クローン(超人ロック)

登録日:2016/08/18 (木) 21:50:00
更新日:2023/09/14 Thu 23:17:54
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クローン(超人ロック)とは、超人ロックに搭乗するクローン技術、および主要なクローンに関する項目である。

【はじめに】
超人ロックは古くから続くSF漫画であり、超能力を筆頭に様々なSF要素が扱われてきた。
クローンもまたその一つであり、作中における銀河帝国時代の辺りを中心に大きく取り扱われている。
この項目では作中におけるクローン技術の特徴と問題点、そして主要なクローンについて説明する。


【クローン技術の特徴と問題点】

超人ロック世界のクローンにはいくつかの特徴と問題点がある。

まず人間以外の動植物について言うと、これは特に問題は無い。
人間以外の動植物ならばクローニングは何の問題もなく行え、過酷な環境下で栽培する為の優秀な種子をクローンで増やしている描写がある。

しかしこれが人間となると話が変わり、クローンを作るのはベースの人間がエスパーでなければならないとされている
一応、非エスパーでも移植臓器のストックにするための(言い方は悪いが)出来そこないならば作れるようだが、独立した生命としてのクローンを作るのはエスパーでなければ不可能。
この辺は作中の人類が持つESP因子が関わっていると思われ、とある科学者が「共振樹」と呼ばれるESP因子をもった植物の因子を自分の遺伝子に混ぜてクローンを作りだしている話もある。

また、エスパーから作り出されたクローンにもいくつかの特徴と問題点が存在する。

まずクローンはベースになった人間と同じくエスパーであり、ベースの能力の強さを引き継ぐうえに、“第三波動”を操るといったレアな超能力も継承が可能。(しかしロックのクローンたちは彼の“再生”や“第二段階”といった特異な能力を継承していない)
が、これらはゲーム的に言えば“ステータス”や“呪文”を継承しているだけであり、それらの使いこなし方などに関してはクローン側の訓練とスキルが要求される。
なにより超能力は使用者の意志の強さが重要なため、「クローン=100%同一の力を持ったエスパー」というわけではない
まあ、それでも作中に出てくるクローンの大半はロックやナガトといった強力なエスパーがベースなので、その辺のエスパーよりは強いんだが。

更に、クローンは大概の作品でそうであるように短命の宿命を背負っている。
クローンの寿命は基本的に30~40年が限界であり、超能力を乱用するとその寿命もあっという間に縮んでいって、急速に老化して死んでしまう。
どうもこれはクローンを作る際にDNAに欠落が生じ、テロメアの消耗が4倍となってしまうのが原因らしい。
対処法としては、代謝機能を操れる超能力者に身体を若返らせてもらうか、クローンとクローンを重ねる(融合する)“バーノールルパート方式”といった方法がある。
前者は言ってみれば場当たり的な対処であり、一時的には老化が回復するが根本的な寿命の解決はできない。
後者はかなりの効果があり、理屈の上では寿命も超能力も8倍になるらしい。もっとも、これを言ったバーノールとルパートは“自分の意志”を持っていなかったためにロックに敗れ去っているが。
例外的な方法として、プログラムを書き換えDNAの欠陥その物を修正するというものがあるが、超人ロック以上のチートエスパー・オメガにのみ可能だった芸当なので現実的ではない。

ちなみにプログラムによって先天的に命令や偽の記憶を植え付けることが可能であり、そのため作中のクローンは「強力な超能力を持った使い捨ての道具」として生み出されることもある。というかそんなんばっか。思えば、哀れな。


【作中の主なクローンたち】

○ロックの子供たち
クローンの研究が行われていた惑星テネロで作られたクローンたち。ロックのことを「パパ」と呼び慕う。
ナナ、ク、ニイゴ、ニイハチ、サンイチの5人。当初はグレイ的なアレの姿をしていた。

全員ロックをベースに作りだされており、コンピューター「ママ」に育てられていた。
色々あって「ママ」を破壊して死亡したナナ以外はロックの弟子筋にあたるラグとその妻レマに引き取られ、テオ、ソイ、アデル、ロザンナの名前と、それぞれ別の姿に変身するためのマテリアル(ランやフランなどロックに縁のある人物のもの)を与えられた。

ラグとレマの死後、テオ、ソイとロザンナ、アデルのグループに別れて行動していたが、やがてそれぞれに寿命の危機が迫る。
テオとロザンナはロックによって救われたが、ソイはあと一歩で間に合わず、アデルは普通に死んだ。
その後、ロザンナは実質的に廃人と化した銀河帝国皇帝アルマの影武者となり、テオはロックと行動した。
ロックも彼らのことを我が子として扱い、流浪PART2では何時か彼らと死に別れる未来が訪れることを悲しむ言葉も見せた。
ちなみに同じくクローンであるクーガーからおじいさん呼ばわりされた時のロックは、不服そうに「他の連中は『パパ』って呼んでたぞ」と漏らしていた。
が、クーガーはロックのクローンのクローン(おそらく子供たちの誰かの)であるため、あながち間違ってはいない。


○ナガトの影武者たち
銀河帝国初代皇帝ナガトが、帝国の統治をやりやすくするために作りだした2体のクローン。
1体は帝国の本拠地のファーゴに政治用に置かれ、ナガト本人になり済まし昼夜を問わず危ないお薬をうちながら働き続け、挙句の果てに“エスパーコントローラー”を巡る事件で殺害された。
2体目のクローンはマイノック公国(当時は大統領制で公国でなかったと思われるが)に潜入、大統領をつとめていたドメニコ将軍の部下“オベル”として活動しクーデターを企てるも失敗。
20年の潜伏の後、再びクーデターを企むもロックらに阻まれ、寿命の限界をむかえたところをかつて利用して捨てた部下ジュディス少佐に苦しめられながら殺害された。

どうもクローンたちはナガトに“統治せよ”というプログラムを組み込まれていたようで、オベルの行動もその結果だと思われる。
ちなみにナガト本人はというと、オベルに反逆されて囚われ25年もの間もマイノック軍の“タガ”として活動しながら時々オベルの再生を行う傀儡となっていた。まあ自業自得である。
思えば、「哀れな・・・」とかお前が言っちゃいけないと思う。


○書を守る者のクローンたち
銀河皇帝カルダームⅢ世が、帝国を実質的に支配する銀河コンピューターから帝国の支配権を人類の手に取り戻すための一手として作りだしたクローンたち。
プロトタイプにあたるヤマト以外は全てロック(のクローン)のクローン。ヤマトはナガト(というかオベル)をベースに試作品として作りだされた。

ヤマト、マスターバルカン、ダークライオン、リュカーン、リオラ、クーガー、キャンサー、バーノール、ルパートなどなど、多くのクローンが生み出され、ロックの前に強敵として立ちはだかった。
ヤマト、クーガーは後に仲間になり、またダークライオンは彼の助命を嘆願するミレーヌの言葉をききいれたロックによって“やり直し”をすることとなった。
上記のとおりほぼ全員がロックのクローンだが、息子たちとは違い“自分の意志が無い”とみなしたヤツらには割と容赦が無い。
逆に戦いの最中に己の使命に疑問を持ったクーガーに対しては、直前まで完全に殺意満々でブチキレていたのを180°態度を変えて命を救っている。

ブラックホールに廃棄されていたヤマト以外は銀河帝国末期に活動を開始し、反帝国勢力を築くなどしていた。
全ては銀河コンピューターの手のひらの上だとも知らずに・・・思(略

クローンを作りだすステーションは複数存在し、そのほとんどはロックに破壊されたが、幾つかは破壊をまぬがれていた。
そしてブラックホールの中に放り込まれても無問題な無駄に高い技術力で数百年もの間稼働し続け、後の時代の悪党に発見されては利用されている。


○銀河帝国崩壊後(新連邦時代)に作られたクローン
「ホリーサークル」に登場した。でも編者もロックシリーズ全部網羅できてるわけではないのでもしかしたら「ホリーサークル」以外にも出てるかもしれない。たすけてWiki籠り。
ホリーサークルではロックのDNA情報とそこから産まれたクローンたちの記録を敵役であるユウジ・バーネットが発見し利用していた。そんな危険な情報を放置してるとか新連邦大丈夫なのか
ユウジによって産み出されたクローンたちは産まれてすぐに洗脳用の機械を埋め込まれ、文字通り使い捨ての量産兵器として手駒にされていた。
これには「彼らには自分の意思がない」とクローンたちをただの兵器として割り切っていたロックも静かにキレていた。



○ゼクス・ロニ
超能力者の惑星『ラフノール』の末裔。惑星ラフノールが存在した旧連邦の時代に生まれ、ジオノイド弾による惑星の消滅、帝国への屈従を強いられた苦難の時代、そして新連邦での『門』の開発後の時代と、若返りを繰り返しても不可能な500年以上の時を経てもなお生き続ける謎多きエスパー・・・
と、思いきや、その正体は初代ゼクス・ロニの時代から延々と作りだされてきたクローンたち。
彼の主君たるアルトベルクの血筋を守るべく、帝国の時代からクローンにある方法で己の記憶を受け継がせ、そしてそのクローンはまた次のクローンへ・・・ということを繰り返して己が不死であるように見せかけていた。
当代のゼクス・ロニも劇中で次のクローンへと代替わりする時期を迎えており、当代の主にして『力を持たないラフノール』であるテトを(ひと悶着の末に)次のゼクス・ロニに託している。
記憶を受け継いでいるとはいえ元々別個体のクローンであることには違いが無い為、アルトベルクはクローンの人権を無視するような行いと何代にもわたる膨大な記憶の蓄積による精神への負荷を危険視していた。
実際その危惧は的中し、歴代にゼクス・ロニたちは初代と因縁のあるロックの絵をストレスのはけ口とすることで何とか正気を保っていたが、ある事件を追っていたロックと偶然「再会」したことで彼への恨みつらみが爆発し、暴走してしまった。


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最終更新:2023年09月14日 23:17