ガンダム・アスタロト

登録日:2016/09/21 (水) 18:09:58
更新日:2022/12/04 Sun 11:03:34
所要時間:約 6 分で読めます





人前ではっ…帽子をォ…脱げぇぇぇぇぇぇぇ!!!


機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼』に登場するMS。
同作品の主人公機。



型式番号:ASW-G-29
全高:18.2m
重量:30.6t
動力源:エイハブ・リアクター×2
パイロット:テッド・モルガトン
      アルジ・ミラージ

機体デザイナー:形部一平


◆機体概要~継ぎ接ぎの悪魔~

300年前に勃発した大戦争「厄祭戦」の時代に開発された「ガンダム・フレーム」を内部骨格として使用した、ガンダム・フレームタイプの29番機。
他のガンダム・フレーム機にはない特徴として、右腕に専用武装を運用するための特殊なエネルギー伝達機構を備えている。

厄祭戦後、ギャラルホルンの一家門であるウォーレン家が月面調査を行った際に巨大クレーターの底部から発見され、以後同家の手により300年の間保管されてきた。
しかし、ウォーレン家は本編開始より10年前に地球経済圏との癒着が発覚した事で取り潰しの憂き目に合い、この機体もまたアングラな市場を彷徨う事になった。
因みに本編が進むにつれ、この取り潰しの要因は「仕組まれた物だった」ことが明らかになっている。

廃家の象徴でもあった事から他の家門では引き取り手がおらず闇市場を渡り歩いた末、月のアバランチコロニーに拠点を置く複合企業「タントテンポ」の管理下に置かれる。
タントテンポの手に渡った時点で装甲や武装の殆どが散逸しており、ほぼフレームのみの状態となっていた。
その後、タントテンポに身を寄せていたウォーレン家の嫡子ヴォルコ・ウォーレンが修復に奔走し、ある程度の機能を取り戻す(この際スピナ・ロディや他のMSのパーツ、タントテンポの工業部門で生産された部品が使われている)。
修復後の重心バランスは劣悪で、腰部の推進装置「ブーストアーマー」のアシストで姿勢制御が何とか出来ている状態である。

本編では、タントテンポ頭目であるテッド・モルガトンの乗機として彼の右腕の義手を介した神経接続で操縦できるようにされている。阿頼耶識には劣るものの、幾分柔軟な運用は出来るようだ。

名前の由来はソロモン72柱の一つ、「アスタロト」。
ガンダム・フレームタイプは全機が72柱のいずれかの名称を冠しており、序列と型番も一致している。
因みに此方の兄弟の弟が乗る此奴と由来は同じだったりする。


◆武装

●実弾ライフル
ウォーレン家が管理していた時代からアスタロト用に整備されていた物。
なのだが後述の対物ライフルの存在から出番があまりない。

●デモリッションナイフ
折り畳み式ブレード。ナイフとあるが、展開するとMSの全長並になる規格外の代物。サブグリップまで用意されている。
非使用時はマウントアームでバックパック左側に懸架される。

刀身を展開しないまま鉄塊の様に殴りつけたり、幅広の刀身ををシールドとして使うことも可能。
攻撃中に刀身を展開してリーチを伸ばしたり、逆に刀身を格納して、相手の得物を挟み込んでしまうこともできる。

●内蔵型ナイフ
ブーストアーマー下部に格納された仕込みナイフ。関節部の破壊等に威力を発揮する。
因みに月鋼本編で一番活躍している武器である。

●サブナックル
左腕に装備される大型マニピュレータ。
百錬の腰部装甲を転用したガントレットにセットされ、デモリッションナイフを振るう際の補助などに使用される。
この百錬の装甲はテイワズの重工業部門が輸出した正規品をタントテンポが購入した物だとのこと。

●210mm対物ライフル
モビルスーツの全長に匹敵する長砲身を持つ対物ライフル。銃身にはモノポッドも装着済み。
運用するには腰部ハードポイントと接続する必要があるため、同じハードポイントを使うブーストアーマーが使えなくなる。
となっているが漫画を見る限りはそうしなくても運用は出来る様だ。

●パンツァーファウスト
使い捨てロケット弾。マウントアームを介してバックパック右側にマウントされる。

◆劇中の活躍

格納庫で保管されていたがテッド・モルガトン暗殺の為に潜入したアルジ・ミラージが、同じ目的で襲来した同業者の襲撃から自らを庇ったテッドの恩義に報いる為に乗り込み、これを撃破。

テッド亡き後はアルジがパイロットとなり、テッドの一人娘のリアリナ・モルガトンを護る為、そしてアルジの目的(家族を殺し自らの右腕を奪ったガンダム・フレーム機への復讐)の為に動き始める。


立体物

1/144HG IBO
外伝の展開が始まって少しして発売。
バルバトス第1/第4形態と同じガンダムフレームを使用し、その可動域は折り紙つき。
デモリッションナイフを持たせた時のインパクトは抜群。背中や腰の三ミリ穴も健在なのでクタン参型に合体させたり武器を盛りまくったり存分に遊べる。

更に形部氏の計らいで、両腕の装甲とサブナックルを無改造で入れ替えられるギミックが仕込まれている。
2キットを揃えれば左右対称造形に出来る様にもなっている。(右手首白装甲のみ要加工)
また、脚部脹脛の装甲も2キット分の表側を使う事で左右対称にする事が可能。

ちなみにパッケージイラストの背後には
等、本編の機体が使用していた武器などが写っている。

そして雑誌付録(2016年10月26日発売のガンダムエース12月号増刊ガンプラエース)という形ではあるが、対物ライフルも無事立体化される運びとなった。
オリジナル武装としてパイルバンカーシールド(見た目はスパイクシールドにパイルバンカーを突っ込んだ物)も付属する。


ガンダム・アスタロトオリジン


型式番号:ASW-G-29
全高:18.5m
重量:32.2t
動力源:エイハブ・リアクター×2


◆機体概要~空を舞う真紅の鬼神~

月面クレーター内で発見されたガンダム・アスタロト本来の姿。厄祭戦当時はこの姿で運用されていたと思われる。
プラモのインストによると「ウォーレン家の元で破損部分を修復した」とされており、発見時も完全な状態ではなかったらしい。

カラーリングは赤を基本としており、ウォーレン家で修復された際に追加された同家の白い家紋がアクセントになっている。頭部パーツの角が飛び出ているのもあって、赤鬼にも見える。
初見で目を引くのは両肩に装備された可変型ブレードシールドと左腰にマウントされた専用装備群であり、特にγナノラミネートソードは、右腕のエネルギー伝達機構と接続されることでナノラミネート装甲相手に強力な威力を発揮する。
これらの装備や機能、そして上述のカラーリングも相まって、タントテンポでレストアされた現在の姿とは大きく印象が異なる。

機体コンセプトは「広域作戦行動」。本機は可変型ブレードシールドと背部のブースター尾翼を展開することで飛行形態に移行でき、これによって並のモビルスーツを上回る長距離移動と、大気圏内での高高度飛行を単機で可能にしている。
また、この機能によって高い機動性も確保されており、急速接近してからの専用装備群による中〜近距離での戦闘を最も得意としている。


◆武装

●γナノラミネートソード
機体同様に真紅の刀身を持つ片手剣。
右腕の接続ケーブルを介して圧縮したエイハブ粒子を伝送する事で、刀身表面で「γナノラミネート反応」を引き起こす。
γナノラミネート反応を起こした刀身は接触した装甲のナノラミネートを破壊する働きがある為、強力な対ナノラミネート装甲兵器となりうる……のだが、粒子圧縮技術は厄祭戦当時ですら安定性を欠き、実用化にこぎつけた例は少ないという。
当然ながら現在では完全なロストテクノロジーと化している。

●スレッジハンマー
γナノラミネートソードとショットガンの鞘を兼ねる質量打撃兵装。
通常はγナノラミネートソードを刺した状態で使用するが、それ自体にもグリップが備わっているため単体での使用も可能であり、取り回しもよい。

●ショットガン
高機動戦における中距離での牽制用として用意された、口径150mmの射撃兵装。
グリップに可動ギミックを持ち、弾切れ時には銃身を打撃武装としても使う事が出来る。

上記の武装は全て左腰のマウントラックに懸架できる。

●実弾ライフル、210mm対物ライフル
何れもウォーレン家で管理していた時からオリジンの為に用意されていた物。
対物ライフルはマウントラックと併用する場合には空いている右サイドアーマーのハードポイントを利用して装備していたと推測される。


立体物

●1/144HG IBO
アスタロトの三か月後に発売。
胴体の大半にバルバトス第六形態と同じ「ガンダムフレーム4」を使用。このためグレイズ系の一部の装備も取り付けられる。

HGながら驚愕の頭部の分割(計10パーツでカメラアイ以外を色分け)等フレームの共通化のメリットを受けている。
武装も一通り付属しており、外連味のあるアクションを取らせる事も出来る。
ショットガン用の斜めの銃持ち手もある(手甲は通常持ち手と共通)のでバルバトスに貸し与えるのも良いだろう。

アスタロト同様、此方のパッケージイラストでも後ろに本編に登場した機体の武器が描かれている。





ガンダム・アスタロトリナシメント


型式番号:ASW-G-29
全高:18.9m
重量:34.5t
動力源:エイハブ・リアクター×2


◆機体概要~継ぎ接ぎの悪魔、再び~

ナナオの手で強奪されたアスタロトは彼女の手によってアングラな市場を再び彷徨うことになった。
その後ヴォルコの懸命の捜索の結果、木星圏の闇市場で発見されたもののかなりの装備が不足した状態であり、再び他の機体のパーツを使用して修理されることになった。

再び歪な姿となった本機は以前のアスタロトと比べて重装甲・大火力を意識した強化改修が行われており、全身を武装で固めることでMSパイロットとしては未熟なアルジの腕前を装備で支え、あらゆる戦局において武装の有用性を発揮することを狙いとしている。
ただし、重武装の結果として元々ウェイトバランスが歪だったものが更にバランスが崩れた状態になっており、左右非対称のアスタロトの運用に慣れたアルジ以外には扱えない機体となっている。



◆武装

●バスタード・チョッパー
リナシメントにおいて追加された片手剣。
火薬によって鉄杭を撃ち出す「火薬式ダインスレイヴ」とも言える炸薬式のパイルバンカーが内蔵されている。
また、デモリッション・ナイフと合体することで巨大な一振りの剣として使用することが可能であり、一撃の威力の強化だけでなくデモリッション・ナイフの強度面の弱点を補う役割も担っている。

●シールドアーム
右肩部に装備するシールド。
展開する機構を持っており、三本目の腕としても運用することが可能。

●サブナックル
打撃武装としてもシールドとしても使用可能な攻防一体の装備で、左腕のマニピュレーターをカバーする形で装着する。
外装のガントレットにはガルム・ロディの脚部装甲が転用されている。

●アスタロト用ライフル、ショートナイフ×2、デモリッション・ナイフ
改修前と同様の装備群。
ライフルは右腰にマウントし、ナイフは左腰に二本まとめてマウントする。
デモリッション・ナイフはバスタード・チョッパーと合体させることで、二つ折り故の結合部の脆さを補うことが可能となった。


立体物

●1/144HG IBO
HGキット化が確定している。




ゲームでの活躍

ガンダムブレイカー3
DLCにおいてプレイアブルガンプラとして参戦。内蔵式オプションとしてナイフとデモリッションナイフがある。
武器はライフル(マシンガン)、対物ライフル(ロングライフル)、デモリッションナイフ(大剣)が登場。デモリッションナイフには専用の「大剣攻撃モーションⅣ」が設定されている。
対物ライフルはマシンガンからの派生かドロップでの入手と為る。
性能的な面(純正で組み上げた場合)では、シールド(サブナックル)が二種あるのが強みと為る。
但し仕様の関係でシールドとして独立している方は左腕のサブナックルの上に重ねる形になるのがネック。


SDガンダムGジェネレーションシリーズ
『CROSSRAYS』においてノーマル、リナシメント、オリジンの全てが参戦。
性能が上がるほど射程が短くピーキーになっていく。

ノーマルは射程8まで届く対物ライフルがウリだが、性能的にはリナシメントやオリジンより格段に落ちる。
リナシメントは射程1に貫通持ち特殊格闘のバスタードチョッパーがあり、射程2まで届くデモリッションナイフも健在。最大射程も4あるので使い勝手は悪くない。
オリジンは最大射程3というのが困りものだが性能は最高レベルであり、ナノラミネートソードが特殊格闘かつ防御ダウン特性を持つため先手を切る役として優秀。

体験版でも道のりこそ長いがGETゲージでのノーマル入手(生産登録)が可能であるため、製品版を買う前に登録して発売早々にリナシメントやオリジンを入手したプレイヤーも多いだろう。



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最終更新:2022年12月04日 11:03