丸藤翔

登録日:2016/09/10(土) 01:18:32
更新日:2024/02/05 Mon 23:39:26
所要時間:約 7 分で読めます




丸藤翔とは、 「遊戯王デュエルモンスターズGX」の登場人物である。



声優は前作遊戯王デュエルモンスターズのゴースト骨塚と同じ人。奇しくも他者を兄貴分と慕うキャラという共通点がある。
誕生日は9月25日、身長は150cm。*1
高校生相当の男性にしてはかなり低めの数値*2で、3年生に進級しても身長は特に伸びた描写がなく、立場もあってショタキャラ寄りの風貌となっている。*3
眼鏡キャラでもある。
見た目に違わず運動も苦手で、保健体育の実技授業では「デュエルの専門学校なのに体育の授業があるなんて~」と泣き言を言っていた。
使用デッキはビークロイド


人物


アニメの時期や媒体によって大きなブレ幅があるので主な共通点だけ挙げる。
入学時に同じ部屋だった遊城十代と、実兄である丸藤亮。二人の「兄」と言える存在を持ち、二人を心から尊敬している。
しかし、優秀すぎる二人に対し落ちこぼれ気味で、思い悩んだりもしていた。
アニメ、漫画共に十代や万丈目明日香と出会い、彼らとともに大きく成長していく。
他が最初からエリートだったのに対し、彼は元がダメだったので成長の度合いでいえば彼が一番と言えよう。



アニメ1年目


入学試験の時に十代のデュエルを観て、彼に惚れ込み、「アニキ」として呼び慕う。
コアラこと前田隼人と共に十代の腰巾着の役割を務める。
基本的に臆病かつ卑屈だが、その反動か自分が優勢に立つ機会があると、すぐ調子に乗ってしまう悪い癖がある。

その象徴といえるのが、小学生ほどの頃にガキ大将のゴリ助とデュエルした際のエピソードである。
普段翔をいじめていたという事情があるとは言え、勝ちを確信した翔はゴリ助を挑発するような台詞を吐き始める。
実はそのまま進めていれば罠カードで攻撃を止められ、「パワー・ボンド」のリスクダメージで逆に敗北してしまう結果であり、見かねた亮はデュエルを中断させる。
このような性格から「お前には早すぎる」と、亮から貰った切り札である「パワー・ボンド」の使用を禁じられていた。
十代との初デュエルでは《パワー・ボンド》を発動すれば大きく優位に立てる状況があったのだが、この事情があり発動できなかった。
しかし、十代とタッグデュエルを行い、このカードで決着をつけて以来、兄弟を象徴するカードとなる。

学業では「魔法カードの種類をすべて答えろ」とクロノス教諭から問われて分かってはいたが人前で緊張してしどろもどろになったり、筆記テスト*4に苦しめられていたりと成績は良くなく、
あがってしまう性質はデュエルでも発動してしまう様で、任意使用効果を使い忘れて十代に指摘されるなど、落ちこぼれ感を漂わせていた。
ただしデュエルの方はカイザー亮の弟だけあり、1年目のうちにそれなりのレベルにまで成長している模様。

セブンスターズ編では、鍵の守り人に選ばれなかったこともあり彼がデュエルの表舞台に立つことはなかったが、吹雪やカミューラとの決闘で人質になっていた。
また、学園祭でブラック・マジシャン・ガールの大ファンである事が明らかとなる。
ちなみにアイドルカードとして《雷電娘々》を採用していた事があったりと、美少女カード全般も大好きな模様。


アニメ2年目


(レッド寮を潰すという策略に利用されたためだが)昆虫デッキ使いの胡蝶蘭を倒してイエローの昇格試験に合格、ラー・イエローに行くことになる。
(このデュエルでも結局調子に乗ってしまい、攻め返されて慌てて反省する結果になったが)
これにより制服が黄色くなった。イエローの期間が最も長かったためか、デュエルターミナルやタッグフォース等ではこの衣装で登場する。
隼人の代わりにティラノ剣山が新たな腰巾着仲間になる。
剣山とのデュエルでは無限ループで勝つなど、デュエリストとしての実力は1年目と比較してかなり高くなっている*5
剣山とは同じ弟分ということで当初ギスギスしていたが、デュエルを繰り返し認め合える仲になった。

臆病な割にすぐ調子に乗る性格はいまいち直っているとは言えず、ジェネックス大会序盤では負けることを恐れて逃げ回り、
かと思ったら後輩相手に逆転勝利を収めると「見たか一年坊!僕にデュエルを挑むなんて100年早いんだ!」とか言ったりしている。
ちなみに、このデュエルは 翔側から挑戦してきた らしい。まあギャグシーンなんだろうが、お前……

中盤以降は上位寮生相手にも勝利をおさめ、またヘルカイザーと化した亮を見て、いつかは自分と戦う事を予感していた。
そしてその予感は的中し、大会中だがこの時ばかりは自分から兄にデュエルを挑み戦うこととなる。
兄が信条としていた「リスペクトデュエル」を受け継ぎ、ヘルカイザーをあと一歩のところまで追い詰めたが結局デュエルには敗北。
その後はデュエル時に付けていたダメージ装置で心身共に果ててしまう。
アニメ遊戯王で兄弟で無慈悲に命のやりとりをしたのは丸藤兄弟くらいであろう(遊戯王の原作では海馬がモクバに制裁を加えているシーンはある)。
また、(十代の傍にいた事もあってか)特殊能力や斎王との因縁などを持たないのに最後まで斎王の洗脳を受けなかった数少ない生徒でもあり、精神面での芯の強さはうかがえる。


アニメ3年目


所謂異世界編。元々あまりキャラの立っていなかった翔の人気が下がった原因とも言われている。
詳しい話は後述し、ここでは簡素に書いていく。
ブルーに昇格するものの、己の実力不足を感じもう一度自らイエローに戻ろうとする等ストイックな性格になっている。
しかし、異世界に飛び立ったヨハンに執着する十代に徐々に不信感を覚えるようになる。
邪心経典の影響もあり、遂に十代を見限る。しかし、完全に邪心経典に取り込まれなかった辺り、彼の絆と精神力の強さがうかがえる。
覇王とジム&オブライエンのデュエルを見届けた後、モンスターに襲われていたがそこで亮と再会し、助けられ、彼の助言から共に行動するようになる。しかし十代を「アニキ」から呼び捨てで呼ぶようになる。
その際亮への呼び方が「お兄さん」から「兄さん」に変化している。地味な違いだが、これも成長の一つと見ていいだろう。
また、再会する際に翔を襲ったモンスターを衝撃増幅装置を投げつけて撃退した。常に持ち歩いていたのか…
そして、兄との死別を経てユベルと十代の決闘で邪心経典を打ち破り、再び十代を「アニキ」と呼ぶようになる。
沢山の登場人物が命を落とした3年目では貴重な生き残りであったりもする。


アニメ4年目


正式にオベリスクブルーに昇格。制服も青くなる。
やはり出番は多くないものの、兄のサイバー流と対をなす流派、サイコ流の継承者猪爪とデュエルをする。
当初は託された兄のデッキを扱いきれず、しかも使用するだけで命を削るため大変な苦労をした。
しかしビークロイドを組み込むという変化を兄のデッキに加えた事で、デッキを満足させる事に成功し命を削るリスクを乗り越え、見事勝利を収めた。
自分を越えたと確信した亮は、翔に全てを託す。

元々盗んだデッキなんだから鮫島に返せよ。そうでなくても使うだけで命に関わるデッキ託すなよ

一応亮を擁護しておくと、これほど危険なデッキを再び鮫島に預けておくのは不安があったからと考えられる。
鮫島は人格的には善良な人物で、さらにサイバー流道場の師範兼デュエルアカデミアの校長というだけあってデュエルの実力は相応に高い。
しかし現役のプロデュエリストというわけでもなく、1期のセブンスターズや2期の破滅の光に関しては存在を認知しながら生徒達や他の教師に戦いを任せている有様であった。

これに加えて鮫島は2期と4期で当時の亮や件の猪爪に敗北している。
どれだけ人格が善良でもそうした人に危険なデッキを預ける事には亮としても不安があったのだろう事は想像に難くない。
悲しいが遊戯王ワールドではデュエルで負けたらデッキを盗られかねないのが実情であり、デッキを預ける相手は人格面もさることながら実力ある人物である事が望ましいのだ。
翔は自分なりのデッキ改造によって命を削るリスクを乗り越えた上に、亮が倒せなかった(命を削り過ぎて途中で力尽きたともいう)猪爪を倒すだけの実力も示した。
危険なデッキを託すには充分な相手であったと言えるだろう。そういう意味では亮の判断は間違いではなかったと言える。

なお、ダークネスが見せた幻影では、自分が兄と共に立てたプロリーグが振るわず、かつ若くして要介護者となった兄の介護疲れと言う非常に生々しいものとなっている。
卒業式では、万丈目と明日香と共に最優秀生徒に選ばれる。
余談だが、万丈目と明日香、そして翔の関係はかつての藤原や吹雪、亮と似ている。恐らく三天才を意識したのだろう。
十代からも自立でき、色々あったものの最後は立派な、一人前の決闘者としてアカデミアを巣立っていった。


漫画版


アニメ初期同様、オシリスレッドの生徒として登場。作中年月は短かったため終始レッドのままである。
アニメと同じくビークロイドを使用。
今作は隼人と剣山はおらず、十代の弟分は彼のみである。
アニメの「パワー・ボンド」に該当するカードは「変身」に変わっている。
ドーマ編のヴァロンよろしく、デュエリスト自身がモンスターになるカードである。兄の中の人つながり?
傲慢だったがゆえに見放されたアニメとは違い、「優しすぎる」性格故に兄から見放されることになる。
過去の回想*6を見る限り、厳しく言えば「優しい」と言うより「人に甘い」と言うべきだろうか。
クロノスの誤解により退学させられそうになったが、アニメと違い最初から落ちこぼれと言うわけではなくテストで好成績を収める描写もある。

デュエルの腕前も申し分なく、序盤から十代と互角に渡り合うほど(ある事情により、十代は微妙に及び腰なプレイングとなってはいたが)の実力の持ち主である他、
誰よりも十代の傍にいるが故に十代の本当の恐ろしさ(ドロー運だけでなく、単純な実力の高さ)を熟知している。
その腕前は後に亮からも認められ、アニメ以上にプライドの高い性格になった万丈目をも追い詰め、敬意を払われる程の実力者となった。
最終決戦では空気だった以外は良キャラとなっている(最後は空気気味になってしまったのは三沢や明日香にも言えるが)。


戦術


高い攻撃力に任せたビートダウンが特に目立つGXにおいて、彼はサブマリンロイドや永続罠によるロック・バーン戦術を得意とする。
前述の通り剣山戦では無限ループを成功させたり、魔力倹約術から次元融合でライフを踏み倒したり地味だが堅実で実用的なプレイスタイルを好む。
実のところ翔の使用モンスター達は上級・融合体こそ微妙なものが多いものの、下級モンスター達に関しては2300打点となれる《スチームロイド》、直接攻撃能力+守備表示になれる《サブマリンロイド》、当時のガチカードであり守備モンスターを問答無用で破壊する《ドリルロイド》、ターン1度限りだが戦闘耐性持ちの《ジャイロイド》etc・・・・・・とかなりの粒揃い。
魔法・罠のサポートも比較的良く、OCG的観点からも実用的なコンボも見せている。
また、戦闘を重視するアニメでは珍しく《シールドクラッシュ》の様な直接除去を行う魔法カードを使用する事もあった。
他にはパワー・ボンドのリスク軽減を考えてか、魔法の筒等の防御カードやダメージ軽減カードを多く使用する傾向にある。
この傾向はゲームでもよく反映されており、思わぬところで厄介な相手となる。タッグデュエルのある作品では彼が相方のサポートに徹することも多々あるため、意外な強敵となる。


評判


ここまで書いてきたが、彼の(アニメ版での)人気ははっきり言ってよろしくない。非常に評判が悪い。 
GXが放送終了して10年以上経った今でさえ、掲示板や動画サイト等で心ないコメントがなされることも多々ある。
理由としては、前述した臆病かつ卑屈、それでいて傲慢な性格のキャラクターからであろう。
ギャグシーンとして作られたであろう場面でさえ気に障る不快な言動も少なくなく、特に友人(であるはず)の三沢に対する露骨に辛辣な態度が目立つ。

しかし、そのような人物は成長描写を描くことで、少しずつ印象を変え、人気を掴んでいくものである。
同作品の万丈目サンダーやクロノス教諭も初期ではイヤミなキャラクターだったが、後に大きく成長・変化し人気キャラクターとなっている。
彼にも成長描写は確かにあったし、2年目では亮とのデュエルを中心に大きく成長した。
しかし3年目では仲違いを敵に利用され、その敵によって発動された邪心経典で完全に絆にとどめをさされてしまう。
結果、本来の彼なら十代を真っ先に助けたであろうが傍観者になって上から目線で高見の見物をしてしまった。
仲違いしたのは万丈目達も同じだが消滅し、彼が一人だけ生き残ってしまった分、ヘイトが彼一人に集中したのも手厳しい評価をされる理由の一つか。

だがそもそも、彼(と吹雪)は異世界行きを必死に反対していた
仕方なく行った異世界で、一人で暴走し身勝手に振る舞う(様に見えてしまった)十代を見てしまい、仲間をも失い、心の隙を付け込まれた。
しかし、邪心経典に抵抗し続け、最終的には自力で呪いを解き生還した彼は立派だと言える。
3年目のラストで、翔以外の全員が十代の思い出を振り返っていただけである中、付き合い方について深く考え、反省していたのも見逃してはいけない。
4年目では、今までの経験を経て全てを乗り越え、最後には自分が尊敬し、目標としていた兄をも越えた。
剣山やヨハン、エド等の数多くの個性的な後発キャラに出番を割かれた、十代を憎み、自身は決闘をしなかったと言う汚れ役を一身に受け持った等脚本的に不幸な面も際立ったか。


「アイン!ツヴァイ!追記修正するぞ!」 
「俺もいるぞ!」
「冥殿くん、いたんだ?」
「ずっといた!」

追記修正は実の兄弟に消えろと言われたことのある人がお願いします。


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最終更新:2024年02月05日 23:39

*1 漫画版のプロフィールに記載

*2 表遊戯も153cmと小柄だが

*3 参考として兄である亮は178cm、十代は165cm、女性である明日香は170cm

*4 明確に「座学が好きではない」設定の十代よりも入学筆記試験の点数が悪かったらしい

*5 この無限ループ、剣山は止めようと思えば止めて引き分けに持ち込めたが、内容的に自身の負けであると感じた剣山はあえて止めなかった

*6 アニメにおけるゴリ助に相当する相手が切り札であるエンジェル07を召喚しようとしたため、罠で妨害したら泣き出したので勝ちを譲ってあげた