エンデヴァー(僕のヒーローアカデミア)

登録日:2016/06/24 Fri 18:38:00
更新日:2024/04/19 Fri 23:38:50
所要時間:約 10 分で読めます






俺を見ていてくれ






エンデヴァーとは、『僕のヒーローアカデミア』の登場人物。
CV:稲田徹

プロフィール
誕生日:8月8日(45歳)
身長:195cm
血液型:AB型
出身地:静岡県あたり
好きなもの:葛餅


◆概要

ビジュアルは大柄な身体に厳つい顔つきをした赤毛の偉丈夫。
作中に登場するプロヒーローの1人であり、本名は轟炎司。
雄英高校卒で現在45歳。
好きな食べ物は葛餅。
轟焦凍の父親であり妻の名前は冷。
焦凍の他に燈矢、冬美、夏雄という子供がいる。

オールマイトに次ぐNo.2、フレイムヒーロー・エンデヴァー。
高卒でデビューしてから20歳でNo.2に上り詰め、事件解決数史上最多の記録を持つ現役屈指のヒーローであるものの、『平和の象徴』オールマイトがNo.1に君臨しているため、25年間もの間彼の後塵を拝している。
彼自身はその現状に全く納得しておらず、オールマイトへの強い対抗意識を抱いているが、しかしいつしか自分の実力でオールマイトを超えることは不可能であると悟り、自分の子にその野望を託すことを画策する。
ただし、より詳しく内訳を述べるならエンデヴァーは総合順位こそNO.2だが彼の支持層は中高年の男性に偏っているため、支持率だけで見ると若干順位が下がる。
メディアへの露出やファンサービスが欠けていることが原因だろうか?
良く言えば事件解決能力だけで勝負しているストイックなヒーローとも言い換えられるが…


また、エンデヴァーは日常生活でも髭等体毛の部分から常に炎を発生させているのだが、これは生命力の表れや任意で消せない、といった事情ではない。
作者曰く、「ただ他人に威圧感を与える為に敢えて燃やしてるだけ」である。
つまりは虚勢を張りながら毎日過ごしていたのだ。
常に肩肘張って余裕が無い内面が滲み出ていると言えるだろう。
焦凍が生まれて独力でのオールマイト超えを諦めて宿願を息子に託したかと思いきや、実は諦めきれず足掻くように研鑽を積み続けていた模様。



個性:『ヘルフレイム』

強大な炎を操る個性であり、劇中において炎系統では地上最強と言われている。
その火力たるや、最新鋭戦闘機の高出力レーザー砲を何条分も束ねての連続照射さえも上回り、世界最強候補と目されるアメリカ合衆国現No.1ヒーローでさえ一目置く程。

爆豪勝己の『爆破』と同じく強すぎること自体が欠点になり得る上、機能としては炎の放出に特化しているが、予想しやすい戦闘スタイルに反して、得意なのは近接格闘(焦凍は中・遠距離型)。
エンデヴァーは炎の瞬間的な噴射を利用した攻防や滞空、高速移動に利用する汎用性の高さを身に着けており、高層ビルを軽々貫通する攻撃にも難なく耐える。
欠点は長期戦、もしくは大技を連発せざるを得ない状況では自身の個性によって体温が上がり続け、身体機能が低下してしまうこと。
これらの欠陥を持ちながらも事件解決数は極めて高い辺り優秀なヒーローである。

【赫灼熱拳】

炎を体内で超高温へと圧縮し留め、一気に放つ必殺技。
エンデヴァーの技量によって火力や速度、繊細さ等全てが突出した高レベルなものとなっているが、その分身体に熱が篭り、大きな負荷がかかる。

  • ジェットバーン
腕に溜めた炎を肘から放出し、超高速で灼熱の拳を叩きつける。

  • ヘルスパイダー
指先から最大10条の細い熱線を放つ。
速度も相当なものだが、手数と威力に特に優れており、名称の通り蜘蛛の巣のように張り巡らせた熱線で、高層ビルを一瞬で微塵切りにすることさえ可能。

  • ヘルカーテイン
広域に放つ業火の天幕で敵を包囲する。
高熱への耐性が無い生物であれば、肉がみるみるうちに焼け落ち、苦痛と酸欠で身動きすらとれなくなる。

  • 業火燎原・ヘルファイアストーム
周囲の気流を利用して、自在に遠隔制御出来る火災旋風を発生させる。
エンデヴァーの技量によって、疾走しつつ街路を舐め尽さんばかりの規模と速度、そして路肩のバイク等の引火性のある対象は避けて市街への被害も最小限に留める緻密な制御を実現している。

  • ヘルマインフィールド
地面を拳で殴りつけて、少なくとも通り一本分を全て覆う規模でビル数階分の高さの爆炎を地面から噴出させる。
そして、敢えて対象が跳躍等で上方に回避するように仕向けて、空中で無防備になったタイミングを見計らって、更に力を込めて火柱を倍以上の高さで噴き上げさせる。
その状態は一定時間保たれ、対象は辺り一帯ごと長時間に渡って爆炎に包み込まれる。
四肢欠損程度ならすぐさま再生する超再生の個性の持ち主ですら何日にも渡って回復困難に追い込み、かつ飛行や滞空の個性持ち以外は回避不能の嵌め技。

  • バニシングフィスト
原理はジェットバーンと似ているが、肘からの噴出よりも拳に炎を集中させて、全身全霊の一撃を相手に叩き込む。
一見炎とは関係ないネーミングだが、悪を打ち払う的な意味のbanishだと思われていた。
※英語版にてvanishing(消失)だと判明した。

  • プロミネンスバーン
全身から極大の熱線を放つエンデヴァー最大の必殺技。
首だけでも残っていれば瞬時に肉体を再生する脳無の肉体すら跡形も無く焼き尽くす程。

【その他の技】

アニメの描写では足裏からの放熱で接地面を溶かして壁を駆け上がり、形成した炎の槍で空中の敵を狙い打っていた。


◆『個性婚』

個性は先天的な素養であり、その性質は受け継がれた血に由来する。
エンデヴァーは己の『個性』をより強力なものとするべく、先述の弱点を体温調整によって克服出来る、氷の個性を持つ女性に金とコネを利用して婚姻を迫り、2人の『個性』を完全に受け継ぐまで4人もの子供を産ませた、とされている。
その成功作が焦凍である。

幼少から焦凍を最高のヒーローへと育て上げるべく、厳しい特訓を施したことで家族関係は著しく険悪化。
妻は精神的に病んでいき、だんだんとエンデヴァーの面影に似てくる焦凍に恐怖を抱いてしまい、遂には煮え湯を浴びせてしまった。
事件の後、彼女はエンデヴァーによって精神病院に隔離させられ、そのことも焦凍に憎まれる一因となっていて、父親の炎の個性を使わずNo.1になるという歪んだ思考に至った。

ちなみに焦凍の上には3人の姉弟がいるが、期待した個性ではなかったため一般的な教育を施した。
放任状態だったため、焦凍の兄達は父親との想い出は碌に無い始末。

こんなエンデヴァーだが、頂点を目指して妻子を無碍に扱ってきた自分の行動には内心では罪悪感を抱き続けており、焦凍だけ引き取って残りを妻に押し付け金持たせて離縁するほど割り切っていない。
妻や子供達を単なる良個体を手に入れる手段やオールマイト超えの為の道具として見ていたわけではなく、妻子を犠牲にした分、成果を出さねばならないと言う思い込みや焦りがあった模様。

かつては、先述の通り、家族の前でも髭等に炎を纏うことを止めず、常に威嚇していたエンデヴァーだったが、後述のハイエンド戦以降は炎を纏うことを止めている。
彼なりに過去の自分の行いと決別して、自然体で家族と正面から向き合おうという決意が窺える。

しかしその決意は最悪の形で折られることになる……。



◆活躍

体育祭では息子の活躍を観戦していたが、やはり炎を使わない焦凍に呆れを見せる、子供じみた反抗期と揶揄する。
だが準決勝の焦凍と緑谷出久の対戦にて彼が自身の原点に立ち返り、炎を解禁した姿を見ると歓喜のあまり興奮して褒め称え、観客を驚かせていた。
焦凍の意識の変化に伴い関係も少しずつ改善の兆しがある。


オールマイトを超えるため様々な方向からアプローチを続けてきたものの結局その本懐は達成することができず、オールマイトのヒーロー引退による繰り上がりという形で自分が現役の内にNo.1ヒーローになってしまった。
エンデヴァーからすればこれはオールマイトの『勝ち逃げ』のようなものであり、本人は全く納得していない。
人生ままならないものである。


オールマイト引退後、変わりつつある情勢と空気を肌で感じるうち、自分が目指すべきヒーロー像に思い悩むようになる。
そして、焦凍の仮免講習を見学していた際、穏やかになった息子や更に下の世代の未来を守りたいと純粋に想う自分に気付く。
そして、犠牲にしてきた妻子の為にも、ヒーローとしての再出発を誓い、オールマイトに固執しない自分なりの平和の象徴としての在り方の模索を始めた。

オールマイト引退後は、犯罪発生率が例年に比べ3%も増加した*1
多くの人々は、象徴オールマイトの不在とエンデヴァーの真価を不安視していた。
そんな折、ヴィラン連合の改人脳無の最新作ハイエンドが街中に強襲を仕掛けてきた。
高層ビルを伸びた腕で強引に両断する異常な身体能力や、超再生を始めとする6個以上の個性、何より思考しながら成長する。
かつてオールマイトですら梃子摺った上位の脳無をも凌駕する程の怪物を相手に奮戦するも、瀕死の重傷を負ってしまう。

しかし、幾つもの個性を持たされ、ただ自分が強くなることに固執する脳無に、何時かの自分を重ねたエンデヴァーは、妻子に恥じない男になると言う誓いを胸に再起。
No.2ホークスの助勢も得て、過去の自分から決別するように脳無を焼き払い、辛うじて勝利を納めた。
世間では勝って当然だったオールマイトと違うことに不安は残りながらも、命懸けで戦い見事街を守ったエンデヴァーを一丸となって応援する流れも生まれた。
新たなNo.1ヒーロー、新たな象徴が誕生した瞬間だった。



◆交友関係

末の息子。
「(クソ)親父」「あいつ」などと呼ばれ、前述の通り嫌われている。
自身の炎と妻の氷を併せ持つ彼を「最高傑作」「自身の上位互換」と称して憚らない。
体育祭以降、彼との関係は、嫌われてはいるものの以前よりはマシになった。
「ハイエンド編」では親父としての過去の過ちはまだ許せないながらも「ヒーローとしてのエンデヴァーって奴は凄かった 凄い奴だ」とヒーローとしてのエンデヴァーを認めるようになり関係の変化がうかがえた。

妻、旧姓は氷叢。
個性婚なのは確かだが、実際のところは無理やりではなく、当時高卒2年目とはいえ将来有望だったエンデヴァーからの申し出に実家の両親がノリノリで婚約したほぼお見合い結婚のような形であった。
途中まではそこまで夫婦関係も悪くなかったようで、長女冬美を作る時にはエンデヴァーの望みもあったが、冷からも「兄妹がいたほうが励まし合える」と言っている。
しかし、長男燈矢の体質変化と暴走から関係は激しく悪化していく。
家族関係の悩みから精神を病んでしまい、焦凍の顔に熱湯をかけて火傷を残した張本人。
一度だけ冷が好きだと言った花を覚えており、直接会えてはいないが、見舞いに行ってその花を贈った。

先述にもある通りエンデヴァーとの婚約に乗り気であったのは主に両親であり、そこに冷の意思はほぼ介在していない。
冷の両親は共に冷に対して意思や意見の確認をしている描写は皆無。
更に冷の両親の口ぶりから察するに二人は冷のことを商品かなにかの様に思っている節があり、この時点で倫理的に無視できない部分が多々見受けられる。

当時のエンデヴァーは冷及び両親に正装に正座で向き合うなど礼儀を払って対面したものの、当然ながら後ろめたさは感じていたようで、初対面後の二人で散歩をしている際には「個性婚であることも承知の上で──家のために俺の妻になるという」と冷について考え込んでいた。
その家のために自分を犠牲にする意思、それでいて花を綺麗だから好きだと答えるしっかりと感情を持った姿から、「強く───しかし触れれば溶けて消えてしまいそうな───」と"氷のような女"と称した。

第一次決戦を終え負傷から入院したエンデヴァーの病室に突如現れたが、入院費用を全額受け持っているであろうエンデヴァーに何の連絡もなかったことから、緊急措置として特別に病院から出られた物と思われる。
超凶悪ヴィランの関係者だったとなれば取材を受ける事は必至だし、雄英高校所属の学生達の親族は、緑谷引子や爆豪の両親を筆頭に次々と雄英に避難している事からも裏付けられる。

  • 冬美
長女、小学校の教員。
名前の通り氷系の個性を母親から受け継いでいる。
父親であるエンデヴァーとの関係は冬美が一番良好。
エンデヴァーの過去は過去として、中立的な立ち位置。

  • 夏雄
次男、大学生。
個性は不明だが、髪色から氷系の個性を受け継いだと思われる。
父親からはスパルタ特訓などはされていないが、放任されたことで感覚としては他人に等しいと言い捨てている。
実際は幼少期に燈矢からエンデヴァーや冷への恨みつらみを吹き込まれたことで、今の家族の中では最も激しくエンデヴァーを嫌悪している。

  • 燈矢
長男。
エンデヴァー以上の火力を持って産まれた炎の個性持ち。
望んでいた個性では無かったものの、自分を超える逸材だとしてほぼ満足し、自分のような醜い劣等感や苦しみを乗り越えられるヒーローになって欲しいと夢を託し、本人も乗り気で親子で修行を始めていた。
しかし、途中から熱に弱い母親側の体質に変化。
強い火力を放つと激しい火傷を負うようになってしまう、このことが、燈矢の身や将来を案じたエンデヴァー、父親に託された夢を叶えることに火が付いてしまっていた燈矢との間でズレを生み、このズレは直るどころか年々拡大してしまい、轟家の崩壊状態を引き起こしていく。
ある時、自分の個性を暴走させて山火事を起こしてしまい、エンデヴァーは必死に事故現場を捜索するも見つからず死亡として処理され、轟家には仏壇がある、が……

一方的に対抗心を抱いているが、同時に誰よりもその実力を認めている。
焦凍を鍛え上げ、彼を超えさせようとするが…。



◆余談

  • エンデヴァーの日本語訳は「努力」。

  • ファンブックで明かされたキャラプロフィールで焦凍の血液型がO型、エンデヴァーがAB型だったので一部で話題になった。
    なぜならAB型から生まれる血液型は
    A型(AA、AO)→AA、AB、AO、BO
    B型(BB、BO)→BB、AB、AO、BO
    AB型→AA、BB、AB
    O型(OO型)→AO、BO
    つまりエンデヴァーがAB型ならばO型の子供は生まれないはずなのだ。ただし彼がシスAB型*2ならば可能性はある。
    更なる鬱設定が盛り込まれそうになった焦凍くんの明日はどっちだ。
    たぶん先生が血液型について詳しくなかっただけだろうけど

  • エンデヴァーが個性婚計画を始めた時期だが、長子の橙矢が誕生した時期を逆算すると20歳~22歳の頃には既に冷と関係を持っていたことになる。
    それまでの下準備も多々あるので、彼は高校在学中には個性婚を視野に具体的な構想を練っていたことが窺える。

  • オールマイトはアメリカに留学から帰国した23歳から58歳までの35年間現役であり続け、全盛期には24時間何時寝てるかすら怪しいペースで猛然と働き続けて、犯罪発生率すら大きく低減させる偉業を成し遂げた。

対してエンデヴァーは、デビューから25年。彼より10年も短い期間でそのオールマイトすら超えてしまう程の事件解決数を叩き出してのけた
それだけやってもまだオールマイトに追い付けない現実には、忸怩たる思いを抱かざるを得ないだろう。
ただしオールマイトはAFOとの死闘(8年前)で多大な負傷を負った。それ以来活動限界時間は短くなり続け、本編開始時には1日最大3時間までしか活動できない身体になっている。
そのため単純にエンデヴァーの事件解決能力がオールマイトを上回るとも言えないのである。

  • ある意味でヒロアカの暗黒面を体現するキャラであり、彼(というか轟家周り)のエピソードは非常に生々しくドス黒いものが多い。
    2020年11月9日の290話にて今までの熱い展開全部を布石とした全世界を絶望のどん底に叩き落すとある展開ではあまりの衝撃ゆえに彼の名前がトレンド入り。あと何故か(キャラの愛され方が似てるから)ライナーもついでにトレンド入りした。







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最終更新:2024年04月19日 23:38

*1 リアル日本はだいたい0.5%前後で推移

*2 割合だとわずか0.012%。AB型が10000人いれば1人はシスAB型かも