PSP go/PlayStation Portable go

登録日:2016/08/28 (日) 01:31:37
更新日:2024/03/03 Sun 19:09:41
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こころは、もっと動く。




PlayStation Portable go(PSP go)とは、SCEが発売した携帯型ゲーム機。


【解説】


SCEが発売したPlayStation Portableの派生モデルとなる。

一般的には、殆どの人が『PSP go(ぴーえすぴーごー)』と呼ぶ。
勘違いされがちだが、別にPSP-3000から連なる新型モデルではない。
あくまでもPSP-2000や3000のようなマイナーチェンジとは異なる進化を歩んだハード。
型番は『PSP-N1000』……N2000なんかは出ませんでしたね……。

2009年のE3でその存在が発表された。
北米・欧州では2009年10月に先行的に販売され、日本では同年11月に発売されることとなる。

発売当初の希望小売価格は、従来のPSPシリーズより高めの26,800円。
後に売上不振を受けてか、2010年10月26日より16,800円に値下げした。

このハードは、従来のPSPよりもさらに手軽にソフトなどを持ち運べる事をコンセプトにしている。
そのため、デザインに大きな変更が加えられ、小型化・軽量化に成功した。
何より、ソフトの持ち運びを必要とさせないためか、ダウンロードソフトのみで遊べる仕様なのが最大の特徴と言えるだろう。

ところが、いざ発売されると指摘された不安要素が的中してしまう。

日本で一定の市場を築いていたPSPを支えるUMDの廃止は、やはり無茶があった。
現在ほどダウンロード販売の優位性や普及が進んでいなかったのも痛かったか。
何より、これまでのPSPシリーズとの互換性が低いのが買い替えの足を引っ張った。

しかも、従来のPSPでもソフトのダウンロード購入は可能。
そうして見ると、わざわざダウンロード専売に特化したこのハードに大きなアドバンテージはなかった。
別にPSP goに向けた専用ソフトなどは用意されなかったので、なおさら優位性はなかった。

このような様々な問題点が重なり、goは発売当初から売上不振となってしまった。
値下げ後も不調は続き、2011年8月1日~8月7日の週間販売台数では史上初の販売台数0台を記録した。
一台も売れなかったのなら、そんな状態で記録せんでもと思えなくもない……。

この状態が続いたためか、ついに2011年4月20日に出荷終了が発表され、PSP goは寿命を終えた。
SCEは次世代機のPlayStation Vita展開の準備に入り、PSPシリーズは以後も3000までのモデルが主力となる。
本体のアフターサービスも部品確保の問題により、2016年の7月末で終了した。

結局goの後継路線のハードも生まれず、寿命としては一年半程度の短い生涯を終えた。

このように販売戦略や他モデルとの差別化の失敗など、色々とSCEの動きを疑問視する声は現在まで多い。
ただし、ダウンロード専売やスライド型のデザイン構造などは評価する声もあり、現在までこのハードで遊んでいるという人も少なからずいる様子。

何だかんだで根強いファンが少数ながらもいるというのが、PSP goというハードに秘められた魅力なのだろう。

【PSP goの特徴】


本体外観やそれに伴う機能など

外観はPSPから基本的なベースは受け継いでいるが、大きく異なる姿となった。

本体のサイズはPSP-3000までのモデルよりも大幅に小型化。
重量比で約40%ほど軽減されていて、携帯性を多少向上させている。
液晶画面も4.3インチから3.8インチに小型化されているが、解像度など画質に変化はない。

そして、本体はスライド式の二段構成を採用した。
本体をスライドさせることで、従来のPSP用のボタンなどのコントローラー部分が露出される。
ただし、ボタン配置などが異なるためか、一部のPSPソフトとの操作性における問題を起こした。

また、スライド式画面を閉じると標準時計が画面に表示される。
時計表示ではなく、スリープする様にも本体設定から変更できる。
ゲームプレイ中にスライドを閉じると、一時中断かゲーム終了かを選べ、一時中断だとクロスメディアバーに中断中のデータが保持される。
これによって、ゲームを一時停止している最中にクロスメディアバーの操作が可能となっている。

ちなみに、後にこのハードの外観に近い「Xperia PLAY SO-01D」というスマートフォンが登場している。

ダウンロード販売

PSP goはPSPシリーズで恒例のUMDドライブを廃止している

ゲームソフトは全てインターネットを経由して供給。
つまり、このハードにはソフトメディアの概念が存在せず、殆どがダウンロード(以下DL)版で遊ぶこととなる。
言わば、PSP goはDL専用ハードという訳である。

一応DL版はパッケージ版よりも価格が多少安くなっているので、出費的にも負担が多少減る。
とは言っても、パッケージ版も販売店の都合で安くなったりするので、結果的にはそんなに変わらないが。

実は販売形式の都合で、現在までのPSPタイトル全てをフォローしていない。
何故なら、DL版で遊ぶと言っても、ダウンロード版を用意するかはソフトメーカーの判断に委ねられた。
つまり、DL版が用意されなかったPSPソフトは遊べない。

発売初期の頃は、所持しているUMDソフトをgo用に変換するサービスをアナウンスしていた。
だが、不正コピーや変換の際の著作権などの問題が解決できなかったようで、これはなかったことになった。
ただし、Vita向けに用意されたUMD Passportをgoにも用いることが可能となっているので、割引価格でダウンロード版を買えるようになるというおこぼれは生まれた。

なお、現在はUMD Passportサービスは終了しているので、このような優待は受けられない。

記憶媒体

PSPシリーズで用いられていたデータ保存用のメモリースティックも変更。

メモリースティックDuoではなく、メモリースティックマイクロ(M2)を用いる。
このM2は、Duoよりサイズが小型化されているのが特徴である。
256MBの物から販売され、2009年までに16GBサイズまで用意された。
goだけではなく、他の一部ソニー製品もこのM2を記憶媒体として採用している。

しかし、goでDuoを利用できなかったのはgoの商業的失敗に繋がったと言われている。
記録媒体の互換性がないことから、従来のシリーズからgoへの買い替え需要が殆ど発生しなかったと噂されている。

また、PSP goの本体にも16GBに及ぶフラッシュメモリーを搭載。
ソフトを遊ぶには十分な容量であり、正直M2がなくてもこれで成り立つレベル。
本体内蔵のフラッシュメモリーはM2とも同時に併用が可能となっていて、最大32GBを実現できる。

PSP周辺機器との互換性

本体の端子の仕様が異なるため、単純にPSP用の周辺機器を使うことができない。

PSPの周辺機器を使うには『コンバーターケーブルアダプター』という変換用周辺機器が必要。
このコンバーターは本体にはめ込んで使い、上部に周辺機器を接続可能にするUSB端子が存在する。

ただし、コンバーターの代償としては本体サイズが向上するため、携帯性が低下する。
そのため、従来のgoの持ち味であったポケットへの収納などは難しくなる。

Bluetooth採用

Bluetoothを採用しており、対応機器に接続可能。
Bluetooth規格に対応したヘッドホンを利用し、ワイヤレスでgoに保存した音楽などを楽しめる。

また、BluetoothでPlayStation 3用コントローラーのDUALSHOCK 3を利用可能。
上述した一部ソフトの操作性も改善が可能で、むしろ従来のPSPよりも楽になることもある。
ただし、ペアリングさせるために一度はPS3本体を必要とする。







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最終更新:2024年03月03日 19:09