バイオ・K/バイオ・T(デュエル・マスターズ)

登録日:2016/06/21 (火) 01:37:18
更新日:2020/11/22 Sun 21:15:01
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チャンスはもう一度。絶望の火はまだ消えない。




バイオ・K/バイオ・Tとは、デュエル・マスターズの能力である。


解説


どちらも初出はDM-23「不死鳥編 第5弾 冥龍王帰還」…というより、今のところDM-23のみにあるキーワード能力である。読み方はそれぞれ「バイオ・キック」「バイオ・タックル」
バイオ・Kは不死鳥編における各ハイブリッド種族に1体ずつの合計5体、バイオ・Tはそれにリキッド・ピープルを入れた合計6体のクリーチャーがこの能力を所有している。
デュエル・マスターズはシリーズごとにキーワード能力を使い捨てる傾向があるが、複数のカードが持つキーワード能力がわずか一つのエキスパンションで使い捨てられるのはさすがに珍しい。
バイオ・Kは「自分の○○が相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、△△。」
バイオ・Tは「自分の○○が攻撃して、バトルが始まった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、△△。」
という能力である(○○には今のところすべて種族が入る)。
DM-23の背景ストーリーを反映した、自己犠牲精神に乗っ取った能力である。(同弾で出たL・ゲートもそうであるが)
実はデュエル・マスターズにおいては革新的な能動的にノーコストで使えるカードである。特にハイブリッド種族においてはどちらもそれぞれ一枚ずつあり、対応した種族のクリーチャーでアタックすることで相手に二者択一を迫ることが出来るようにデザインされていると思われる。

…だが、残念ながらこのキーワード能力自体の知名度は著しく低い。デュエマプレイヤーでもこんな能力があるなんて知らなかった、あるいは知ってはいたがどっちがバイオ・Kでどっちがバイオ・Tだか曖昧だったという人も多いのではないだろうか。
というのも、この能力が登場した唯一のエキスパンションであるDM-23が歴代でもトップクラスの地雷パックなのである。高レアリティのカードは魅力に欠け、低レアリティのカードにはS・トリガーしか持たない準バニラや無駄にコストが高くて中途半端に使いにくいカードがほとんどを占め、それもあってDM-23自体が売れなかったと考えられる。
また、これらの能力の主な所有者であるハイブリッド種族も不死鳥編特有のカードパワーの低さからかグランド・デビル以外の種族はあまり人気が無く、これらのカードによるテコ入れも効果をなさなかったというのも痛い。
そして何よりも、これらの能力を持つカードも一部を除いてカードパワーがあまり高くないこともあって、現在ではこのキーワード能力自体が不遇と化してしまっているといっても過言ではないだろう。

能力の説明を見てわかる通り決してこの能力自体は悪い能力でないので、いつかこの能力を持った強いクリーチャーが出ることを祈りたい。キーワード能力を使いまわすことが稀なデュエマでわざわざこんなマイナーな能力が再発掘されるとは思いにくいが…


バイオ・K所持カード


フレア・フュージョン・ドラグーン SR 火文明 (7)
クリーチャー:ティラノ・ドレイク 6000
バイオ・K-自分のティラノ・ドレイクが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、相手クリーチャーをパワーの合計が3000以下になるように好きな数選び、破壊する。
W・ブレイカー

ティラノ・ドレイク担当。効果は小型の地獄万力。
一見すると「コスト7のカードで3000以下破壊かよ…」という印象を受けてしまいがちだが、バイオ・Kはコストを支払わずに使う能力なので元々のコストは全く関係ない。
ティラノ・ドレイクには《ブレイブハート・ドラグーン》や《死神竜凰ドルゲドス》という3コストスピードアタッカー(後者は実質)がいるため、早期の発動は容易であり、小型のシステムクリーチャー等なら難なく焼き払える。特にドルゲドスは自身の能力でブロッカーを無効化できるのでその点でも相性が良い。
また、《{ペインシュート・ドラグーン》や《機動闘竜メタルクロー》などのパワー低下クリーチャーや《毒霧のケンプラー》や《竜脈のタンジェン》などの墓地回収との相性が良い。

しかし、コスト7のSRにしては非力な印象を受けてしまうのも事実である。効果の発動に関係ないコストのせいで必要以上に弱く見られてしまっていると言えなくもない。
多分コスト3のクリーチャーにおなじ能力がついていたらまた評価も違っただろう…
ただ、低コストクリーチャーのパワーが底上げされた今ではこの能力では厳しいか。ティラノ・ドレイクの新規がないのも向かい風。

DM-23のW・ブレイカー持ちの一部に言えることだが、W・ブレイカーの注釈文が「(このクリーチャーはシールドを2枚破壊する)」となってしまっている(正しくはブレイクする)。もちろん誤植であり、通常のW・ブレイカーと同じように処理する。

封魔サルバドル UC 闇文明 (6)
クリーチャー:グランド・デビル 3000
バイオ・K-自分のグランド・デビルが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、そのターンの終わりまで、攻撃している自分のクリーチャーは「W・ブレイカー」を得る。

グランド・デビル担当。効果はW・ブレイカー付与。
グランド・デビルにはW・ブレイカー持ちが少ないためノーコストでのW・ブレイカー付与は貴重。また、コスト2のアンブロッカブルである《封魔ハリセンモン》や、コスト2でブレイク数増加の能力を持つ《無頼封魔アニマベルギス》など相性のいいクリーチャーもいる。
コスト1の殴り手がいないのが残念だが2ターン目にハリセンモン→3ターン目にアニマベルギスでハリセンモンのブレイク数増加、サルバドルの効果でWブレイカー付与とすることでなんと3ターン目にシールドを3枚割れたりする。
グランド・デビルデッキの定石からは外れているが、デッキを考えるうえで頭の片隅に置いておいても損はしないだろう。闇のクリーチャーなのでそのまま墓地進化に繋げられるのも魅力。

奇術ロボ・ジェントルマン UC 水文明 (6)
クリーチャー:グレートメカオー 4000
バイオ・K-自分のグレートメカオーが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、このカードを手札から捨ててもよい。そうした場合、カードを2枚まで引いてもよい。

グレートメカオー担当。効果はドロー。
恐らく、当ページで紹介するカードでは最も使用頻度・知名度ともに高いであろうカード。
何と言ってもグレートメカオーには《弾丸透魂スケルハンター》がいるため、能力の発動は容易。登場当初からグレートメカオーデッキにおける手札補充の役割を担っている。
現在では《合身秘伝メカ・マシーン》という対抗馬が存在する。2ドローできる点は同じだがあちらは呪文で、ブロックの有無に関係なくアタック時に発動できるという点で違いがある。
どちらがいいというよりは、両方入れることでドローソースの比率を上げられることを活かそう。

ちなみに、このカードで2枚目以降のジェントルマンやメカ・マシーンを引いても「攻撃した時」というタイミングは過ぎているので発動できない。対戦の際は元々の手札と引いたカードを区別し、トラブルを起こさないように注意しよう。

霊騎ゼブルス・シャーマン C 光文明 (5)
クリーチャー:アーク・セラフィム 1000
バイオ・K-自分のアーク・セラフィムが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、光の呪文を2枚まで、自分の墓地から手札に戻す。

アーク・セラフィム担当。効果は呪文のサルベージ。
ノーコストで呪文を2枚回収できるのは強力ではあるが、セラフィムデッキはあまり序盤からシールドブレイクを狙っていくデッキではないのが悩ましいところ。
アーク・セラフィムで呪文回収となれば《天雷霊機サルヴァディ》というより安定性の高いカードがあるのも向かい風。
使うならスパーク系統などと組み合わせるか。

とんがり頭のブレモ VR 自然文明 (5)
クリーチャー:ドリームメイト 5000
バイオ・K-自分のドリームメイトが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、自分の山札を見る。その中から、攻撃している自分のクリーチャーと同じ名前のクリーチャーを1体選び、相手に見せてから手札に加える。その後、山札をシャッフルする。

ドリームメイト担当。効果はサーチ。
ノーコストでのサーチは強力だが、その対象がアタッククリーチャーというのはいくら何でも狭すぎる。
サーチするなら後々の展開につながるような高コストのクリーチャーを狙いたいものであり、すでに場に出ているクリーチャーをサーチするのはうま味が薄い。
ドリームメイトには《猛烈元気バンジョー》というcip能力でドリームメイトなら何でも持ってこれるクリーチャーがいるため基本的にそちらを使うことになるか。
ただし、限定的なアンブロッカブル能力を持つマナ進化クリーチャー《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》との相性の良さは見逃せない。1体目のキリンソーヤから後続のキリンソーヤを呼べるのは覚えておいて損はしないかもしれない。
ちなみにバイオ・Kには珍しく5コスト相当のパワーを持つが、当時からこんな中途半端なバニラはお呼びでない。バニラサポートが出た今ではなおさらである。


バイオ・T所持カード


デスハンター・ドラグーン C 闇文明 (3)
クリーチャー:ティラノ・ドレイク 1000
バイオ・T-自分のティラノ・ドレイクが攻撃して、バトルが始まった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、そのターンの終わりまで、攻撃している自分のクリーチャーは「スレイヤー」を得る。

ティラノ・ドレイク担当。効果はスレイヤー付与。
ブロックしたクリーチャーにいきなりスレイヤーが付与されたら相手は驚くだろう。上手くいけば厄介なブロッカーをノーコストで除去できる。
また、バイオ・Tは自分からクリーチャーにアタックをした時にも発動できる。ただ、今のところティラノ・ドレイクには軽いアンタップキラーがいないのでその点での運用は厳しいか。

ただ、後に出た同じくスレイヤー付与を持つ《威牙忍ヤミカゼ・ドラグーン》と比較すると、こちら側にも「マナゾーンにカードが1枚以下しかなくても使える」「自分からクリーチャーにアタックした時にも使える」「墓地に行くため墓地進化に繋げられる」というメリットが無くはないが、それを考えても「自分のクリーチャーのブロック時にも使える」「ティラノ・ドレイクデッキじゃなくても使える」という点を考えると、普通はヤミカゼの方を優先することの方が多いだろう。 

お祭番長ゴリヤンキー C 火文明 (6)
クリーチャー:ドリームメイト 4000
バイオ・T-自分のドリームメイトが攻撃して、バトルが始まった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、そのターンの終わりまで、攻撃している自分のクリーチャーは「パワーアタッカー+4000」を得る。

ドリームメイト担当。効果はパワーアタッカー付与。
いきなりパワーが4000も上昇するのは強い。この手のカードの中では割と優秀な方である。ドリームメイトはビートダウン主体なので、積極的にアタックを仕掛けていく際に邪魔なブロッカーを除去できる。

霊騎ゼブルス・アームズ C 自然文明 (3)
クリーチャー:アーク・セラフィム 2000
バイオ・T-自分のアーク・セラフィムが攻撃して、バトルが始まった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、そのターンの終わりまで、攻撃している自分のクリーチャーのパワーは+2000される。

アーク・セラフィム担当。効果はパンプアップ。
他種族と比べるのもあれだが、上述のゴリヤンキーに比べて上昇値が心もとない。
それに上述のようにアーク・セラフィムは早期にアタックしていくタイプではないので生かせるところが少ないという欠点がある。

風雲闘機マスターフィンガー C 光文明 (3)
クリーチャー:グレートメカオー 2500
バイオ・T-自分のグレートメカオーが攻撃して、バトルが始まった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、そのターンの終わりまで、攻撃している自分のクリーチャーのパワーは+1500され、ターンの終わりにアンタップされる。

グレートメカオー担当。効果はパンプアップとターン終了時のアンタップ。
上述のゼブルス・アームズよりもさらに少ない上昇値である。ターンの終わりにアンタップされるが正直別にパワー上昇が次のターンまで持ち越されるわけじゃないしだからなんだって話である。
強いて使うとしたら早期に小型のブロッカーを除去したいときとかであろうか。

アクア・スイッチ R 水文明 (4)
クリーチャー:リキッド・ピープル 1000
バイオ・T-自分のリキッド・ピープルが攻撃して、バトルが始まった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、そのターンの終わりまで、攻撃している自分のクリーチャーのパワーは自分の手札1枚につき+1000される。

唯一ハイブリッド種族じゃないのにバイオ・T持ち。効果は変則的なパンプアップ。どうでもいいけどバイオ・T6つ中4つがパンプアップ系統ってちょっとバリエーションなさすぎじゃない?
手札に応じたパンプアップは水文明とはあっているように見えるが、そもそも水文明は進んでバトルを仕掛けることは少なく、またそこまで手札を貯めこむわけでもない。
さらに言うならこのカードを捨てた時点で手札を一枚失っており、それを考えるとパワーを2000上げる(=手札を3枚以上持っている状態にする)だけでも少し大変であり、そしてそこまでしてバトルに勝つうま味もない。

封魔グレミー C 水文明 (4)
クリーチャー:グランド・デビル 3000
バイオ・T-自分のグランド・デビルが攻撃して、バトルが始まった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、そのグランド・デビルおよびバトルしている相手クリーチャーを、それぞれ持ち主の手札に戻す。

グランド・デビル担当。効果はお互いのバウンス。
決して汎用性が高いわけでは無いが、ノーコストでのバウンスは割と強力。また、上手く使えば自分のcip持ちを回すことが出来る。
また、「バトルゾーンのクリーチャーによる除去」でないため、《時空の喧嘩屋キル》《巨人の覚醒者セツダン》《ケンゲキオージャ ~究極火焔~》といったクリーチャーを安全に除去できる。また、アンタッチャブル持ちでも気にせず除去できる。
ただ、普通の状況では《封魔バルゾー》などの方が使いやすいか。


追記・修正は自己犠牲精神に乗っ取ってお願いします。

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最終更新:2020年11月22日 21:15