GENERATION2(仮面ライダーアギト)

登録日:2016/08/20 Sat 15:50:25
更新日:2023/09/07 Thu 12:08:10
所要時間:約 7 分で読めます





「ハジメくん…、ケンカの強い子が友達だったらたのもしいでしょう?」
「でも、その友達が「敵」になったら? コワイですよね」
「この「G2」はそういうマシンなんです。人の言うことをきかない。敵になるか味方になるかわからないんです」



2001年刊行の『月刊コロコロコミック9月号増刊 てれコロコミック』に掲載された、
坂井孝行による読み切り漫画『仮面ライダーアギト G3-Xvs機動装備G2』に登場したGシリーズの一機。

G3/G3-XG4に繋がる事となる、小沢澄子の製作したGシリーズのプロトタイプ機の一つ。通称「G2」。
未確認生命体第4号と同スペックの性能を引きだすことに成功しながらも、それ故に人間が扱える代物でなくなってしまった
Gシリーズ最初の機体・G1の反省を踏まえてか、無人操縦の「人工知能搭載型バイク」として建造されており、
そのため見た目も他のGシリーズとは大きく異なった、G1以上に「仮面ライダー」とは到底呼べない非人間型のものとなっている。
系統で言うならばガードチェイサーの系譜、フォルムだけならむしろ後年のサイドバッシャーに近い。
運用の際には、腕時計型のコントローラーから人間が命令を出す形で行使される。

性能は非常に高く、移動に際しては車輪を用いずG2の車体そのものを飛行させて稼働し、
また交戦時には内蔵されたミサイル、マシンガン、そして腹部の巨大な砲台といった火力で敵を完膚なきまでに殲滅する。
氷川も、本機のことを戦闘力だけならG3-Xをも凌駕すると評するほど。

しかし、搭載された人工知能プログラムに重大な問題があり、
運用途中で突如暴走し、敵味方の識別なく手あたり次第ターゲットを攻撃するという致命的な欠陥が露呈。
当然ながらこうなってしまえばコントローラーも無用の長物となってしまい、G2はただ暴れるだけの破壊マシンと化す。
実際、過去にそれで甚大な被害をもたらした事が原因で、警視庁第13研究所に封印される結果となった。

だが……


【冒頭】

警視庁第13研究所に、塚田警視正の息子である少年・ハジメを見学に出迎えた小沢氷川
アギトに比べて戦果を挙げられていないG3-Xをボロクソに評するハジメのクソガキぶりに手を焼きながらも
怒り心頭のまま塚田警視正との会議に向かった小沢に後を任され、ハジメに研究所を案内する氷川。
その中で、かつて開発されながらもその欠陥故に封印される事となったG2と、その脅威性を紹介する。

……が、実はハジメは超能力者で、テレキネシスでG2のコントローラーを氷川から奪うと、
超能力者である自分なら暴れ馬も言うことを聞くだろうと豪語、ボタンを操作してG2を起動させる。

一方、研究所から離れた街角で、超能力者の存在を嗅ぎ取った一体のアンノウンが行動を開始。
同じころ、家庭菜園を世話していた津上翔一も、アンノウンの活動をアギトの本能で察するのであった……


【事件発生】

コントローラーを手に、G2を操って研究所の棚を荒らしまわるハジメ。
氷川も流石にキレて彼を抑えようとするも、サイキッカーの能力に翻弄されてしまう。

そんな最中、研究所の壁を破ってアンノウンが二人の元に襲来。警備薄ッ!
敵がハジメを狙ってきたことを瞬時に察知した氷川は、銃で応戦しながら彼に逃げるよう指図するが、
ハジメは狼狽しながらも、自分にはG2がいるから安全だと言い、G2を戦闘形態へとチェンジさせる。
内蔵火器を全て露出させて戦闘モードに移行したG2は、ハジメの指示を受けてアンノウンを圧倒的火力で攻撃、
敵が手も足も出ない様子に満悦したハジメも、勝利を確信してG2に攻撃終了を命令する。

……しかし、G2はハジメの命令に一向に従う様子を見せず、ただ只管にアンノウンへの攻撃を続ける。
G2のアイには怪しく光る火花……そう、危惧していた暴走状態に陥ってしまったのだ。
慌てるハジメを尻目にG2は敵へと接近してゆくが、それを好機と見た瀕死のアンノウンはG2に飛びかかると
そのボディに組み付き、不可思議な能力を発現。そのままG2を乗っ取ってしまうのだった。

アンノウンの手中に落ちたG2の火砲がハジメに迫る……が、その時、壁を破って現れたもう一つの影。
そう、我らがヒーロー、仮面ライダーアギトの姿であった。
G2の放った一斉掃射を、アギトはストームフォームに変身し、ストームハルバードの巧みな捌きで全て叩き落とす。
アギトがG2を迎え撃っている隙に、氷川もまた、もう一つの力……G3-Xを装着すべくその場を離れた。


【顛末】

アギトはG2との接近戦に縺れ込むも、G2のパワーはアギトをも上回っており、徐々に抑え込まれてしまう。
終いには投げ飛ばされて壁に叩きつけられてしまい、動けない所をG2の火砲が狙った……まさにその時、
無事G3-Xを装着した氷川が現場に駆け付け、GM-01スコーピオンによる射撃がアギトを間一髪救うのであった。
G2とアンノウンを引き離すべく、騎乗しているアンノウンに集中攻撃を仕掛けるG3-Xだったが、
アンノウンの指示で発射されたミサイルがG3-Xに直撃、獲物を手放してしまう。危うし、G3-X……

と、G2の照準がG3-Xに向けられた次の瞬間、スコーピオンがG3-Xの手元へと瞬時に戻る。
ハジメ少年がテレキネシスを使い、G3-Xをアシストしたのだ。
かくして激戦の果てにアンノウンとG2は分断され、アギトのライダーキックを受けたアンノウンは爆発四散、
そしてG2もまた、G3-Xのスコーピオンによる執拗な射撃を浴びた末、遂に沈黙するのだった。

戦い終えて、研究所を後にするアギト。
ハジメ少年もまた、健闘したG3-X=氷川に「まァまァやるじゃん、氷川さん」と彼の評価を改めるのだった。


【余談】

読切漫画『G3-Xvs機動装備G2』は掲載誌に一度載ったのみで、以降の単行本収録は2016年時点で一度も実現していない。
(これは坂井氏が同誌の冬休み増刊号に掲載した『決戦!!3大ライダーVS超ロード』も同様)

ただし、『HERO SAGA』のムックVol.2に掲載された作中資料では、
Gシリーズの解説の中で漫画に登場したG2についても非装着型の機体として名前のみ紹介されている。
本作におけるG2の設定が、東映サイドにとってどこまで公式の範疇かは不明だが、
雑誌掲載されたのみの作品までしっかりチェックし、内容に反映させた『HERO SAGA』製作陣には頭が下がるばかりである。

『週刊 仮面ライダー オフィシャルパーフェクトファイル』においては、第94号に掲載された「警視庁で採用された対未確認生命体装備の変遷」の中でG2がG1から発展した非装着型として名前のみ紹介されている。
また、同ページ内でG1は4号(クウガ)がモデルの装着型・装甲車が基盤の非装着型の2つの説が紹介され、G2は後者のタイプから発展したものとされている。
小沢さんのことだから張り切ってどちらのタイプも作ったものの、結局はどちらも封印される結果になってしまったのかもしれない。


【関連人物】

小沢澄子
ご存知、Gシリーズの産みの親。
何気にG2の封印に際し、火器弾薬を取り外さずそのまま内蔵するというとんでもない大ポカをやらかしている。
漫画では冒頭にのみ登場、G3-Xをコケにするハジメ少年に腹を立てながらも、会議のために研究所を後にした。

氷川誠
本エピソードの実質的な主人公。
当初はG3-Xの戦歴ゆえにハジメから呼び捨てにされたりとコケにされがちだったが、
アンノウン憑依のG2を撃破する活躍を見せてイメージを塗り替えることに成功した。
……とりあえず、事件解決後にG2暴走の一件を小沢さんにどう話したもんだか苦労しそうではあるが。

◇塚田ハジメ
漫画オリジナルの登場人物。見た目は同作者の『K-1ダイナマイト』に出てきたマイケル・スピードウェイそっくり。
警視正の父親を持つ幼い少年で、それまでの戦歴が戦歴とはいえG3-Xと氷川を容赦なくボロクソに評する生意気盛り。
実は超能力者であり、そのテレキネシスを傘に増長してG2を操り、襲ってきたアンノウンをも返り討ちにしようとするが
G2が暴走した隙にアンノウンに乗っ取られてしまい、殺されそうになった所をアギトとG3-Xに助けられる。
その後はテレキネシスでG3-Xをアシストする活躍も見せ、事件解決後は生意気ながらも氷川のことを見直した模様。

津上翔一
アンノウンの活動を察知し、警視庁第13研究所にアギトに変身して駆け付けてG3-Xと共闘した。
ちなみに今回はほぼ終始アギトの姿であり、翔一としての出番は初登場時の2コマのみ。

◇アンノウン(名称不明)
ハジメ少年を狙って出現したアンノウン
作中で名称はテロップも出ず不明だが、頭部の触覚など見た目だけなら昆虫系統の生物を連想させる。
G2に一度は返り討ちにされるも、システムの暴走の隙を付き、超能力によりG2のコントロールを完全に奪取。
ハジメを殺害しようとしたが、駆け付けてきたアギト、そしてG3-Xの連携の前に敗北。




小沢「私は塚田警視正と会議があるから、追記・修正してやって」 ギリギリギリ
氷川「は、はい」

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最終更新:2023年09月07日 12:08