地底人(ウルトラシリーズ)

登録日:2016/06/22(水) 22:57:51
更新日:2023/02/25 Sat 20:48:38
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地底人とは、『ウルトラシリーズ』に登場する地底に住む種族である。
別名は「凶悪地底怪人」。

ウルトラシリーズでは、『ウルトラマン80』に登場する別名が異なる同名の種族の他にも
様々なタイプの地底人が存在するが、本稿ではその内の一つである『ウルトラマン』から登場した種族について解説する。


【登場作品】


【主な活躍】

◆ウルトラマン

登場:第22話「地上破壊工作」
身長:2m
体重:100g

氷河期の到来以前、地殻変動が起きた為に暗い地下4万mの世界へ移住せざるを得なくなり、その内独自の進化を遂げた古代地球人類。
地底人X(言うまでもないが、ウルトラマンエックスとは無関係)と呼ばれる個体をリーダーとしており、
劇中では後記の女性工作員を含め数十人が登場している。

外見は地上の人間とほぼ変わらないように見えるが、
長い地底暮らしていた為に目は退化しており、常に瞼を閉じているような形になっている。決して目に湿布か何かを貼っている訳ではない。
その為、普段は正体を隠す為に黒いサングラスを常備している。
ちなみに成田亨のデザイン画では、ダイヤモンドの原石で目を隠すという案になっていた。

地上世界よりも優れた科学力を持つが、長い地底生活に嫌気が指したのか太陽の光を欲するようになり、
地上世界を破壊して人間達を奴隷とし、地上人類に取って代わろうと画策。

その為にハヤタがウルトラマンに変身出来る事を突き止め、
彼を洗脳し、自分達のテレスドンと共に地上を破壊する尖兵に仕立てようと企む。

ここで、3分間しか活動出来ない上に、暗い場所では力が弱るウルトラマンじゃ長時間の破壊活動は無理じゃね?
と言う疑問が出てくるが、その場合は脅しの材料にでも使って降伏させればいいし、
ウルトラマンが戦力に加わった事自体大きなアドバンテージにもなるので、さほど問題ではないと思ったのかもしれない。
尤も重大な問題を見落とし(後述)をしていたあたり、本当に深く考えていなかった可能性もあるが。

計画を実行に移す為、彼らは破壊工作員の女性と瓜二つの人物である
科学特捜隊パリ本部から派遣されたアンヌ・モーハイム隊員を攫い、彼女と入れ替わらせて科学特捜隊日本支部に送り込む。

「ケリチウム磁力光波」の発生装置を使って科学特捜隊の連絡網を麻痺させ、
テレスドンを使って引き付けている間にハヤタを手筈通りに拉致、アジトと思われる地底世界の施設に拘束する事に成功する。

そしてハヤタに、自分達の正体と目的を明かすと、催眠装置「花瓶マスク」を被せ、催眠状態にしてウルトラマンに変身するよう命令。
ハヤタは、言われるがままにベーターカプセルのスイッチを入れるのだが、
次の瞬間彼らは、ベータースパークから発せられた、フラッシュビームの光で絶命してしまった。
長らく地底に暮らしていたせいで、強い光に弱くなっていたのだ。

一方、光の国のスーパーマン・ウルトラマンはと言うと、洗脳されておらず正気のまま。
一心同体とはいえ、元々ハヤタとは別の意思を持つ宇宙人(M78星雲人)だったため、催眠装置の影響を受けなかったのだ。
こうして残るテレスドンもウルトラマンに打ち倒され本物のアンヌ隊員も助け出された事で、彼らの計画は失敗に終わった。

自分達の弱点や、ハヤタとウルトラマンが別人である事まで把握していなかったとは、何とも間抜けである。
尤も前者は昼間も活動可能=日光が平気(実際アンヌに化けていた個体は、日が出ている間も行動していた)であったし、
フラッシュビームレベルの光を浴びる機会なんて地上人でも滅多にないことなので、気付けなかったのは仕方がない。

後者は完全に下調べ不足だが仮にウルトラマンとハヤタが同一人物と知った上で両方洗脳できたところで、
弱点に気付いていない問題が解決されるわけではない為結果は変わらなかったと思われる。
(どっちみち変身時のフラッシュビームを浴びて全滅するはめになるので、操る存在を失ったウルトラマン(とハヤタ)は解放されることになる)

地上の光を求めてウルトラマンに手を出した時点で、彼らは滅びる運命だったのだ。

なお自分の求めていたもので命を落とすという結末は、実は次の回に登場するジャミラと同じである。
監督もジャミラのエピソードと同じ実相寺昭雄氏である為、単なる偶然ではないだろう。
ただし、彼らの場合は侵略者という側面が強くなおかつ間抜けな面も出ているためか、同情されることはあまりない。


◆ウルトラゾーン

登場:「怪獣ジュラ紀 前編・後編」(第14・15話)

謎のオーパーツ「アカンバロの瞳」を狙う侵略者の1人として登場。
初代同様、瞼の閉じたような両目を黒いサングラスで隠しており、テレスドンを操る。

アカンバロの瞳を守るため、白石深月の依頼で呼び出された4人の名探偵の1人、
歩く百科事典探偵「西園寺ユウヤ」に成り済まし、アカンバロの瞳が保管された部屋へ潜入した。
推理の為に頭を働かせる際は、相棒役の腹話術人形と会話する。

仲谷マユと共に浦賀ケンがガッツ星人が化けた姿である事を見抜くが、
その後、元怪獣特捜隊の隊員だった白石にピット星人共々、正体を看破される。
最後は白石が呼んでいた防衛軍に連行されつつ、エレキングと戦うテレスドンに「全てを破壊しろ!」と命令していた。

本作でも地上人に対して憎悪しているようで、
テレスドンに命令を出した際「この地上は地上人だけのものではない事を教えてやれ!」と叫んだり、
アカンバロの瞳で怪獣達が目覚めた際に狂喜していた。

映像作品に地底人が登場したのは、初代以来46年振りである。


◆ウルトラマンX

登場:「夜を呼ぶ歌」(第3話)

並行世界の同一種族と思われる「地底女」と呼ばれる個体が登場。
「地底に人を引きずり込み、食べてしまう」という都市伝説に語られる存在で、
本編開始2ヶ月前に事故死した間伏涼子と言うエステシャンに成り済ましている。
本作でもサングラスで素顔を隠している。

絶叫(ガオディクションの解析によると、「悲しみの感情」に起因する悲鳴)でテレスドンを操る他、謎の光線銃を武器に持つ。
「今の地上の夜は偽りの光に包まれている」として、テレスドンで地上を破壊して本当の夜を取り戻す事を目的としている。

謎の地震の調査の為、地下工事現場の調査に訪れた大地とアスナ達の前に現れ、絶叫でテレスドンを呼び出して姿を消す。
翌日、彼女の経営するサロンを突き止めた大地とアスナが潜入し、正体を暴かれそうになるが逃走。
アスナから追跡を受けるも、彼女が履いていたハイヒールが折れて転んだ事により逃げおおせた。

その後、夜の市街地に再び姿を現すと、彼らに自身の目的を語り、またしてもテレスドンを呼び出して暴れさせる。
だが、テレスドンはエレキングアーマーを纏ったエックスのエレキング電撃波でスパークドールズへと圧縮され、自身もその際に巻き起こった閃光で倒れた……





……かに思われたが、サングラスが守ってくれたのかまだ死んでおらず、陰からアスナを射殺しようとする。
だが、彼女の履いていたハイヒールが再び折れて転んだ事で、攻撃が外れて失敗。
ワタルに撃たれるが直後、自身のサングラスとテレスドンのスパークドールズを遺して姿を消し、生死も行方も不明となった。

だが、エレキング電撃波の閃光で割れたサングラスから覗いていたのは、紛れも無く退化しきった地底人の目であった……。


その後、彼女とテレスドンが出現した地下工事現場から500年前の石碑が発見された事が明かされており、そこに封印されていた事が示唆された。
また、彼女が現れた現場では、最初「宇宙の音」に似た悲しい歌声のようなものも確認されていたが、これらの真実は最後まで分からぬままであった。

しかしこの世界には、光(虹)の巨人に封じられた鉄の魔獣想いを形にする虹の剣
この世を地獄に変えるとされる怪獣それを封じた光の巨人と言った過去の遺物が多数存在している事から、ひょっとすると彼女らも…。


◆余談

ウルトラマンパワード』にもテレスドンは登場しているが、
こちらでは彼らにバラージの民の要素を掛け合わせたような、「太陽の民」が代わりに登場している。



追記・修正はフラッシュビームの光に耐えた人がお願いします。

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最終更新:2023年02月25日 20:48