ドゥルク・サードマディ

登録日:2016/06/19 (日) 00:14:18
更新日:2024/03/03 Sun 14:17:57
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「龍は屈せず」



ドゥルク・サードマディは『逆転裁判6』の登場人物。
CV.江原正士


クライン王国の現王政への反対運動を行う一団《反逆の龍》、通称革命派を率いる革命家。
現女王ガラン・シガタール・クラインが制定した《弁護罪》の廃止を目的とする。

元々はクライン王国有数の弁護士だったが、23年前に前女王アマラを暗殺し、逃亡したとされる。
これがキッカケとなってクライン王国での弁護士の立場は地に落ち、弁護罪の制定も加わって現在のクライン王国は弁護士が一人もいないという状態になっている。
ある意味クライン王国における法の暗黒時代の引き金になったとも言える。

クライン王国で大人気の「冥界戦士トリサマン」ではプロパガンダとして悪役にされており、やたら凶悪な面になっている。

+ 逆転裁判6ネタバレ
名字から分かる通り、ナユタ・サードマディの実の父であり、王泥喜法介の育ての親。
そしてアマラの夫でもある。

巷では凶悪な犯罪者扱いされているが、その実態は無血革命を掲げる豪放磊落を地で行く男。
自然界最強の存在である龍の如く、最後の最後まで真実に食らいつく「龍は屈せず」を信念とし、革命派の旗印として龍印を掲げている。

アマラの私邸に火を放ち、彼女を暗殺したなどと言うのは冤罪であり、疑いをかけられたドゥルクは法廷で自らの弁護を行ったが、証拠の捏造をでっち上げられ、逃亡を余儀なくされたのだった。

この事件の際、たまたま友人で会った法介の父、王泥喜奏介を私邸に招いていたのだが、火災を引き起こした真犯人の手によって奏介は殺害されてしまった。
ドゥルクは何とか法介だけは助け出したものの、身元を証明するものも全て焼けてしまったため母親を探し出すことも出来ず、天涯孤独の身となってしまった法介を引き取って面倒を見ていた。
しかし、本格的に革命派として活動を始めるに当たって法介の身の安全を考慮したドゥルクは法介が10歳の頃に日本へ養子に出した。
この時、「必ず迎えに行く」と約束したが、指名手配犯であるドゥルクは飛行機に乗る事が出来なかったため、以来一度も法介に会いに行くことは出来なかった。

加えて実はアマラは生きており、ドゥルクが行方を眩ましたのを良い事にドゥルクが命を狙っていると真犯人から吹き込まれたアマラは、市井から身を隠した生活を送る事となり、ドゥルクもまさか生きているとは思わず、数年間アマラに誤解されたままだった。
しかし、それからアマラが生きているという噂を聞きつけたドゥルクは王宮に侵入し、アマラを連れ出すことに成功。
この逃亡生活においてアマラとの間にを設けていたが、15年ほど前に娘ごとアマラを奪われてしまった。

その娘は自分がドゥルクとアマラの娘である事を知らず、真犯人の元で娘として育てられることになった。
クライン王国においては「親の罪は子の罪」という風習が強かったため、下手に名乗り出れば娘を苦しめる事になるとその事を隠していた。

その為、ナユタが王政の犬のような真似をしているのは母と妹を守るためだという事を察しており、今もその胸には革命の火がともっていると信じている。


本編開始まで、革命は徐々に広がりつつも未だ実現には遠い状況だったが、成歩堂龍一の登場によって大きく動き出すことになる。

弁護罪によって一人もいなくなった筈の弁護士という存在、絶対視されていた御魂の託宣には不備があったという事実、そして敬虔な信徒であった祭司を襲った悲劇が法務大臣と弁護罪によって引き起こされたものだという事。
これらが成歩堂の手によって次々に暴露された事で弁護罪によって冤罪に処された被害者の身内を筆頭に革命の気運は一気に高まり、世論は徐々に革命に向けて動きつつあった。


そんな中、ドゥルクは突然法介の前に現れ、クライン王国の秘宝である「始祖の宝玉」の捜索を依頼。
始祖の宝玉は革命派に奪われたとされており、ドゥルクも「王政をぶっ潰す足がかりを手に入れた」と電波ジャックで大々的に宣言したのだが、実はまだ手に入れてなかった。
そもそも革命派が奪ったというのも濡れ衣であり、罪を着せられただけだったのだが、逆にそれを利用したのである。
ハッタリがバレたら大変だが、これから手に入れれば問題ないと豪快に笑い飛ばし、ドゥルクは法介と共に始祖の宝玉を探すため、倉院の里を訪れる事になる。

今更になって現れた事に法介は不満を隠さず、まともに会話も続かない状態だったが、宝玉捜索の途中で溺死しかけた法介をドゥルクが救った事で和解。
無事宝玉も手に入れ一件落着と思いきや、その宝玉の所有権を主張する者が現れ、更にその宝玉を奪う為に革命派が殺人を犯した嫌疑までかけられてしまう。
更に黒幕によって真宵を人質に取られた成歩堂が敵に回り、窮地に陥ってしまうが、何故か黒幕は絶対に真宵に手が出せない事を確信しており、相手のハッタリを笑い飛ばすが、今度はアマラの存在を盾にされてしまい、クライン王国に戻って黒幕との取引に応じる事となる。

そして一人で取引の現場であるアマラの霊廟に入り、しばらく待っても出てこなかったため、突入した法介たちが見たものはナイフを片手に握り、返り血を浴びて立ち尽くすドゥルクの姿であった。

これによって殺人の容疑をかけられたドゥルクだったが、本人の記憶は霊廟に入った時点で曖昧になっており、何故あんな状態で立っていたのかも分からない状態だった。
しかし、何か大事な事を隠している様子で、弁護を引き受けた法介に「受け入れがたい真実に直面するかもしれない」という言葉を伝えた。

そして審理の最中、突然姿を消してしまったのだが…


+ 突きつけられる『受け入れがたい真実』、そして……
実はドゥルクは法介と再会した時点で既に死んでいる
ならば法介の前に現れたドゥルクは一体何者なのか。それは、真宵がドゥルクを霊媒した姿である。

真宵を誘拐した黒幕であるインガ法務大臣の不穏な動きを察知したドゥルクは王宮に忍び込み、霊廟に捕えられていた真宵を発見したが、この時にインガに銃撃され、命を落としていたのだった。
そして息を引き取る前に真宵に自分を霊媒して脱出するようにと言い残し、ドゥルクは死亡。真宵はドゥルクを霊媒して霊廟から逃げ出した。
インガが真宵に手を出せない事を確信していたのも当然である。何せ、自分を霊媒してこの場にいるのだから。

宝玉の捜索を依頼するために法介の元を訪れたというのも半ば口実で、本当は「最期に長年顔を見ていなかった息子に会いたい」というただそれだけの理由である。

霊廟に入った途端に記憶が曖昧になっているのは、真宵の体から除霊されてしまったためであり、その後のドゥルクは別の人物が霊媒した姿だった。

そしてドゥルクはそれが誰なのかも分かっていた。
現在クライン王国において霊媒が可能とされているのは3人。そして真宵とガランが目の前にいる以上、残っているのは一人しかいない。

そう、ドゥルクは最初からアマラが自分を霊媒し、自分に罪を着せようとしている事に気が付いていた。
しかしドゥルクはアマラを裏切る事になると法介にすらその事を語らず、法廷の途中でアマラの体から除霊されてしまったのだった。

審理が進んでいく中、ドゥルクの死に辿り着いてしまった法介はその「受け入れがたい真実」の前に屈しそうになるが、


「…ホースケ…弁護士が…そんな顔するモンじゃねえ」

「………………龍は屈せず」

「手負いの龍は死ぬまで敵に食らいつくもんだぜ」

「にらみ、吠え、食らいつけ。最後の最後まで……な」

「真実のために!」

「お前ならどんな真実にだって立ち向かう事ができる」

「俺はそう……信じているぜ。お前は俺の息子なんだからな」


「龍は屈せず」。自分なら必ずその真実に立ち向かい、全てを明らかにできると信じてくれた「父」のために、法介は再び立ち上がった。

そしてドゥルクが23年間事件を調べ続けた末に手に入れた証拠品と、彼の信念を受け継ぐ子供達の手によって全ての真実は明らかにされ、革命は成し遂げられる事となる。


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最終更新:2024年03月03日 14:17