ウルトラシリーズの没作品一覧

登録日:2016/07/18 Mon 21:49:43
更新日:2023/09/13 Wed 00:09:07
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ウルトラマンを熱望する日本人のハートが、今熱く燃える!




解説


1965年に『ウルトラQ』が製作されてから、多くの日本人に愛されている特撮シリーズであるウルトラシリーズ。

絶大な人気を誇るこのシリーズは、50年以上の歴史の中で様々な作品が作られてきた。
ウルトラ兄弟シリーズ、海外シリーズ、平成3部作、ULTRA N PROJECT……様々な試みが行われた名作であり、意欲作であるとも言える。
2013年にウルトラシリーズが認定された『もっとも派生作品が豊富なTV番組』としてのギネス世界記録は、多種多様な作品を生み出した証拠でもある。
このギネス認定も今のところ更新しているなど、新作への衰えを知らない。

……これだけシリーズの作品数が多いという事は、逆に考えてもらいたい。作品数の多さの分、世の中に出ることなく終わった企画倒れの作品もあるという事にもなる。
事実、ウルトラシリーズには企画倒れに終わった作品も少なからず存在し、その存在が公表されている。
中には、パイロットフィルムによる映像化まで果たして製作中止になった物すらある。

この項目では、そんな幻に終わったウルトラシリーズに関する作品を記載していくこととする。
作品内容についても記載はするが、存在が存在なだけに明確なソースがない話もあるのでそこは留意して貰いたい。
科学特捜隊ベムラーなどは、初代『ウルトラマン』の前企画なので『ウルトラシリーズ』の没作品とは言い切れない部分もあるが、ウルトラシリーズとの関係性は深いため記載する。

……チャイヨーのPROJECT ULTRAMANなどは、公式的な没作品とは言えないので紹介しない。









一覧

WOO/科学特捜隊ベムラー

TBSで『ウルトラQ』の前身となる『UNBALANCE』が検討される1年前、フジテレビとの提携で準備が進められていたものが『WOO』で、内容としては「ゼリー状の不定形の肉体を持つ宇宙人が地球人と協力して怪事件に挑む」というもの。
それに合わせて円谷英二氏は当時世界に2台しかなかった最新鋭のオプチカルプリンター(光学合成に必要な機材)を独断で発注するが、契約調印の当日に突然『WOO』は中止となってしまう。
既に船で日本に運ばれる途中のオプチカルプリンターをキャンセルする事が出来ず、TBSに在籍していた円谷一氏の手引きでTBSが購入を肩代わりした。
この高額機材を活かす企画が必要となり『UNBALANCE』の制作が決定、これが『ウルトラQ』へと繋がることとなった。

『ベムラー』は初代『ウルトラマン』の当初の企画書。
完成した『ウルトラQ』の放送日程が決定されるに伴い次回作の検討が行われていたところ、TBSが出した条件の一つに

『怪獣と互角に戦える、正義のモンスターを主人公にする』

というのがあり、WOOの「人類に味方する怪獣」の設定を流用して生まれたのが『科学特捜隊ベムラー』であった。
この企画書では『常識を超えた事件を扱う科学特捜隊』と『特捜隊に協力する謎の宇宙人ベムラー』の設定が存在する。
このようにシナリオや設定面などで、後のウルトラマンに使われる要素が随所に見られる。

謎の怪獣ベムラーのデザインもウルトラマンとは大きくかけ離れたデザインである。
だが、この鳥か烏天狗のような宇宙人のデザインは関係者から不評を買うこととなる。
また、「『ヒーロー役が謎の宇宙人』というのも作劇上厳しいのではないか」という意見もあったようだ。

この企画も見直され、『科学特捜隊レッドマン』へと姿を変えることになる。

なお、ベムラーの名前自体は『ウルトラマン』第1話の怪獣の名前に流用された。
また、『WOO』も時は流れて2006年、ウルトラマンさながらの巨大ヒーローに変身するなど独自のアレンジを加えながらも大まかな企画はそのままな、
重苦しいドラマや残虐な描写もあるほのぼのハートフル特撮番組『生物彗星WoO』として製作され、谷村美月氏の出世作となった。


科学特捜隊レッドマン

上記の『科学特捜隊ベムラー』の構想を練り直した企画。

ヒーローのレッドマンは甲冑のような奇抜なコスチュームで、身長は2~40mの範囲で伸縮自在。
変身してから3分間しか戦えないという、ウルトラマンに繋がる変身時間制限が設定されている。
主人公・サコミズはレッドマンと絡んだ飛行機事故で死に、責任を感じたレッドマンがサコミズの体を借りる……という点もウルトラマンのシナリオに繋がる要素が存在。

ウルトラマンと異なる点としては、レッドマンは故郷が他の惑星の侵略で滅亡している設定になっている。
主人公も飛行機事故の時点で死亡して、心はレッドマンとなっているという点などにも違いが見える。

デザインもベムラーの反省からヒーローらしいデザインにしたが、TBSの栫井巍プロデューサーがこれにNGを出す。
彼自身がもっとシンプルなデザインを要求し、TBS上層部も海外展開を考えていたことから没となった。
このような試行錯誤の上、ついに我々の知るウルトラマンの企画が完成する。

なお、レッドマンという名前自体は後の円谷プロが『ウルトラセブン』等の新ウルトラマン企画の仮名称として利用し続けていくこととなり、
1972年にはその名を冠したヒーローが活躍する鬼畜残虐ファイト特撮ドラマも作られた。
あれがギネス登録の際にシリーズにカウントされたのも恐らく「単にスーツを流用しているだけではなく、作品タイトルとしてもウルトラシリーズと繋がりがある」のがあったと思われる。
また、本作で作られたプロット案はたまに正式シリーズでオマージュされており、「(作品ストーリーのクライマックス限定とはいえ)サコミズという名前の人物がウルトラ戦士に変身(そもそも「隊長の名前はサコミズ」自体がオマージュの可能性が高い)」、「かなり早期に光の国が滅んでいることになっている」、「地球人と一体化しながらも、概ね「ウルトラ戦士の人格」ベースで行動する主人公」など、それぞれの作品でストーリーを盛り上げている。


ウルトラマン ジャイアント作戦

初代『ウルトラマン』の劇場用作品として用意されていた作品。

内容はある日突然、科特隊本部にナポレオンと名乗る怪ロボットからの挑戦が入る。
その挑戦は全人類を滅ぼし、地球の支配者を決定する謎の「ジャイアント作戦」なるものを開始するというもの。
科学特捜隊との戦いが始まる……というもの。バルタン星人懲りずにまた出るよ!

実際の製作中止の意図ははっきりとしないが、TVシリーズの製作費増大が原因だったとされている。
本作自体も単純に中止になったわけでもなく、1993年には『ウルトラマンティガ』にも関わった川崎郷太氏による漫画版、
2005年には『ウルトラマン』製作陣だった飯島敏宏(名義は千束北男)氏によるノベライズ版が発表された。
この映画の内容自体も、一部はTVシリーズへと生かされることとなった。


続ウルトラマン

『帰ってきたウルトラマン』の前段階となる企画。
企画書が3話分まで現存しており、それによると「初代『ウルトラマン』の時代から約30年が経過した地球を舞台にウルトラマンが帰還する」というもの。
全体的に初代『マン』を意識した内容だったらしく、具体的には「ウルトラマンと一体化したバン・ヒデキ(晩日出輝)がベーターカプセルで変身する」「引退していたムラマツキャップやハヤタ・シンも登場する」が挙げられる。

その後、紆余曲折を経て現在のウルトラマンジャックが活躍する『帰マン』として形を変える事となった。


戦え!ウルトラセブン

満田かずほ氏と田口成光氏が1971年初頭にフジテレビに持ち込んだ企画。
地球防衛組織が「ウルトラレンジャー」に代わり、メンバーもウルトラ警備隊から総とっかえとなる、
主人公はウルトラレンジャーと牧場の二足の草鞋を履く伴長一郎となり、ウルトラアイの形状も仮面舞踏会の仮面を思わせる形状になるなど、『セブン』から大きく様変わりした内容だった模様。


ウルトラマン 怪獣聖書

劇場版ウルトラシリーズ作品。

脚本:佐々木守、監督:実相寺昭雄、製作:ATGという布陣で初代『マン』放送当時の1966年を舞台に、科特隊などのキャストを総変更して製作する予定だった。
ところが、ATGの都合や小林昭二氏(ムラマツキャップ役)が「ハヤタとアキコを若いキャストにしたい」と申し出た事、
脚本内で公然とやんごとなきお方への中傷をしていたなどの理由で製作されずお蔵入りに(佐々木氏は連合赤軍を支持していた事もある筋金入りの左翼なので、こういう描写が入るのは仕方ないのかもしれないが)。

本作の存在は『ウルトラQザ・ムービー 星の伝説』の元となり、登場するはずだったカナンガ星人はワダツジンの原型になった。


ウルトラ超伝説

劇場版ウルトラシリーズ作品。

ウルトラマン物語』の次回作として検討されていたが、同映画の業績不振が響いた事で企画は凍結された。

タイトル自体は居村眞二氏による『アンドロメロス』の漫画展開に際して用いられたものと同じであり、
もし実現していればそちらで描かれたオリジナル展開に近い物語が描かれていたのかもしれない。


ウルトラQ モンスターコンチェルト

劇場用作品。怪獣デザイン公募が行われたが、未制作に終わった。

企画内容と製作会社を変えて『ウルトラQ ザ・ムービー』となる。
公募された怪獣デザインの一部は『ウルトラマンUSA』のキングマイラに流用されたとかなんとか。


ウルトラマンG 日本編劇場版

日本を舞台にした劇場用新作。

後述するが、複数存在する『ウルトラマンG』続編企画の一つ。
1991年暮れ公開予定とされていたが、結局は実現しなかった。

物語もウルトラマングレートが日本へやってくる事以外は分かっていない。


ウルトラマンG 第2シーズン

『G』には続編の企画があったが、日本案とオーストラリア案の二つが存在する。

実質世の中に内容がお披露目されたのは日本サイド案であり、オーストラリア案は現在まで不明。
オーストラリア側の続編企画案は、テリー・ラーセンによって考えられていた。
日本側の続編企画案は、シノプシス集が会川昇氏によりまとめられている。

第14~17話は「バルタン星人編」として、『G』本編には出現しなかったバルタン星人ネタとなっている。
地球へ来襲したバルタン星人に合体巨大化して立ち向かうリュグローとヴェロニカ夫妻の危機に、グレートが帰還するという内容だったようだ。
バルタン星人のデザインも吉田穣氏によって描かれており、通常の個体の他に、3本足のバルタン星人のイラストも存在する。

また、このエピソードではウルトラ兄弟の客演も検討されていた。
実際にオープニングテーマ「僕らのグレート」の2番の歌詞でウルトラ兄弟の事が歌われているが、その名残かは不明。
また、ウルトラ兄弟シリーズの続編となっていたパイロット版『ウルトラマンネオス』は、設定で『G』や『ウルトラマンパワード』とも繋がっているとする資料も存在した。

最終的に『G』の続編案は、『パワード』のアメリカ展開の影響で没になったと言われている。


ウルトラマン-遥かなる夢幻境へ翔べ-

アジア圏での人気も高いウルトラシリーズの中国進出を狙った、中国との合作企画。

佐々木守氏が脚本を執筆していたと言われている。
だが、中国側との諸般の事情によって企画倒れに終わる。

この中国版ウルトラマンの顔のみ、パイロット版ウルトラマンネオスの頭部として流用された。
しかも、ネオスもパイロット版が中止となってOV作品として流用された際には、頭部のデザインがやや変わっていた。


ウルトラマンネオス(TVシリーズ)

ウルトラマン80』以来、15年ぶりのTVシリーズとして大きく企画された有名な没作品。

当初は「イベントや出版物上でしか見られないウルトラマン」として企画され、その辺で宣伝を行った。
これはイベントや雑誌でネオスやウルトラセブン21を宣伝していき、やがて『80』以来のTVシリーズを製作するという円谷側の意図があった。
多くのCG技術を披露したパイロット版を製作し、ファンの間でも盛り上がりを見せていた。

パイロット版の時点では『80』までのM78ワールドシリーズの続編として設定されていた*1
また、CG技術でウルトラマンの目などを動かして感情表現を行うという、後のシリーズにも見られない要素も存在した他、メカニックや地球防衛軍の設定なども練られていた。

こうして前準備を整えて、ウルトラシリーズ30周年記念作品として放送も予定されたが、結局放送はされずに企画が中止する。
理由としては、TBSで特撮番組の枠を確保できずに毎日放送への変更を強いられたためだとされる。
そして代わりに生まれたのが、あの名作『ティガ』である。
なお、「『ティガ』におけるシリーズ初の女性隊長の設定は、実はTV版『ネオス』からの流用だった」とも言われる。

『ティガ』以降、パイロット版設定の『ネオス』は児童雑誌などで軽く紹介されるだけの宙に浮いた作品となる。
こうしてしばらく存在が放置されたネオスだったが、映像化を望むファンの声は多かった。
その声を受けてか、2000年に『平成ウルトラセブン』の後続企画としてOV作品としての製作が決定する。

しかし、OVとして復活したネオスはTVシリーズ予定だったパイロット版から様々な点が変更された。

ネオスの舞台設定は「ウルトラ兄弟のいるM78ワールド」から「M78ワールドの設定を持つパラレル世界」に変更*2
ネオスやセブン21のデザインも、平成三部作の影響を受けた物へと変化*3
パイロット版におけるメカニック設定やセブン21のアコレイザー、ネオス達の一部必殺技などの設定は、本編では未使用の設定として生き残った。

シリーズ的には不遇作品の立場に甘んじているネオスだが、このTVシリーズ復活に向けたネオス達の頑張りはウルトラシリーズファンは忘れてはいけない。

ネオスのTVシリーズ化に向けての当時の商業展開は、平成3部作がヒットする環境の土台を形成した。
パイロットフィルムにおけるCG技術や、驚きやしかめっ面などの表情表現は、今なお注目すべきものがある。
そしてこのパイロットフィルムを使った宣伝がなければ、『ティガ』が生まれた可能性は低い。

幻に終わったTV版『ネオス』は、ウルトラシリーズの歴史の分岐点として語り継がれるべき存在でもあるのだ。

+ ……いや、本当に幻なのか?
……ここまで書いてきたが、実はネオスも単独番組としてTV画面に登場したことがある

杉浦太陽傷害罪嫌疑騒動(当時。最終的には嫌疑不十分及び虚偽告訴による不起訴という形で釈放)で『ウルトラマンコスモス』の放映が危ぶまれた時、ピンチヒッターに選ばれたのが他でもないネオスであった。
2002年7月の6日と13日の2週だけではあったが、まぎれもなくネオスはTVの中で戦っていた。

そして、MBS限定ながら『コスモス』とは別枠を貰って正式にTV放映権を獲得。
土曜日の朝7:00~という子供向け番組のゴールデンタイムで全話が放映された。
当時関西圏に住んでいた読者諸氏にも覚えがあるかもしれない。

誰にも負けない銀色のヒーローは、TVでも新しい夜明けを築いたのだ。


ウルトラマンゼアス3

『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』の続編として構想されていた作品。

ある程度シナリオ内容も構成されたらしく、企画も提出された。
しかし、企画提出の際に『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』の製作が既に決定していた為、悲しくも没。
元々ウルトラマンゼアス自体が出光がスポンサーのキャラで、ゼアスを演じた朝日勝人を演じたのも本職はとんねるずのマネージャーである関口正晴という特殊な事情があったため、
「『2』自体の存在が珍しいものだ」という話も一部では囁かれているのでしょうがないのかもしれない。

『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』に登場するゼアスの息子はこの企画のプロットからの流用だの、
実は第3作目ではゼアスはウルトラマンキングの孫だったという設定が明かされる予定だっただの、色々と内容に関する話は出ている。


YELLOW EYES

2000年に劇場版作品として企画されたウルトラシリーズ。

タイトルは危険信号の色とウルトラマンの眼の色のダブルミーニングの意味合いがある。
内容は「ウルトラマンに変身する若者は元は正義の味方ではなく、戦いの中で正義に目覚める」……というウルトラシリーズでは珍しい展開の作品だった。
ウルトラシリーズとしては異色的かつダークなシナリオ構想だった事が読み取れる。

ところが、計画進行の最中にアメリカ同時多発テロ事件が発生。
『フィクションであるはずの出来事が現実で起きた』というショックは、スタッフに計画白紙化を余儀なくさせた。
このテロ事件を経て、スタッフは今の時代に求められるヒーロー像について見つめ直すこととなる。
計画白紙化はテロ事件とこの作品の内容的に色々とまずいという事情もあったのだろう。

そうして最終的に完成したのが「ULTRA N PROJECT」の代表作品『ULTRAMAN』だった。


ウルトラマンジャスティス

あのウルトラマンジャスティスが活躍するはずだったTVシリーズ。

元々は『コスモス』の後番組として企画され、『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』における出演は先行登場の意味合いがあったらしい。

……が、脚本家の川上英幸氏はブログ上でテレビシリーズ説を否定しており、オリジナルビデオでの展開が行われる予定だったとのこと。


ULTRAMAN 2 requiem

「ULTRA N PROJECT」の企画の一つで、『ULTRAMAN』の続編としてアナウンスされていた劇場作品。

本編終了後に2005年冬の公開を知らせる特報も流れていた。
ところが、『ULTRAMAN』自体の業績不振や『ネクサス』の不振により放送短縮が重なり、N PROJECT自体が大失敗してしまう。
そのまま本作は公式アナウンスも無いまま立ち消えとなり、後に板野一郎氏が自身のトークショーにて「中止になった」旨を明かす悲しい結果となった。

本作は神戸市全面協力の元、神戸を舞台としたウルトラマンになるはずだった。
しかし、本作を中止したために神戸市への謝罪として『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』の舞台が神戸市となったのである。

その後、2016年の日本映画監督協会上映会にて小中和哉氏が語ったところによれば、「シナリオは怪獣の殺人者ウルトラマンへの疑問提示を行い、戦い以外で決着をつける」という内容だった模様。
また、2とは銘打っているが、実際は『ネクサス』への繋がりはなかったとされる。

……ところで2017年に、とある存在が明かされたのだが……


ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟2

映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』の続編として計画された作品。

ウルトラマンメビウス』TVシリーズでもお馴染み、脚本家の長谷川圭一氏がプロットを作成していた。
内容は『メビウス』のTVシリーズでは登場しなかった東光太郎ウルトラマンタロウを主人公とした作品だった模様。
既にバードンタイラントなど怪獣のデザイン画や脚本は完成していた。

しかし、この映画の製作は実現せず、作品自体も『大決戦!超ウルトラ8兄弟』に変更された。
だが、『超ウルトラ8兄弟』のDVDメモリアルボックスに同捆されたレプリカ台本には本作のプロットが特典として存在。


番外編・非映像媒体の没作品

COMIC'S★ウルトラ大全集(第2回配本以降)

1992年、円谷プロダクション創立30周年記念に併せてリム出版が手掛けた企画で、
初代『マン』から『80』までのTVシリーズで展開されたウルトラシリーズ8作品(『ザ☆』も含む)を題材に、
それぞれの作品を題材にしたオリジナルストーリーの漫画を展開するという企画のもと立ち上げられたコミックスのレーベル。
見事成就すれば実にコミックス全40巻という、当時TVシリーズが『80』以降10年以上に亘り製作されずにいた円谷プロとしても壮大なビジョンを描いた企画だったであろう事は想像に難くない。

……が、第1回配本として『マン』『セブン』『帰マン』『タロウ』の漫画が各1冊ずつ刊行されたものの、その直後に1ヶ月も経たずして出版社のリム出版が倒産。
結果として翌月発売が告知されていた第2回配本以降は出版すらされずに終わり、全ては闇へと葬り去られてしまう結果に……

なお、第2回配本のうち一作として発表予定だった『A』の漫画については、経緯は不明だが後年双葉社に拾われており、1999年にアクションコミックスより単行本化されて陽の目を見ている。
また、第3回配本として予定されていた『マン』第2弾も2004年に辰巳出版の雑誌『ウルトラマンAGE』に拾われ、連載開始された。
……が、惜しくも連載第2回の段階で掲載誌が廃刊、打ち切りに見舞われる残念な結果に終わってしまう。呪いじゃなかろうな

ちなみにリム出版の倒産は、同社が製作した実写映画『8マン すべての寂しい夜のために』の試写イベントを大規模な予算をかけて行ったにもかかわらず、大コケした事が原因と言われている。
詳しくは同作の項目を参照。


小説・ウルトラマンガイア 超人伝説(仮)

2000年初秋に発売が告知されていた、吉田伸氏による『ウルトラマンガイア』の公式小説。

元々、同年の夏頃にオークラ出版より先んじて『小説・ウルトラマンティガ 白狐の森』『小説・ウルトラマンダイナ 平和の星・ジ・アザー』の2作*4が発売されており、
同じく平成3部作の小説版として『ガイア』も前2冊の帯にて発売予定の旨が記載されていたのだが……結局実現しなかったようだ。
発売中止に至った理由は定かではないが、『小説ダイナ』の後書きによれば著者の長谷川氏曰く「続刊はあくまで売れ行き次第だった」とのことで、発売に至った小説2作の存在自体がファン間にどれだけ認知度されてるかも考えると……そういう事なのかもしれない。
近年の『未来へのゼロドライブ』や『超時空のアドベンチャー』を見る限り、決してTDGaの小説作品自体がダメなわけではないのだが。読んだファンからの評価はそれなりにあるし





追記・修正は、ウルトラシリーズの没作品の映像化に成功してからお願いします。

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最終更新:2023年09月13日 00:09

*1 一部雑誌では『G』や『パワード』などの海外作品と世界観を共有しているような設定もあった。

*2 実際の所、何故M78ワールドの続編設定を捨てたのかは詳細は分かっていない。「OV作品でウルトラ兄弟シリーズの続編は許されなかった」「平成3部作でウルトラ兄弟への繋がりの関心が薄れていた」「ただ単純に脚本を書く上での都合」などの様々な憶測はある。

*3 パイロット版における多彩な表情を見せるという設定はなかった事にされた。

*4 ちなみにこの2作は2019年にオークラ文庫のレーベルから実に19年ぶりに再販されている。