小説 仮面ライダー鎧武

登録日:2016/09/25 Sun 21:56:05
更新日:2023/01/12 Thu 00:01:20
所要時間:約 15 分で読めます






「葛葉紘汰は世界を救えなかった」



講談社キャラクター文庫より刊行された『仮面ライダー鎧武』のノベライズ。
著者は、本編の脚本にも関わった砂阿久雁と鋼屋ジンの2名。監修として虚淵玄が参加している。

発表された当時、ニトロプラス公式サイトなどで公開されていた表紙画像では著者は砂阿久雁のみだったが、
後に発売日が決定した際の告知では当初監修の一人だった鋼屋ジンが執筆側に加わっていた。

Vシネマの『鎧武外伝』と連動したTV本編の正統的な続編であり、事実上の「仮面ライダー鎧武・完結編」。
鎧武に関連する作品のほとんどから何らかの要素が組み込まれている。
時系列としては『鎧武外伝 仮面ライダーナックル』の同時期~直後となっている。

タイトルこそ『小説 仮面ライダー鎧武』だが、本編の主人公である葛葉紘汰はほとんど登場せず、彼の想いを引き継いだライダー達の物語となっている。
そういう意味では、同レーベルから刊行された『小説 仮面ライダークウガ』とも共通していると言える。
また作中で「仮面ライダー」という名称は使われておらず、劇中で名称として使われる「アーマードライダー」に統一されている。
(作者曰く、劇中に登場するライダーの新フォームは、すべて既存のスーツの組み換え・色替え・微改造で再現できるようにしたとの事)

また、本作以降の講談社キャラクター文庫レーベルの平成ライダー小説には、巻末にシリーズ毎の「正史」を纏めた年表が併記されるようになった。
本作巻末に収録された「鎧武シリーズ時系列」 に、『ウィザード特別編』や『MOVIE大合戦』、『仮面ライダー大戦』は含まれていないため、
これまでに鎧武達が出会った「仮面ライダー」はドライブだけということになる。


【あらすじ】

メガヘクスによる地球侵略から数ヶ月、
呉島貴虎は、かつて戦極凌馬と共に壊滅させたはずの「黒の菩提樹」が蘇ったことを知る。

凰蓮率いる傭兵部隊と共に「黒の菩提樹」が関与した某国のクーデターを阻止し、ロックシード製造施設を破壊するが、
そこで製造された大量のロックシード、そしてスカラー兵器と酷似したセイヴァーシステムのデータは沢芽市へと送られていた。

貴虎から連絡を受けた光実たちビートライダーズが、
ザクロロックシードにより力を付けたストリートギャング達の犯罪を阻止しつつ、
黒の菩提樹を捜索する最中、死亡したはずの狗道供界が彼らの前に姿を現わす。


【登場人物】
並びは作中の登場人物リストに準ずる。

ユグドラシル・コーポレーション元主任。
現在はユグドラシルの残党や流出した技術を悪用する組織との戦いを続けている。
ロシアマフィア「イノヴェルチ」に渡ったドライバーとロックシードを回収する過程で、「黒の菩提樹」の復活を知る。
終盤にて、本編では幻に終わった「斬月・ジンバーメロンアームズ」に変身を果たす。玩具版「戦極ドライバー」のみならず、「ACシリーズ」でもほぼ再現可能。

「シャルモン」店長。
某国のクーデターに関与する「黒の菩提樹」の壊滅のために貴虎に雇われ傭兵として戦いに赴く。
貴虎からドライバーとロックシードを譲渡されたことで再び、ブラーボに変身する。
傭兵時代の仲間や、貸しのある密輸業者を呼び寄せ大きく貢献する。

戦極凌馬の前任者のユグドラシル・コーポレーション元研究員。
「黒の菩提樹」と呼ばれるカルト教団を率い、自爆テロを引き起こしていた。
鎧武外伝 仮面ライダーデューク』において、凌馬により倒されたはずだったが……。

「チーム鎧武」の元リーダー。
人々を守るために戦い、ヘルヘイムの脅威と共に新天地へと旅立った男。

「チームバロン」の元リーダー。
弱者が虐げられない世界を望み、世界の命運を掛け紘汰と戦った男。
本作の序章は彼と紘汰の決戦の様子が描かれている。

  • 高司舞/始まりの女
「チーム鎧武」の元メンバー。
紘汰と共に新天地へと旅立った少女。

戦極ドライバーを開発した、ユグドラシル・コーポレーションの研究員。
「黄金の果実」を手に入れようと策を弄してきたが、ロード・バロンと化した戒斗に敗れ死亡。

「チーム鎧武」メンバー。
自らの居場所を守るために嘘を吐き続け、闇へと堕ちかけた過去を持つ男。
償いきれない罪を悔いながらも、紘汰との約束を守るために戦い続けている。
本作ではオリジナル形態の「ジンバードラゴンフルーツアームズ」に変身した。玩具版の戦極ドライバーで再現可能。

「チームバロン」の現リーダー。
自身の力不足を不甲斐なく感じながらも戒斗と紘汰に託された沢芽市を守るため戦っている。
ネオ・バロンを壊滅させたことでストリートギャング達に名を知られている。

元「チームインヴィット」のリーダーで現「シャルモン」のパティシエ。
パティシエの大きな大会で優勝したとの事であり、現在は事実上の店長代理として凰蓮に託された「シャルモン」を切り盛りしている。

  • シャプール
戒斗にそっくりな某国の王子。小説では名前だけ登場。
クーデターを画策した財団の総帥を捕らえ、財団の健全化のために活動している。

ユグドラシル・コーポレーションに協力し、インベスゲームを活性化させていた謎の人物。
その正体は「ヘルヘイムの森」そのもの。地球を去り導くべき新たな星に旅立っている。

  • ミハイル・スチュグレフ
貴虎の古い友人のロシアのベンチャー企業社長。
ニトロプラスとある作品に同名の人物が登場するが……?

  • ペコ
「チームバロン」メンバー。
映像作品ではついぞ実現しなかった光実との和解を果たした。

  • リカ/チャッキー/ラット
「チーム鎧武」のメンバー達。
他のチームとも協力し「黒の菩提樹」の調査を行う。

凌馬の元秘書。
戒斗の思想に共感し、彼を愛するようになる。そして最後には彼を庇って命を落とした。

錠前ディーラーとしてロックシードを広めていた男。
人間を超える力を得ようと「黄金の果実」を求め、無謀にもロシュオに挑み掛かった末、死亡。

インベスと化し、シドによって処分された「チームレイドワイルド」の元リーダー。

  • コウガネ/アーマードライダーマルス/アーマードライダー邪武

  • 阪東清治郎
  • イヨ
「ドルーパーズ」のオーナーと店員。

  • レイモンド/サイス/アイザック
凰蓮の傭兵仲間の内、名有りの3名。台詞はそれぞれ一言だけ。
ぶっちゃけミハイルやイノヴェルチ同様のニトロファンへのサービス。この他にもニトロ作品や歴代ライダーシリーズを彷彿とさせる小ネタがあちこちに仕込まれている。
彼ら以外にも20名以上の傭兵がいるが、みな凰蓮に敬意と信頼を寄せている。
貴虎への第一印象は、凰蓮の新しい恋人。



以下、ネタバレ注意









本編より以前、武者のような者達が合戦を繰り広げる、とある世界。
禁断のリンゴロックシードの実験事故により三千世界を巡った後に、「武神の世界」と称される、その異世界にたどり着いた供界の前に一人の男が現れた。
「蛇」と名乗る、その人物は供界に武神の力・ブラッドオレンジロックシードと創世の力・ゲネシスコアを手渡していた。




貴虎からの報告を受け、黒の菩提樹の本拠地を探す、光実達。
ザクロロックシードを悪用するストリートギャングの調査を続けていたが、
収穫が得られずに何も出来ない無力感を抱く日々を送っていた。

それでも諦めず、改めて街を守ろうという決意を固めた光実とザックの前に、死んだはずの狗道供界を名乗る男が現れる。
まるで幽霊のように闇に溶け消えては現れる供界は紘汰に代わり人類を救うと告げ、二人の前から姿を消した。


ますます行動を激化させていくストリートギャングだが、最大勢力のNWのボスの遺体発見のニュースと前後して姿を見せなくなる。

それも束の間、無差別の連続自爆テロが発生し、
不安に駆られた沢芽市民の間に「命の実」からエネルギーを得るというおまじないが流行し、
「黒の菩提樹」の名を称するグループが誕生した。


信者として「黒の菩提樹」に潜入したチャッキーの報告により、
彼らの拠点である巨大地下水路に踏み入った、光実とザックは虚ろな目をした無数の市民を発見する。

チャッキーを逃がすためにザックと別れ、セイヴァーシステムを探す光実だが、
供界が際限なく呼び出す無数のイナゴ怪人に追い詰められる。

決して諦めなかった紘汰の姿を軸に折れそうな心を支える光実に、無慈悲にもイナゴ怪人の攻撃が迫ったその時、


メロンエナジー!


降り注ぐ光の矢が、イナゴ怪人を全滅させた。
海外での調査を終え駆け付けた、貴虎=斬月・真はセイヴァーに変身した供界を足止めし、光実はセイヴァーシステムを探し水路を駆ける。

貴虎は。救済と称し罪なき市民を自爆させる供界へ怒りをぶつけるが、供界は意味のわからない独白を続ける。


「それこそが進化の祝福である―――かつて私がそうだったように」


貴虎の足止めにより、セイヴァーシステムの元へ辿り着いた光実は、
スカラー兵器などではない悍ましい物体を目にすることになる。地球の機械とヘルヘイムの植物が組み合わさった異形の機械を……。


信徒をエネルギー源にセイヴァーシステムを起動すると告げる供界を、
寸前で両断し撃破することに成功した斬月・真だが……。


「終末の時は来たれり……!」
「迷える我らを救いたまえ……!」


倒されたはずの供界が、光実の前に姿を現し、
信徒となった市民達の肉体と精神エネルギーと引き換えに、セイヴァーシステムーー救世主の機械(デウス・エクス・マキナ)を起動した。







以下、更なるネタバレ注意。















かつてのユグドラシルタワーのように沢芽市に聳え立つ「菩提樹」。そんな大災厄を気に留めず虚ろな目で徘徊する市民達。
彼らと同様に城之内もトランス状態に陥っていたが、


バッカモーン!


どこからか落下したタライによって動きが止まった隙に戦極ドライバーを取り付けられ意識を取り戻す。
状況が理解出来ていない彼を、説明のために貴虎たちの元に連れて行こうとする凰蓮だが、
イナゴ怪人が彼らの前に立ち塞がる。

誰だか分からない男が襲撃した際に、苦い思いを味わった相手だが、
再びグリドンとなった彼とブラーボの師弟コンビの敵ではなかった。


供界の妨害を退け集合した面々を前に、
死んだはずの供界が蘇る鍵が、禁断のリンゴロックシードの実験にあると踏んだ貴虎は、凌馬の遺品のパソコンを起動する。

関連のありそうなファイルを見つけるもロックを解除出来ず諦めたその時、画面上に凌馬の姿が現れた。

供界が蘇ったことや、光実か貴虎がファイルを開こうとしたことを言い当てた、
凌馬が遺したビデオレターは供界の正体と、その目的を告げる。


狗道供界の正体、それは禁断のリンゴロックシードの実験により肉体を失った、
「始まりの女」同様の精神エネルギー体の擬似オーバーロード。

彼の目的は黄金の果実を創り出し神となることだと推測しつつ、
本物には遠く及ばない金メッキしか創れないと否定した凌馬は、神の定義を問い掛ける。

貴虎と出会った当時のように純粋に目を輝かせながら凌馬は言葉を続けた。


『それはね、新たな世界を創り出すものだ。狗道供界には、その思想がない。何の可能性もないんだ』
『狗道供界は神でも救世主でもない―――意味のない、空っぽの幽霊なのさ』


凌馬の言葉を受けた貴虎たちは、供界を誘い出すために、菩提樹への攻撃を開始する。
飛行体となれる斬月・スイカアームズとダンデライナーを駆る龍玄の空撃。
地上でイナゴ怪人を殲滅するブラーボ・グリドン・ナックルによる同時攻撃。

イナゴ怪人を殲滅した地上組に、菩提樹の実から変じたウツボカズラ怪人の群れが差し向けられた頃、
空中では、舞い散る菩提樹の花びらが爆発を始めた。


『邪ノ道オンステージ!』


菩提樹の巨大な華と一体化したどこかで見たような異形の姿・蓮華座偽神セイヴァーとなった供界は、
隠しきれない優越感を現しながら、人類を見捨てた紘汰に代わり人類を救済することを改めて表明。

突撃するスイカアームズを蔦で刺し貫き、爆散させ勝ち誇るが、

『ジンバーメロン! ハハァー!!』

爆風の中から現れたのは、斬月・ジンバーメロンアームズ。

メロンディフェンダーをサーフボードに爆風の波に乗り、偽神セイヴァーに突撃する。
ジンバーメロン固有能力の電磁シールドで花びらの爆風を防ぎ、ソニックアローでセイヴァーの戦極ドライバーを破壊。
エネルギー体と化したメロンディフェンダーを蹴り付け、セイヴァーを粉砕した。


供界を倒したことで安堵する5人だが、市民の洗脳は解けておらず、


「―――そうだ、終わりだ。そして始まりでもある」


菩提樹へのエネルギーの供給の完了により、神へと至った供界の肉体は黄金の輝きを放ち、遂に救済を実行に移す。
神として救世主としての人類の救済、それは全人類を自身と同じ精神体、真のオーバーロードへと変えることだった。

ライダー達の目前で肉体を失い光と化していく市民たち。ライダー達の肉体も同様に崩れ始め……
奮闘虚しく、供界の救済は成されたのだった。



迷える項目に追記・編集を。




















肉体を失い、刹那とも永遠とも取れぬ時間を、全身に混ざり込む色彩に圧倒された光実は、
それが無限に広がる世界で輝く、物語だと気付く。

数多の世界を繋ぐ一本の鎖、それは、




尽きることのない悪意と敵意により、繰り返される戦いだった。


命を生と死の輪廻、世界を破壊と再生が繰り返される円環の牢獄と例え、
真理へと、世界と融合した単一の存在という何処かの機械生命体が目論んでいたことへと導く供界の言葉を受け入れ溶け消えそうになる光実の自我だが、
譲れない「何か」が否定し抵抗する。


真理を否定し抵抗する光実を嘲笑い、供界は光実の戦いの歴史を幻視させる。
斬月・真となり実の兄を手にかけた過去を、
龍玄・黄泉となり紘汰を、誰かを、仲間を、そして舞を手にかけるという可能性を……。

更に供界は、光実が戦ってきた者達、地獄の軍団を出現させる。
インベス、イナゴ怪人、ウツボカズラ怪人、黒影、スイカアームズ、オーバーロード、コウガネ、見覚えのない黄金のアーマードライダー、メガヘクス、etc.

無数の敵に殺されては蘇り摩耗した、光実の精神が消える寸前、何者かが繋ぎ止めた。

「通りすがり」と名乗る何者か―――
誰もの心に宿る「英雄」の元型、力なき人々を襲う理不尽に「騎士」の如く駆け付ける存在は、

光実が知る騎士を、そして彼と英雄になると誓った光実も騎士のひとりだと告げる。
なおも弱気な光実に通りすがりは続ける。



挫けるには早すぎる。
お前はまだ旅の途中だ。

誰もが自分と戦い、歩き続ける


その言葉から紘汰の言葉を思い出し心の火を蘇らせた光実を、
通りすがりの「ライダー」は、もう一度世界と向かい合わせた。

光実の前に広がる無数の世界には、




悪意と敵意だけでなく、そんな悪意に立ち向かう世界の守り手たるヒーロー達がいた。
誰の心にもヒーローがいることに、誰だってヒーローになれることに気付いた光実は、
ロックシードを片手に、夜明けへと進むための戦いへと赴いた。


覚醒した光実の前に広がるのは、混じり合う可能性から生じた供界の望む夢の世界。
一切の生命が存在しない虚無の世界。

世界と溶けてなお、自身と一体化してなお自我を保つ光実を恐れる供界に、光実は戦いを挑む。


「何故、私の救済を拒む? 闘争という地獄に身を委ねる?」

「命そのものを諦めるくらいなら、僕は戦い続ける未来を選ぶ!」


差し向けたイナゴ怪人とウツボカズラ怪人を一蹴した龍玄に、供界は光実が勝てなかった敵、
アーマードライダーデュークを差し向け醜く勝ち誇る。更にドラゴンエナジーアームズへと変化させるが、


「勝てなかった? それはお前のことだろう?」
「こんな空っぽの器を作って、何の意味があるんだ?」


ゲネシスドライバーを破壊することで変身者のいない空っぽのデュークを敗り、
供界が凌馬を恐れていたことを言い当てる。

凌馬を評価していたと取り繕う供界の本質を、
自分と同じ所まで人類を引きずり堕としたいだけの三流と言い放つ光実。
その言葉が逆鱗に触れた供界は、怪人の軍勢を出現させる。光実に迫る魔の手は、


メロンエナジー!
クルミオーレ!
ドリアンスカッシュ!
ドングリスパーキング!


届くことなく、ライダー達の手によって消え去った。


「さあ、みんな。世界を救うぞ」



光実だけでなくライダー全員が救済を受け入れなかったという常軌を逸した展開に、
粛清を決めた供界の手の上で、禁断のリンゴロックシードへと変化した、黄金の果実が輝きを放つ。


『ザクロ』『ゴールデン』
「変・神」


誰の記憶にもない黄金の果実の力を解放した神としての形態・ゴールデンアームズへと変神したセイヴァーは
5人と互角以上に戦い徐々に追い詰めていき、
ついにブラーボとグリドンに止めを刺そうとした瞬間、


『ジンバードラゴンフルーツ! ハハァー!!』



高らかに音声が響き渡る。
デュークから奪い取ったロックシードを龍玄が装着したのだ。
形勢が逆転し龍玄・ブラーボ・斬月の必殺技を喰らい爆散したセイヴァーだが…


ダークネスアームズ『オぅゴンの果実……!』


誰かわからないようなメッキが剥がれたような闇色の戦士が現れる。
黄金の果実となった供界に既に滅びはなくなっており、終わらない戦いが始まった。


何千回も繰り返す戦いの中、何千回もの敗北の中、
自身を見失った供界は「武神の世界」で自身を導いたに助けを求めた。


「蛇よ……迷える私を……導きたまえ……」
魔蛇アームズ 『邪ノ道は蛇……!』


声に応えるかのように現れた新たなロックシードにより、
どこかで見たような死そのものが組み合わさったような、魔蛇アームズとなったセイヴァー。
疲労を隠しきれない5人に迫る、悍ましき骨の塊。


バナナ・アームズ! ナイト・オブ・スピアー!
マツボックリアームズ! 一撃! イン・ザ・シャドウ!
ピーチエナジーアームズ!
チェリーエナジーアームズ!

迫る攻撃を防いだのは、死亡した筈のライダー達ーー大団円の英雄(デウス・エクス・マキナ)による攻撃。
そして読者の腹筋ごとセイヴァーを破壊するレモンエナジーアームズの一撃を受け、ついにセイヴァーは動かなくなった。


理解が追い付かないながらも世界が崩れ始めたことで勝利を悟り、脱出方法を探す5人だが、
倒れたセイヴァーに無数の骨が集まりどこかで見たような骸骨でできた恐竜のような姿を形取った。

崩れる世界にマトモに立つこともできない5人に迫る骸骨恐竜。
彼らの窮地を救ったのは、


「極アームズ『大・大・大・大・大将軍!』」


あらゆる魔を断つ破邪の聖銀。アーマードライダー鎧武・極アームズ。
何も語らず、ただ5人にサムズアップを贈り、クラックを開き地球へと送り返すと、

自我を失いかけながらも救済と呟き続けるセイヴァーと向かい合い、本当に救いたかったものを問い掛けた。


「……わたし、を……た、すけて……」


自らの本当の望みを露わにしたと同時に意識を手放した供界は、怪物として暴走を始める。
その巨体を英雄は蹴りの一撃で破壊した。



消えゆく中、正気を取り戻した供界は、英雄に問いを投げかけた。
いつまで戦い続けるのかと。


「生きてる限り、ずっと」

「……そうか。ならば生きて、死ね。この苦痛に満ちた、この世界で」


英雄の返答を受け、
憎まれ口とも激励とも取れない言葉を遺し供界は消滅した。



【エピローグ】
何気ない日常の中、光実が遠く離れた星にいる大切な仲間へ想いを馳せた頃、
生命溢れる星で暮らす舞と紘汰は、供界と自分たちの違いが、仲間の有無だったことを語り合っていた。

地球に残した仲間達への想いが、自らの力の源であることを再確認した紘汰の元に、助けを求める誰かの声が聞こえた。
仲間への想いを黄金に変えて英雄は、騎士のように新たな戦場に駆けるのだった。


ここからは、俺のステージだ!


Next Gaim's supplementary biography is... 『舞台 仮面ライダー斬月 -鎧武外伝-』


Previous Gaim's supplementary biography is... 『鎧武外伝 仮面ライダーナックル



追記・修正は「英雄」を燃やしながらお願いします。


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最終更新:2023年01月12日 00:01