかしてこのフレッチャー級、聞いて驚け。1942年-44年のたった2年の間で175隻も作られた。
ちなみにもちろんアメリカの当時現役だった駆逐艦級はフレッチャー級だけでは無い。前級グリーヴス級66隻、ベンソン級30隻、フレッチャー級改のアレン・M・サモナー級58隻、改改ギアリング級(94隻)沿岸護衛駆逐艦ジョン・C・バトラー級83隻(300隻発注)などなどどいつもこいつも数がおかしい
ちなみにコイツら、もちろん物量もおかしいが装備もケタが違っていて、全艦索敵レーダー完備である
なので人間の目に頼っていくしかなかった日本海軍に対して夜戦で照明弾やサーチライトを使わずレーダー射撃を一方的に浴びせるとかいう鬼畜戦法が取れた。まあ、世界広しと言えどこんなことはアメリカにしか出来んが。
文献によってはフレッチャー級、アレン・M・サモナー級、その次のギアリング級を全部まとめて「フレッチャー級(改)」という扱いにしていたりもする。

戦時期に量産されるような船体なんてどうせ安普請なんでしょ?とか思われるが、アメリカ以外の国に多数が渡されてめちゃくちゃ重宝されていた。
日本にもDD-183ありあけ(元DD-663ヘイウッド・L・エドワーズ)、DD-184ゆうぐれ(元DD-664リチャード・P・リアリー)が供与され1974年まで運用されていた。ちなみにこの2隻の進水日は1943年ですよ?
最後まで運用されていた純粋なフレッチャー級は、メキシコに引き渡された「クィトラワク(元DD-574ジョン・ロジャース)」が2001年まで現役稼働していた。ほんとなんなんだお前。
さらに改級まで含めるとギアリング級のメキシコ海軍「ネツァルヨコトル(元DD-863スタイネーカー)」が退役したのは2014年。マジでなんなんだお前。


  • 第二次大戦時の航空機
よほどの事がない限りどんな機種でも軽く数千機は作っている。

  • B-24
米軍が使った四発爆撃機で事実上のB-29の先代。
総生産機数が約18,000は先代のB-17の12,000、B-29の4,000弱、同期の双発爆撃機のB-25の10,000弱と比べると確かに多いが特筆するほどでは……と思ったあなた、甘い。
何が凄かったかと言うと開発元のコンソリデーティッドではなくこいつの生産を請け負ったフォード。またお前かフォード
大量生産大好き流れ作業大好きなフォードは専用の工場を二十四時間体制でフル稼働させた結果、B-24をおよそ一時間に一機のペースで作った。
開発元のコンソリデーティッドも、フォードと同じく生産を請け負ったダグラス、ノースアメリカンも一日一機程度だったのに、である。
なおこの工場立ち上げのストレスもあって、ヘンリー・フォードの息子で当時社長だったエドセル・フォードは戦時中に癌で死んだ。

  • アリソン V-1710
航空機用液冷エンジン。
7万基以上作りまくった。

  • プラット&ホイットニー R-2800
航空機用空冷エンジン。
アメリカの持つ最新技術は当然ながら、大きさの制限をほとんど考慮しない程に資源もこれでもかとつぎ込まれた結果、
当時本格的に大量生産されたレシプロエンジンとしては最強クラスの2000馬力を誇る。
資源の関係から技術はあっても大量生産できなかった枢軸国はうらやましさのあまり涙がでるレベル。
こちらは12万基以上作りまくった。

  • ゼネラル・エレクトリック J79
F-4戦闘機でおなじみのTHE・ターボジェットエンジン。
ライセンス生産含めて17000基以上作られた。

  • プラット&ホイットニー JT8D
B727用に開発された低バイパス比ターボファンエンジン。
世界中での累計稼働時間は15億時間を突破。

  • CFMインターナショナル CFM56
B737やA320などに採用されている小型ターボファンエンジン。
「私の戦闘力、もとい累計稼働時間は5万3千年です」

1967年に初飛行して以降、改良を重ねながら2018年には遂にファミリー全体で1万機製造を達成したボーイングのハイパーロングセラー。
THE・小型機であり、短距離輸送はこいつかエアバスA320かの二択といってもいい。
尚、基本設計はもとを辿れば下記のB707に行き着く。
擬人化したらロリババアか、或いは若作りしたBBAだろうな。

  • ダグラス DC-3
THE・レシプロ旅客機。
ライセンス生産等まで含めれば生産数は17000機を超える。

ご存知ジャンボジェット。
生産数は大型機としては異例の1500機以上。流石に流石なので2023年に最終機が引き渡されたが、生産期間は足掛け55年。
747の生産数が少ないんじゃない、上記の737が多すぎるだけだ。
ちなみに元々はロッキード・ギャラクシーとの新型空軍輸送機のコンペに落っこちた奴。コクピットが2階で2階にも席があるのは「2階に兵、1階に貨物」という構想だった為。実際貨物機としても旅客機としても大人気だった。

  • セスナ172 スカイホーク
問題です。世界一作られた飛行機って何でしょう。
上に挙げたDC-3?それとも第二次大戦時の各国の主力戦闘機のどれか?いやいや36000機生産という実績を持つIL-2?
正解はこいつ。その生産数たるやIL-2が裸足で逃げ出す43000機以上。
え、どんな飛行機かわからない?要するに時々その辺の空を飛んでいる軽飛行機、いわゆる「セスナ機」の事。というよりこいつのお陰で日本じゃ「軽飛行機=セスナ機(スカイホーク)」状態。

  • T型フォード
ミスター乗用車。生産数は1500万台以上。
昔は最高の軽自動車と称えられた時期もあったのだが、ドイツにゃ「広告なしで売れまくった結果、2000万台以上作られた」フォルクスワーゲン・ビートルという化け物があるので影が薄い・・・。
だが「とにかく早く数を作る工場システム」「広いアメリカの国土中に部品備蓄所を建てる(今でいう正規ディーラーの整備工場の先祖)」「ユーザーでもかなりのレベルで応急修理可能」などの事業が同時に行われたのは大きな出来事。「自動車というインフラのつくりかた」をゼロからこしらえた自動車史の記念碑的存在である。

  • FP-45 リベレーター

近代の銃の中でも屈指の奇銃。弾薬はみんな大好き.45ACP弾で製造元はゼネラルモーターズ。またお前かGM。
第二次世界大戦中、ポーランド亡命政府がレジスタンス向けの武器製造を各国に要請。
それを受け、大量生産して空中投下でばら蒔き敵国を混乱させるべく企画された超簡易式拳銃。
事前に察知されない様にと極秘裏に開発された。拳銃なのに名前が「FP(フレアプロジェクター)-45(45口径信号弾投射器)」なのは、表向きは信号弾発射器としていた為。
ガチの撃ち合い用ではなく「一人でいる敵の不意を突き、倒した相手の装備を奪う」という暗器的運用を想定している。
プレス部品を多用し生産性を高め、また万が一鹵獲された時の事も考えて、とりあえず撃てりゃいいレベルまで構造を簡略化。
そして出来たのは部品数たった23点、銃身のライフリングも排筴機構も無く、一発毎に銃口から棒を入れて排筴し手動装填、射程距離?そんなもんはねえ!*2という代物。一応グリップに予備弾を10発程収納できるが…マスケット銃か何かか?
しかも一応50発撃てるようにという要求だったのに、出荷前の抜き取り品連射試験では10~20発程度で溶接部が割れる物も多く、試験中の暴発で死者も出た。さび止め処理も無くあっという間に錆が浮いたりするし……
が、これらのデメリットは「何度も撃つ様な物じゃないから無問題」とスルーされた。
何も知らずこれを拾った前線の米兵は(先述の通り極秘計画の為)、あまりの出来に日本軍の自殺用拳銃か何かだと勘違いしたそうな。弾薬から気づけお前ら。
しかし性能と引き換えに、その生産効率は約6.6秒で一丁、お値段も当時の価格で銃本体が約1.73ドル*3、後述の付属品その他を入れて約2.10ドルという凄まじさ。
お陰で11週間で100万丁という狂気の大量生産に成功した。そのせいで装填して撃つまでの時間より速く作れる世界唯一の銃と皮肉られてしまったが。
出所を察知されない様に刻印の類いは一切なく、付属品(弾10発+棒)や外箱、同梱の取り扱い説明書に至るまで文字らしい文字は一つも無い。説明書はあのウォルト・ディズニーによる4コマ風の漫画形式で分かり易く図解されていた。
なお生産品の殆どは計画が立ち消えになった影響で廃棄処分された模様。
50万丁も渡された欧州戦線司令官のアイゼンハワーに使う気が無くて「半分(25万)は何かあった時の為に預かっとくけど、残りは他所で使って」て言った様だから仕方ないね。
航空機でこんなものを万単位で撒くなら爆弾撒いた方が早いし、レジスタンス相手にはステンガンとかもっと使い勝手のいい武器を空中投下してた様だし。
「マッカーサーがアジアの抗日レジスタンスにばら蒔いた」「中国へ10万丁が引き渡された」「本銃に興味を示していたOSS(CIAの前身)経由で一部がギリシャに流れた」等の説があるものの、計画自体が極秘だった為か実際の行方はほぼ不明。マッカーサーが「うん。確かアジアの方で誰かに5万丁ほどばら撒いた」と言った事だけは事実の様だが、その相手先さえも不明。
今ではEbayで450~高い物で5000ドル以上の値がついている。

  • ファルコン9
PayPalで時代の風雲児となったイーロン・マスク、「週刊空母ができるなら週刊宇宙ロケットも出来るんじゃね?」と豪語しファルコン9計画をぶち上げた。
彼が創立したスペースX社は「宇宙ロケットを年間30機作るぜ!」とのことで…。

  • 在欧米軍
イギリスやドイツなどヨーロッパ各地に常駐しているアメリカ軍。
最大の敵国であるロシアが近いからか、有事に備えて軍服やら海上コンテナやらあらゆる物資を必要数の数倍ほども発注する。
だが幸いなことにそういったことはあまりないため、ほとんどがデッドストックと化し廃棄される。
それらは一回10万~12万ユーロでドイツの自動車販売会社モーロック・モーターズが買い取るという契約を結んでいるため同社に引き渡されるが、同社はそれを仲卸などで転売することで利益を挙げているためヨーロッパ中に米軍由来の品が行き渡っている。
同社によればある日品目だけを記したリストが送られてきて後日引き取ることになるそうだが、転売しても損だったこともあるらしい。さながら闇鍋ガチャである。


物持ちの良さ

大量生産や潤沢な資金投入により品質レベルで向上されたため、古い車両を末永く使い倒しましょう計画もとい長々使われる事もよくある。
退役した飛行機や武器を腐敗防止処理をして保管(モスポール保存)し、時々引っ張り出されて現役復帰したりする。

  • B-52
THE・ジェット重爆。別名BUFF(バフ 醜い太っちょ)。
後継機共が超音速侵入だったりステルス重点だったりと一点特化型ばかりというのもあり、唯一の普段遣いできる重爆として初飛行から半世紀以上経った今でも現役。
「私が初めて乗ったのがB-52でした。こんな爆撃機に乗れる私はきっと特別な存在なのだと思いました。そして今では私がおじいさん。孫が乗るのはもちろんB-52。なぜなら彼もまた特別な(ry」という某キャンディのコピペが通用するレベル。
というか未だにバージョンアップを重ねている。最終機の納入が1962年なので一番若い機体でも2022年に還暦を迎えたにも関わらず、空軍は最低限2045年までこき使うつもりらしい…。
このコピペがひ孫になる日も近い。

2008年と2016年に機体を墜落させたため、2016年と2021年にアリゾナ州ドーソンにある古い兵器の保管基地、別名「飛行機の墓場」に保管されていたB-52を再生させて飛ばしている。
前者はB-52Hの初年度機(1961年製)、後者はB-52G最終年度(1960年製)とされている、どんだけ保つねん?
よく見ると、機体の外装に経年劣化のシワが見られるものもちらほらあるそうな。
「外装張り替えろ」はい、ごもっとも。改修します。
ちなみに交代する新型機の話は全くない。*4

ついでに言えばこの飛行機の墓場、今までに作られた殆どの機種がモスポール保存されている。F-117なんかは一切解体せず時々飛ばしている事をペンタゴンが認めた。

史上最悪の欠陥ライフル。別名シャーリーン。
物持ちの良さ、とはちょっと違う。保管していたら役目が回ってきた。
詳しくは項目に譲るが、要するに本来想定してなかった戦場(ベトナム)では役に立たず、想定していた戦場(ロングレンジの撃ち合いになる砂漠とかアフガンとか)まで待っていただけ。とりあえず保管しておくのがアメリカ式だが。
まあその戦場でもオリジナルではなく、残っているのは機関部のみと、ほんとにM14なのそれ?ってレベルで魔改造されてたりするが
あと民間用のM1A1は「フルオートがそもそも無いので連射反動が気にならない」「乾燥したアメリカでは木ストも気にならない」「なんだかんだで7.62mmのパワーは信頼できる」と大人気。
市販品だけで軍用のMK14EBR並の魔改造も可能なほど。

みんな大好き45ACPのシングルアクション式拳銃。
発売は1911年であるが、現在でも絶賛製造中。パテントも切れたので世界のあちこちで有名メーカーがこぞってオリジナルカスタムの1911を出している。
キンバーとかザウアー&ゾーン(シグザゥエル)GSRが有名。ライバルなはずのS&Wですら「SW1911」というクローンモデルを作っている。
H&Kなんかもわざわざ「操作系をM1911ライクにしたUSP」を制作したほど。
数が数だけにバラ売りパーツで一丁組めてしまう程にカスタムの選択肢も豊富。
もひとつおまけに2012年には海兵隊で再度制式採用

  • ブローニングM2機関銃
重機関銃の代名詞。ビッグママやマ(M)・デュース(2)の愛称で呼ばれている。
登場から80年以上経った現在でも現役、というか新規製造が大絶賛続行中。
新型重機関銃トライアル合格者が先に退役したのに現役続行の生きるレジェンド。
なおそんな武器をちゃんとライセンス受けたのに作れない西側先進国がある模様。はい日本の事です。

みんな大好き空飛ぶガトリング砲。
「もうこいつ…というより対地攻撃機の時代じゃないよね」と言われる度に本機でなければ無理ゲーな事態が起こり、戦場に呼び戻されている。
さすがはあの魔王がプロデュースした機体だけはある。
F-35C(分類的にはF/A)の遅れにより稼動期間はさらに延びる模様。というか何回も何回も延期してたらついに引退が無期限延期になった。レッツ近代化改修中

  • C-130ハーキュリーズ
世界初のターボプロップ輸送機にして中型輸送機の決定版。
世界初でありながらいまだに現役、かつ、後継機もライバルも現れる気配がないという「原点にして頂点」という言葉を体現するかの様な傑作機である。
改良がほとんどされておらず、手を入れているのはエンジン、電子機器、プロペラのマイナーチェンジぐらい。
つまり機体の基礎設計は改良の余地がないほど完璧だったという事になる。
ちなみに左側に砲を並べまくって「ガンシップ」化したり、タンクを詰めて給油機にしたりと運用も自在。そらそうだ、中身すっからかんの貨物機なんだから。

大型輸送ヘリコプターの傑作。C-130と同じく半世紀選手なのだが、後継機が現れる気配もなく、未だに生産が続いている。
2021年にようやく後継機「チヌーク・ブロックII」がデリバリーされた。
…後継機?はい、0系新幹線のごとくチヌークをチヌークで置き換える、もしくはブロックII相当に改造するだけです。
ただし細かい改良は続いており、初期型と現行型では見た目が似ているだけの別物と言えるほどの違いがある。

  • ボーイング707 / ボーイング367-80
ボーイングの元祖ジェット旅客機。
未だにこいつの系譜の機体が掃いて捨てるほど地球上の空を飛んでいる。
上記のB737も元を辿れば基本設計はB707に行き着く機体だし、軍用機としてはそのB737をベースとしたP-8に始まりE-8、KC-135、E-3セントリーとかなりの数の子孫がいる。
地球の空からB707の系譜が消える日は当分先だろう。

  • ゼネラル・エレクトリック J85
F-5戦闘機等に使われている小型ターボジェットエンジン。
米空軍では2040年代まで使う事が決定している。
それってつまり100年近く使い倒すって事ですよね?

  • フォード クラウンビクトリア
フォードのアメリカンフルサイズセダンにして、ミスターアメパト。クラウンビック。
基本設計の古さから民需向けとしての役目を終えた後もパトカー向けにひたすら作られた。
てかほぼ「パトカーの為だけに」長年生産された。
で、クルマ自体もパトカーを引退した後でも乗用車やタクシー、或いは地方の保安官の御用達に普通に転用される位には物持ちがいい。

  • アーガスC3
30年近くもモデルチェンジすることなく生産を続けた伝説のカメラ。

  • デルタ航空
全米第三位の航空会社。他社から機材更新のために放出された1980年代後半から90年代前半に製造されたMD-88やMD-90、B757といった古い機材を買い込み改造の末未だに就航させる、生ける旅客機博物館。
実質ダグラス機で会社泣かせのB717も未だにダグラス系列の機材が現役なデルタなら問題なく運用可能で、全世界のB717の6割がデルタに集中している。このB717とて、元はと言えばDC-9の置き換えに導入した機体。なんで2000年代で生きてんだ。
MD-90はデルタが最後の運用会社であり、新型コロナウイルスによる経営悪化で2020年6月限りで退役が決まったものの、退役時点で平均機齢が23年である。これでも若い方なのがデルタクオリティ。

  • DC-9
ダグラスの傑作機。あまりにも売れすぎたせいで倒産したほどで、1965年の初飛行以来、B717までその設計思想が受け継がれた名機中の名機である。
滅茶苦茶寿命が長く、なんと50年を超えて現役の機材が未だに存在する。上述のデルタ航空では2014年まで旅客営業していた。どう考えても頑丈すぎである。


雑さ

性格の雑さ、もとい「合理性」を最優先して仕上がりがとても若干雑になる事もしばしばある。
雑なんじゃない、生産性その他の「合理性」を優先しているだけだ。

  • 大型製品
純米国産は(特に民生品は)作りが割と雑。
アメ車であればダッシュボードの隙間に指が入るほどだとか何とか…

  • ノースアメリカン F-82ツインムスタング
「航続距離の長い戦闘機作らないか?」という計画で生まれた機体。
簡単に言うとP-51を横に2機合体させた代物。
雑な発想だけど実際航続距離は長い上に曲がりなりにも複座(両方のコクピットで操縦可能)なためパイロットへの負担も少ないと、中々の出来。
元々純粋にP-51同士を合体させるつもりだったらしいが結局ほぼ別物化。
急旋回したら翼下に吊り下げていた外付けレーダーが外れたりした事があったのはご愛嬌。

  • フィッシャーP-75 イーグル
ゼネラル・モーターズ(また御社か)が、高性能戦闘機を手っ取り早く作ろうと考えた戦闘機。
ただその発想が既存の傑作機のパーツを組み合わせる俺機体
主翼はP-40(試作機)/P-51(量産機)!
尾翼はSBDドーントレス!
主脚はF4Uコルセア!
で、エンジンは下記のV-3420で二重反転プロペラをぶん回す!
むはははは!!!手堅い設計でしかも簡単に高性能戦闘機が…できるわけねーだろ!

  • アリソン V-3420
上記アリソンV-1710エンジンを2つくっつけた。
イギリス・ドイツ・日本「だーから双子エンジンは死亡フラグだっつーの…」

  • ゼネラル・エレクトリック CJ805-23
コンベアCV990に採用された(一応)アフトファン式ターボファンエンジン。
その実態は…
J79の民生版であるCJ805の後部に(エンジンの排気で)自由回転するファンをポン付けして「はい、ターボファンエンジン」と言い張っている代物。だが燃費は20%も伸びたので一応成果は上がってる。

  • イコライザー式台車
釣り合い梁が点検・整備の邪魔になる為、日本では廃れた方式の列車用台車。
だが劣悪な線路でも台車への負荷が少ないという強みがあり、保線がアレすぎる米国では今なお現役。
上述のメトロライナーすらこの台車。

  • WN継手
日本でも新幹線とか私鉄、或いはJR西日本でおなじみのタイプの継ぎ手。
カルダン駆動っていうのはモーターが車軸から見ると「浮いている」ので車軸との偏位をどうにかして吸収したりする必要がある。
じゃあどうする?
「よし、歯車とバネを使ってグニグニ自在に曲がる継ぎ手を入れちゃえ」という代物。
発想は雑だがその分却って頑丈であり、大ヒット商品となった。

  • MRE
米軍の最大の敵レーション(戦闘糧食)
(初期型は)「栄養を摂れて、保存がきく」という実用性のみを重視した方向性により、味はもはや「お察しください」レベルすら通り越していた。
え、どんな代物だって?「MRE」と書いてどう呼ばれていたかを調べればその凄まじさが分かるだろう。
流石に現在では改良が進んでいるようだがそれでも「美味い」という評判はあまり聞かない
あと食い続けると便秘になる。わざとだけど。

  • AIR-2 ジニー
露助の爆撃機が大挙して攻めてきたらどないしよー!?
「よし、核ロケット大量にブッパして迎撃だ!」
という(危なすぎる)発想の対空核ロケット弾。繰り返す、ロケット弾である(無誘導でひたすら弾幕を張る)。
核弾頭RPG-7なデイビー・クロケットもこの血統。

  • チャリオット作戦
核兵器による土木工事計画。
具体的にはアラスカ州の一部に水爆で穴を開けて人口の湾を造り、そこに港を作るというもの。
環境汚染等の問題が山積みだと発覚し、中止となる。
一応フォローすると、この手の物は「平和的核爆発」と呼ばれ、他国でも発案されてはいる。尚、ソ連は本気で実行してしまった(チャガン湖)。
更には日本でも「鋸山を核爆弾でふっ飛ばしてその土(と房総丘陵を削って出た土)で東京湾を半分埋め立てて新しい首都を作ろう」というバビロンプロジェクト計画がぶち挙げられた事があるとか。

  • 急速濾過方式
アメリカで開発された浄水場における原水の処理方法。日本を含め大抵の先進国も浄水場はこの方式。
昔ながらの緩速濾過(巨大なタンクに砂を入れ、そこに水を流す事で砂とそこに住み着いた原生生物の働きで不純物を濾過する)は処理量がたかが知れている。ま、「緩速」なんて付いてる位だから仕方ないね。
でも人が増えたりで大量の水道水が必要になった、さあどうする。
てな訳で「原水に不純物を固める薬品をぶち込んで、不純物を沈めてしまう」この方法が開発された。
なお元宗主国では未だに緩速濾過方式がまかり通っている模様。

  • アメリカのスーパーマーケット
大手は「でかくて広くて銃からダイナマイトから棺桶までなんでも揃える」ウォルマート、「でかくて広くてパレットに積まれた商品を売り場に直置き」の雑すぎる陳列のコストコ等、「規模・量・雑さ」を併せ持ったようなものが多い。
商品1つあたりの容量も実にアメリカン。

  • スーパーセンター
ウォルマートが多く採用している形態の店舗。
アホみたいな売り場面積の店舗にありとあらゆる商品を並べ、会計は中央レジ一箇所だけで行うという雑な形態の店舗。
個人商店をそのまま巨大化させた様な構造とでも言えばいいか。
日本ではトライアルやMrMaxのようなディスカウントストア系や、ウォルマート傘下になった西友、或いはベイシアが時々この手の店舗を開業させている。
イオンも一時期この手の店舗に手を出した事があるが、黒歴史と化した。

  • PentiumD
Pentium4のCPUダイ(CPUの本体であるシリコンチップ)を1つのパッケージに2枚ぶち込んだ「デュアルコア(物理)
1つのチップ内にCPUの回路が2つあるのではなく、パッケージ内にCPUのチップが2枚入っている。

  • Core2 Quad
まだ懲りてなかったIntel。
…そう、今度はCore 2 Duoを2つで「クアッドコア(物理)」
だが「前作」と違って性能は悪くなかった。

  • nVIDIA Tegra
モバイル機器や車載システム向けに開発されたシステムLSI、早い話が「ワンチップコンピュータ」。アニヲタ的にはnVIDIAのゲームマシン「SHIELD」とか、或いはNintendo SwitchとかのCPUとして使われているアレといえばいいかもしれない。
「モバイル機器に数年前のハイエンドPC並のグラフィックス性能を与える」(例えば初代Tegraの場合、GeForceFX相当のグラフィックを実現できるとされている)というコンセプトのチップだが、
モバイル機器に求められる「省エネ」と、ゲームPCの「美麗グラフィックス」の両立の為、「使ってない回路はクロック落とすとかせこい事はせず、回路の電源自体を切ってしまえ」という雑な手段を用いている。

  • フォード ピント
豪快なアメ車より手軽で安価な日本車や欧州車が人気な事から、フォードが対抗して開発したコンパクトカー。
しかし…

設計者「…とりあえず設計したけど、これガソリンタンクの位置ヤバイよ?オカマ掘られたら即ファイアー!だよ?」
「構わん!何かあったら賠償金払えばどうにかなる!計算させたら事故は大体180件、賠償金予測は合計5000万ドル、改修させたら改修費用で1億ドルかかるし得だ!

…という、あまりに雑な設計&対応を前提として製品化。
だが実際に事故発生→火災→裁判所「賠償金、この1件だけで1億ドルな」 という結果に。
しかもこの裁判結果は企業倫理を学ぶ上で重要な反面教師にもなってしまったというオチまで。

  • ダクトテープ
アメリカでは定番の超強力粘着テープ。ガムテープをより強力・強靭にした様な物。
で、アメリカじゃ「壊れた?ならとりあえずダクトテープで応急処置」なノリで雑に使われる。
車も、飛行機も、住宅も、宇宙船も。
日本の某鉄道会社「え?テープで修理って、なんかおかしいのかな?」
また魚の目治療薬の固定やモデルの胸寄せ谷間作り等、絆創膏代わりに素肌に貼り付けたりもする模様。肌痛むから絶対真似すんなよ。ガムテ脱毛とか絶対やるなよ?やるなったらやるなよ?皮膚真っ赤になって血が出たり毛穴が化膿しまくったりするからな?

  • M40 106mm無反動砲
米陸軍の無反動砲。M27 105mm無反動砲の改良型。
兵器の設計や構造がというより、実際には105mm口径なのに同口径のM27と区別する為に名前だけ106mmにしたという管理の雑さが特徴的。
……とはいうものの、第二次世界大戦で17ポンド砲を含めた四種類の76.2mm戦車砲が米英で運用された際には混同を避ける為、
M4中戦車やM18GMCに搭載された新設計の52口径砲のみ76mm砲と称し、M3中戦車派生の戦車駆逐車M10GMCに搭載された高射砲由来の50口径砲は3インチ砲、
元々は75mm高初速砲として構想されてA34コメット巡航戦車に搭載された50口径砲は77mm砲と区別しており、一定の合理性は認められる。

  • 接着剤
接着剤そのものというより使い方なのだが、近年のアメリカ設計の(とりわけ民生向け)電子機器はガワに関してはネジ止めや爪でパチッと嵌めるのですらなく、「超強力接着剤で貼り付けて完成」というパターンが基本。iPadとか、MacBookとか使ってる人ならわかるよね?
整備性は…察しろ、安く大量に作ってるんだから買い換えればいいんだ。

  • ピープル・エキスプレス航空
アメリカにかつて存在した格安航空会社。
何が雑なのって、運賃体系である。
いわゆる早割などがなく、いつ航空券を買っても値段が変わらないというバスや新幹線の様な方式。
運賃の変動がないので、座席さえ空いていれば切符無しで乗って機内で料金を支払う「駆け込み乗機」も可能だった。

  • ギャロッピンググース
今で言うところの単端式レールバス。
元々鉱山鉄道だったRGS社だったが、その悉くが閉山してしまったため一転して保線すら厳しい苦境に立たされる。
だがインフラを必要とする人のためやめられない…ということで製作されたのがこの車両。
セダンにトレーラーの荷台を合体させて、台車に乗せるだけ。ね、簡単でしょ?
保線の手間と需要を考えれば重い蒸気機関車よりこっちの方が楽だということで、7両作られた。
特徴的な外観から6両が保存され、残りの1両もレプリカが作られている。

デカい

デカさは正義とばかりに色々なものが巨大化するのがアメリカ流。「アメリカンサイズ」と言われれば、特大のカップにデカ盛りにされたジャンクフードの山が目に浮かぶ。

  • 食べ物のキングサイズ
映画館のポップコーンやファストフード店のコーラ、フライドポテト、ピザ、特大のアイスクリームなどなど、大半のジャンクフードにはキングサイズがあるといっても過言ではない。
とあるtwitterユーザーが投稿した写真には特大カップに山盛りのフライドポテトとフライドチキンとベーコン、そこにたっぷりの溶けたチーズが乗っかり、ランチソースが回しかけられた実にアメリカンな代物が写っており、その有り様にLANケーブルが脂で詰まりそうだと皮肉を言われる始末。
先述の大型スーパーでは飲み物がガロン単位(約4リットル)で売られ、アイスクリームに至っては 1.5qt(1420ml)程もあるバケツ大カップ入りのキングサイズを買っていく人もザラ。
1000g越えの肉料理?アメリカ人の主食です。
因みにアメリカはポンド・オンス単位が一般的なので、ファストフード店に行って食べ物を頼むと日本サイズの約1.5倍のサイズで出てくる。
無論そんな生活を続けていれば体型もキングサイズと化す為、アメリカでは肥満が社会問題化している。

なんとなく日本だと分かりにくい?
なら近所のスーパーに行ってくれ。5Lそこそこのペットボトルに入ったバカデカい酒が売っていると思う。
ジュースや酒や洗剤など、液体は基本的にもれなくあのサイズでの販売だと思って頂いて差し支えない。

あと割と忘れられているのだが、アメリカのコンビニにはドリンクバーがある。ファミレスにあるみたいなあのドリンクバーだ。で、コップを買って好きなだけ注いでもってけ、というスタイルなんだがその容量いちばん大きいもの(Double gulp size)で驚きの1.85L。1.85リットルだ。そらお前、体型も樽になるわ。

  • 銃の口径
一部の田舎じゃグリズリーとかの大型野生動物が珍しくないからか、それとも単なるお国柄なのか、銃の口径も大口径が大好き。
あのクリント・イーストウッド演じるダーティハリーことハリー・キャラハンが携え一躍有名になったM29と.44マグナムや、9mmパラベラム弾が普及したのに未だに人気がある.45ACP弾とそれを撃てるガバメントモデル、言わずもがな世界最強の拳銃であるS&W M500、バレットM82対物ライフルなどなど枚挙に暇がない。
ぶっちゃけ単発仕様のバレットはウォルマートで買えたりするらしい。メーカー曰く「こんなデカくて目立ってうるさくて持ち運びにも苦労する代物よりも、こっそり隠し持って暗殺とかに使える小型拳銃の方が危険じゃないかね」
……一見するとこじつけか何かの様だが、例えば暗殺されたアメリカの大統領で遠距離から狙撃されたのはケネディだけ残る全員は犯人が隠し持った拳銃によるもので、レーガン暗殺未遂事件も後者だった事を考えると案外間違っていないのかもしれない。そもそも50BMGの競技用精密弾はめちゃくちゃ高い上に限られたディーラーしか売れないからすぐに足がつく。
ただ最近になって大口径弾の普及が一般人の間でも急速に進んだ為か大口径の銃犯罪も増え、直接の関係があるかは不明だが致死率も増加しているとの事(全く関係が無いなんて事もないと思われる)。

  • T-12 クラウドメーカー
アメリカ版グランドスラム(超大型爆弾)。
全重量はグランドスラムの倍の20t!
但しペーパープランで終わる。まあ実現したとしても搭載できる爆撃機が当時は世界中探しても恐らく存在しなかったんだけど。

  • リトル・デーヴィット
日本軍の強固な防衛戦術に業を煮やした米軍が、忌々しい日本兵を陣地ごと木っ端微塵にしてやる!という狂気の発想で開発した巨大迫撃砲。元々航空爆弾の投下試験代わりに使っていた射出機を転用した代物。
口径は80cm列車砲(ドーラ)も真っ青の91.4cmで、火砲としても世界最大。
その重さ、衝撃の約83トン。あまりに巨大すぎて上下2ブロックに分割しないと運べず、設置前には砲の重さと発射時の反動で地盤沈下が起きないか入念に地質調査を行い、牽引車2台と油圧ジャッキ6つ、クレーン、ショベル、ブルドーザー、そしてそれらを操作する為の作業員数十名を動員して実に12時間がかりでようやく設置される。言っておくが基地の設営作業等ではない。たった一門の迫撃砲の設置にかかる労力である。
その威力たるや着弾地点に直径10m、深さ5mのクレーターができる程。
命中精度がガタガタ、飛距離も短く、何より運用コストが洒落にならないなど問題山積みで開発は難航し、実戦投入前に日本軍は降伏。そのままお蔵入りと相成った。

  • ヒューズ H-4 ハーキュリーズ
「(前述の)リバティ船いっぱい作っても沈められまくって割に合わねえ!こうなったら超特大の飛行機作ってそれで荷物運ぼうぜ!」という計画にあのハワード・ヒューズが乗り、作られてしまった飛行艇。
第二次大戦期の航空機にも関わらずあのエアバスA380に匹敵する巨体。B747よりもデカイ。
エンジンは上記の呪いのエンジンワスプメジャーを8発搭載。
これで勝つる!
…のはずがヒューズ(率いるヒューズ・エアクラフト)自体の体力が無い等で試作機一機が作られたのみ、試験飛行一回だけ行って没。
低空・短距離・短時間の飛行だった為、「飛んでいるというより表面効果で『浮いている』だけではないか」との見方もある
ただそれでも本当に作ってしまうのが米国面の米国面たる所以だが。
まあ、試験して失敗を認めるのも大事なアプローチである。

  • スーパーライナー
アムトラックが運行する寝台列車。
オイルショックが発端となり「省エネな鉄道をもっと利用してもらおう」と企画されたもの。
が、そこはアメリカ。日本の常識が通じない寝台列車である。
客車はオール二階建て、車体そのものの寸法すら日本ではありえないくらいのデカさ。
ちなみに貫通路は二階部分のみにある。

  • GeForce RTX3090
NVIDIAが満を持して送り出したゲーミング用グラフィックボード。
RTX30シリーズの最上位モデルで、実質的に20シリーズまでのTitan枠。
トチ狂った性能や値段は勿論の事、とにかくサイズがデカい。
FEで313mm×138mm、3スロットを占拠というその威圧感はほぼ二回りほどデカいティッシュ箱である。
ここまで来るとミドルタワーの中でも大きめのPCケースを選ばなければ中に収まらない。
しかも背面吸気なので浮かせないといけない。マザボが捻じ曲がらないか心配である。
ちなみにプロモではITX-miniのマザーボードにブッ挿されてマザボごと自立した。
こいつに足がつけばケースレスPCの時代が来るかもしれない。
そして3090で打ち止めだと思ったら4090で更に巨大化した、流石に自重しろw

  • カブース
主に貨物列車の最後尾に付けられる、ディーゼル機関車のような外観をしたでかい車掌車。
上述のように貨物輸送の需要はありすぎるが運行時間も長くなってしまうため、車掌が一人じゃ足りず複数人が乗務するための生活空間を確保。
更に列車全体を斜め上から見られるよう、キューポラも作った結果こうなった。


割り切り

アメリカ産はデカイ・多機能・全部入りが特徴?その印象に真っ向からNOを突きつける!と言わんばかり、合理化と割り切りを極め「過ぎ」ちゃった者たち。
極めすぎて慣れるまでちょっと時間と手間がかかったりする事も。

  • A-4スカイホーク
「小型軽量化すれば自ずと高性能になる!」のハイネマン魂が形になった攻撃機。
徹底した小型軽量化により、攻撃機ながら戦闘機とも張り合えるほどの運動性までゲットしちゃった。

  • GEインスペクションテクノロジーズ USM25・USM35・USM36
GE系列企業製の超音波探傷器。
「画面横のファンクションキーで設定項目を選び、左右のダイヤルで数値の上限や設定のON/OFFを選択」
という独特な操作体系を採用しており、十字キーやスティックを見慣れた我々日本人は確実に初見では面食らう。
だが慣れればダイヤル操作のお陰でかなり素早く操作できる。……本シリーズ最終モデルのUSM36を除いて。
USM36のどこがヤバいのって、機器側のインターフェースがUSM35までのジョグダイヤル+ファンクションキーなのに、OSは後述のUSM Goのものをほぼ改修無しで入れてある。十字キーでの操作が前提のソフトを、だ。
「電車でGO!」の専用コントローラーでドラクエやFFをプレイしろというようなもの、といえば、ヤバさがなんとなくでも理解できるだろうか?

  • GEインスペクションテクノロジーズ USMGo
上記USM25/35/36の後継機。
こちらは操作体系が十字キーになったので多少はわかりやすくなった…と思ったか?
殆どの操作が十字キー(と十字キー中央のEnterキー、そしてソフトキー4つ)に集約されているので覚えるのに若干時間がかかる。
ちなみに中枢部には一般的なCPUではなくFPGA…まあ、なんだ、その、乱暴に言うと「プログラムで構成そのものを書き換えられるIC」或いは「可変型電子回路チップ」とでも言うべきブツを使っている点も特徴的かも。

  • MOS 6502
AppleIIやコモドール64、ファミコンPCエンジン等に採用された事で知られるCPU
モトローラから独立したスタッフが旗揚げした「モステクノロジー」が開発したもの。
モトローラのMC6800を元に徹底的にシンプル&効率化が行われている。
どれ位シンプルかというと、アキュームレジスタ(メイン計算用メモリ)がたった1つしか無い。但しその分、「メモリの先頭から8ビットで指定できる分を汎用レジスタモドキに使えるから、実質レジスタ256本として動かせるよね!」というわけわからん仕様。
その結果お値段25ドル(8080やMC68000は約150ドル)とお買い得価格、その上プログラム次第ではこいつらよりも速いという訳のわからないブツに仕上がった。

  • Intel Atom
「開発環境が充実しているx86を組み込みやモバイルでも使いたいお…」という需要に応える為に開発された、Intelの組み込み向けCPU。
高性能化を割り切りまくって(それこそトランジスタ数=CPUダイのサイズすら削減して)作った超省エネ版x86
その効果はAtomよりも周辺のチップの方が電気を食う事も珍しくない程。
当然ながら性能もそれ相応になっており、稀に販売されているAtom搭載のWindows PC等は碌に動作しないほど。

  • テスラ M3
合理化のために速度計まで中央の15インチパネルに装着したEV車。
つまり速度を見たい時はセンターパネルをチラ見しなきゃいけない。
ボルボも真似しちゃったけどそれやっちゃっていいのかー?ほんとに安全なのかー?
一応日本というかトヨタでも「運転中はこの辺をよく見てるからそのちょっと下にメーターを置こう」としてたけど、「やっぱりハンドルの前じゃないと逆に危ない」と戻した経歴がある。
そのトヨタ式センターメーターでも流石にナビ等の画面とは別にしてたぞ?


多民族国家

アメリカは多民族国家。発想の源も。

H.P.ラヴクラフトの創作を中心とするホラー作品群。
創作のみならず各地に実在する神話伝承すら作中に取り込んでしまうという意味では、多民族国家のアメリカらしい作品群とも言える。

  • ハロウィン
元々はアイルランドのマイナーなお祭りだったが、多民族国家たるアメリカに伝えられてから色々と「化学変化」を起こして原型とはかけ離れた内容に。
「仮装行列」「子供がお菓子を貰う」等の風習も実はアメリカ発祥。ついでにジャック・オー・ランタンの材料にカボチャ使うのも。
おい某同盟国も真っ青の魔改造振りだぞ。

  • 裁判
アメリカでやたらと裁判が多い理由は、「多民族国家が故に一番公平な解決法」として裁判が用いられる事に由来している。
それ故他国から見れば「それは冗談で言ってるのか…?」と言いたくなる様な裁判すら起こるのはご愛嬌。「隣の家のあはーんな声がうるさいから裁判所から命令出してくれ」とか。
そのせいで「猫レンジ裁判」とか「コーヒーぶっかけられた裁判」などの都市伝説が生まれまくった*5

英国面(アメリカ版)

祖先の遺伝子が何らかの拍子に発動したとしか思えない、上記のどれにも当てはまらない様な奇妙なものたち。

双胴機の中央にコクピットを取り付けるという奇妙なデザイン。
零戦全盛期には低空域での格闘戦に強かった日本兵に「ペロハチ」(ペロリと平らげられる(=容易に殲滅できる)P-38という意味)だのメザシだの戦闘練習機だのと散々コケにされたが、格闘戦に強い零戦の強みに付き合わない、パワーを活かした一撃離脱戦法が訓練で叩き込まれて以降、完全に零戦とキルレシオが逆転し、「双胴の悪魔」とまで呼ばれ恐れられる事となった。

  • ロックウェル XFV-12
「ちっこくてお手頃価格の空母から発進できる戦闘機何か考えて」「よしVTOL機だ!」
ここまではわかる。が、その手法たるや…
「主翼の上にジェット噴射して揚力を水増しする、その名も"オーギュメンター・ウイング"だ!」
だが実際作ってみたら(ジェットエンジンからの噴気を導くための配管で)圧力損失が起こって目論んだ推力が出せないという始末。
人呼んで「伝説の出落ち戦闘機」。

  • ボーイング X-32
JSF計画に応える為にボーイングが提出した、X-35の競合機。無尾翼デルタに機首下部をグルっと囲むエアインテークが特徴。
…紅茶がぶ飲みした序にハンバーガーしこたま食った奴がデザインしただろこれ。
ステルス性などの面ではこちらが優れていたらしいが、ウェポンベイや複雑なVTOL機構など問題を抱えてしまい、X-35に敗れる形となった。

  • ヴァルティー XP-54
ツッコミどころ満載の仕様の試作戦闘機。
まずエンジンはH型、どういうものか簡単に説明すると「水平対向エンジンを双子エンジンに仕立て上げた」。
これだけならイギリスにもあるにはあるが、同じくH型エンジンを搭載したイギリスのホーカータイフーンが普通の飛行機の形をしているのに対し、こちらはやけにひょろ長い胴体に推進式プロペラ、双ブーム尾翼と言った奇天烈な形状。(二本の棒の後ろにHの形に組み合わせた板がついている様なもの)
更に操縦席は地上にエレベーターの様に降りてくる。お前はサンダーバードウルトラ警備隊の秘密メカか。

「高機動で重火力の戦闘機作ろう」「じゃあどうする?」
「そうだ!プロペラシャフトと銃身を共用して、一番重いエンジンを重心のとこに置けばいい!」
てな訳でエンジンの位置をミッドシップが如く機体の中心部にしてみたが…。個別記事参照。

  • 籠マスト
一時期アメリカの軍艦で流行したマスト。
金属板を組み合わせた如何にもな構造物でなく、鉄骨を編んでマストを作る。
え、よくわからない?乱暴に言うと、普通の艦橋の代わりに小さなテレビ塔が船に載っていると言えば大凡合っているかもしれない。スカイツリーや東京タワー、エッフェル塔の小さい版が。
「軽量で見晴らしのいいマスト」を目指して考案されたものであり、実際のところ軽くて見晴らしがよくしかも頑丈だったが…
荒天に弱いという弱点が発覚してからは光の速さで廃れた。

第二次世界大戦におけるドイツの総大将、ヒトラーはそのカリスマ性がヤバイ。
さて、どうする?
そうだ、よく調べたら結構女性的な面があるからいっそ本当に女にしちゃってドイツ国民を幻滅させよう!
詳しくは個別記事で。

  • クォーターホース
西部劇と乗馬クラブでおなじみの
瞬発力を重視した改良がなされており、短距離ならサラブレッドよりも速いとか言われている。
実際90km/h超えの記録もあるらしい。馬ですよ?動物ですよ?ナマモノが叩き出したんですよ?

  • ルータン ブーメラン
Bv141以来の左右非対称軽飛行機。
設計者は「スペースシップワン」の設計で知られるバート・ルータン博士。

  • セスナ336 スカイマスター
胴体前後にエンジンを搭載し、尾翼は双ブーム方式という奇怪な形状の軽飛行機。
見た目は変だが片肺でもバランスを崩しにくいという利点がある。エンジンの回転を逆にすれば回転モーメントも無視できる。単なるバカ設計とも言い切れない。
「エリア88」の漫画版でもチラッと出てきている。

  • ローリングボム
まさかのアメリカ版パンジャンドラム。
直径3mのトゲボールにレシプロエンジンと爆薬が入っており、
上空からパラシュートを使って投下すると内部のエンジンで転がりながら自走。
そのまま敵兵は踏み潰し、戦車に当たると爆発するというもの。
「敵味方の識別どうすんだよ」「どこに転がるかわからない」という訳でペーパープランで終わった。それでいい、やめとけ。

  • ACE3000
激動のオイルショック時代に企画された現代的蒸気機関車計画。
一応「アメリカ国内では石炭がいくらでも採れるし、石油の代用としてはいいんじゃない?」という真っ当な発想に基づく計画だが、
原油価格が下がったため開発の必要が無くなりお蔵入りとなる。
ちなみに中国にも売り込もうとしていたが、「いや流石に俺らでももう蒸気機関車はねーよ」と断られたらしい。南アメリカやアフリカ諸国ならその頃でも売れたかもしれん。

  • フォード・エドセル
フォードの自動車市場に燦然と輝く黒歴史
フォードが1950年代に発表したブランドだが、作りが雑だったりデザインがアレ(フロントグリルの形状がXXXだとか言われたり…)で大コケ。
ちなみにエドセルの名前はヘンリー・フォードの息子で二代目社長で30年代にフォード社立て直しに奔走したエドセル・フォードに由来する。
外観だけでなく変速機もオートマチックトランスミッションの変速ボタンがハンドルの中央に居座るなど、中々個性的。

  • トランスメタ Crusoe
トランスメタ社が開発したx86互換のCPU。
…だがCPUの回路構造はx86とは全くの別物であり、x86向けの命令をCrusoe向けの命令にいちいち翻訳して動かしている、
要するにx86をエミュレートしているというとんでもないCPU。
何でこんなめんどくさい事をしているのかというと、「x86だと省エネ化に限度があるから簡単な構造のCPUでx86をエミュレートすれば省エネCPUになるし、ソフトの変更でx86以外にも対応できるはず!」という発想から。
だがエミュレートにもひと手間かかる訳で、同条件での速度はPen3の6割しか出ないという「省エネ以外に利点がない」製品となってしまった。
おまけにいい加減Pen4の爆熱っぷりを問題視していたIntelが効率重視のPentiumMを市場に投入したおかげで「終了のお知らせ」となってしまった。
なおその変態CPUを使って省エネに全ステ振りで、液晶すら反射型TFTカラー液晶、バックライトなにそれ美味しいの?という変態ノートPCを作ってしまったNECという企業が日本にある模様

  • クライスラー A57
M4中戦車用のエンジンの一つ…だがその実態は直6エンジンを扇形に5つつなげた「W型30気筒」というゲテモノ。
こんなゲテモノ、V8大好きアメリカ人でも「こりゃねーわ」…となるどころか、
一部では「ゲテモノだけど整備自体はそこまで難しくはないよ?」という声もある奇怪なエンジン。
まあ直6が5基連なっていると思えばいいだけだし(震え声

…ところで、こんな物を「整備はそこまで難しくないよ?」って言ってたのはどこの誰だって?元宗主国ですよ。
しかも「うちの戦車よりもだんっぜん信頼性が高いじゃん!」とか言って、本エンジンを積んだM4で工作タイムを喜んで行ってた模様。…それでいいのかイギリス。

  • クライスラー TV-8
これマジ?と言いたくなるほど車体に比して異様にデカくてキモい流線形の砲塔を持つ原子力中戦車
重量が25tと軽量だが、そのうち砲塔部分が15t。
流線形なのは水陸両用を目指した為で、実際に砲塔部分に舵とジェットがついている。そう、砲塔部分で浮いて船の様に移動できるのだ。
これにより原子力戦車の最大の武器である航続距離を最大限活用可能。戦車一両でどこまで行く気だ。
こっちも試験はやったがお蔵入り。だから試験をやるな。

  • M247 サージェント・ヨーク
1980年に開発された対空自走砲。M1エイブライムスやM2ブラッドレーの配備により、それまでの足の遅い対空自走砲では追従出来なくなると考えられて開発されたが、
「この米帝様が制空権を確保できない状況ってどうなのよ」という意見や、ジェット戦闘機によるアウトレンジ攻撃も当たり前になった時代に捜索レーダーを装備していなかった事もあって結局配備される事はなかった。
しかし、サージェント・ヨークの真骨頂はここから。82年に試作車の起動実験を行ったのだが、なんとこいつは起動した瞬間に実験を見学しに来ていた観覧席のアメリカ軍とイギリス軍将校達をロック☆オンスカイネットでも搭載してたんですか?
すぐに動力停止が行われ発射される事は無かったが、さしもの歴戦将校達も恐慌状態に陥ったそうな。というか配備中止の本当の理由はこれだろ。
ちなみにこいつの搭載する40mm2連装機関砲は人間に直撃したら跡形もなく爆散する。そりゃ恐慌状態にもなるわな。

  • ケンワース W900L
大きなボンネットが特徴のトラクターヘッド。
アメリカの広い大地で長距離輸送を行うには昔から大型トレーラーが必要で、運転席後部の大きなスペースはベッド付き。どころかキャンピングカーになってる物も珍しくない。
時には一人、時には二人で交代で寝たりしながら一台で長距離を輸送できる、アメリカらしいデカさの象徴と言える。
だが大型トレーラーの変速機は現在でも16速とかの多段シフトなのだが、オートマが出てきたのは平成頃。それまでは全てミッション…そう、MTなのだ。
そんな多段変速をMTでやるには、シフトレバーも普通は3本や4本必要とする。
現代でこそシフトレバーは1本だが、副変速機用として2個のスイッチが付いている。
なのにこのトラクターヘッドは、シフトスイッチもない時代に1本で20速まで対応できる。
切り替え方法?シフトを入れる方向だけでだよ。
ニュートラルから見た時に左上に1~4・8速、左下に7・9・10・15速、右上に5・6・11・12速、右下に13・14・16~20速。
しかもシフトレバーがついているのは運転席の横。これを運転中に自然に操作しろって?ごめん無理。

  • フォンテーヌ型蒸気機関車
運転室の前にレールと接さない巨大な原動輪がある蒸気機関車。
この巨大な原動輪の回転をそれより小径な従動輪に伝え、それと軸で繋がっている駆動輪を動かせば既存の機関車よりも速くなると考えて作られたもの。
しかし回転を伝える方法がギヤとかVベルトとかでなくロスの大きい円筒摩擦だったため、文字通りダダ滑りしただけに終わった。
世界で最初の蒸気機関車ですら原動輪から駆動輪まではギヤで回転を伝えているというのに、それ以下ってどうなんだ。
後にホルマン機関車会社とかいう詐欺会社が同じような円筒摩擦のパーツを作ってスピードアップできるなどと謳って投資を集めた。
失敗作を使って騙す方も騙す方だが騙される方も騙される方である。

  • Duplex Bullet
7.62mmNATO弾の中に弾頭をもう一発入れた銃弾。
中の弾は若干ナナメに切られており、一発目の周囲30センチ以内に着弾するという隙を生じぬ二段構え。
ベトナムのジャングルで使う事を想定して作られたが、当然射程などの各種性能が落ちていたためお蔵入り。
ていうかショットガンとか使えばいいのでは…

  • ギャラリーカー
メトラ(シカゴ)・カルトレイン(サンフランシスコ)・VRE(ワシントンDC)等の都市圏鉄道会社で使われている客車。
2人掛けのクロスシートが並ぶ2階建て車両で、日本でいえば在来線のグリーン車や、東海道線の湘南ライナーで走っていた215系電車などが近いかもしれない。
ところが、なんと2階の床の中央部分が大きな吹き抜けになっており、2階席のスペースを大きく制限してしまっている。
キャパシティや安全面等、一見デメリットしかない様に見えるが、設けた理由はデザインでも軽量化でもなく、
「車掌が2階に上がることなく2階席の乗客の検札をするため」というまさかの理由。
列車に乗せる車掌の数を減らし、人件費を削減しようとした結果こうなったのだが、どう考えても吹き抜けを埋めてそこに座席を置いた方が利益が出る。
ちなみにこの客車は通勤列車として使われているのだが、車両が車両なら運用も運用という事なのか、
前述のメトラの場合、多い路線でもラッシュ時30分ごと・日中1時間ごと、少ない路線に至っては1日につき片道3本という、大都市圏の通勤列車とは思えないダイヤで運行されている。確かにこんな過疎ダイヤなら、こんな車両でも通勤列車が務まるのかもしれない。

  • セラミック製エンジン
戦車にとってラジエーターはエンジンに次ぐ重量物にして弱点でもある。
それがなくなって装甲だけになればどれだけ素敵だろう、ということで研究と開発が始まった。
セラミックはスペースシャトルの表面に使われるほど断熱性が非常に高いので、これなら理想を叶えられる…と思われた。
とりあえず作って1.6万キロのデモ走行なんかもやったが、冷却効率以外の問題をクリアできず断念した。
日本でもやってみたものの、不完全燃焼が起きたり燃費が悪くなったりといった諸問題のクリアができなかったのでこちらもお蔵入り。


関連項目

  • 変態兵器 - 米国面でも英国面でもなく、まさに 変態 と呼ぶしかない兵器群。




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最終更新:2024年02月25日 21:31

*1 通常のアヴィエイターではトムの要求には応えられなかったため、曲芸飛行隊「ブルーエンジェルズ」が出張ることになったらしい

*2 照準距離3mという説もあるが、そもそも弾が真っ直ぐ飛ぶかも怪しく、本当に至近距離で撃つしかない…

*3 例として日本だと1941年の公務員初任給が75円、ハガキ1枚2銭(約50円)、1ドル=約5円程度だったので、現代で言うと約21,625円

*4 2023年現在、米空軍が開発中の新型爆撃機B-21はB-1及びB-2の取り換え用とされている。つまり、将来的に米空軍の爆撃機はB-52とB-21の2機種で構成されることになる

*5 後者は実際にあったけど、その理由が混線した結果都市伝説化した物だったり。