バットマン:バトル・フォー・ザ・カウル

登録日:2016/09/14 Wed 10:07:14
更新日:2023/01/19 Thu 06:45:47
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『Batman: Battle for the Cowl』は2009年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。

+ 作品情報
『Gotham Gazette: Batman Dead?』
発売 2009年3月
脚本 ファビアン・ニシーザ
作画 ダスティン・グウェン、ギレン・マーチ、クリスクロス、ジェイミー・マッケルヴィ、アレックス・コナット

『Batman: Battle for the Cowl』#1~#3
発売 2009年3月から
脚本 トニー・S・ダニエル
作画 トニー・S・ダニエル

『Gotham Gazette: Batman Alive?』
発売 2009年5月
脚本 ファビアン・ニシーザ
作画 ダスティン・グウェン、ギレン・マーチ、クリスクロス、ジェイミー・マッケルヴィ、アレックス・コナット

『Battle for the Cowl』ワンショット
本作のサブキャラクターにスポットを当てたワンショット。全5作。
ヒーローやヴィラン、ジェームズ・ゴードンなど様々なキャラクターが主人公に選ばれている。

『Secret Six Vol.3』#9
傭兵集団『シークレット・シックス』が主人公の作品。バットマンに縁のあるメンバー、ベインとキャットマンの活躍を描いている。

『Oracle: The Cure』
オラクルが主人公のリミテッドシリーズ。悪のオラクルのような存在カルキュレイターとの戦いを描いている。

『Death's Dark Knight』
新たなアズラエルの誕生を描いたリミテッドシリーズ。

日本では2014年に小学館集英社プロダクションから邦訳本が発売されている。

バットマン:R.I.P.』と『ファイナル・クライシス』で姿を消したバットマンの後継者をめぐる戦いを描いた作品。
バットマンがいなくなった後の混沌としたゴッサムを舞台に、バットマンのサイドキックだった3人のロビンたちを中心として
新たなバットマンが誕生するまでが描かれている。
本作を補完するタイイン/関連誌としてリミテッドシリーズが2作、ワンショットが5作発売され『Secret Six Vol.3』#9でクロスオーバーが展開された。






『Gotham Gazette: Batman Dead?』

バトル・フォー・ザ・カウルの前日談。バットマン亡き後のゴッサム住民たちを主人公にした作品。
オムニバス形式となっており主役となる登場人物によって作画担当が異なる。


【物語】

バットマン亡き後のゴッサム。守護者がいなくなった街で住民たちはそれぞれの生き方で街と向き合っていた。


【登場人物】

  • ヴェールの女(ミリセント・メイン)
ゴッサムの顔とまで言われた元大物女優。ある事件をきっかけにゴッサムの魂の声を聞けるようになった。
また別の事件で顔に酸を浴び女優として活動できなくなってからはヴェールをかぶりゴッサムをさまよっている。
本作の語り部。バットマンがいなくなったゴッサムを不安そうに見守っている。

  • ビッキー・ベイル
ゴッサムのジャーナリストでブルース・ウェインと付き合ったこともある。
テレビ業界で活動していたが古巣の新聞社ゴッサム・ガゼットに戻った。姿を消したブルースの行方を捜す。

  • ルシアス・フォックス
ウェイン・エンタープライズのCEO。ビッキーにブルースの行方を聞かれる。

  • ステファニー・ブラウン
かつてスポイラー、ロビンとして活動していた女性でティム・ドレイクとは恋人同士だった。
ある事件で死を偽装しアフリカに姿を隠していたが現在はゴッサムに帰還し自警活動からも距離を置いている。
それでも内心ではヒーローとして活動を諦めきれずにいる。

  • ノクターナ(ナタリア・ナイト)
レーザー光線を浴び青白い肌になった泥棒。『バットファミリー』と様々な関係を築いている。
ロビンに犯行を目撃され逃走する。

高い探偵としての能力を持つ3代目ロビンでブルースの養子。ノクターナを追うところをステファニーに見られる。

  • レスリー・トンプキンス
最近までアフリカでステファニーと共に慈善活動をしていたゴッサムの街医者。ブルースがバットマンだと知っている。
ゴッサムに戻ってきた直後、囚人の移送車の襲撃事件に巻き込まれキャバリエと出会う。

  • キャバリエ(モーティマー・ドレイク)
レイピアを使う騎士風の泥棒。『ブラックゲート刑務所』から『アーカム・アサイラム』に移送中襲撃されレスリーに出会う。

  • ハービー・ブロック
ゴッサム市警の巡査部長でジェームズ・ゴードンの相棒。少々勤務態度に問題があるが有能な古株。
謎の首なし殺人事件を追う。

  • ジェイミー・ハーパー
ゴッサム市警の新人刑事。ガーディアン(ジェームズ・ハーパー)、アーセナル(ロイ・ハーパー)とは親戚。
ハービーのもとで首なし殺人事件を追う。

  • マギー・ソウヤー
メトロポリスからゴッサムにやって来た刑事。階級は警部。自分を通り越してゴードンに報告するハービーにいら立っている。



『Batman: Battle for the Cowl』#1~#3

脚本及び作画はトニー・S・ダニエル。


【物語】

バットマン亡き後のゴッサム。ナイトウィングとロビンは他のヒーローたちと協力して暴れまわるギャングやヴィランの対処を行っていた。
そんな中ジェイソン・トッドがバットマンを名乗り過激な自警活動を開始する。
果たしてナイトウィングとロビンはジェイソンの暴走を食い止めることができるのかそしてバットマンの後継者の行方は。


【登場人物】

初代ロビンでブルースの養子。他のヒーローたちと共に『ネットワーク』と呼ぶ集団を組み混沌としたゴッサムの対処に当たる。
ティムたちからはバットマンを継ぐことを提案されるているがある理由から拒否している。
オラクルからの連絡を受けダミアンをヴィランたちから救出するが、ブラックマスクの部下に襲われ謎のバットマンに救われる。
その際、バットマンがジェイソンであることを看破するがダミアンが重傷を負ってしまう。
さらにティムが単身ジェイソンの隠れ家に向かったことを知り彼の後を追う。

高い探偵としての能力を持つ3代目ロビンでブルースの養子。スクワイアとコンビを組んで活動している最中、
謎のバットマンのメッセージを見つけディックに報告する。
その際、ディックにバットマンになることをそれとなく提案するが受け入れられなかったため
自らバットマンの古いコスチュームに身を包みジェイソンの隠れ家に向かう。しかしジェイソンにばれてしまい痛めつけられてしまう。

ブルース・ウェインの実の息子。『バットモービル』を勝手に持ち出しナンパをしていたところキラークロックとポイズン・アイビーに襲われる。
間一髪のところをナイトウィングに救われるがその直後ブラックマスクの部下に襲われ謎のバットマンに救われる。
ナイトウィングが彼と争っているのを見て援護するが銃撃され重傷を負う。その後、怪我から回復しスクワイアと共にジェイソンの隠れ家に向かう。

ジョーカーに殺され復活した2代目ロビン。現在はレッドフードとして活動している。
バットマン:ブラックグローブ』などに登場したバット・デビルのコスチュームをまといバットマンを名乗って過激なヴィジランテ活動をし始めた。
ブルース・ウェインのやり方を否定し殺しもいとわない戦い方で悪人を裁いていく。
ディックとダミアンをブラックマスクの部下から救うが彼らからやり方を否定されダミアンに重傷を負わせる。
その後、隠れ家に現れたティムを痛めつけ、後から現れたディックを迎え撃つ。


≪ネットワーク≫

ナイトウィングとバットガールを中心に結成されたヒーローチーム。
『バットファミリー』をはじめゴッサムで活動するヒーローや『アウトサイダーズ』、『バーズ・オブ・プレイ』のメンバーで構成されている。
ナイトウィングが不在の場合、『バーズ・オブ・プレイ』のハントレス(ヘレナ・ベルティネリ)がリーダーを務める。

  • スクワイア(ベリル・ハッチンソン)
イギリスのバットマン、ナイトのサイドキック。ナイトともどもロビンに誘われ『ネットワーク』に加入した。
ロビンと活動している最中、謎のバットマンのメッセージを見つける。
その後、怪我から目覚めたダミアンを誘いジェイソンの隠れ家に向かう。

  • オラクル(バーバラ・ゴードン)
初代バットガールでジェームズの義理の娘。現在は車椅子生活を送りながら通信でヒーローたちをサポートしている。
『バットモービル』を勝手に持ち出したダミアンを注意している最中、彼がヴィランの集団に襲われてしまい応援を送る。


≪ヴィラン≫

  • ブラックマスク
ある事件で死んだはずの黒い仮面をつけたギャング。『ブラックゲート刑務所』から『アーカム・アサイラム』に移送される囚人たちを開放し部下にする。
部下たちを使ってトゥーフェイスの縄張りとゴッサム市警を襲撃、その結果ゴッサムに米軍を呼び寄せることになりペンギン、トゥーフェイス両方にダメージを与えた。

  • スケアクロウ(ジョナサン・クレイン)、ポイズン・アイビー(パメラ・アイズリー)、ミスター・ザーズ(ビクター・ザーズ)、グレート・ホワイト・シャーク(ウォーレン・ホワイト)、キラークロック(ウェイロン・ジョーンズ)、ジェーン・ドゥ(アン・カーヴァー)、ファイヤーフライ(ガーフィールド・ライナス)、アダム・ボム
ブラックマスクに解放され部下になったヴィランたち。

顔の半分を酸で焼かれ精神が歪んだゴッサムの元地方検事。
ペンギンとゴッサムをめぐって争っている。ブラックマスクによる襲撃をペンギンのものだと思い込んでいる。
ゴッサム市警襲撃を自分たちのせいにされ米軍の攻撃を受けるが、その前に船で逃げ出す

  • ペンギン(オズワルド・コブルポット)
鉤鼻と小柄な体格が特徴的なギャング。トゥーフェイスとゴッサムをめぐって争っている。
トゥーフェイスが自身の犯行だと思い込んでいる襲撃の犯人を捜し出そうとする。
ゴッサム市警襲撃のせいでゴッサムにやって来た米軍に逮捕される。


≪その他≫

  • ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長。バットマンの良き理解者。バットマン不在のゴッサムで全く力を発揮できずマスコミから非難されてしまう。
その後、移送中の囚人たちが消えた件をナイトウィングに報告する。トゥーフェイスの部下が襲撃された際には、新しい地方弁護士と対策を練る。
その直後、ブラックマスクに襲撃を受ける。この一件で自分の無力を実感する。

  • ハービー・ブロック
ゴッサム市警の巡査部長でジェームズ・ゴードンの相棒。少々勤務態度に問題があるが有能な古株。
ゴッサム市警襲撃についてゴードンと話す。

  • リドラー(エドワード・ニグマ)
なぞなぞをこよなく愛する元犯罪者。現在はヒーローよりの活動をしている。
マスコミに責め立てられるゴードンに声をかける。

  • アルフレッド・ペニーワース
ウェイン家に仕える執事。迷うディックや意地を張るダミアンにアドバイスを送る。

猫のようなコスチュームに身を包んだ女盗賊。バットマンのコスチュームをまとったティムを目撃し彼の後を追う。
ジェイソンの隠れ家探索を行うティムの手助けをするがジェイソンの不意打ちを受けてしまう。

  • ビッキー・ベイル
ゴッサムのジャーナリストでブルース・ウェインと付き合ったこともある。
米軍によるトゥーフェイスの拠点攻撃を報道する。



『Gotham Gazette: Batman Alive?』

バトル・フォー・ザ・カウルの後日談。バットマンが帰還したゴッサムを舞台に
『Gotham Gazette: Batman Dead?』の登場人物たちのその後が描かれる。
『Gotham Gazette: Batman Dead?』同様の形式で描かれている。


【物語】

バットマンが帰還したゴッサム。住民たちも新たな一歩を歩み始めていた。


【登場人物】

  • ヴェールの女(ミリセント・メイン)
顔を酸で焼かれヴェールをかぶりゴッサムをさまようゴッサムの顔とまで言われた元大物女優。
ゴッサムの魂の声を聞く能力を持つ。『Gotham Gazette: Batman Dead?』同様本作の語り部。
新たな一歩を歩み始めたゴッサムと住民たちを見守る。

  • ハービー・ブロック
ゴッサム市警の巡査部長でジェームズ・ゴードンの相棒。少々勤務態度に問題があるが有能な古株。
地道な捜査の末に首なし殺人事件の真実にたどり着く。

  • ジェイミー・ハーパー
ゴッサム市警の新人刑事。ガーディアン(ジェームズ・ハーパー)、アーセナル(ロイ・ハーパー)とは親戚。
ハービーの捜査の行く末を傍らで見守る。

  • ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長。バットマンの良き理解者。ハービーの強引な捜査を叱責する。
その後、出版業界のパーティに出席する。

  • ガレット・デイ、フェリシダッド・ゴメス
ゴッサムの神父と議員。その正体はキリスト教の異端派『聖デュマ騎士団』から分派した『オーダー・オブ・ピュリティ』のメンバー。
『聖デュマ騎士団』はかつてバットマンの後継者を務めたことがあるアズラエルを生み出した組織で今度は『オーダー・オブ・ピュリティ』が
アズラエルを生み出そうとしていた。その結果首なし殺人をはじめとする様々な事件が起こってしまう。
それらをすべて闇に葬ろうとするがハービーによって暴かれてしまう。

  • アズラエル(エイブラハム・アーリントン)
『オーダー・オブ・ピュリティ』に選ばれアズラエルとなった男。
バットマン:ラーズ・アル・グールの復活』に登場した『悲哀の鎧』を与えられるが暴走し首なし殺人事件を行ってしまう。
この事態を重く見た『オーダー・オブ・ピュリティ』のメンバーによって私設の精神病院に閉じ込められた。

  • レスリー・トンプキンス
最近までゴッサムを離れていた医者。ブルースがバットマンだと知っている。ゴッサムで再び病院を開く。

  • モーティマー・ドレイク
レイピアを使う騎士風の元泥棒。レスリーに拾われ彼女のもとで用心棒のような役割を行う。

  • スポイラー(ステファニー・ブラウン)
かつてスポイラー、ロビンとして活動していた女性。再びスポイラーとして自警活動を再開する。
ノクターナをとらえた後ティムと出会い和解する。

  • ノクターナ(ナタリア・ナイト)
レーザー光線を浴び青白い肌になった泥棒。『バットファミリー』と様々な関係を築いている。
スポイラーに犯行を防がれる。

  • ビッキー・ベイル
ゴッサムのジャーナリストでブルース・ウェインと付き合ったこともある。
出版業界のパーティに出席し『バットファミリー』の秘密に感づく。

高い探偵としての能力を持つ3代目ロビンでブルースの養子。出版業界のパーティに出席する前にステファニーと和解する。

初代ロビンでブルースの養子。出版業界のパーティに出席しビッキーと会話する。

  • オラクル(バーバラ・ゴードン)
初代バットガールでジェームズの義理の娘。出版業界のパーティに出席する。その姿を見たビッキーに『バットマン:キリングジョーク』での事件を思い起こさせ、
『バットファミリー』の秘密に気づくきっかけとなってしまう。



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最終更新:2023年01月19日 06:45