バニラ(ウルトラ怪獣)

登録日:2016/08/28(日) 08:52:22
更新日:2023/08/11 Fri 09:36:24
所要時間:約 8 分で読めます





バニラとは、おいしいアイス……ではなく、ここではウルトラシリーズに登場する怪獣に関して記載する。


【データ】

別名:赤色火焔怪獣*1
身長:55m
体重:2万t
出身地:東京都内の工事現場
武器:赤色火炎


【概要】

遥かな超古代に地球に出現し、破壊の限りを尽くした怪獣。
全身が赤い色をしており、アボラスと対比するかの如く「赤色火炎怪獣」「赤い悪魔」の異名を持つ。
表皮はタツノオトシゴのような鱗に覆われ、ガッシリ体型のアボラスに比べると首は比較的長く細面で、腹が樽のようになっている。
下あごが二つに分かれるのが特徴で、その口から火焔を放つ。
細長い尻尾は3又に別れ、ズルズルと引きずり回している。

名前の由来は「紅」。モチーフはタツノオトシゴ。


【活躍】

ウルトラマン

第19話「悪魔は再び」に登場。

都内某所にて掘り起こされたカプセルに雷が落ちたことで復活した超古代怪獣。
宿敵・アボラスの眠るカプセルのすぐ近くに埋まっていたのだが、たまたま土砂の中に埋もれていたので、
誰にも気づかれることの無いままカプセルから出現した。

ライバルのアボラス同様、3億5000年前(誤記ではない!!)の地球を荒らし回っていた怪獣で、
その時代の文明(!)をアボラスとの戦闘でメチャクチャに破壊してしまった。
超古代文明人(!!)により液体状にされて封印(!!!)されており、「開けると人類は滅ぶ」と記されていた。
だったらトドメを刺してくれよ~!って彼等にも倒すことが出来なかったのかも知れない。

そんなことは露知らず、長すぎる眠りから覚めたバニラアボラスと戦うためか、それとも単なる衝動か、
夜の東京の街を滅茶苦茶に破壊しつつ当てもなくうろつき回る。
出動した科学特捜隊は徹底攻撃を仕掛けるが、あろうことかミサイル切れになるまで撃ち込んだにもかかわらず
痛がりこそすれバニラの烈火の如き戦意は一向に収まることなく朝を迎えた。

そのままバニラは怨嗟骨髄に染みるアボラスと東京で正面衝突。
睨みあうや否や雄叫びを上げてがっぷりと四つに組合い、国立競技場(出来てまだ7年なのに・・・)を著しく破壊しながら
二体はくんずほぐれつの激戦を繰り広げる。

アボラスの溶解液もバニラは自らの火炎をぶつけて相殺し合い、互いに一歩も引かない。
このままでは、東京どころか日本はおしまいだ。
科学特捜隊は両者を相手にするのをやめ、どちらか一方を集中攻撃することで怪獣をまず1匹まで減らそうと画策。
アラシ隊員が装填した原子弾が飛び、バニラは右目を潰されてドウと地面に倒れ伏す。
隙有りと見たアボラスはここぞとばかりに溶解泡を浴びせ続け、遂にバニラを完全に溶かし去ってしまうのだった…。

ウルトラマンと戦うことなく死んだせいで二流怪獣の印象が強いバニラではあるが、アボラスとは完全に互角であり、
しかもそのアボラスが滅茶苦茶強いのもあるため、決して弱い怪獣というわけではないのである。


『ウルトラマン』の派生作品

このように原作ではウルトラマンが出てくる前に命を落としたバニラだったが、
放映時に『週刊少年マガジン』で掲載されていた一峰大二による漫画版では復活から間もない段階でウルトラマンと激突している。

それどころか火炎をボーボー吐きまくってウルトラマンを火達磨にした挙句、皮膚を溶かしてしまったほど強く、
なんとこの攻撃でウルトラマンをカラータイマー切れに追い込んで撤退させている。

その後はアボラスを見つけて取っ組み合いを開始し、ウルトラマンも巻き込んだ三つ巴の戦いとなる。
アボラスを憎むバニラだったが、戦いの邪魔をしたウルトラマンはもっと腹立たしかったのか一時的に挟撃を開始。
圧倒的な火力と生命力でスペシウム光線が打てなくなるまでバテバテに追い込んだのだが、最後はアボラスと同時に襲いかかろうとしたところを、
ウルトラマンが最後の力を振り絞って放った八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)でドテッ腹を撃ち抜かれ、
大嫌いな宿敵と共に心中することになってしまった。


ザ☆ウルトラマン

過去の怪獣が総登場するお祭り回、第27話「怪獣島浮上!!」に登場。

怪獣墓場に眠っていた所をバラドン星人によって蘇らされるが、なぜかピンク色になっている。作画崩壊と言ってはいけないよ
(バラドン星人が知らなかったのか)不仲のアボラスと出くわし戦闘を開始。
他の怪獣たちも勝手に仲間割れを始めたため、業を煮やしたバラドン星人によりガキ大将・レッドキングが投入されてひとまず沈黙。
レッドキングを倒すために現れたジョーニアスに向かい、ここはひとまず呉越同舟とばかりにアボラスゴキネズラと協力して囲むが、
尺の都合上プラニウム光線であっけなく粉砕される。


ウルトラマンパワード

身長:60m
体重:2万5千t
出身地:洞窟

第9話「激突!二大怪獣」に登場。通称「パワードバニラ」。
原作よりも細身になり、体表も真紅に塗り直されたその姿は、まさに「悪魔」と呼ぶに相応しい程に禍々しい。

こちらでは3000年前の超古代文明に封印されたということになっており、大学生が掘り出した石棺に封印されていた。
この石棺には赤い塗料で描かれたバニラの図が刻まれている。
基盤研究所で特定の光を当てられたことにより、アボラスとほぼ同時期に覚醒を果たす。

アボラスと共に引かれるかのようにスタジアムに向かい、猛然と取っ組み合いを開始。
途中、アボラスの溶解液を受けて完全に溶けてしまうが、それでも死なずに復活を遂げる。
彼らはほぼ「不死身」と言っても差し支えないほど生命力が高く、互いの攻撃を受けても死ぬことなく永久に戦い、周囲に破壊を齎す「悪魔」だった。
カイはパワードに変身し二者の戦いを止めようとするが、戦いを邪魔されたアボラスバニラは怒り狂い挟撃。
火炎と溶解液で挟み撃ちにされ、パワードのカラータイマーはみるみる点滅していく。

しかし、ここで覚醒させてしまった責任を感じた科学者が、石棺からある特定の超音波が発せられていることに気が付く。
その2万3000Hzの高周波(常人には聞き取れません)が再生を阻害し、封印の鍵を握っていたのだ。

早速W.I.N.Rはその超音波を発生させ、予想通りアボラスバニラは悶絶し始める。
好機と睨んだパワードはすかさず大背面ジャンプでアボラスを飛び越える。
苦し紛れにバニラは火炎を吐くが、パワードは「近くにいたお前が悪い」とばかりにアボラスを盾にする。

怒ったアボラスは溶解液をぶっかけてバニラを倒すも、時すでに遅し。すべてはパワードの術中であった。
アボラスが消し飛ばされてから間もなく、地に倒れ伏したバニラにもパワードのメガ・スペシウム光線が炸裂。
紅蓮の豪華に焼かれ、赤い悪魔は完全に消え失せることとなった。


ウルトラマンX

第1話にてスパークドールズが蘇る形で登場。ロシアでアボラスと激戦を繰り広げた。
OP映像ではXと戦っているが、本編ではその後登場することは無かった。
スーツはアボラスも同様だが、2014の『円谷英二 特撮の軌跡展』の時に制作されたもの。


ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

第21話「悪魔がふたたび」にて登場。
初代ウルトラマン同様、アボラスと共に3億5千年前*2にカプセルに封印されていたが、同時にアボラス共々体内に毒素を抱えているため無策で倒すと周囲を汚染してしまうと言う設定が追加。
アボラスの毒素とは溶解液のことだろうが、バニラの毒素は燃料か何かなのだろうか。
後付けではあるが彼らを封印出来るほどの技術力を持った古代文明が倒さずにわざわざ封印と言う手段を取った事への補強となっている。科学特捜隊はどうやって後始末したのだろうか…
更にアボラスの泡はバニラの火炎にて除去出来る設定も追加され、よりアボラスとの宿敵関係が強調されている。
またアボラスとは宿敵同士ではあるものの、復活した際にはアボラスを一度はスルーして目をパチパチさせながら二度見したり、
アボラスとの戦闘中ではその場でお立ち台ギャルの如くぐるぐる回されるも目を回しながら吐いた炎でアボラス頭部を燃やしたり
邪魔が入ってきた時は息の合った連携で仲良く障害の排除を優先したり、かと思えばアボラス盾にされたり
お前ら本当は仲良いだろと言わんばかりにコミカルなシーンが増えており、どちらかと言えば宿敵と言うより喧嘩友達の様な印象を受ける。

彼らが封印されているカプセルをシズマ財団が保管していたが、前話で襲来したバリガイラーの電撃によってアボラスと共に活性化を始め、
ナースデッセイ号に移送しようと訪れたケンゴとアキトの目の前でアボラスが復活してしまう。
更にバニラも少し遅れて復活、先に復活していたアボラスを認識するや早速大乱闘を始める。
ケンゴは泡の波に飲み込まれてて無力化、ガッツファルコンはアボラスとの同時攻撃で撃墜、
ナースデッセイ号も先の毒素の関係で迂闊に手を出せない、と言う誰の邪魔も入らない状況で2体の悪魔は存分にぶつかり合い、町は瓦礫の海と化したが、
アキトの独断で拘束を解かれたイグニストリガーダークに変身した事で状況は一変。
アボラスと結託してトリガーダークを攻撃するも上手くあしらわれ、トリガーダークにヘッドロックされて無理矢理吐かせられた火炎でケンゴが救出。
遂にトリガーも復活したことで2対2に持ち込まれ、本当は青が好きなトリガーダークと戦闘。
最終的にはトリガーダークのダークゼペリオン光線を喰らい爆散し、残った毒素もグリッタートリガーエタニティの手によって浄化された。

ティガ怪獣の裏モチーフは「ウェポナイザー」もしくは「スタンデル星人」と思われる。
まあ、スタンデル星人の赤い方は改心したが。

ウルトラマンSTORY 0

宇宙警備隊隊長・ゾフィーが胸の勲章を賜るよりもずっと前、遥かな大昔の地球に登場。
怪獣酋長ジェロニモンによりアボラスと共に飼育されており、普段はジェロニモンの宮殿の柱の中に封じ込まれ、侵入者を焼き殺している。

村人がジェロニモンに殺され、「竜の戦士」というミイラ兵士に改造されていることを知った族長・ジン(キリヤマ似)は
地球に流れ着いたウルトラセブンモロボシ・ダン)と、村の仲間5人と共にジェロニモンの宮殿に向かう。
火薬による爆破解体とセブンの活躍により宮殿は破壊されるが、それによりアボラスバニラも目覚めてしまう。

地面を蒸発させる程の爆炎を吐き、暴れ回るバニラ
全てを溶かす溶解液をまき散らし、怒り狂うアボラス
2大怪獣が村に来たらおしまいだ。戦士たちは意を決し、天突く巨体の2大怪獣に挑む。

文字通りの嚆矢を放ったのはもやしっ子のイズン(イデ似)。
爆薬を積んだボーガンをバニラの頭部に打ち込むが、城壁すらも打ち崩す程の爆炎が晴れた後には傷一つ残らない。

村一番のナイフの使い手・アルコンはイズンを逃がすと二の矢を放ち、今度はバニラの左目を焼く。
爆薬は傷一つ付けられなかったのに、矢は大ダメージを与えたことに戦士たちは疑念を持ち、矢の材質がオリハルコンであることから、
怪物たちはオリハルコンが苦手なのだということに気が付く。

村で使用されていた超金属オリハルコンは、太陽やウルトラ戦士の光エネルギーを吸収・増幅する力があったのだ。
それを知ったイズンは筒を繋ぎ合わせ、内部にありったけの爆薬を詰め込むことで即席の迫撃砲を作成。
チャンスは今しかない。戦士たちのオリハルコン器を全て砲弾とし、バニラめがけて叩き込むのだ!

「セブン、よけてくれーっ!」

掛け声とともに爆音が響き、数多の槍や短剣、刀剣がバニラめがけて突っ込んでいく。
火薬すらも通さない頑健な皮膚を柔肌の如く突き破った刀剣は、白日の金光を浴び、バニラの巨体をドロドロに溶かし去っていった。


その数千年の後に蘇ったジェロニモンは、再びバニラをリビング・デッドとして蘇生させるものの、
地球の光を浴びたゾフィーの放つ清浄なアントラー共々消し飛ばされることとなる。


その他

ウルトラマン列伝』第21話でウルトラマンゼロが解説するエンペラ星人が、光の国を襲撃したウルトラ大戦争時に引き連れていた怪獣軍団の中にアボラス共々新たに姿が追加されている。

絵本『ぼくだってウルトラマン』でもアボラスを差し置いて登場。
同じく、原作ではマンと戦えなかったマグラーと組んで街を滅茶苦茶に破壊し、
新米ウルトラ戦士・ウルトラマンユウキをビビらせ倒して逃走にまで追いやった。
しかし火炎をウルトラマンのリバウンド光線で封じられると、ウルトラアタック光線を胸に受けて倒されてしまう。
うーむ、(いくらウルトラ族の身長11mもあるプロ戦士とはいえ)子供を逃がす片手間で負けてしまった……。




追記・修正は青色発泡怪獣の方も一緒にお願いします。

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最終更新:2023年08月11日 09:36

*1 一部媒体では「赤色火炎怪獣」とも。間違いでは無いが、現在の設定では「火焔」が正式な表記。

*2 ちなみにyoutube配信版の英語字幕では「350 million」(3億5千万)になっていた