シンディ(コマンドー)

登録日:2016/09/04 (日) 21:12:51
更新日:2024/03/02 Sat 02:51:10
所要時間:約 8 分で読めます






私の税金があなたの年金になってるってことね……いやんなっちゃう


説明不要の名作、シュワルツェネッガー主演のマッスルアクション映画「コマンドー」に登場する名キャラクター。
演じているのはレイ・ドーン・チョン。
日本語吹き替えは小山茉美もしくは土井美加が担当。


◆概要
旅客機の添乗員として働いている黒人の女性。
アリアス一味のサリーも舌を巻くイイ女であるが、初登場時のやり取りを見るに彼氏持ち。
意外と気の強い女性でもあり、あからさまに軽薄な態度で絡んできたサリーを強気な口調で追い払ったりも。

当初は娘ジェニーの救出に燃えるメイトリックスの突拍子もない行動に巻き込まれる被害者であったが、
途中で彼と娘の背景事情を聞いたことにより情が芽生え、積極的に協力するようになる。
その後はメイトリックスに当てられてか、彼と同等かそれ以上のキテレツな行動が目立つようになる。

職業上は添乗員だが彼女自身も小型飛行機の運転免許を持っており、その筋の知識でメイトリックスの助けになる場面も。というかシンディが居なければ詰んでいた可能性のある箇所も存在する。
また、空手教室にも通っている……というのが有名だが、これについて実は真偽が定かじゃなかったりする。
(理由は後述)

コマンドーと言えば数々の名言・珍言製造機としてネット上でカルト的人気を誇る作品として有名だが、
彼女もまたメイトリックスやベネットと同様に数々の名セリフを生み出したキャラの1人なのである。


◆作中での活躍
初登場時は勤務予定の便がキャンセルになったために、電話で彼氏にデートの誘いをかけていたのだが、
残念ながら彼氏の予定が合わなかったようである。
そこをアリアス一味のサリーに目を付けられて付き纏われるのだがこれが全ての始まり。

サリーを追い払った後に車に乗り込もうとしたところで我らがメイトリックスに背後から首を掴まれる。
で、車の助手席シートを剥がされた上にサリーの後を追うことを強要されてしまう。

ショッピングモールにて急ぎ早に事情を説明するメイトリックスにサリーを誘い出すように持ちかけられるも、
強引且つ胡散臭すぎるメイトリックスを信用できずに、了承したフリをしてそのまま警察に助けを求める。
が、これが原因で場がこじれてしまい、メイトリックス、サリー、警官隊のドンパチ銃撃合戦に巻き込まれることに。
メイトリックスを銃撃しようとした警官を咄嗟に突き飛ばしてメイトリクスを助けてしまったのが原因で、彼女も追われる身に。

メイトリックスに早口で文句をまくし立てて事情を聞こうとするも、即効でノーを突きつけられるわ、
暴走同然の運転に巻き込まれてマイカーをお釈迦にされるわとロクでもない目にばかり遭う。
その後にようやく事情を説明してくれたメイトリックスの置かれている境遇に同情し、
モーテル到着後は自分からメイトリックスに協力するようになる。

サリーの貸し部屋で手がかりを探ったり、やってきたクックをルームサービスに化けて油断を誘ったり、
クックの車にあった領収書や敵のアジトの資料から手がかりを割り出したりと大活躍。
そして何と言っても外せないのはメイトリックスが捕縛された際に行ったロケラン発射シーンであろう。
説明書一つであんなもんぶっ放す辺り、シンディも相当な変わり者である。

その後は翼の付いたカヌーこと水陸両用飛行機を操縦して敵の本拠地近くに着水。
メイトリックスが単身乗り込んでいった後に無線を飛ばし、彼の上官であるカービー将軍に応援を要請していた。

全てが終わった後、ジェニーと共に戻ってきたメイトリックスを満面の笑みで迎えていた。


◆シンディ語録
やはりテレビ朝日版でお馴染み、玄田メイトリックスや石田ベネットと同様に、
マクロスの未沙やダンバインのマーベル役である土井シンディが有名か。
基本的にメイトリックス、ベネット、そして彼女の3人でコマンドーの名言の8割方が生み出されていると言っても過言ではない。

……が、TBS版の小山シンディのハジケっぷりも捨てがたい。
初代アラレちゃんバラライカの姉御で有名な彼女が演じるシンディは、
より原作に忠実な宇津木道子の台本の下、要所要所で土井シンディ以上にカオスなセリフが満載なのである。

※青字が小山版、赤字が土井版のセリフ


「ええ、私よシンディ。今日のバンクーバー行きのフライトキャンセルになったの。ねえ、お食事しない?」
「私、シンディよ。バンクーバー行きがキャンセルになっちゃって。それで食事でもどう?」

初登場時、彼氏と思われる相手に電話をかけているシーン。
残念ながら断られてしまったが、それを見つめるサリーがメッチャいい笑顔。
尚、ここで本来は彼女がフライトに同行する予定だったことと彼氏をデートに誘おうとしていたことを覚えておいてもらいたい。


「胸がムカつくだけよ、私に付き纏わないでちょうだい!」
「ロクでもない夢でしょ? 構わないで大声出すわよ!」

しつこく付き纏って自分を誘おうとするサリーに対しての一言。
流石のサリーもムッと来たらしく、玄田版ではシンディをアバズレ呼ばわりである。
だがサリーを追い払ったのも束の間、シンディの不幸への足音はこの時点で間近に迫っていたのだった。


「ああ、私七時半から空手教室があるの、悪いけど」
「ダメよ、七時半に空手の稽古があるの、付き合えないわ」

名シーンその1。空手の恵子……もとい空手の稽古発言。
……なのだが、前述したようにシンディは当初の予定では仕事が入っており、
それがたまたまキャンセルになった後も本来は彼氏とデートをしようとしていたわけで。
つまり、この空手の稽古自体がメイトリックスを追い払うためのでまかせだった可能性もあったりするのだ。
恐らく、自分には武道の心得があると伝えることで、身勝手な振る舞いを見せるメイトリックスを苦し紛れながら牽制しようと試みたのではないだろうか。
まぁ咄嗟に出たフレーズな辺り、その日に無いだけで本当に空手を習っているかもしれないが…。
尚、それを聞いたメイトリックスの反応は「今夜は諦めろ」or「今日は休め」である。


「わかるわ……会ったばかりの私でさえ死ねばいいと思うもの」
「無理よそんなの……知り合ってまだ5分と経ってないのよ」

同乗しているメイトリックスに対しての一言、同じシーンなのにまるで内容が違う。
特に原語に比較的忠実な小山シンディのセリフは字幕翻訳以上に過激である。


「お願い、ティーシャツを着た大男がいるでしょあそこ。変質者だと思うの、付きまとって離れないから何とかして」
「すみません、向こうにグリーンのティーシャツを着た大男がいるんだけど彼マトモじゃないの、誘拐されかけたわ。助けてください」

怪しさ全開のメイトリックスから逃れるために、モールの警官に助けを求めて。
余談だが30周年記念新録版では大男から更に飛んでゴリラ男呼ばわりである。
が、この行動がまさかの展開に転がっていこうとはシンディも予測がつかなかったであろう。


「あんた一体誰なのよえぇ!? ほわあ!? 人の車盗んだ挙句、シートをぶっ壊して私を誘拐して! 娘を助けるためだから協力してくれとか何とか言って、私をあんな物凄い何人死んだかわからないような撃ち合いに巻き込んで、電話ボックス引っ剥がして振り回したり、ターザンみたいに天井からブランコしたり、おかげで私はあんたを守るためにお巡りさんぶっ飛ばして追われる羽目になったのよ! どういうことかワケ話してくれるでしょうね!?」
「私を殺す気!?」

「あんた一体何なのよ! ああっ! 車は盗む!シートは引っぺがす! 私は拐う! 娘を探すのを手伝えなんて突然メチャクチャは言い出す! かと思ったら人を撃ち合いに巻き込んで大勢死人は出す! 挙句は電話ボックスを持ち上げる! あんた人間なの!? お次はターザンときたわ!警官が、あんたを撃とうとしたんで助けたわ、そうしたら私まで追われる身よ! 一体何があったのか教えてちょうだい!」
「今日は厄日だわ!!」

名シーンその2。散々人を巻き込んだ挙句に1人でその場を離れようとしたメイトリックスに無理やり同行して。
(しかもメイトリックスはシンディの車をそのままパクっていこうとしていた。)
積もり積もった不満を実に小気味良いリズムで一気にまくし立てていくのだが、
それに対するメイトリックスの返答はこれまたいや(No)or「ダメだ」である。
……こんなんじゃシンディじゃなくても厄日と思いたくもなる。


「なにくだらないこと言ってるのよ!」
「もう嫌だ夢なら覚めて……」

モーテルでのメイトリックスとクックの戦いに巻き込まれての一言。
因みに小山版シンディはクックのグリーンベレー発言に対するメイトリックスのジョークへのツッコミだったり。


「コースタルって飛行機専用の燃料会社なの。もっと小型の自家用よ、私が操縦習ってる小型機の先生もこっから買ってるわ」
「やっぱり、四号燃料は水上飛行機用なの。そして250ガロンはちょうどこの島までの往復に必要な量だわ」

「飛行機専用の燃料会社の発送表よ。いいえ個人用の小型機専門よ、私が通ってる飛行士訓練学校もここから燃料を買ってるの」
「やっぱり、この燃料は水陸両用機用よ。250ガロンといえばこの飛行機で島までの往復にピッタリの量だわ」

クックの車にあった領収書やパトリア興業のアジトで見つけた資料を前にしてのシンディのセリフ。
小型飛行機の運転免許を持っているだけに、その辺りの知識に詳しいことがよくわかる。
彼女のこれらの発言のおかげでメイトリックスも敵の本拠地を割り出すことができた。


「ちっきしょう!」
「説明書を読んだの!」

「やぁだ……」
「説明書を読んだのよ」

名シーンその3。警官隊に捕まったメイトリックスをロケラン発射で強引に救出するというトンデモ行動に及ぶ*1
メイトリックスやベネットにばかり目が行きがちだが、シンディもやってることは大概だったりする。
しかも1発目を背後に誤射してしまった際のセリフが、土井シンディは困惑気味なのだが、
小山シンディはどう見ても殺る気満々な辺りがまた笑いを誘う。


「あなたって本当に闘争本能に溢れてるのね!」
「飛行機なんてもんじゃないわ! これ翼の付いたカヌーよ!」

「あなたは誰かに野蛮だって言われたことない?」
「こんなの飛行機じゃないわ! 羽根のついたカヌーよ!」

パシフィック埠頭における一幕。
尤も、ロケラン発射の後じゃ闘争本能に溢れてるだの野蛮だの言われても完全におまいうである。
そして旧式のオンボロ飛行機を羽根つきカヌーとか言っちゃう辺り、ジョークセンスも一流である。


「幸運を祈ってるわ、気をつけて」
「気をつけてねメイトリックス、幸運を」

敵の本拠地である小島近くで単身乗り込むメイトリックスを見送って。
散々無茶苦茶に付き合わされて自身も滅茶苦茶やってきたシンディではあったが、
何だかんだでメイトリックスの良きパートナーとして活躍したのであった。





追記・修正は説明書を読んでからお願いします。

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最終更新:2024年03月02日 02:51

*1 因みに、武器を店から調達したシーンをよく観察すると、実際にロケランに説明タグが貼り付けられているのが確認できる