アクアアクトレス(遊戯王OCG)

登録日:2016/07/20 (水曜日) 11:00:00
更新日:2024/04/08 Mon 13:03:40
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アクアアクトレスとは「コレクターズパック-運命の決闘者編」にて登場した遊戯王OCGのテーマのひとつである。
現在までのところ、発売パック以外での追加は見られない。

概要

アニメARC-Vにおいて鮎川アユが使用したテーマで、全モンスターが水属性水族で統一されている。
また、専用サポートとして「アクアリウム」という永続魔法カテゴリもある。

見た目は愛らしい姿をした熱帯魚のモンスターたちであり、基本ステータスもかなり貧弱である。
モンスターはすべてノーマルで収録されており、レアカードは全体でも二枚だけと、そろえるのはかなり容易。
なによりテーマ全体で、モンスター三種類、魔法三種類、罠一種類と、おせじにもプッシュされているテーマとは言いがたい。
知る人ぞ知るマイナーなテーマデッキと言ってしまってもいいだろう。


が、あなどるなかれ。この愛らしい熱帯魚たちは、遊戯王OCGの中でもトップクラスの脳筋デッキであるのだ。

主要カード紹介

モンスターカード【アクアアクトレス】

見た目は魚だが、水族である。アニメでは魚族だったのに。*1

アクアアクトレス・グッピー
効果モンスター
星2/水属性/水族/攻 600/守 600
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
手札から「アクアアクトレス」モンスター1体を特殊召喚する
他のアクアアクトレスモンスターを展開できるカード。
同名ターン1制限がないので、手札にグッピーが3枚あれば3体特殊召喚できる。
特殊召喚できるモンスターはレベル制限がないので、後述のアロワナはこいつがいてこそ最大に輝く。

アクアアクトレス・テトラ
効果モンスター
星1/水属性/水族/攻 300/守 300
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「アクアリウム」カード1枚を手札に加える。
アクアリウムのサーチ効果。ショーの開幕を告げる青い死神。

アクアアクトレス・アロワナ
効果モンスター
星6/水属性/水族/攻2000/守2000
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「アクアアクトレス」モンスター1体を手札に加える。
こちらはアクアアクトレスをサーチする。後述のとおり、ある意味では遊戯王OCG最強のモンスターである。

魔法カード【アクアリウム】

テトラでサーチできる魔法カードであり、このデッキの要。場から墓地に送られた時水族を蘇生するという共通効果を持つ。
1ターンに1度の制限や蘇生する水族のレベル制限もないため、能動的に破壊して高レベルモンスターを並べたり、
ブラフとしてセットし、相手の除去を誘う手もある。

水舞台(アクアリウム・ステージ)
永続魔法
(1):自分フィールドの水属性モンスターは、
水属性以外のモンスターとの戦闘では破壊されない。
(2):自分フィールドの「アクアアクトレス」モンスターは
相手モンスターの効果を受けない。
(3):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、
自分の墓地の水族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は水族モンスターしか特殊召喚できない。
アクアアクトレスの防御カード。コンボが整うまで脆弱なアクアアクトレスを守ってくれる。
また、現在の除去はモンスター効果に頼ることが多いために(2)の効果も優秀。
破壊耐性の(1)、蘇生の(3)の効果を目当てに他デッキに出張させることもできる。

水舞台装置(アクアリウム・セット)
永続魔法
(1):自分フィールドの水属性モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
(2):自分フィールドの「アクアアクトレス」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
(3):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、
自分の墓地の水族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は水族モンスターしか特殊召喚できない。
全体強化カード。強化値は微々たるものだが重ねがけ可能な上に、水照明との混成で一気に凶悪化する。

水照明(アクアリウム・ライディング)
永続魔法
(1):「水照明」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
(2):自分の「アクアアクトレス」モンスターが
相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。
その自分のモンスターの攻撃力・守備力はダメージ計算時のみ倍になる。
(3):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、
自分の墓地の水族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は水族モンスターしか特殊召喚できない
このデッキのキーカード。その効果は、アクアアクトレスがモンスターと戦闘する際にノーリスクの『リミッター解除』を発動するも同じもの。
また、ダメージ計算時に発動するためにオネストに強いのも利点。

罠カード

水物語‐ウラシマ
通常罠
(1):自分の墓地に「アクアアクトレス」モンスターが存在する場合、
フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
ターン終了時まで、そのモンスターの効果は無効化され、
攻撃力・守備力は100になり、相手の効果を受けない
アクアアクトレスが墓地に存在する必要こそあるが、非常に多様な用途に使える罠カード。
相手の効果発動にチェーンして無効化したり、相手・自分の攻撃宣言時に相手モンスターを弱体化したり。
効果耐性付与もあるので、「罠の効果を受けないモンスター」や魔法罠の効果から自分のモンスターを守ったりもできる。
どれか一つを選んで適用するわけではないので注意。
ただし水舞台と併用すると効果耐性がつき、水照明があると脳筋と化して戦闘破壊されず……と
なかなかアクアアクトレスが墓地に行ってくれないで腐ることも割とあったり。
事前に準備として鬼ガエルでアクアアクトレスを墓地に送っておくといいだろう。

デッキ解説

動かし方は非常にシンプルで、アクアアクトレスモンスターをアクアリウムで強化して殴るだけのビートダウンデッキである。
近いところを探せば「ベン・ケイ1キル」に似ていなくも無い。

ここで『強化』と聞けばデュエリスト諸君は、「なあんだ」とがっかりされている方も多いだろう。
だがそれはしょうがない。現在の環境は、高ステータスのモンスターを展開して殴り勝つパターンが主流だからである。
『強化』といえば、カード消費が荒く、除去を喰らえば建て直しが不可能になってしまうイメージが強い。
効率で比べても、カードを使って強化するよりも、その分だけ別のモンスターを展開したほうが打点が高くなることが多い。
なにより強化カードは事故率の上昇につながってしまうと、過去に禁止化されたこともあるほどの「団結の力」が
現在ほぼ駆逐されてしまったことを見てもわかるだろう。

が、アクアアクトレスはその弱点を補って余りあるだけのスキルと爆発力を秘めているのである。

まず、アクアアクトレスモンスターの効果はサーチと展開をひとつずつ持っているだけと簡単であるが、この簡単さが武器となる。
1ターンに一度の制限こそあるが、この手のサーチ・展開カードによくある召喚・特殊召喚時の誘発効果ではなく、起動効果であるために毎ターンに使用できる。
おまけに同名カードのしばりもないため、複数展開すればその分だけ連発することができる。
「テキストが短いカードは強い」を体言しているのだ。

次にアクアリウム三種であるが、これがまたどれも非常に優秀なのだ。
テトラでサーチできるために集めるのは簡単であるし、複数張られる状況になったら相手にとってはかなりうっとうしい。
特に、水舞台装置と水照明の二種が並んだときがアクアアクトレスのショータイムの始まりである。

水舞台装置で600ポイントの攻撃力強化、そして水照明で攻撃力倍加。
これだけでも、元々の攻撃力が300しかないテトラが、(300+600)×2=1800と、アタッカークラスになる。
グッピーならば2200となり、上級モンスタークラス。
さらにアロワナであれば水照明のみでも4000となって神と並び、水舞台装置があれば5200で究極竜騎士すら殴り倒す恐るべき魚となってしまう。

ただし、これはわずか2~3枚の最低限の組み合わせであり、さらに揃った場合には冗談ではないことになる。

アクアアクトレス自体のサーチと展開も優秀だが、水属性・水族で、低レベルで元々は低ステータスであることからサポートは幅広い。

鬼ガエルでテトラとグッピーを墓地に送り、浮上で呼び戻してからのサーチや展開。
やや呼びにくいアロワナのために、粋カエルを投入するのもよい。

特に強力なのが、湿地草原とのコンボである。
グッピーとテトラは湿地草原の効果領域に入るため、攻撃力1200アップの恩恵を受けられる。
この状況で、上記の水舞台装置と水照明が揃った状況に重ねてみるとどうだろう。

テトラ⇒(300+600+1200)×2=4200
グッピー⇒(600+600+1200)×2=4800

と、最低ステータスのノーマルモンスターが各テーマデッキの切り札級を軽く凌駕する、超大型モンスターへと変貌するのだ。

しかも、この強化は装備ビートとは違って、全体強化であり、後から展開したアクアアクトレスもすべて強化される。
もちろん、これ以上に強化することも可能である。

そこに水舞台まで加えれば水属性以外には戦闘破壊されず、相手モンスターの効果も受けない、実質攻撃力4000越えというとんでもないモンスターへと変貌する。
可愛い顔して恐ろしい奴らである。

また、サポートが豊富なこともあって事故率は意外にも低い。
下級モンスター主軸なこともあって、除去を受けても建て直しは難しくないのも利点である。

大型モンスターは除去するのが常識の環境であるので、相手がウルトラレアでギラギラの大型モンスターを並べて安心しているところを、
とんでもない攻撃力になったノーマルの下級モンスターたちが蹂躙するという光景を作り出すことができるだろう。

弱点

利点も大きいデッキであるが、弱点もまた大きい。

サーチ封じ、効果封じ、魔法封じといった要素が刺さってくる。
特に魔法で強化するのが大前提であるために魔法封じは天敵である。

魔法除去も大敵で、羽根帚やツイツイでアクアリウムや湿地草原を割られると弱い。
アクアリウムには破壊された場合に墓地の水族を蘇生させる効果があるので多少のあがきはできるが、
張りなおすまでが無防備となってしまうために大概はそこでやられてしまう。

また、戦闘破壊耐性を持つ相手も苦手であり、除去効果や貫通効果を持つものもないために、対処はほかのカードに頼らざるを得ない。

そして、戦術上、魔法・罠ゾーンを圧迫してしまうのが避けがたい。
アクアリウムを多く並べるのが必須なため、罠カードでの防御がしづらいのである。伏せておける罠はせいぜい一枚が関の山。
相手の布陣を突破するためにアクアリウムで場を埋めてしまうと、追加の通常魔法を使う空きさえなくなることもある。
罠の比率は最低限に抑えるべきだろう。

相性の良いカード

  • 浮上・サルベージ
基本的な水族、水属性サポート。シンプルな蘇生・サルベージはやはり強力。

  • スターライト・ロード
このデッキの生命線であるアクアリウムを大量除去から守ってくれる。

  • 地獄の暴走召喚
グッピーや浮上からテトラを特殊召喚しての大量展開からのアクアリウム三枚のサーチで大量のアドがとれる。
場合によってはグッピーや鬼ガエルを展開してエクシーズにつなげる手もあるだろう。

アクアリウムをセットすれば、バトルフェイズ終了時に2体の水族を蘇生できる。

  • パラレルツイスター
相手のカードを破壊しつつ、自分からアクアリウムを割って蘇生ができるカード。

最近恐ろしい鏡餅が登場した水族デッキ。多めに投入すればランク2が出しやすくなる。
墓地を肥やす能力を持った鬼カエルと浮上から目的のアクアアクトレスを場に連れてくることができる。
更にアクアアクトレスはグッピーの存在から、無理せず餅カエルを正規召喚できる数少ないデッキの一つ。
餅カエルの持つパーミッション効果により弱点である魔法罠除去に対してのカウンターを用意でき、
更に攻撃を引き寄せる魔知ガエルに水舞台で戦闘破壊耐性を与えることも可能と相性はかなりいい。

場のレベル2モンスターの攻撃力の合計を、自らの攻撃力に加えるモンスター。
湿地草原や水舞台装置で打点の上がったグッピーやテトラがいると…。

アクアリウムをはじめとした水族サポートを共有できる。
グレイドル・ドラゴンはアロワナ+スライムJr.、またはスライムJr.+グッピーやレベル2ガエル3体でシンクロ召喚できる。
特に後者の低レベルシンクロはグレイドル・ドラゴンの効果と相まって強力である。
惜しむらくはレベル3グレイドルが湿地草原の恩恵を受けられないことか。
攻撃力3000越えのグレイドル・イーグルが大型モンスターをなぎ倒すのも見てみた……グレイドルの効果?

元禁止の強力な除去持ち水族モンスター。
除去能力の貧弱なこのデッキにはうってつけのモンスターであり、アクアリウムでの蘇生や強化ももちろん可能。
手札補充能力にも長けているアクアアクトレスとはまさに相性抜群である。


追記修正は……ゴボコボゴボ……

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最終更新:2024年04月08日 13:03

*1 『ARC-V』期では、シャークさんのお陰で発展した『ZEXAL』期とは打って変わって極端に魚族の数が激減しており、『ARC-V』期で新規の魚族が出るのに2年3ヶ月のブランクがあった程。