魔女教(Re:ゼロから始める異世界生活)

登録日:2016/08/30 (火) 00:00:17
更新日:2024/04/05 Fri 19:25:44
所要時間:約 52 分で読めます





※この項目は『Re:ゼロから始める異世界生活』のネタバレを含みます。




魔女教とは「Re:ゼロから始める異世界生活」に登場する集団。




【概要】

本作最大の敵の一つ。
『嫉妬』の魔女サテラを崇める狂信者の集まり。ペテルギウス以外のトップの大罪司教たちに信仰心があるかは怪しいが
神出鬼没で一切が謎に包まれているが、現れるたびに各地で甚大な被害を生み出す惨劇を引き起こしてきた。
そのためルグニカをはじめとした各国で恐れられており、騎士団には即時滅殺の掟まである。
嫉妬の魔女が作中世界で非常に恐れられ、忌み嫌われているのは彼らの存在によるところも大きい。
目的は嫉妬の魔女の復活だと思われるが、詳細は不明。

教徒はいずれも「福音書」と呼ばれる書物を持ち歩いている。
この「福音書」は時折その持ち主が行動するべき内容が文字で刻まれ、教徒たちはそれに従って行動している。
また、魔女教に入ると見込まれた者のところにはどこからか「福音書」が送られ、それを受け取ってしまった者は魔女教徒に変貌してしまうという噂もある。

一般の教徒はKKKのような頭を覆った頭巾とローブを着用している。


大罪司教

『嫉妬』を除いた大罪の名を冠する魔女教の幹部。
現在『傲慢』は空席となっており、ペテルギウスはその補充を探していた。
そろいもそろって残虐非道を絵にかいたような人物が構成員全員という相当な狂人揃いであり、大罪司教の数だけ被害のレパートリーがあるほど。
共通するのは人の醜さと言う概念を究極的に突き詰めた『狂人』そのものの精神性を有していること。
一部を除いて仲間意識は皆無。というかガチの殺し合いを始めるような仲。
更に救えないことに他の大罪司教の凶行をみて最低だと思える感性自体は有しているにもかかわらず、自身のことは常識人だと思っているなど全員が全員自分の行動『だけ』は正しいと全くもって疑わない。

嫉妬の魔女に呑まれた6人の大罪魔女が有していた魔女因子を受け継いでおり、全員加護の上位互換「権能」と呼ばれる特殊能力を持つ。
彼らの名前はなぜか地球における星の名前からとられており、その能力も名前の由来となった星にちなんだものになっている。
どうやら400年前に居た地球人であると思われる『賢人』フリューゲルが関与しているようだが、詳細は不明。

世間的には『怠惰』と『強欲』が悪名高い*1がそれ以外の司教に関しては存在自体が知れ渡っていない。
……だが、それはその人物たちが活動をしていない訳では決してない。
単純な話、遭遇した人物のほとんどが消息不明及び意識不明となったからである。

ちなみに作者曰く、本作品に登場するキャラクターは捨てキャラは基本おらず、出てくるキャラにはみんな物語やそれなりに何か持っているようにしているということなのだが、
そうしている理由の一つは「何もないただの屑は大罪司教だけで充分だから」というものであったりする。
もっとも、実際のところ悲しき悪役であったペテルギウスやとある考察が進められているシリウス、過去に壮絶なトラウマがあると作者が語るカペラ等大罪司教にも何かしらの物語は存在しており、『何もない』と断言できるのは現状ノミ以下レグルスくらいなもの。*2


【構成員】


【大罪司教】



「ワタシは魔女教、大罪司教『怠惰』担当、ペテルギウス・ロマネコンティ……デス!」


「アナタ、『怠惰』デスね?」

「試練を、前に、事が露見しそうな状況!それが!それが!それがそれがそれがそれがれがれがれがれが!福音に対するアナタの真摯な報い方デスか!あぁ、怠惰だ!怠惰!怠惰怠惰怠惰怠惰ぁ!そして!ワタシの指の怠惰はワタシの怠惰!あぁ、寵愛に報いれぬ、我が身の怠惰をお許しください!この身全て、全霊の勤勉さをもって、福音に沿うよう生きることを、在ることを!お許しいただきたいのデス!愛だ!愛に報いねばならないのデス!怠惰であることは許されない!福音に従わなければ!与えられた愛に、愛することで返さなければ!」

「素晴らしい、美しい、なんとも気高い、揺るぎない精神性がうかがえるのデス!信じるものが!貫き通すものが!確固たるものが己の中に確立されている証デス!いぃ、すごぉっく、いいデス!」

「狂人!実に正しき認識デス!そう、ワタシは愛に狂っているのデス!愛に、畏愛に、遺愛に、慈愛に、恩愛に、渇愛に、恵愛に、敬愛に、眷愛に、至愛に、私愛に、純愛に、鍾愛に、情愛に、親愛に、信愛に、深愛に、仁愛に、性愛に、惜愛に、切愛に、専愛に、憎愛に、忠愛に、寵愛に、貧愛に、偏愛に、盲愛に、友愛に、憐愛に、愛に、愛に、愛に、愛あいあいあいあいあいあいあいいいいいぃぃぃぃっ!!」

「あぁ、そうデス、そうデスね。アナタは、とても頑張った アナタは愛に殉じ、精いっぱいに抗った。そして、届かず破れ、愛は行き場を失い、願いは果たされずに虚空を漂う あぁ、アナタ……『怠惰』デスね」



「脳が、震える」


『怠惰』 ペテルギウス・ロマネコンティ 



『怠惰』を司る大罪司教。
ナツキ・スバルたちが最初に遭遇した大罪司教で魔女教の最初期からいる最古参の教徒の一人。
深緑の髪をおかっぱみたいな長さで切り揃えて、虫のように無感情な目をした痩せぎすの男。
魔女教大罪司教の中でも最も精力的に活動している人物で、その病的な見た目とは裏腹に、その目は活気に満ちている。
被害の中の半数は彼によるものと言われており、大罪司教の中でも最も危険視されている存在の一人。
作中ではハーフエルフが表舞台に立つと魔女教が暴れ出すと言われており、それがハーフエルフが迫害される遠因の一つになっているが、実はハーフエルフに強く執着しているのは大罪司教では彼だけ。
彼があまりに精力的に活動するため、それが一般人の魔女教への認識すら塗り替えてしまっているのである。

年齢402歳。身長180㎝、体重50㎏台とプロフィールもかなりヒョロい。

一人称は「ワタシ」
首を傾け、腰を曲げるなど、奇態な体勢で話すことを好み、ケタケタという不気味な笑い声に語尾に「~デス」という言葉を多用する非常に特徴的なしゃべり方をする。
口癖は「脳が震える」
『嫉妬の魔女サテラ』を信奉し、その存在の寵愛に報いることを至上の目的とする分かりりやすい狂信者であるが、極端なまでにテンションや感情の起伏が激しい。
狂ったように熱の入った演説をしたかと思えば急に冷静な態度で部下に指示を出し、また何かの拍子でテンションが狂ったように上がるなど精神状態が全く安定していない。
『怠惰』を担当するが本人は怠惰を嫌い『勤勉』を美徳と考えて好む……が、彼の生きる理念は『勤勉さ』と『愛』の二つだけであり、それを証明することだけが彼の生き甲斐であり、生きる理由。
故に自他を含めた勤勉に働く存在と、崇拝対象であるサテラには常軌を逸した偏執的な執着を向け、(自分が殺した相手でも)役目を務められず死んでいった者には嘲笑を向ける。
また指を噛み砕くなどの異常な自傷癖の持ち主で頻繁に肉体を傷つけることも。

言動はクレイジーそのものだが、それでも作者曰く「彼は大罪司教の中では一番マトモでマシ」
……というのも、大罪司教の中で彼だけは他人と意思疎通ができるから。
要はこう見えてちゃんと人の話は聞くのである。
実際、他の同僚は滅茶苦茶な精神構造をしている上に人の話をまったく聞き入れない連中ばかりであり、意思疎通はおろか会話が全く成り立たない。というかする気がない。
作中で部下を従えて登場したのも彼一人である。

なお狂気に関しては一家言あるらしく「本気で狂うのであれば、本当の意味で狂気の世界に浸るのであれば、他者の目など意識してはいけない。世界はひとりで完結していなくてはならない」「狂うということは外れるということ」という持論を持つ。

その正体は四百年前から生き長らえてきた土の邪精霊。
明確な実体は存在せず、今までに幾人もの宿主の肉体を渡り歩いて生きてきた。
彼に乗り移られた人間はたちまちその肉体と意識をペテルギウスに奪われてしまう。
その性質故に単純に肉体を破壊しても、彼は次の肉体に乗り移るだけであり、彼を撃破することは非常に難しい。
作者によると彼はイレギュラーな精霊らしく、憑依していない精神体のまま長くは活動できないらしい。
常軌を逸した自傷癖も、肉体がないが故に痛みを感じることで生の実感と快楽を強く味わえることが理由。




名称はオリオン座α星ベテルギウス(Betelgeuse)に由来。
声を演じた松岡くんが「自分は何度か狂気に染まったキャラを演じたことはあるが、それでも「えっ!?」って思った」と絶句した逸話があり、上記の作者の一番マトモ発現を受けアニメの収録現場でも「これでマトモなのかよ?」「他のがいろいろ出てきたらどうなるんだよ?」と話題になったとか。
その圧倒的なキャラの濃さから読者人気がそれなりに高く、作者が初めて貰ったファンアートが彼であったようで、ファンアートをもらった結果スバル君の死亡カウントが2つ増えた。

圧倒的人気から、遂には全高約88cmの1/1スケール胸像フィギュアが誕生。
レムラムに続いて主人公のスバルやヒロインのエミリアを差し置いてリゼロキャラでは3人目の抜擢となる。
そのチョイスと無駄にハイクオリティな造形から「怖い」「なんで作った」「邪教のご神体」「邪神像」等と指先達からも賞賛の声を隠さない。


「指先」

ペテルギウスの腹心にして、彼の予備の肉体となる魔女教徒達の一派。
現時点では、部下に魔女教徒がいることが明言されている大罪司教は彼だけである。




「僕は魔女教大罪司教、『強欲』担当。──レグルス・コルニアス」


「君さあ、礼儀ってものがわかってないんじゃないの?僕はさ、最初に名乗ったと思うんだよね。どうして名乗ったかっていうと、それが人間関係を始める上で一番大事なことだから。どんな関係であっても、まずは自分と互いを知ることから始めなきゃならないわけじゃない?で、僕はこれでも気遣いができる方だから、なるべく誰とでも友好的に接したいと常々思っているんだよ。それに相手が照れ屋の可能性だってあるわけじゃない。仲良くしたいと思っていても、なかなか自分からは名前を名乗ることだって躊躇ってしまうみたいなね。そういう人に配慮する意味もあって、僕はできるだけ自分から名乗って、相手を安心させる土壌を作ってあげたいと思って行動してるわけ。もちろん、恩着せがましいそんなことを最初から誰にでもずけずけと明かすわけじゃないさ。でも、そういった意味合いがあって最初に名乗っているんだってことを、ある程度の年齢になるまで過ごしてきたなら察してほしいんだよね。っていうか察せるでしょ。それとも君、初対面の相手とは名乗らずに話し合うのが当たり前の生活してきたの?だとしたらそれってちょっと僕の常識感と文化が違うよね。それなら互いの感覚のすり合わせは必要だと思うけど、それならそれで誤解を生まないように前もって断っておくべきじゃないかな。そういった心遣いの一つもしないで当たり前みたいに相手の優しさに甘えるのって、ちょっと違くない?というより、それはもはや失礼に値するよね。失礼そのものだよね。礼を失するってことは、相手に対してその程度の価値しか見てないってことだよね。相手の価値を見損なうってことは、それはもはや相手の人生の、生き方の侵害だ。他者の権利の侵害だ。無欲で理性的な僕に対する、僕の権利の侵害だ」

「大事なことなんだ。僕はね、君の顔が好きだ。顔がとてつもなく好きだ。僕は妻を顔で選ぶことにしてる。美しく、可憐で、整って魅力的な顔で妻を選ぶ。僕が妻にした二百九十一人は全員、顔の美しい妻たちだった。君も顔が可愛い。だから、僕は君を僕の妻にする。わかるかい?」
「僕は思うんだけどさ、世の中って思った以上に勝手な人が多いよね。恋人になったり夫婦になったあとで、愛が冷めるみたいな話ってよく聞くじゃないか。お互いに好き合っているはずなのに、いざ一緒に暮らしてみたら色々と合わない部分がある。料理の好みが合わない。生活習慣が合わない。趣味が合わない。時間が合わない。そんな身勝手な理由をつけて、好きだったはずの相手に幻滅するクズみたいな人間がたくさんいるんだ。僕はね、そんなどうしようもない奴らが心底嫌いなんだよ」
「勝手なんだよ、誰もかれも。どうして幻滅する?好きな相手と、ちょっと感性が違うぐらいのことでなんで幻滅するのかな。そんな馬鹿な話があっていいのか?おかしいじゃないか。だから、僕は好きな相手は顔で選ぶ。好きな顔をしている相手であれば、僕はその顔の持ち主がどんな子であっても幻滅なんてしないよ。だって顔が好きなんだから。その顔である限り、愛が冷めることなんて絶対にない」
「脱いだ服を片付けない人でも。子どもを何人も殺した殺人鬼でも。料理が壊滅的に下手くそだろうと。親兄弟を借金のカタに売り飛ばしていようと。色移りする洗濯物が分けられない人でも。隠れて動物を殺すのが趣味な頭のおかしい人でも。服のセンスが最悪だろうと。金に薄汚い性根だろうと。風呂に入らなくて汚物みたいな臭いがしていても。世界の滅亡を本気で目論んでいようとも──僕は嫌わない」
「好きだった、なんて過去形で語ることなんてない。僕は君の、顔を愛してる。だから君がたとえ、世界中の人間に苦痛の限りを与えて殺そうと目論む魔女だったとしても幻滅なんてしないよ。ただ、その顔である限り」
「簡単なことだよ。普通にしていたら可愛いし綺麗なのに、笑うとブスになる子っているじゃない?僕、そういうのが許せないんだよね。だから、笑顔って言ったけど条件は泣き顔とかも一緒だよ。ようは、可愛い可愛い君の顔が不細工になる可能性があるのが嫌なんだ。だから、笑うな。泣くな。怒るな。ただ可愛い顔をしていろ。」

「顔が可愛い。愛なんて、それが全てでしょ?」

「いずれ必ず終わりが訪れるとわかっているからこそ、生きている人間は生きている間の幸せを追求しなきゃならない。だから僕は、自分の幸せのハードルが低くて済むことにとても充足感を覚えているんだよ。これでもしも僕が『強欲』だったら、ありとあらゆるものを欲しがって、手に入れない限り満たされない欲深だったとしたら、生きている間に幸せになることなんてできなかったかもしれない。でも、幸いにも僕はささやかな幸せで満たされる感性に恵まれて生まれた。満たされている僕は聞きたい。死んだ君は、満足して死ねたかな?死ねたのならおめでとう。満たされてなかったなら、ご愁傷様だ」



「僕の意見を無視するってことだ。僕の権利を侵害するってことだ。──それは、いかに無欲で心の広い僕でも許せないなぁ」


『強欲』 レグルス・コルニアス 


CV:石田彰

『強欲』を司る大罪司教。
ペテルギウスと同じく魔女教の初期からいる最古参の教徒の一人。
外見は細身の体つきをした白髪の青年。面貌には大した特徴はなく、見た目はいたって平凡。ただし年齢は推定百数十歳以上。
百数十年前はとある村の貧乏な一般家族の生まれで、両親や兄弟が居たことが明かされており、家族達は恵まれない環境であってもレグルスに愛を注いでいた様子。
だが、幼少期から他者との関わり合いを病的に忌み嫌い他者を見下す自尊心と自己愛の権化である上に被害妄想気味だったレグルスにとって、家族の行為は煩わしい上に自分を馬鹿にしている行為としか認識できず、
強欲の権能の獲得と同時に躊躇すらせず家族や出身の村の住民を虐殺し、自分のいた国をも滅ぼして現在の地位に至る。
ペテルギウスほど積極的に活動はしていないが、ルグニカ王国の隣国であるヴォラキア帝国の城塞都市ガークラをたった一人で攻め落とすなど、起こした事件一つ一つの被害の規模が尋常ではなく、それゆえペテルギウスと並んで特に恐れられている存在。


一人称は「僕」
『強欲』の名に反して自らを「平和主義者」「無欲」と称して無欲と清貧を尊ぶ。
外面は非常に穏やかかつ穏便なので、そういった意味では見るからに近寄りたくない狂人というかヤバい人物だったペテルギウスとは対照的。
だがその本性は異常な承認欲求と自己顕示欲の権化
非常に我が儘な激情家で、自らの欲したものを手に入れないと気が済まない司る性質通りの強欲な男。
自らの思想・価値観を何よりも最上に置いた上で、決して他人の存在を無視することができず、自身の存在価値を他人に誇示することに執着する。
恐怖と暴力によってあらゆる存在に己の感性を押し付け、価値観を上塗りすることで「レグルスこそが最上である」と強要する最低最悪のかまってちゃんであり独善者。

そして上述の台詞からわかる通り死ぬほどウザいレベルで非常に多弁な饒舌家。
事あるごとに一見もっともらしい道徳観や一般論をくどくどと語るも、その内実は屁理屈で自分の我儘を押し通そうとしてるだけでダブルスタンダードも甚だしく、喋るたびにブーメランが刺さっているのだが本人は全く無自覚。
長々と語る論理と言動全てが自分の中で完全に自己完結し切っているため対話の余地は微塵もなく、そのくせ少しでも相手の行動・言動が自分の意に沿わぬものであった場合、無茶苦茶な難癖を付けた上で「自分の権利を侵害された」として殺しにかかる。
激情家のかまってちゃん故に煽り耐性もゼロで、少し前に言ったことと今言っていることが全く矛盾していても本人は一切気にせず、逆に指摘してくる相手をブチ殺して反対意見を封殺しようとするクソコテである。

ここまで長く書いたが、当の本人は己の無謬を信じて疑わないのが何よりタチが悪く、自分の行ってきたあらゆる所業に一切の悪気や呵責もないおまけつき。何なら自分の意見が受け入れられないことに悲観し厚顔無恥に被害者面までする。
後述する権能も合わせて文字通りの「無敵の人」を体現した人物である。


また個人的に53人もの妻からなるハーレムを築いているが、その選定基準は「処女であるか」と「顔」のみで、「顔が可愛い。愛なんて、それが全てでしょ?」と断言して憚らない。
妻を得る方法もやり口は相手の同意を一切考慮しない一方的な誘拐でしかなく、その過程で妻に選ばれてしまった女性の家族や知人は皆殺しにされ、故郷も滅ぼされた被害者もいる。
ナレーションによれば「正論と綺麗事で表面を飾り付けたストーカーの理屈に近い」「ストーカーの厄介さの例に漏れず、自分が間違っているなどと微塵も彼は疑っていない」とのこと。
少しでも気に食わないことがあれば、文字通り「切り捨て」るなど愛情は皆無で今までに迎えた妻の数は「死に別れた」女性を含めると総勢で291人
彼女たちのことは皆番号で呼び、上記のような自分にだけ都合のよい理屈を並べ立て、恐怖で縛っている。
当然嫁からの反応は抜粋しただけでも
  • 「死ねばいいのに」
  • 「気持ち悪い」
  • 「地竜の方がマシ」
  • 「比較対象がない」
  • 「苦しんで死んでほしい」
  • 「話が長くて回りくどい。一文字余計に喋るたびに死んでほしい」
  • 「あれを愛せる人間なんていない」
などレグルスへの溢れんばかりの愛の叫びで溢れている。

彼は「顔さえ良ければどんな性格でも気にしない」と言っているが、作者曰く「性格的に反りの合わない子は屁理屈を並べ立てたうえでミンチにしている」らしい。

彼が可愛らしい顔の女性を強引に妻にしていたのは、実の所自分の周りを美女や美少女で囲うことで周りに自分への憐みを抱かせず、自らを高等な人間だと周りに知らしめることが思惑。
処女に拘っていたのも妻に仕立てる人間に裏切られて自分が傷つくのを防ぐための予防線であり、レグルス自身はそもそも愛という感情や生殖活動の概念そのものを根本から否定・嫌悪している。
その為「好きな相手と結ばれたい」という一般的な人間の願望をレグルスは「卑俗な強欲」と蔑んで認めていない。



スバル曰く「己の価値観を押し付け、独りよがりを押し通す凶人」

名称はしし座α星レグルス(Regulus)に由来。
その強さで読者に絶望を与えた初登場時から話が進むにつれて内面の気持ち悪さと小物っぷりが明らかになり、
さらには作者にも「ノミとレグルスを比べるなんてノミに失礼」「気持ち悪い」と言われるなどweb版読者からはペテルギウス以上のネタキャラ扱いされてしまっている。
加えて書籍版の設定イラストの服装が「イカ」や「タコさんウィンナー」にしか見えないなど、ネタっぷりが加速していると専らの評判。




「魔女教大罪司教、『暴食』担当のライ・バテンカイトス。名乗られたら名乗り返すのって、礼儀じゃァない?」

「僕たちは魔女教大罪司教『暴食』担当、ロイ・アルファルド。まァ 、俺たちが恨みを 『食ってる 』のはよくあることだけどさ」

「あたしたちは、魔女教大罪司教『暴食』担当、ルイ・アルネブ。短い間だけど、よろしくね、お兄さん」


『暴食』 ライ・バテンカイトス/ロイ・アルファルド/ルイ・アルネブ 


暴食を司る大罪司教。
他と異なり三つ子の兄妹で構成されており、それぞれが魔女因子を保有する。ちなみに「俺たち」「僕たち」「あたしたち」が一人称であり、兄妹をまとめて呼んでいるのではない。
作者によれば、大罪司教の中では新参のようである。
自分の司る「大罪」を否定する大罪司教が多い中、彼らは自分の司る『暴食』に忠実で常にテンションが高い。
自身の権能で他者の『記憶』と『名前』を食らうことを「食事」と嘯き、三人それぞれが捕食する標的や食事方法に別個のこだわりを持つ。

数多の凶行を働く動機は「ただ幸せになりたい」という非常に普遍的なもの。
ただしその手段は他人の名前と記憶を奪うことで自分に足りない経験や記憶を満たし、自分の人生を最大限に謳歌するという余りにも独善的で自分勝手な方法。
生まれや親を始めとした「全てにおいて恵まれた自分」を生み出すために数多の人間の記憶を奪い続けており、そういった行為が必ず自分の幸せに繋がると本気で考えている正真正銘の外道。
ただし自業自得であるが、常人には体感し得ない物量の『経験(人生)』を貪り、取り込み過ぎた結果「あらゆる出来事が目新しさのない退屈で古臭い代物にしか感じ取れない」という強烈な既知感に苛まれており、
唯一味わったことのない「死の経験」を記憶しているスバルの存在に強烈な関心と執着を寄せている。

三人とも「自分の食べ方が兄妹の中で一番優れている」と考えており、内心では他の二人を見下している。
一方で妹のために「食事」をしてやるなど兄妹仲は悪くない様子。



その他、三大魔獣の一角である「白鯨」は彼らが操っていた可能性がある。
また、かれらの名前の由来になった星座は三大魔獣と関係のあるものになっている。

スバル曰く「ありとあらゆる存在の経験を堪能し味わい尽くした人生の飽食者」「人間の生きてきた道筋を踏み躙る冒涜者」。

ある理由からスバルにとって最も因縁の強い大罪司教であり、仇敵とされている。
というか読者からもトップクラスで恨まれている。
理由?彼女の項目を見たら解るよ。



「さァ?でも、僕たちの食事量はロイに比べたらマシだと思うけどね。ロイは悪食でなんでも食べるから、厳選する俺たちとは量が違うッ! 僕たちは食事は質こそ命と思ってるから、そこがロイとは相容れないんだよね」

「愛!義侠心!憎悪!執念!達成感!長々と延々と溜め込んで溜め込んでぐっつぐつに煮込んで煮えたぎったそれが喉を通る満足感ッ!これに勝る美食がこの世に存在するかァ!?ないね、ないな、ないよ、ないさ、ないとも、ないだろうさ、ないだろうとも、ないだろうからこそ!暴飲!暴食!こんなにも!僕たちの心は、俺たちの胃袋は、喜びと満腹感に震えてるんだからッ──────じゃァ、イタダキマス」

「あァ、まったく……いっくら食べても喰い足りないッ!これだから俺たちは生きることをやめられないんだ。食って、食んで、噛んで、齧って、喰らって、喰らいついて、噛み千切って、噛み砕いて、舐めて、啜って、吸って、舐め尽くして、しゃぶり尽くして、暴飲!暴食!あァ──ゴチソウサマでしたッ!」

「説教は僕たちにはいらないし俺たちは嫌いだ。あんたの言うことが間違ってるだなんて否定もしないけど、興味もない。あァ──本当に、僕たち俺たちはこの空腹感を満たすこと以外はどーォだっていいんだよ」



「会わせておくれよ、愛しの英雄様にさァ!僕たちの英雄が、俺たちを裁きにきてくれたはずなんだよォ、こんなところまで!」


≪美食家≫ ライ・バテンカイトス 

CV:河西健吾

濃い茶色の髪を膝下まで伸ばした背丈の低い少年。
細い体をボロキレのような薄汚れた布でくるんだだけの服装をしており、服の下には見える範囲の全てに鞭の痕、焼きごての痕、刃物で刻まれた痕、荒く削られた痕、抉られた痕、獣の牙の痕、青黒くなるまで殴られた痕など、虐待されたかのような悲惨なまでに大量の傷跡が残っている。
商人という存在に強い敵意を執念を抱いており、「物に値段付けて、他人に売り払って私服を肥やす連中」「人間の価値も思惑も、全部天秤の上に載せて計算する亡者」と吐き捨てている。
食事のスタイルは標的の記憶や経験の質を重視する『美食家』
両手に装備した短剣を武器とし、小柄な体躯の速度と身軽さを活かしたスピーディな戦術が得意。
暴食の中では最も戦闘のセンスがあり、「月食」で読み取った戦闘技術を組み合わせて新たな技を作り出すといった芸当もこなす。


名称はくじら座ζ星バテン・カイトス(Baten Kaitos)に由来。



「たまんなく嬉しいなァ!なんせ 、俺たちは満腹感優先の『悪食』だからねえ」

「嬉しいな、嬉しいね、嬉しいさ、嬉しいとも、嬉しすぎるから、嬉しいと思えるから、嬉しいと感じられるからこそ!暴飲!暴食ッ!待ち焦がれたものほど、腹を空かしておけばおくほど!最初の一口がたまらなくうまくなるってもんさ!」

「劣等感の香ばしさも、挫折を味わった芳醇な舌触りも、強く何かを渇望する甘美な絶望も、後生大事に抱え込んだ秘密の満腹感も、君には何にも!なぁんにもないッ!」



「いいさ、いいよ、いいとも、いいかも、いいじゃない、いいだろう、いいじゃないか、いいだろうさ、いいだろうともさ、いいだろうからこそッ!暴飲ッ!暴食ッ!美食、悪食、それから飽食ッ!大味、薄味、美味、珍味ッ!根こそぎ全部喰らってやるさッ!面白みのない人生それも、僕たちを満たす、未知の味だッ! 」


≪悪食≫ ロイ・アルファルド 
焦げ茶色の髪を三つ編みに束ね、袖と裾の長い緑の長衣に矮躯を包んでいる少年。
幼い顔立ちと悪戯な笑みに、この世に存在するあらゆる毒を煮詰めたような腐り切った目の輝きをしている。
ロイは捕食する標的にこだわりがなく、とにかく量を貪ることで飢えを満たすことだけを目的としており、それゆえ『悪食』と評されている。
戦闘スタイルは『虎爪』と呼ばれる暗器を相手に刺突させることで戦う。

名称はうみへび座α星アルファルド(Alphard)に由来。
6章終盤でユリウスによって拘束される。



「あたしたちは美食だの悪食だのどうでもいいからサ。ホント、わかってないよね。食事は『何を食べるか』じゃなくて、『誰と食べるか』なのにサ」

「いい、いいね、いいわね、いいよね、いいじゃない、いいじゃないの、いいだろうからこそ ……あたしたちも、私たちも、食卓を囲む価値をあなたに見る」

「きっと、どこかにあるッ! あたしたちが胸を張って、私たちらしく!この人生を生きてよかったって、そう思えるバラ色の未来が!その、運命の人生に巡り合えるそのときまで、食って、齧って、食んで、ねぶって、しゃぶって、貪って、暴飲ッ!暴食ッ!」



「幸せに、なりたい。ああ……私たちって、なんて不幸な身の上なの?」


≪飽食≫ ルイ・アルネブ 

三つ子の末妹にあたる金髪ロリ。
その幼気な見た目に反して、兄達とは段違いにどす黒い狂気と怨嗟が渦巻いている。
食事に関しては『何を食べるか』に重きを置かず、『誰と食べるか』を重要視する『飽食家』

生まれたその時から『記憶の回廊』に存在しており、生身の肉体を持たないという謎に包まれた人物。
兄達が意識を失っている間、その身体を借りる(乗っ取る)ことでのみ、現実世界に干渉することができる。
しかし当人は自らの出生の秘密や由来に関しては無関心で全てに飽いているため、兄達同様「食事」だけを楽しみとして日々を過ごしている。
何故か日食の能力をほぼデメリットなく使いこなせるため、単純な戦闘能力は暴食の中でも最強。
大罪司教の中で唯一、読者の一部からその身の上を同情された。

名称はうさぎ座α星アルネブ(Arneb)に由来。






「ほんの少しだけ、皆さんのお時間を拝借させてください。私は魔女教、大罪司教『憤怒』担当──シリウス・ロマネコンティと申します」


「人は、分かり合える。人は、一つになれる。優しさは、自分のためにあるのではありません。他人のためにあるのです。優しさは他人に施すからこそ輝く。自分に優しいのは単なる身勝手であって、優しさとはあまりにも違うもの!故にこうしているあなたの優しさは、他者を思った本物の輝き!ああ、『愛』なのです!」

「やっぱりあった。『愛』はあった。あったのです。みんなの心が一つに、それも喜びで一つになった。悲劇はいらない。誰かが泣かなくちゃならない世界なんてうんざりだ。誰もそんなの望んでいない。たとえ心が一つになるとしても、それは喜びや楽しさの共有であるべきなんです。悲劇も!『憤怒』も!必要ないのです!」

「あら? どうやら発狂してしまったみたいですね。愛情深く感受性が強い人は時おりひどく脆弱になってしまう。ああ、『愛』故に人は苦しむ。でも、『愛』があるから人は生きられる。とても難しいのですね。」

「──臭い。臭い。臭い。臭い。臭い。臭い。臭い。臭い。臭い。臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い
臭う、感じる……女の臭い。薄汚くて忌々しい、私からあの人を奪う半魔の臭い。殺しても殺しても、蛆虫みたいに際限なく湧いてくる臭い汚物。冗談じゃない。憎たらしい。あれだけ焼いても、まだ足りないのか
他にも感じる、女の臭い。あの人じゃないくせに、あの人に似た臭い。汚らわしくて卑しくて浅ましい、腐って色が変わって虫が湧いたような女の臭い。ああ、ああああ!あああああ!腹立たしい!忌々しい!憎たらしい!私の!夫への愛を試すか、精霊!私から!夫を奪っただけではまだ飽き足らないのか、半魔の売女!!」

「ああ、心を震わす忌まわしき『憤怒』!怒り、即ち激しい感情!激情こそが人の心に根付く大罪であるのなら、切っても切り離せない宿業であるのなら、喜びで心を満たすべきなのです!今このとき、皆の心が一つになっているように!」

「万雷の! 拍手を!」



「愛は一つになることだ───!」


『憤怒』 シリウス・ロマネコンティ 


『憤怒』を司る大罪司教。
頭部を包帯で覆い、黒いコートに身を包み、両腕は鎖で縛り付けるという異様な格好をした女性。
自称「ペテルギウス・ロマネコンティの嫁」で、彼を狂的に恋い焦がれている。
しかし実際は「自分はペテルギウスに愛されている」と思い込む、どす黒い愛情と執着を抱えた典型的なストーカー。
ちなみに肝心のペテルギウスからは特に何とも思われていない。

「知り合い、譲り合い、認め合い、許し合って一つになることこそ真の愛」と嘯くが情緒がかなり不安定。
普段は口調も態度も穏やかだが、一度怒りに火がつくととんでもなく激高し暴れまわる。
特に、崇拝対象であるはずの『嫉妬の魔女』に対してはペテルギウスが愛を向けているため、彼女を「クソ魔女」「売女」呼ばわりして強烈な憎悪を隠さず、彼女に似た容姿を持つエミリアの存在を視界に入れた際は「薄汚い半魔」呼ばわりして火がついたように感情と憎悪を爆発させ、内に秘めたペテルギウスへの自己中心的な執着を剥き出しにした。
言っていることは大罪司教の中では割とマトモで、セリフだけ見れば味方サイドのようにも見えるが、
そう言いながらも行うことは自身の権能による大量虐殺であり、言っていることとやっていることは全く合致していない。
にもかかわらず自分の行っていることは正しいことだと信じており、なかなかタチの悪い人物。

その本質は「自身の考えが何よりも正しい」と信じ、他の考え方を認めない排外主義者である。
彼女の言う「愛で一つになる」というのも、結局のところは権能によって自身の価値観を無理やり他者に押し付け、強要しているというだけに過ぎない。
そのため、自身の権能を解除されたり、効かなかったりすると激昂して暴れ回る。
この在り方について、シリウスが「愛は一つになることだ」と主張するのに対し、相対したプリシラは「愛は異なる相手を認め、それでもいいと受け入れること」だと断じている。

現在ではスバルが愛しいベテルギウスの権能をその身に宿していることを知り、スバルに執着を向ける。


スバル曰く「他人の感情を弄び、身勝手な愛を強要する怪人」
名称はおおいぬ座α星シリウス(Sirius)に由来。




「アタクシは魔女教大罪司教、『色欲』担当──カペラ・エメラダ・ルグニカ様ってーもんです!きゃははははっ!敬え、崇めろ、泣いて嘆願して惨めったらしく死に腐れ!クズ肉共!きゃはははっ!」


「慈悲深く優しいアタクシは、恋多き女でもあるわけですよ。この世の愛と尊敬を一人占めすると決めてるわけで、でも愛されるための努力を欠かすなんて怠けた真似も決してしねーんです。愛されるために、あなたの好きなアタクシになる。あなたにアタクシを見てもらうために、アタクシ以外のものからあなたの興味を奪う。もともと誰を愛してても構いやしません。最後の最後に、アタクシを選んでくれるなら。アタクシはそのための努力を欠かさない。アタクシ自身の魅力を上に上に上に上に上に上に上げて!アタクシ以外のクソ肉の魅力を下に下に下に下に下に下に下げて!この世の最も尊く美しいアタクシを、誰もが愛するようにする」

「なんで?アタクシは博愛主義でやがりますから、殺すなんて野蛮な真似できやしませんよ。それにどんな頭の悪くてどーしようもないクズであっても……アタクシを愛する可能性は、生きてる限り残る。アタクシは承認欲求が強いんですよ。ですから一人でも多く、一秒でも長く、一言でも高く、アタクシを評価してほしい。それができねーってんなら、そこで初めて死ね!とっとと死ね!以上、アタクシのありがたーい訓示でありやがりまーす」

「耳心地いいことばっか抜かしてんじゃねーってんだよ!内面がどーたら性格がどーたら気が合うだの相性だのグダグダうるせーってんですよぉ!外面だろーが、外見だろーが、見た目がてめーの肉を刺激するからその肉に惹かれてんだろーが!心に愛を感じるってんなら、そのキラキラした言葉で飾って、キラキラした目で見つめ合って、キラキラした口触りのいい寝物語を語ってた相手が、蝿になっても愛せるか試してみろってんですよぉ!愛せるか、愛せねーだろ!?おぞましいもんなぁ!?気持ち悪いもんなぁ!?嫌悪感しか湧いてこねーもんなぁ!?てめーがてめーでさっきそう言いやがったんだもんなぁ!?」

「この世の愛と尊敬は全て、アタクシに一人占めされるためにある。」



「ね?てめーはいったい、どぉぉぉんなアタクシが好きぃ?」


『色欲』 カペラ・エメラダ・ルグニカ 


『色欲』を司る大罪司教。
大罪司教の中でも最も残忍かつ残酷な人物であり、死んだはずの残忍で知られたルグニカ王女「エメラダ・ルグニカ」の名を名乗る金髪の美少女。露出度の高い黒いランジェリーを身に纏っている。
非常に挑発的で残虐性を感じさせる、礼節に唾を浴びせて踏み躙るような乱暴な喋り方をする。

老若男女敵対者も含めた全ての人物を平等に愛し、自ら「尽くす女」「博愛主義者」と嘯くが、本性は「この世の全ての愛と尊敬は全て自分に一人占めされるためにある」と言い放ち、他者を死んだ方がマシな生き地獄に叩き落として相手に自分を愛すること事を強いるエゴイスト。
愛されるために自分の姿を相手の好みに変え、他人の姿を醜く変えるという人間の尊厳と価値観を踏みにじり嘲笑う。
「性格とか好きになるのに関係ないだろーがバーカ(要約)」というのが彼女の主張であり、その人物の好みの姿に変身すれば相手は自分を絶対に好きになると本気で考えている。
それ故か非常に観察力に長け、他者の何気ない一挙手一投足から、短時間で相手の好みの異性の姿形をほぼ完璧に割り出す事が可能。
作者曰く「魔女教大罪司教の中で一番のクズ」「世界中の人間に愛されたいふわもてガール」


スバル曰く「人間の尊厳と価値観を弄ぶ怪物」。


名称はぎょしゃ座α星カペラ(Capella)に由来。





【番外】



「そんな不安そうになさらなくても、最初から聞いてくださったらよろしかったのに。私や信徒たちは何も、皆さんに危害を加えるために森を訪れたわけではありません。先ほども申しました通り、この封印に用があって参じたのです。ですから、不必要な犠牲を生むほどに愚かではありませんよ」

「因子を取り込んだことまでは書き変えませんよ。私はあなたのその行いと、そのあなたを求めて戻ってきた彼女の行いを称賛したいのです。このことは、それを証明するための私からの誠意と思ってください」

「叩かれたらこんな風に痛いんです。あなたの心にも、叩いたのと同じぐらいの痛みがきっと走ったはずですよ。自分がどれだけ無慈悲なことをしているか、わかりますか?」

「落ち着いてください。話せばわかり合えるはずです」



「愛。素晴らしいですね」


『虚飾』の魔女 パンドラ 



大罪司教ではなく、『嫉妬』やそれに呑まれた6人と同じ大罪の魔女。
9つの大罪の1つ『虚飾』を司る。
白金の長髪に白い衣、見たもの全てが震えるほどの美少女。
友好的で上品な話し方から温和な性格だと思い込みそうになるが、言動と行動は一致しておらずその論理は薄っぺらで利己的。
後述するヘクトールは魔女教との関係がはっきりしていないのに対し、パンドラはレグルスを従えて行動するなど魔女教にて大罪司教よりも上位の存在として扱われている。
魔女教において敬われつつも口に出してはならない禁忌として秘匿されている。


100年前、エリオール大森林に『強欲』レグルスと『黒蛇』を従えて襲来。
大森林の奥に隠されていた『封印』を解くためにエミリアと接触するが、拒絶されて引き下がった。
パンドラ自身の、ひいては魔女教そのものの目的が『封印』と大きな関係があることは間違いないが、その『封印』が何を封印するものだったのかは依然明らかになっていない。
14年前の大征伐の失敗、並びに前剣聖テレシア戦死の原因の一端でもあるようである。
エミリアの父母の生死に深く関係しているらしく、エミリアの叔母であり義母でもあるフォルトナから強い憎悪を受けていた。
そしてそのフォルトナと、義父のような存在であったジュースを目の前で奪われたエミリアとは強い因縁がある。
プレアデス監視搭付近に突如現れる謎の扉とも関係があると思われる。



このような圧倒的な力を持ちながらも、パンドラはエキドナ曰く「生き残ることに突出した魔女」とのこと。
名前はギリシャ神話に登場する人類最古の女性パンドラ(Pandora)に由来。
大罪司教と違い、魔女や魔人の名前は星ではなく神話の登場人物から取られている。




「……まだ、やるの?」

「うるさい。邪魔くさい。鬱陶しい。煩わしい。萎える。滅入る もう、やめていいんじゃない?頑張ったよ、お前。己には勝てないけど、頑張った頑張った。頑張っただけ、もういいじゃん。……頑張るのも、無駄なわけだし」

「はーぁ……そういうのが一番、頭が重くなる。胸が悪くなる。気分が沈む もう、本当に嫌だ。すごい下がる。己がこんなに下がるとか、すごい久しぶりすぎて本当に最悪だ。最悪、最悪、最悪の最悪の最悪の最悪だ。
──本当に、憂鬱だ。
あー、あー、あーぁ。なんだよ。なんだーぁよ。この様か。こんな様か。あー、本当に嫌だったのに。胸が悪い。気分が沈んだ。頭が重い。憂鬱だ。憂鬱、憂鬱、鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱──」

「抗えないなら、エキドナじゃない。あの子じゃーぁないなら、もうどうでもいい このまま潰れて、土に埋もれろ。」



「嫌な呼び名だ、気分が滅入る。己が好きで、こーぉんな風になったと思ってるのか?」


『憂鬱』の魔人 ヘクトール 



『虚飾』の魔女と同じく歴史に名の残らぬ魔人の1人。魔女教徒なのかは不明。
年齢は二十歳前後で、焦げ茶色の髪を頭の後ろで縛り、目の下に不健康そうな隈を浮かべる痩身の男。
顔色は悪く、姿勢も猫背。まさに無気力の権化といった感じだが、着ている服はその裏腹に奇抜で、ロズワールのものに酷似。
極めてダウナーかつネガティブで、何かにつけて「鬱だ」「面倒臭い」などと呟く陰気でやる気の欠片もない性格。ところどころ間延びした口調で喋るのが特徴。
自身に与えられた「魔人」の異名も毛嫌いし、「気が滅入る」とまで嘯いている。
ただし穏健派とは程遠く、やる気なさげに平然と人を殺傷し虐げる深い狂気と残虐性も抱えている。

そのやる気のなさに反して『強欲』の魔女エキドナの命を狙い聖域を強襲。
やる気のない態度のまま魔導の最高位にいた初代ロズワールを「圧力」のような力で一方的にいたぶり半死半生に追い込んだ。
生物・魔法問わず対象物を押し潰す、不可視の加重のような能力を持つ。

名前の由来は『ギリシャ神話』のトロイア戦争で活躍した英雄ヘクトール(Hector)から。




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最終更新:2024年04月05日 19:25

*1 『怠惰』は魔女教の活動ほぼ全てに関与している事、『強欲』は一つ一つの活動に対する被害規模が甚大ではない為

*2 一応その過去は語られたが、極めて利己的・自己中心的なものであり、いわゆる「哀しき悪役」に期待される虐げられた過去などは一切存在しなかった。

*3 レグルスのそれが「強大な力を以て独りよがりを押し通す存在」という意味ならばスバルのそれは「非力な自分を頼ってくれる仲間の為に尽力する存在」と言える