テイルズ オブ デスティニー 神の眼をめぐる野望

登録日:2016/09/12 Mon 23:13:26
更新日:2023/09/19 Tue 13:34:12
所要時間:約 18 分で読めます







月刊ファミ通Bros.』で1997年から2000年まで連載された啄木鳥しんきによる漫画作品。
原作はPS版ゲーム『テイルズ オブ デスティニー』。テイルズオブシリーズ初のコミカライズ作品。単行本は全6巻。
OLとゲームクリエイターという経歴を持ち、現在は『英雄伝説 軌跡シリーズ』のコミカライズを連載する作者の漫画家デビュー作である。

原作のストーリーを大幅に改変した完全オリジナル展開となっているが、破綻や矛盾点は一切見られず、現在でもなお多くのファンに支持されている。
キャラクターの本質をそのままに原作のシナリオを踏まえた上でアレンジされており、「リメイク版でキャラ改変するならこっち基準でやれよ」と某所で叫ばれていた。
作者自身もTODの熱心なファンであり、サブキャラも脇役として出演したほか、イラストや4コマなどにちょこちょこ出演している。
またファンタジアのキャラや、作者がかつてキャラデザを手掛けたゲームのキャラたちもモブ出演しているので気になる人は探してみよう。


実は本作の連載の際に、シナリオ・各キャラクターの設定変更から細かいラフ画などのイラストに至るまでの殆どをナムコにチェック・許可をしてもらい、連載への協力を得ていた。
(続編であるTOD2発売は本作連載終了の約2年後)
時系列に関してもナムコに細かく問い合わせをしていたらしく、かなり慎重に設定を擦り合わせて原作愛を見せてくれた。

オリジナル展開になった理由は、「ゲームを知らなくても楽しめるように」、「某キャラの生存ルートについて考えていたら、一つの可能性が見えた」、
「キャラ同士のつながりとか、気持ちの変化を細かく描いていたら増えていった」かららしい。(連載終了後のロングインタビュー)
同時に、シナリオ変更に関しての線引きが難しかったとか。


実はストーリー改変を巡っては、ナムコとかなり揉めたらしい。
リメイク版発売の際には、スタッフが「某キャラは死んでからこそ輝く」という微妙に本作を否定したような発言をして一部で荒れた。
現在でも原作寄りのくおん版はテイルズ公式サイトにあらすじが載せられているが、啄木鳥版は全て簡単な概要しか書かれてなかったりする。

しかしながらリメイク版やTOD2にはこの漫画を意識したと思われる場面も多く、一部の設定や台詞がパク流用されている。
そんなゴタゴタもあって、作者のTOD2アンソロあとがきには本作に関する葛藤が綴られていた。
余談だが、アンソロで描かれた作品も名作揃いなので是非読んでみてほしい。


残念ながら現在は絶版だが、ブックオフなどで割と出回ってたりする。復刊や電子書籍化がファンから待ち望まれている。





〇登場人物

ネタバレ注意


スタン・エルロン
主人公。ソーディアン・ディムロスのマスター。フィッツガルドの山奥からセインガルドの兵士を目指して旅に出た青年剣士。
寝起きの悪さをダシにルーティに財布を騙し取られてしまい、財宝を探しに来た古代遺跡でディムロスと出会う。

困っている人を放っておけない性格で、天然ボケで純朴な正直者。熱血漢だが優しく控えめなタイプ。妹がいるせいか何かとお兄さん風を吹かせたがる。
シリアスでもギャグ顔でもとにかくよく泣いている。寝起きの悪さは4コマ漫画「グッドモーニング スタンくん」でネタにされた。
序盤から死体を見たルーティに抱きつかれて赤面するなどルーティに惚れている節が見られ、最終回では告白する勢いで旅に誘おうとしていた。

金に汚いルーティとはよく衝突しており、セインガルドではボブおじさんが自殺未遂にまで追い詰められたことにブチ切れて喧嘩別れする。
直後にセインガルド国王の依頼でアクアヴェイル内乱鎮圧の代わりに兵士に取り立てると約束されるが、ルーティへの謝罪を優先して彼女を追いかけた。
偶然訪れたクレスタでルーティの真意を知り、彼女の気持ちを尊重して黙っていることにした(リオンとフィリアには喋ってしまったが)。
任務遂行後は自分の行動の責任を取って士官の話を辞退した。(しかし、それがヒューゴの手に神の眼が渡る直接的な原因となる)

ヒューゴ戦直前には、ルーティを実の父親と戦わせる訳にはいかないとマリアンの護衛をさせた。
しかし、ヒューゴと同時に倒れたことでルーティにヒューゴを見捨てて自分を治療させる結果となってしまい、終始ルーティを心配していた。
本編後は被災した人々を助けて世界中を回ろうと思っている。

「神の眼 ソーディアン 強い力は人を狂わせるって言ってたよな… でも俺はその強い力でこの世界を守ってみせるよディムロス!!」
「…助けたかったんだ!!死なせるつもりなんかなかった!!イレーヌさんも レンブラントさんも リオンも…誰も死なせたくなかったのに…」


ルーティ・カトレット
ヒロイン。ソーディアン・アトワイトのマスター。金に汚いレンズハンター兼遺跡荒らし。ゲームよりも外道っぷりがアップしている。実はヒューゴの捨てられた娘でリオンの姉。
金を騙し取った男から逃げていたのをスタンに助けられ、宿屋の主人を証人に寝ぼけていたスタンから財布をもらうが、古代遺跡でスタンを救ったのが縁で同行。
毎日付きっきりで瀕死のスタンを治療したり、フィリアの誕生日パーティーのために密かに大金をはたいて桜をライトアップするなどこっそり優しさを見せる。(ルーティ本人は自分の誕生日を知らない)
スタンがフィリアと楽しげに話しているとムッとするなど、スタンに好意を抱いている節がある。

セインガルドではボブおじさんの鞄をパクって自殺騒ぎになり、ブチ切れたスタンと口論してクレスタに飛び出してしまう。反省していたものの戻るに戻れずにクレスタで出会ったマリーに慰められ、追いかけてきたスタンと和解した。
孤児院の子供から「るー兄」と呼ばれているが、これは作者の造語。財布にはお金ではなく母クリスのネックレスを入れており、孤児院のミミにもらったお揃いのアクセサリーをつけている。
グレバムから神の眼を取り戻す代わりに100万ガルドの報奨金を受け取る約束をヒューゴと交わすが、支払いが遅れたためフィッツガルドにまで追いかけるが入れ違ってしまった。
スタンと仲直りした後事情を聞いたリオンが支払いを早めてくれたおかげで借金を完済した。
ヒューゴの新世界創造の「雑草を引き抜く」比喩を孤児院と地上げ屋に見立て、「雑草もいつかは花を咲かせられるかもしれない」と真っ向から反発する。

アクアヴェイルでリオンと奈落に落ちた時にリオンの不器用な性格を自分そっくりと思い、スタンと喧嘩した時の自分とリオンの表情が同じだったことから彼の寂しさに気づき、頭を撫でた。
海底洞窟ではスタンの代わりにリオンを説得した。リオンの死後は冷たく振る舞っていたが、落ち込んでいたスタンに今までの想いをぶちまけて涙した。
仲間にヒューゴを倒す覚悟を説いていたが実は心の整理がついておらず、自分をヒューゴから遠ざけるためにマリアンの元に行かせたスタンの配慮に内心感謝する。
本編後は神の眼騒乱で孤児院の子供も増えてしまい経営が厳しいらしく、再び旅に出ることを考えていた。

「命はお金で買えない…か… そうね…あんたの言うとおりよ じゃあさ その命をなくさないために毎日食べる食事はどうやって手に入れればいいの?
寒さをしのぐ洋服は?病気になった時の薬は!?あったかいベッドや住むための家は… お金以外で買えるっていうの!?」
「…ねぇ  なにか言ってよ  お父さん……」


リオン・マグナス
セインガルドの客員剣士でヒューゴの部下。ソーディアン・シャルティエのマスター。リメD程ではないが性格が甘くなっており、少し不愛想だが根が素直な少年として描かれている。
スタン達の監視をヒューゴに命じられ、スタン達に絆されていく中で色々と板挟みになっている。ヒューゴの思惑を知っており、グレバムの娘を殺した人物がヒューゴだと察していた。
スタンの指示で飛行竜を操縦してファンダリア城に突っ込まされたり(この時かなりテンパっていた)、船を操縦して敵船にぶつけたり、ヒューゴに急遽ルーティへの報奨金を払うよう頼んだりと結構大胆。
フィッツガルドからセインガルドに向かう船の途中であった海賊騒ぎの際にむやみな殺傷をスタンから注意された後、アクアヴェイルでは敵をなるべく傷つけずに拘束する戦法にシフトした。
ルーティとのやりとりは勝気な姉と生意気な弟の姉弟喧嘩そのものだったりする。(口論しながら雪玉をぶつけ合うなど)

左利きとして通された原作に合わせる形で、ナイフとフォークの使い方も逆になっている。

外伝エピソードでは幼少時にクレスタ付近でルーティと出会っていたことがあった。
アクアヴェイルでルーティと奈落に落ちた際、弟だとばらしかけたことがある。フィッツガルドでは誕生日を祝ってもらう概念自体を知らず、ルーティを戦慄させた。
ヒューゴによってマリアンを人質にスタン達の抹殺を命じられ、海底洞窟で真相を明かす。
「マリアンを絶対に助けてみせる」というルーティの説得に揺れ動くが迷った末に彼女を傷つけ、自ら海底洞窟の崩壊に巻き込まれた。

実はシャルティエに説得されて神の眼の運搬に使用した飛行竜で脱出しており、最終決戦で再登場する。(ジョニーとの語らいや、飛行竜の操縦など生存フラグは立っていた)
マリアンを乗っ取ったベルセリオスに「自分をスタン達から守ってほしい」と告げられ、困惑しながら一時は身を委ねるが、マリアンの真の声を聴いて魔人闇で彼女を解放した。
スタン達は幽霊になってマリアンを助けにきたと思い、ルーティに体中を触られて実体があると驚かれ、ウッドロウにゾンビ呼ばわりされた。運搬手段を奪われたスタンたちは飛行竜で帰れるようになる。
シャルティエと別れた後はマリアンに仲間たちへの手紙を託し、エミリオ・カトレットとして贖罪の旅に出た。

「雑魚にはかまうな!……別に殺戮が目的じゃない」
「みんな………頼む!マリアンを助けてくれ!!」
『…もし…もし、そのときにまだ僕を仲間として呼んでくれるのなら―――』


フィリア・フィリス
ソーディアン・クレメンテのマスターで、ストレイライズ神殿の司祭。三つ編みの眼鏡っ娘。おしとやかで優しく芯の強い性格。常ににこにこと微笑んでおり、リオン曰くいつも楽しそう。
神殿でグレバムを止めようと応戦するも石にされてしまい、スタンがオベロン社で貰ってきたパナシーアボトルで元に戻された。
グレバムを止められずに一人だけ生き残ったことを後悔し、スタンたちについてきた。
幼い頃からグレバムの古代文明の研究を手伝っており、グレバムには娘同様に可愛がられていた。

リオンにグレバムへの思慕を否定され憎むべき敵と思おうとしたが、スタンに「グレバムを信じたいと思うフィリアの優しさまでなくす必要はない」と励まされる。
グレバムを自ら討った後は失意のまま神殿に帰ろうとするが、ルーティに連れていかれたフィッツガルドでスタン達とイレーヌに誕生パーティーを開いてもらい元気づけられた。
パーティーの桜のライトアップ演出をルーティの仕業だと気付き、二度と大切な人を失わないために強くなりたいという意思をルーティに語った後、クレメンテからの声を聴く。(パーティーの元ネタはPS版のキャラインタビュー)

セインガルドからアクアヴェイルに向かう船でスタンにルーティとの仲直りを後押しし、セインガルドの港でリオンと共に二人の到着を待った。
スタンに好意を寄せていたが、船上でスタンを見送る際に身を引いた感がある。
リクエストでスタンとルーティの少女漫画風イラストが登場した時には、照れる二人の横で複雑そうにそれを眺めていた…。

「で…でも大司祭様を倒さなければいけないという決意は本当です!ただそれは大司祭様が憎いからとかじゃなくて… 本当にお慕いしていたから…
だからもうこれ以上罪を重ねてほしくないんです こんな甘えた理由でも――動向を許してくれますか?」
「まずは仲間をあなたのほうから信じてみてください そうすれば自ずと答えは見つかりますわ!」


ウッドロウ・ケルヴィン
ソーディアン・イクティノスのマスターで、ファンダリアの王子。グレバムにファンダリア城を奪われ、父王イザークを殺された。
ファンダリア戦と海底洞窟以降のみ登場するため、空気王なのは健在。でもそれなりに活躍はしている。
剣術や弓術などの武術に長けた賢王。でも最終決戦ではほとんど気絶してたりと見せ場が少ない。
川´_ゝ`)「なに、気にすることはない」

飛行竜にファンダリア城を盛大に破壊されてしまったため、おまけ漫画では損害額をリオンに請求した。
理性的だが情を重んじる性格で、グレバムを討とうとするフィリアを止めようとしたり、ルーティのドライさに眉をひそめていた。
最終決戦ではリオンを率先してゾンビ呼ばわりした。

「ああ 怒っているとも …立場上は…な」
「我が父イザークとファンダリアの民の仇――とらせてもらうぞグレバム!」


ディムロス
スタンの相棒で、千年前の地上軍第一師団師団長ディムロス・ティンバー中将の人格が投射されたソーディアン。炎の晶術を操る。
最初は仰々しい口調で喋っていたが、次第にメッキがはがれた。普段は一人称「私」だが、時折地の「俺」になる。
スタンにツッコミを加えたり、時には叱咤激励をして見守っている。

兵器に意義を見出せないジョニーの発言を受けて自分を戦いのための兵器なのだと語るが、スタンに道具だけではない仲間だと言い切られた。
イレーヌの死に慟哭するスタンを励ますが、作者自身もディムロスの気持ちに共感しながら描いていたらしい。

「とか言いつつその剣に向かって会話をしているお前はおもしろい男だな」
「いいかスタン!他人の説得や命令はしょせん一つの選択肢にすぎん 最後の答えは己の意思で導き出せ!! スタン!お前はいま どうしたいんだ」
「運命に従ったわけじゃない
これは紛れもなく いまの俺達の意志なんだ!!」


アトワイト
ルーティの相棒で、地上軍衛生兵長アトワイト・エックス大佐の人格が投射されたソーディアン。水と回復系の晶術を操る。
ルーティとは姉妹のような関係で、ルーティを支え見守っている。

「あんまりディムロスには乗せられないほうがいいわよ」
「ルーティ あなたの協力が必要なの ひとりぼっちのさみしさや人に裏切られるつらさ…あなたもそういう気持ちをわかってあげられる優しい人だから」


シャルティエ
リオンの相棒で、ピエール・ド・シャルティエ少佐の人格が投射されたソーディアン。地の晶術を操る。
ディムロスを「熱血根性丸出しの晶術」、クレメンテを「年がいも無くド派手な晶術」と評したり、リオン以外には生意気な毒舌家…らしい。
なお、「坊ちゃんの魔の手から僕を救ってくれてありがとう」とは絶対に言わない。リオンにも敬語は使っていない。
崩壊する海底洞窟でのリオンに対するやり取りはこの作品最大の分岐点であり、シャルティエ屈指の名シーン。

「忘れないでよ 僕はいつも坊ちゃんの力になるからね」
「坊ちゃんがいなくなったら 僕も悲しくて死んじゃうよ!なのになのになのに~!!!」
「忘れないでよ 僕たちはいつも坊ちゃんの力になるからね」
「……いや もう坊ちゃんと呼ぶべきではありませんね あなたはもう 言われなければなにもできない子供じゃない」


クレメンテ
フィリアの相棒で、ラヴィル・クレメンテ老将の人格が投射されたソーディアン。雷の晶術を操る。
フィッツガルドのフィリアに「まだすべてが終わったわけではない」と呼びかけ、海竜の中に導いた。

「フィリアよ 「強さ」というのはなにも物理的な力のことだけを言うのではない 人の優しさを信じ続ける「強さ」 つらい現実を受け止め乗り越えていこうとする「強さ」
戦いに必要なのはむしろそういった強い力だとわしは思うとる」


イクティノス
ウッドロウの相棒で、地上軍の情報将校イクティノス・マイナード少将の人格が投射されたソーディアン。風の晶術を操る。属性のごとく空気。
コアクリスタルが壊れていないので最初から喋れ、代々ファンダリア王に助言してきた設定。
グレバムに奪われていたが、グレバム戦後にウッドロウの手に戻る。フィリアに一時的に貸し出された。

「ご無事で何よりです 我がマスター」


グレバム・バーンハルト
ストレイライズ神殿の大司祭。ストレイライズ神殿の神官を惨殺し、フィリアを石にした。
フィリア曰く以前は家族想いで博識を鼻にかけない好人物だったようで、自分の娘と同じ年頃のフィリアをかわいがっていた。
ゲームとは動機が異なり、「セインガルドのある男」から娘を人質にソーディアン開発を強要され、失敗して娘を殺された復讐のために、その男が世界中に築き上げた物全てを破壊しようとしていた。

ファンダリア城を占拠してイクティノスを奪うが、スタンとリオンの乗った飛行竜で神の眼と引き離され、ルーティにイクティノスを奪われてスタンに斬られた。
最後は自分に呼びかけ続けていた娘の霊に再会してフィリア達にとどめを刺すよう頼み、イクティノスを借りたフィリアの手で復讐劇に終止符を打たれた。
リクエストで「グレバムと娘のシーン」が描かれている。

「神だと…神が何をしてくれるというのだ!世の中は力が全てなのだよフィリア!力がない者は自分の身を守ることも 愛する者を守ることすらできんのだ!そのことを身をもって知るがいい!」
「わしも‘あの男’に対抗できる力があったなら…わが娘の命を守ることができたのに…!」


チェルシー・トーン
ウッドロウに憧れている弓使いの少女。スタンたちをファンダリア城に案内するが、方向を間違えてしまった。
ウッドロウについて行きたがったが、ファンダリア城の兵士たちの護衛をウッドロウに任される。リオンに子ども扱いされ、「リオン様も子供じゃないですか」と言い返す。
作者はチェルシーを気に入っており、将来頑張ってお妃様になってほしいと綴っていた。

「わたしもうウッドロウ様が心配で心配で!!まっすぐに!!ウッドロウ様を追ってきたんですう♡」
「わたし本当に心配で……でも勝手についてきちゃったりして……やっぱり……怒ってますか?」


マイティ・コングマン
自称ノイシュタット一の人気者。ルーティ曰く「筋肉ゴリラ」。
ルーティが内緒で演出した桜公園のライトアップを人気取りと勘違いし、喧嘩を吹っかけてくるが、フィリアに一目惚れする。
セインガルドへの船を手配し、謎の武装船がアクアヴェイル行きの船を襲撃している噂を聞いてフィリアの護衛についてきた。
フィリアがクレメンテと海竜を手に入れたことで、残念そうにしながらも別れる。
作者のスタメンらしく、本編でわりとどうでもいい扱いなのが残念とのこと。

「人気ってのは己の肉体で勝ち取るもんだ 正々堂々と俺様と勝負だ!」
「さては人気者の俺様を妬んでるんだな!」


ジョニー・シデン
アクアヴェイルでスタン達を救った吟遊詩人。実は領主の三男坊。親友のフェイト・モリュウをルーティの晶術で助けてもらった。
音痴なのでみんなに迷惑がられているが、フェイト曰く前よりマシになったとか。
最愛の女性でフェイトの婚約者だったエレノアがティベリウス大王に略奪され、更にはエレノアが自ら命を絶ってしまったことでティベリウスを恨んでいる。
リオンに仇討ちを認めてもらった後ティベリウスにとどめを刺そうとするが、思いとどまって剣を楽器に持ち替えた。
その後はアクアヴェイルの復興に専念するため、吟遊詩人休業を宣言(4コマではアクアヴェイルの面々に喜ばれた)。
別れ際にリオンに復讐をやめた理由を語るがそのシーンは隠れた名場面。

「…だがよおまえさん 残された者の気持ちは考えたことあるかい?」
「命を捨てられるほどに大切な人がいるって気持ちはわかる けど…少しでも大切に想ってくれてたなら 俺は どんなことがあっても生きていてほしかったんだよ……」


マリー・エージェント
記憶喪失の女性。スタンと喧嘩してクレスタに戻ったルーティの小切手を拾い、ルーティの後を追ってきた。ルーティの愚痴を聞いて慰める。
ただのマリーを名乗っていたが、ルーティがスパイみたいだと適当に言った「エージェント」の姓を気に入った。
別れ際に再会時に記憶が戻ってなかったら記憶探しを手伝うとルーティに言われており、もしかしたら本編後には一緒に旅をしていたかもしれない。

「私には…私の帰りを待っている人がいる そんな気がしてならないのだ」
「ルーティはいま どうしたいんだ?」


マリアン・フュステル
オベロン社のリオン付きのメイドで、終盤の真ヒロイン。リオンの本名を知る唯一の女性で、リオンを弟のように思っている。
同僚の会話からリオンとヒューゴが親子だと気づき、リオンを本当の名前で呼んであげてほしいとヒューゴに直談判するが、リオンに対する切り札にされて天上都市に連れていかれてしまった。
最終決戦直前にルーティに保護されるが、リオンの顛末を聞かされショックを受ける。
戦う力を持たない恐怖からルーティと共にヒューゴの元へ向かうのを拒絶するが、最後にはこれ以上仲間を失いたくないというルーティの説得を聞き入れた。
ヒューゴからルーティを庇ってベルセリオスを奪うが、新たな使い手を求めたベルセリオスに体を乗っ取られてしまう。
ちなみに黒髪は啄木鳥版が初出。外伝エピソードではマリアンを主人公に、リオンのお付きになって彼に対する見方が変化していく様子が描かれた。

「エミリオも…あなたもどうして本当の家族と戦わなきゃいけないんですか!!どうしてそんな辛い思いしなきゃいけないの そんなのあんまりよ……」
「騙されないで!!あなたがいまやるべきことはなに!? 考えて!!エミリオ!!」


ヒューゴ・ジルクリスト
オベロン社総帥にして、セインガルド国王の相談役。グレバムから神の眼を取り返した報奨金としてルーティに100万ガルドの支払いを約束するなど太っ腹(なおくおん麻緒版では50万、リメイク版では25万と後継が出るたびに支払額が下がっていってる)
一見優しそうなナイスミドルだが、時折不審な言動を垣間見せる。リオンには特別厳しく、剣の指南でリオンを何度も叩きのめしている。

実はルーティとリオンの父親。グレバムの娘を殺害した張本人。
本作ではミクトランに操られておらず、自分の意志でベルセリオスと共謀したということになっている。
ソーディアンマスターであるスタンを配下に引き込めなかったことに落胆する国王に、神の眼を預かると進言して18年間温めていた新世界創造の計画をスタートさせる。

世界を完全に外郭で覆い、ベルセリオスを使いこなして驚異的なタフさでスタン達を苦しめるが、マリアンにベルセリオスを奪われた隙にスタンの一太刀を受ける。
その後ルーティに質問攻めにされるが、たった一言の言葉を残して息絶えた。
最初で最後の親子らしい会話にもかかわらず実に淡白なものであり、その時のルーティには甚だ納得いかないものだった。

エピローグでは「神の眼騒動後も大罪人のヒューゴの子供であるルーティやリオンが何の制裁もなく暮らせている」のはヒューゴが二人の素性を隠していたからであり、
それが彼なりの親らしい事だったのかもしれないとルーティに語られる。リクエストで「もしヒューゴさん一家が幸せな家庭だったら」というイラストが描かれた。
また、ルーティがお金を欲する理由をスタンから聞かされたリオンから、「ルーティに早く懸賞金を渡してほしい」と頼まれ、それを叶えた後、
「お前が私に頼み事とはな」と、どこか嬉しそうな発言をした。

「おわかりかな?君たちが守るべき世界はもはやどこにも存在していないということを」
「…おまえは…おまえの道を行けばいいさ…」


シャイン・レンブラント
ヒューゴの執事。原作の狂った本性はなく、リメイク版そのまんまの性格で、ヒューゴの望みは自分の望みと言い切るほどの忠誠心を持つ。
ダイクロフトでスタン達に勝ち目のない勝負を挑み、敗れた後はダイクロフトのセキュリティ解除のシステムカードを渡さないために自爆した。
その際にスタンとルーティを巻き込もうとするが、ルーティが咄嗟にバリアーを張ったことで彼だけが死亡した。
退場後のているずのしっぽ出張版では、やはりヒューゴを応援していた。

「あなた方はどんなことがあってもヒューゴ様の計画を阻止したいとお思いなのでしょう 同じように私共にも譲れない想いがあるのでございます」
「無意味なんかじゃ…ありませんよ バリアーを守りきるのが私の役目ですから…」


イレーヌ・レンブラント
オベロン社フィッツガルド支部の総責任者。ヒューゴに報奨金を要求に来たルーティにヒューゴ不在を伝える。フィリアの誕生日パーティーに協力した。
ノイシュタットの孤児を支援しリメイク版と違って地元の人達からも少しずつ理解を得て協力してくれる人も増えていったのだが、それ以上に謂れのない差別を受け続ける子供達の現実を変えられない事に疲れ、「自分みたいな力のない人間が頑張っても理想郷を作ることはできない」とヒューゴに恭順する。
一方で、自分の善意を一切疑わないスタンに対しては迷いを露わにしていた。リオンとも付き合いが長いせいか気を遣っており本当にスタン達を裏切ってもいいのかと訊いている。
スタン達と別れた後、彼女の姿勢に感化されていた部下の男性二人に「どこまでもついていく」と声をかけられるが、それでも彼女を思い留まらせるには至らなかった。

父・レンブラントの自決を前にスタン達に爆弾で応戦した後、セキュリティを破られないように父同様自爆しようとするが、ルーティに後悔の念を見抜かれて動揺する。
スタンに天上都市の上の大地を見せられると共に、子供達が今どこにいるのかを問われて泣き崩れ、ダイクロフトのシステムカードを渡す。
スタンに「イレーヌさんが苦しんでいる時は助けてくれる人がちゃんといるだろ」とやり直すよう諭されるが、スタンに謝りながら飛び降り自殺した。

「変えられるって信じてたわ!でも私じゃダメなのよ 私のやってきたことは単にあの子達を生き長らえさせることだけ……何も変わらない世の中で さらに苦しみを与え続けるだけなんだわ」
「そうね……そんな大切なことを忘れるなんて 私ってほんとバカね…」







ベルセリオス
本作のラスボス。光と闇の晶術を操るソーディアン。マスターであるカーレル・ベルセリオスの人格が投影される予定だったが、双子ののハロルド・ベルセリオスたっての希望でハロルドの人格が投影された。
オリDでは男設定だったはずなのに、TOD2で何故か性別が変更された。おかげで作者がアンソロで落ち込んでるかのような発言をしていた
ディムロス曰く「なんかわけのわからん男」。天地戦争でカーレルの死と共に機能を止めたと思われていたが、実は不死の野望のためにカーレルを殺害して死を偽装していた。
これらは攻略本のハロルド黒幕説に準じたものである。なお、ミクトランはこの時の彼の回想にほんのちょこっとだけ(具体的に言えば一コマ弱)出ていた。
18年前に考古学者だったヒューゴと出会い、神の眼と天上都市ダイクロフトで新世界を創造する計画を進めていた。

ヒューゴがスタンに敗れた後、自分を手にしていたマリアンを操ってスタン達の前に立ち塞がる。マリアンのふりで命乞いをしては切りかかるなど、戦い方が実に嫌らしい。
姿を現したリオンを篭絡しようとするが、マリアンの心の声を聞いたリオンによってマリアンを解放されてしまう。
スタンによって神の眼に投げつけられ、スタン達を道連れにしようと神の眼との同調を図るが、最後はディムロス達とともに運命を共にした。

滅びを迎える運命に足掻き続けたが、神の眼と共に滅びる運命を自ら選び取ったディムロスたちに阻止されたのだった。
最終巻のているずのしっぽ出張版では、ベルセリオスの皮をかぶった作者とヒューゴが読者に挨拶した。

「さあ心優しいマスターの皆さん‘私’を攻撃することができますか?」
「…ホント君達は私にないものをたくさん持っているんだね 優しさ 信じる心 他人への思いやり… バカらしい そんなもの戦いにおいては単なる足かせにしかならないのに」






でもWiki篭りたちの編集はここからが本番だと思います。みんなちゃんと追記・修正できるのか……それはこれからの彼らの頑張り次第。

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