カドゥム・ハーカーム/巨人族(魔装機神)

登録日: 2016/07/12 Tue 05:34:47
更新日:2020/10/26 Mon 18:43:14
所要時間:約 15 分で読めます




注意! この項目には『魔装機神F』のネタバレが含まれます!

















我コソガ真ノ統馭者……カドゥム・ハーカーム……
深遠ノ知恵ヲ求メシ者ヨ……其ノ業ハ巡ル……



ゲーム『魔装機神F COFFIN OF THE END』に登場する存在。

戦闘曲:ディーペスト・ダーク(フーム・ラカーブ)



概要

本編から遡ること数億年前、災厄の門……クロスゲートを通り、地底世界ラ・ギアスに到来した知的生命体。
魔装機神シリーズでは設定のみ語られていた*1「巨人族」と呼ばれる種族である。
ラ・ギアスに残る伝承には「かつて*2繁栄したが、何らかの大災厄で滅びた種族」としか残されておらず、後に同じく伝承の存在であった破壊神サーヴァ・ヴォルクルスの実在が確認されてからは「破壊神の存在の大元となった怨念ではないか」という学説が提示されていた。


その学説は正しくもあったが、間違ってもいた。
巨人族はかつて原初のラ・ギアスにおいて、人類に知恵と文明を与えた存在だったのだ。
そして、その巨人を滅ぼした「大災厄」とは、人類が巨人に反抗した結果起きた大戦のことだった。

より強大な力と知恵を求めた人類*3は、巨人から得た知恵により対巨人族用人型機動兵器「ゼルヴォイド」を開発。
人の善き意思が作り出した「意想外の剛念」、すなわち精霊の力を用い、その力を自爆特攻によって解放することで、数多のゼルヴォイドと操者の犠牲のもと人類は巨人族に勝利した。


しかし「意識界であるアストラル界に位相が近い」というラ・ギアスの特性は、人類だけではなく巨人族にも有利に働いた。
彼らの怨念は肉体が死してもなお生き続け、アストラル界で負の思念体として力を蓄え続けたのである。

そして本編の5万5千年前、当時ラ・ギアス最大の勢力であった大トロイア帝国で起きた大戦の際、数多の「死」による負念が世界を乱したことで彼らの怨念は現界した。
それこそが邪神として今日まで知られる破壊神サーヴァ・ヴォルクルス調和神ルザムノ・ラスフィトート創造神ギゾース・グラギオスである。


突如として現れた強大な邪神に対し、当時のラ・ギアスは為す術がなかった*4
滅亡の危機に瀕したトロイア帝国は、ひとりの女性を人身御供……すなわち人柱にし、それを核として邪神を封じる結界を展開、この災厄を乗り切ることに成功する。

この際に展開された結界こそ本編まで維持されてきた「調和の結界」であり、その人柱となった女性がヴォルクルス教団の首魁、預言者ヨーテンナイであった。


……つまり、若干の語弊こそあるがシリーズにおける元凶とも言える存在である。


本編では主人公マサキ・アンドー達アンティラス隊とヨーテンナイの決戦の際に登場。
ヨーテンナイは機動兵器レヱゼンカヰムと共に強大な敵として立ちはだかるも、大きく力を付けたマサキ達に追い詰められ、アストラル界からさらなる力を得ようとする。

しかしその際、クロスゲートという不確定要素を利用していたことがヨーテンナイの誤算となった。
三邪神の力を源としていたヨーテンナイはアストラル界からその力を引き出そうとしたのだが、クロスゲートの干渉によって三邪神の魂は原初の形……すなわち巨人族のものへと還元され、実に数億年ぶりに彼らはラ・ギアスに現出することとなった。
この事実が明かされた時、あのシュウ・シラカワを以てしてフォリア状態になる驚きのあまり絶句するという描写がある。これで、巨人族がどれだけヤバい連中か察してもらえると思う。


そもそも巨人族が人類に知恵と文明を与えた理由は、何者かに与えられた「使命」を果たすため。
その使命とは、「やがて訪れる『試練』に打ち勝つことのできる知的生命体を生み出すこと」であった。

だがその方法は、「教化」と呼ばれる洗脳によって巨人の教えを忠実に守らせるという、「自由意志」や「尊厳」からかけ離れたものだった。
古代のラ・ギアス人も、これに反感を抱いたからこそ巨人族に戦いを挑んだものと思われる。


特徴

巨人と言うだけあり、巨大な人型の姿をしている。
とはいえ硬質化した肌、宝石のような眼、鼻も口もない顔……と、あくまで四肢があり二足歩行できるという意味の「人型」であり、その姿は人間とは似ても似つかない。

戦闘能力は非常に高く、一体一体がA級魔装機、つまり魔装機神と同レベルの力を持っている。
ゲーム中でも登場した場面ではその高い能力に苦戦を強いられたユーザーも多いだろう。というか半端な強化だと魔装機神でもフツーに落とされる。


個体によっていくつか違いがあり、ランクのようなものが存在する。
作中で多く戦うのは「メルマッド」と呼ばれる一兵卒レベルなのだが、それすらマサキに「一兵卒であの強さかよ」と言わしめた。


さらに上位の個体は「フーム・ラカーブ」と呼ばれる黒い巨人。
ヨーテンナイの術によって現れたのはこの個体であり、すでに追い詰められていたとはいえ、教団のトップであった彼女を容易く消滅させるほどの力を誇る。


さらにこの巨人族の厄介な点は、戦闘で倒すことにあまり意味がないという部分にある。
正確に言えば短期的には意味があるのだが、長期的な目で見ると意味がなくなってしまう

というのも、前述した通りアストラル界とのつながりが強いラ・ギアスでは、死後の想念や怨念といったものが強く残りやすい。
そして巨人族が一度滅びた結果として生み出された三邪神は、幾度となくラ・ギアスの大地を蹂躙しようとした。
つまり、


巨人族を倒す

怨念がアストラル界に残る

アストラル界でパワーアップした怨念が三邪神として現出する

現出した三邪神が純化し、やがて元の巨人族に戻る←今ココ


という負の無限ループになってしまうのである。
これにはシラカワ博士も苦笑い。


彼らの使う「教化」という術は、人体の遺伝子情報に魔術で介入することで価値観を巨人主体に変えるというもの。要は洗脳である。
感情の起伏が少ない人間ほどこれにかかりやすく、つまり純粋なラ・ギアス人は教化されやすいと言える。

感情の起伏が大きい=プラーナの強い人間や、上位思念である精霊の加護を受けた人間はこの教化の影響を受けにくいとされるが、それも完全な防護ではない。
至近距離で教化を受けた場合は、たとえ精霊の加護があろうとも影響を受けてしまう可能性がある。

古代人はこれに対抗するため、ゼルヴォイドに「ヴォイドリグレッション」という対教化装置を実装した。
ゲーム中でMAP兵器として使用しているのは、この「无に返そうとする力」の副産物のようなもの。



絶体絶命の窮地に陥った人類は、マサキと魔装機神サイバスターに宿る精霊サイフィスとの交信にすべてを託す。
見事サイフィスとの交信に成功したマサキは新たな力を得、再び巨人族に挑むことになるが……。






カドゥム・ハーカーム


戦闘曲:CONCRUDER


巨人族の王だと思われていたフーム・ラカーブを打ち倒したマサキ達の前に、真の巨人の王が現れた。

頭上の光輪、金色に輝く体、翼のごとき衣、今までの巨人族を遥かに上回る体躯……それこそが巨人の王にして原初の巨人、カドゥム・ハーカームである。


そもそも巨人族というのは、本来カドゥム・ハーカームという存在が分化したもの。
つまり、カドゥム・ハーカームこそが「巨人」であり、同時に「巨人族」だったのだ。


マサキ達の前に現れたカドゥム・ハーカームは崩落によって現れたクロスゲートの上に鎮座する。
そしてマサキ達の疑問に対し、自身の目的や、自身がラ・ギアスに現れた経緯を語る。

曰く、彼がクロスゲートを通じてラ・ギアスにやってきたのは全くの偶然であったという。
しかしラ・ギアスの特異さ……地上世界からは位相がズレており、外的要素を極端に受け付けにくいという性質*5に気付いた彼らは、この世界を「閉じた楽園」として活用することを思いつく。
カドゥム・ハーカーム本来の目的である「『試練』に打ち勝つための知的生命体の創造」を果たすための場所として、ラ・ギアスはうってつけだったのだ。

だが前述した通り、想定以上の力を得た人類はゼルヴォイドと共に反乱。カドゥム・ハーカームの目論見は一度は失敗に終わる。

運命のいたずらと遥かな時間の果てに現出したカドゥム・ハーカームは人類がラ・ギアスを管理している現状に憤り、ラ・ギアスのリセットを宣言。
一方でその知識や意識にはイマイチ判然としないところがあり、シュウがクロスゲートについて尋ねた際には「教化ト我ガ統治拒ム汝ラニ、教授スル必要無シ(約:自分の思い通りにならないお前らに教えてやる道理はない)」と回答を拒否しておきながら、問答を続けていくうちに「カドゥム・ハーカームはあくまでクロスゲートを『ツール』として使えるだけで、その本質は全く理解していないのではないか」という疑問が露呈していく。
そもそもラ・ギアスに来たことすら彼の意図ではなく、それもあってシュウは最初から「聞いても無駄」と結論付けていた*6


彼の目論む再教化は当然マサキ達にとって許せるものではなく、『魔装機神』シリーズ最後の決戦の火蓋がクロスゲートの上で切られることとなる。


マサキ達の想像以上の力によって追い詰められたカドゥム・ハーカームは倒されてもなお、再び怨念として存在し、いずれは再び現出するという意思を見せる。
しかしそこに、サイフィスとの交信によって新たな力「アカシックノヴァ」を得たマサキが立ちふさがった。

マサキはアストラル界に存在するすべてのエネルギーを機体に集中させ、カドゥム・ハーカームにアカシックノヴァを放つ。

カドゥム・ハーカームは言ってしまえば、負念の集合体とでも呼ぶべき存在である。
ならば、強き正念である精霊の力ならば対消滅させることができるはず――それが、サイフィスがマサキに示した「打開策」だった。


我ガ……王タル我ガ……入滅スル……ナド…………!!


この時に至り、カドゥム・ハーカームは『試練』に打ち勝とうとする自分自身こそが人類に対する『試練』であったことに気付く。
しかし最後まで「巨人の王」のプライドを捨てられず、消滅しながらクロスゲートの中へと消えていった。

この戦いを最後に『魔装機神』シリーズは終わり、マサキ達の物語は『OG』シリーズへと続いていくことになる。









さて、このカドゥム・ハーカーム。
なんとHP84万という脅威的な数値を誇り、さらに2回行動を習得している。さすがはラスボスといったところか。

だがしかし、今回は相手が悪すぎた

なにせこの時点で彼が戦っているのは、我らがラ・ギアス七大超兵器である。

  • ポゼッションを果たした魔装機神4体
  • 対巨人用兵器として開発され、さらに真のポゼッションを会得した魔装機帝ゼルヴォイド
  • あまねく死霊を精霊として浄化し、その力を使いこなすというどっかで聞いたような機能を持つ攻霊機レイブレード
  • そして我らがシュウ・シラカワ博士と魔神ネオ・グランゾン


……はっきり言って無理ゲーである。
適当に強化していたならともかく、ちゃんと強化していればこの時点でこいつらは10万オーバーダメージを叩き出す
また味方にもガヱンやアーマラ、セニア様といった優秀なメンバーが多いため、膨大なHPなどあってないようなもの。
場合によっては1ターンキルすら可能になる。
まあぶっちゃけ喧嘩売った相手が悪かったよね、うん。


カドゥム・ハーカーム戦ではそれぞれ特殊セリフが用意され、必殺技のセリフも変わる。今作はバトルビューアーがあるため網羅は容易いだろう。
あのエランさんですら結構カッコイイので、見てみることをオススメする。





なお、巨人族の名前はヘブライ語から由来されており、カドゥムは「古の」「古代の」、ハーカームは「賢者」や「叡智」を意味する。古の叡智……闇黒の叡智……うっ頭が……。

「光の巨人」というその外観的特徴から、某ユの字も大好きなあの宇宙人を彷彿とさせる……が、まさか狙ったわけではあるまいなテラーダよ。

光輪の位置やプロポーションなどから、『J』ユーザーの一部は「グランティードっぽい」という感想を抱く人もいたらしい。
HAHAHAHA、まさかそんなことあるわけ……












注意! この先には『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』のネタバレが含まれます!

+ ...





時は流れ、OGシリーズ新作『ムーン・デュエラーズ』発売。
キャラや機体に人気の高い『J』が主軸となることもあり、また「『魔装機神』参戦はどうなるのか?」といった疑問もあり、ファンはクロスオーバーの期待を膨らませていた。


そして、『D』や『J』の脚本を務めた鏡氏とテラーダはハジけた


元々、伏線らしきものはあった。

まずは、フューリーの神話の中に「かつて古代に光輪を戴く神が現れ、人々に叡智を授けた後、グランティードのコアとなる神体となった」と記されていたこと。
「ロアがかつて共に戦っていた化神艦『グランドレッド・フェノッサ』には、古代に人々に叡智を授けた神の神体が宿っている」と語られたこと。


そして……



最終話「二柱の闘神」に登場するラスボス――

XN-L(ザンエル)

この敵により、OG世界の知的生命体はカドゥム・ハーカームによって文明を与えられたという衝撃の事実が明らかになった。


フューリーの神話における創世神フューレイムも、ロア達マシンヒーロー族に叡智を与えたとされる古代神も、カドゥム・ハーカームだったのである。
つまり、カドゥム・ハーカームとは『魔装F』に登場した個体だけでなく、それと同様の目的を持った存在の総称ということになる。

なお、グランティードがカドゥム・ハーカームに似ているのは「創世神フューレイム、つまりカドゥム・ハーカームを模したため」という設定が導入された。大胆なクロスである。


カドゥム・ハーカームの間でも個体差というものがあるようで*7、グランティードに宿るフューレイムはフューリー(というか、皇家+シューンの一族)に力を貸すことを良しとしており、トーヤが危機に陥った際には自律起動してその窮地を救っている。

一方で今回現れたXN-Lことグランドレッド・フェノッサに宿るカドゥム・ハーカームは「様々な負念体(ダークブレインやペルフェクティオなどのこと)が現れるのは、それを生み出す可能性のある生命に原因がある」という極端な理論を持っていた。
そのため、ラ・ギアスに現れたカドゥム・ハーカームのように「『試練』に打ち勝つ生命の創造」という目的すら考えておらず、「生命が消えれば負念もなくなり、宇宙は静寂になる*8」というトンデモ理論を軸に行動している。


そんな考え方は当然鋼龍戦隊にとって許せるものではなく*9、『OGMD』最後の決戦の火蓋がクロスゲートの上で切られることとなる。


  • XN-L

マシンヒーロー族を教化したハーカーム。
元々「神玉」と呼ばれるグランドレッド・フェノッサのメインコンピューター的なもので、ロア達と共に戦っていた頃は意識がなかった。
フェノッサはロアとエミィがダークブレインと相打ちになった後も、ダークブレイン軍団の拠点であるダークアイアン・キャッスルと激闘を繰り広げ、新西暦の世界に転移。スカルナイトによって、惑星ガディソードの跡地にあったクロスゲートに叩き込まれて沈没してしまう。
しかし、境界空間に満ちていた負の念を吸収したことでコアが活性化・覚醒。フェノッサを乗っ取った上で自身の体として作り替えた。
本人曰く、「自分が最初から目覚めていればダークブレインなど敵ではなかった」そうで……ホントかよ。

ロア達が自身を機械に組み込んで力としたことや、フューレイムのように教化すべき対象に肩入れすることを非常に嫌っており、特に後者は「ハーカームにあるまじき行為」と唾棄していた。

先述の様に負念体の発生源となる全生命体の根絶を掲げているが、流石にハーカームとフェノッサの力を以てしても全並行世界の全生命を滅ぼし尽くすのは非現実的。剛念を持つ生命体の育成と言うか目的すらぶん投げてそんな事を臆面もなく言って憚らないXN-Lは、嘗てのダークブレインとの戦いのダメージやクロスゲート、吸収した負の念の影響でバグってしまっている可能性が示唆されており、本来の彼(彼女?)思考様式は不明瞭である。

今回はサイバスターがすでに精霊の力を失っている状態だったため、自軍は決め手に欠けるかのように思われたが、その代わりとなる『剣』……同じカドゥム・ハーカームの力を持つグランティード・ドラコデウスが登場しているため、そちらが切り札となる。


性能としてはHP42万を誇り、HPが減ってくると「必中」「信念」「かく乱」「覚醒」を使い、4回行動までしてくるなど結構な難敵。
MAP兵器を完備した上に射程が長く、攻撃に「精神コマンド使用不可」の状態異常を付加させてくるため、下手な布陣を敷いていると撃墜までかなり長引いてしまう。
幸いイベントでのHP回復がなく、HP回復能力も(小)しか持っていないので、囮となる高機動機体やシュウのようなフルブロック持ちを駆使し、グランティード・ドラコデウスやソウルゲインなどの強力なアタッカーで削っていこう。


ぶっちゃけ戦闘後には戦闘前ほどの長いイベントシーンはなく、その後のクロスゲート破壊イベントに全て持っていかれた感があるカワイソウな奴。

余談だが、断末魔の悲鳴はカドゥム・ハーカームが怨々々々々(オオオオオ)……!!」なのに対し、XN-Lは闇々々々々(アアアアア)……!!」
声も男声のカドゥム・ハーカームに対してXN-Lは女声だが、これが個体差による違いなのかは不明である。



  • 創世神フューレイム

フューリーを教化したハーカーム。ダークブレインや精霊のように相反する存在と出会わなかったためか、はたまた元からそうなのか、人類に対して協力的。

フューリー人からは文字通りの神として崇められており、その姿を模した機体が作られるほど。
器である機神体は既に崩壊しており、現在はコアである「神玉」にその魂を宿し、グランティードのシステム・コアとして搭載されている。XN-Lとは異なり、この扱いにも不満を持った様子はなく、むしろグランティードを自らの新たな体と認識している模様。ただし、グランティードはフューレイム生来の体ではないため、覚醒状態を長く維持することが出来ない。
クロスゲート破壊時には完全覚醒状態にあったため本来の力を行使できたが、戦いが終わった後は再び眠りについてしまった。

自らの系譜に連なる皇族と、それを守るシューン家の騎士に対しては特に思い入れが強いらしく、彼らの意思を歪める存在はたとえフューリーであろうとも許さない。
劇中ではトーヤとパートナーを救出するため、皇族であるシャナ=ミアをコクピットの戦玉座に放り込んで起動条件を満たし、自ら格納庫をブチ破ってラボを襲撃した。この点も他のハーカームには見られない行動であり、ある意味でアグレッシブである。

半身ともいえる神竜バシレウスもフューレイムと同様の意志を持っている(関連性は不明)。





カドゥム・ハーカーム達の出自は今もって不明(明らかにバルマーやゾヴォーク由来のものではない)が、それを類推する材料としてXN-Lが戦闘中に語る太極」と「12の鍵なるものがある。
今回はサイバスターといい、あからさまにフラグを立てているような……。

+ 考察
作中で明示されていないものの、妙に情報が揃っていることが二つある。

一つはアダマトロンとの関連性。
勿論、OG2ndの終盤に生み出されたアダマトロンとはるか以前から存在しているラ・ギアスのハーカームに直接的な繋がりなんてある訳がない。
しかし、その割にはよく似ている又は真逆といえる要素が複数あるのである。
  • どちらも「神の意志」によって排除されたらしい描写がある
  • 直近にクロスゲートが関わっている
  • 神に仕える女性が主人公の部隊に敗れたのをきっかけに出現
  • その女性がやろうとしていた計画は、どちらも「人類を生存圏内に閉じ込めてその在り様を書き換える」という方向性
  • デザインのモチーフが天使
  • ハーカームが眠っていたのは「秩序」の塔の下、アダマトロンが生み出されたのは「バラル(混沌)」の上。
  • ハーカームは教化によって今のラ・ギアス人のベースを生み、アダマトロン(ユーゼス)は新たに人を生もうとした。
とりあえず、ざっと思いつく程度でこれくらいはある。
これ以外にも、スフィア・シュウ・イングラム・クォヴレーといった並行世界間で重要な位置にある存在に見られる「タロット」を暗示する要素もこの二つに見ることができる。
彼らを暗示するのは「塔」。子のカードのデザインは一般的なバベルの塔の他に、「神の家」に舞い降りる天啓であるとする説もある。後者は、固まった自意識や人間の宗教組織によって抑えられていたものが神の慈悲で開放される、という意味となる。
神に背こうとしたが神の手の平で滅ぼされたユーゼスが前者、人の意識を抑えこみヴォルクルス教団を率いるも神の意志によって排除されたハーカームが後者、という様に重なる。
また、塔には二人の人物が描かれていることから二者の転落の運命を、塔の持つ意味が正逆どちらでもろくでもないことは揃って悲惨な最期を遂げた末路を指しているといえる。
ちなみに、「塔」の寓意は崩壊、災害、惨劇、戦意喪失、記憶喪失、被害妄想、トラウマ、踏んだり蹴ったり、洗脳、メンタルの破綻、風前の灯、意識過剰、緊迫、突然のアクシデント、不幸、無念、屈辱、天変地異(正逆混同)。
どれもがどちらかあるいは両方に対して「ああ…」と思わせるものが結構占めているのである。なお、塔は全てのタロットの中で唯一正位置と逆位置が両方ろくでもない意味、つまり存在するだけ迷惑な存在だったりする。

二つ目は他のラマリスとの関連性
ラマリス出現の契機となったクロスゲートバーストだが、その後ほとんど同じ反応を放ちながらマサキたちが転移してきている。
そのため、ラマリスは撃ち滅ぼされたハーカームの断片によって発生している可能性が高い。
ハーカームはかつても倒されながらも完全には滅びずにアストラル界に潜んでいたという前科がある。
地球側にはアストラル界などありはしないが、元々絶望などの負想念で邪神を生み出していたので、各地にこびりついてた負想念を依り代にすることは可能と思われる。
時系列に関しては、ヨーテンナイの計画のせいで彼女を倒すまでのラ・ギアスでの時間経過は地球側から見てかなり短時間に圧縮されているため、ハーカーム→マサキたちの順番でさえあれば問題にはならない。
また、精霊と同じ属性であろう正想念を感じるや警戒体制に移るなど、邪神のリアクションを想起させる。
もっとも、この件に関してはシュウが気付いていてもおかしくないのだが、状況説明が詳細に行われなかったのかもしれない。

もう一つ、関連性があるとすると天使というモチーフ
この件に関して、Zとある共通点がある。それは、ほとんど誰も神話上の「天使」というものを語りたがらないこと(公称である機械天使はあれだが)。
Zでは神話に詳しいヒビキが「無理矢理当てはめると」という妙に面倒な言い回しをしたり、OGでは翼に輪っかといういかにもな姿に対して天使みたいだという表現を誰もしなかった。
一方で、御使いと違って「天使」の一角であるガンエデンは一応人類を守ろうとした。フューレイムも意志を持ちながらその身を人に委ねている。
ハーカームにしても、精強な種子を生み出そうとしたが、ラ・ギアスのような閉じた世界の中でそんなものを造り出す意味があるとすると、倒すべき外敵の存在を知っていたからと考えられる。
XN-Lの悪意を孕んだ知性体への敵意も、人類が宇宙の静寂を乱す存在として目をつけられることを危惧した可能性がある。
彼ら共通の仮想敵に御使いや根源的災厄を据えてやると、宇宙からくるその脅威に対する攻撃か防御かという括りにまとめることができるのである。
この場合、ここにもう一つの「天使」を加えることができる。天使とは、神が地上を作ってから人類を見守る「古の監督者」である。
つまり「監督者(レジセイア)」を頂点とするアインストもまた、天使を遠回しに表現した存在といえる。実際、彼らも他の「天使」同様空間を歪める力を見せている。
アインストは人類が宇宙の静寂を乱す存在にならないかを監視するシステムだったらしいことが語られており、要はXN-Lの持つ危惧に対する予防線である。
とすると、アインストとXN-Lの行動を合わせることでZの螺旋王がやっていたことと同レベルとなる。
ついでに言うと、地球はグランゾンの特異点抜きでも特異な運命に晒されていたらしいことも、時空間を歪め運命を収束させようとする「源理」の関与を想起させる。

舞台裏に近いこれらの話の真偽が語られる可能性はおそらくOG上ではかなり低いだろうが、今後も何かしらの要素が追加される可能性はある。





抗拒ハ、認メズ

追記、修正スベシ




迷妄ナル……嬰児ニ……!!


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最終更新:2020年10月26日 18:43

*1 巨人族の設定だけは旧シリーズからあったのだが、当然のことながら旧シリーズにはクロスゲートの設定は存在しなかった。旧シリーズの巨人族はどこから現れたのだろうか?

*2 地上では恐竜のいたころ。ただし人類と同様の知性を持っていたことが化石からわかっている

*3 巨人側の言い分。人類が反抗した真の理由は今のところ不明

*4 当時すでにゼルヴォイドは現存しておらず、魔装機などは発想すらなかった

*5 つまり、地上では頻繁に起きる「異世界や異星からの侵略」を受けにくいってこと

*6 『ムーン・デュエラーズ』での話になるが、エクセレンには「ヒアリングをミスっちゃった?」などと言われていた。実際には聞くだけ無駄だったわけだが

*7 各々の経緯から考えると、周囲の外的環境に起因する可能性もある

*8 この考え方はアインストのそれと酷似しているが、両者の関係は不明

*9 ダークブレインの手下・スカルナイトにすら「ワイもワルやが、オドレのようなワルは初めて見た」などと言われる始末である