登録日:2016/05/27 Fri 23:32:52
更新日:2023/12/13 Wed 15:26:08
所要時間:約 7 分で読めます
いわゆる
能力バトルなどと呼ばれるジャンルの作品では超能力や魔法といった、多種多様な力の持ち主が活躍する。
そんな中、作中における「能力」を持たない人間たちの扱いは低くなることが常である。
基本的には冒険に関わらない日常担当、悪の能力者や怪物に襲われる哀れな被害者、能力者に向かっていき返り討ちに遭う
かませ犬etc.……。
能力者たちは異能という強力な武器を持っており、それを持たない一般人たちは丸腰同然なのだから当然と言えば当然である。
しかしながらごく稀に、能力を持たない一般人の身でありながら、
能力者や異形の怪物を相手に立ち向かい、時には互角以上の戦いを繰り広げ、とうとう勝利してしまうような場面が描かれることもある。
物語としては大きな意外性を演出できる上、強大な能力に慢心をしている敵に下剋上をする展開は、大きな爽快感を与えてくれる。
更に、特別な力がなくても努力や工夫次第で戦える、仲間の力になれるというのは、一般人の一員である読者・視聴者に希望を抱かせてくれる。
ただし、やりすぎると「能力自体が大したことないんじゃない?」といった印象を、
読者・視聴者に抱かせてしまう恐れがあるので、あまり多用はできない諸刃の剣でもある。
そういった事情もあってか、最初から最後まで全て無能力者の一般人が戦うという場面はかなり少数派になる。
実際のところは他の能力者から何かしらのサポートを受けていたり、
敵を追い詰めたとしてもトドメを刺せるほどの力はないので、決着は仲間の能力者に譲ったりすることも多い。
加えて「こんな戦い方ができるのはこのキャラクターだけ」「勝利できたのはこの場面でしか使えない綿密な作戦の賜物」、
「偶然や運命をも味方につけた上での勝利」といったように、「コツさえ掴めば、誰でもいつでもこの戦法を使える」といった描き方がされることはまずなく、
かなり限定的な戦い方であるという描写がされることがほとんど。
しかしだからこそ、そんな戦い方ができる「一般人」の存在が輝くのである。
なお、ここで言う「一般人」とはあくまで作中における「能力」を持たない、
あるいは、
一応能力を持ってはいるが非常に弱いもの、直接戦闘では使えない種類のもののことを指し、
軍人や裏社会の人間なども一般人に含むものとする。
(「主人公たちをサポートする組織の人間」を一般人とするかは微妙である。彼らは最前線で戦う適性が無いだけで指揮や補給で十分戦力になっているのだから)
当たり前の話だが、後述の要素こそがその作品における「能力バトル」に相当するという作品も除外する。
(例えば、
ゴジラシリーズなどは無能力の軍人や科学者・政治家が異能の存在と戦うことも多いが、
異能なしの人間の力、すなわち科学力・財力・分析・勇気などで(怪獣と)戦うのが一般的であるため、「作中における『能力』がない」という文脈とは外れる)
ちなみに「諸事情で最新鋭兵器が出てこれないだけで、戦力的にはもともと互角以上」というパワーバランスの場合は
地球なめんなファンタジーというまた別の分類になる。
●最新鋭の科学技術・兵器で武装する
機関銃の一斉射撃を避けられた、謎のバリアーで防がれた、
弾丸は当たったはずなのにまるで効いてない、吹き飛ばしたと思ったら再生された……というのは基本パターン。
また、能力バトルの多くは人目につかないところで秘密裏に行われるので、強力な武器を持って駆けつけることが難しいというのも原因の一つか。
そもそも現代兵器で倒せるのなら、悪と戦う正義の能力者など必要ないという話になってしまうため、これは仕方ない。
能力者や怪物に対抗するには、相手の予想を上回る超兵器や、能力者との戦闘に徹底した戦術・戦略を用意するのが望ましい。
それでも、異能の力を相手にするのは苦しい場合が多く、
……というように、生半可な武装と精神ではとても真似できない戦い方で、
なんとか食い下がっているというタイプの人たちがしばしば存在している。
一方、
アメコミで活躍する社長系ヒーローのように「頭脳および科学技術が現実を逸脱した異能レベルに達している」タイプは、
本人の身体能力が人間の範疇だったり狭義の異能を身に着けていなくても、一般人とはあまり呼ばれない。
●異能力を上回る強靭な肉体・格闘技術で対抗する
ただし、能力者の中には「戦闘は能力に頼り切りなため運動面はからきし」、
「基本的に後方支援担当なので接近されると弱い」といった人も少なからずいるため、
そういった人相手だと文字通り一般人レベルの格闘技能であっさり倒せてしまうこともある。
●能力者特有の弱点を突く
簡単に言ってしまうと吸血鬼相手に日光、十字架、ニンニクetc.……のパターン。
作品によっては能力に何かしらのデメリットが付加されていることも多く、特定の条件下で能力が使えなくなる、
能力に制限時間や射程距離が存在する、能力を使いすぎると不調が発生する……といった弱点をうまく突いて戦うのである。
また、異形の怪物相手に食欲を利用した罠を張る、酒で酔払わせる、というのも古典的だが有効な手段である。
古典的な作戦すぎて、こんな作戦でやられてしまう怪物は「やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだな」と言われてしまうが…。
一生カナヅチのようにわかりやすく、全能力者に共通するものならよいのだが、
弱点の内容は能力者によって様々だったり、当然能力者自身も弱点に気を配っていたりするので、簡単なようで結構難しい。
前述の吸血鬼などのように妖怪変化や幽霊の類は、妖怪としての伝承や習性、幽霊になる前の記憶などが明確な弱点になりやすい。
児童文学などで普通の少年少女がお化け退治をする時は、味方のお化けや霊能力者でもいない限り、こうした弱点を突くことが基本になる。
能力が使えなくなるタイプの弱点であった場合、
無効化系の能力者と戦い方が似てくるかもしれない。
……無効化系の能力者にとって、本項で説明されているタイプのキャラクターは天敵であるが。
●権力・財力などを駆使したり人質をとるなどの謀略で追い詰める
このパターンは主人公やその仲間よりも、むしろ敵役に多い。
単純に金と権力で集めた兵隊による数の暴力で押したり、能力者にとって大切な存在を人質にとって抵抗できなくする等。
上述のような科学技術や武力をふんだんに使用したりすることもあるが、
真に恐ろしいのは「社会的に殺す、無力化する」タイプの戦い方。
いかに超人的な力を持っていようと、人である以上社会の中で生活せねばならない。
特に、主人公タイプのキャラクターは戦いの無いときはごく普通の日常生活を送っていたりすることが多い上、
立場や性格上強引な手段をとることも難しく、社会のルールを悪用されたりすると何もできずに窮地に立たされてしまうことが多い。
スーパーマンの宿敵が、肉体的にはただの人間であるレックス・ルーサーであるように、
一定以上の超人を相手にするにはこれが一番効果的であるのかもしれない。
●知恵と勇気
最重要。
人類の手にした最初にして最高の武器。
ここまで説明した一般人の持ちうる武器も、知恵と勇気があればこそ、その力を発揮することができるのである。
追記・修正は異能者を特殊能力を使わないで倒してからお願いします。
- 呪術廻戦の伏黒パパも通りすがりのサラリーマンも微妙に違うかな、少なくとも一般人じゃないし。コウ・カルナギかな -- 名無しさん (2021-05-25 08:39:08)
- 「一般人」というより「無能力者」と言ったほうが正しい気もする。まあ、言わんとすることはわかるけどね -- 名無しさん (2021-05-25 08:56:46)
- パパ黒は能力適正がゼロすぎて逆に異能っていう珍しいタイプ -- 名無しさん (2021-05-25 18:48:40)
- 軌跡シリーズのチート親父共も個々の戦力が総じておかしい。カシウスも案外好きな本とか劇とか見て寝るのを繰り返し、で空の軌跡屈指のチート武力を手に入れレーヴェと共に欲しいままにしていたのだろう。多分アリアンロード様含め、皆流派に趣味次第で成長ステ違うのかも -- 名無しさん (2021-05-25 20:29:21)
- ガッツは強靭な肉体に入るかな -- 名無しさん (2021-05-25 22:49:16)
- ↑名工の作った異様な大剣、片腕が大砲、回復役の妖精までついてきてて「一般人」はさすがに… -- 名無しさん (2021-05-26 13:53:03)
- 一般人…ではないけどハガレンの大総統とかいう他のホムンクルスとかと比べてただ動体視力が良いだけの眼(しかも使わなくても銃弾くらいは素で見切れる)だけで不死身の再生能力もなく老化で衰えた身体で純粋な剣技と体術だけで戦車を相手取り無双したおじさん -- 名無しさん (2021-05-26 14:20:14)
- 海馬社長とかどうなんだろ 藍神のオカルトパワーに対しても自社製デュエルディスクと無駄に高い自意識だけで無効化してみせたし -- 名無しさん (2021-05-26 16:14:36)
- アニメ版のかりあげクンは封印から目覚めた魔王を倒してた -- 名無しさん (2021-05-26 16:17:46)
- 強さの理由付けがされていないキャラが該当するのかこれ -- 名無しさん (2021-05-26 22:56:52)
- ↑3 海馬に関しては藍神よりイシズ戦の方が実は項目っぽい戦いだった気がする 前世の記憶というオカルトはあったけど、基本特別な装備とか対策無しに勝ったし -- 名無しさん (2021-05-27 14:22:51)
- 通りすがりのサラリーマンは載ってないのか -- 名無しさん (2021-05-29 01:27:14)
- バイオのイーサンはシリーズにしては珍しい一般人系主人公だと思ってた。思っていたんだが… -- 名無しさん (2021-05-29 02:22:34)
- 逃げる系のホラーゲームだと大体は環境を利用して倒す気がする -- 名無しさん (2021-05-29 04:15:42)
- 彼岸島の明さんも含まれるかな -- 名無しさん (2021-05-30 00:54:37)
- これいる?ただ語りたいだけでは? -- 名無しさん (2021-05-31 01:36:04)
- この形式だと後々キャラ追加とかしにくくない?後ろの方にパターン別の一覧みたいなの作った方が良くない -- 名無しさん (2021-05-31 09:21:32)
- まあ、これなら[お前のような一般人が居るか!]ってタイトルにした方が面白いの出来そうではある -- 名無しさん (2021-05-31 13:32:00)
- 設定上では一般人ってことになってても身体能力とか技量とかは明らかに人間の限界を遥かに超えた超人だろってキャラが多い -- 名無しさん (2021-06-04 00:09:57)
- 仮面ライダー剣の鯛焼き名人は強いはずの上級アンデッドを鯛焼き焼く奴で怯ませてた -- 名無しさん (2021-06-04 12:51:03)
- 一般人とは言えないとして、シャンクスやミホークは載せないのかな?まあ覇気は使えるだろうし -- 名無しさん (2022-03-17 18:13:30)
- 華虎以外の麻薬(ヤク)破壊の八極道は… -- 名無しさん (2022-06-16 13:56:30)
- ↑1:華虎以外の麻薬(ヤク)破壊の八極道は…入らないか… -- 名無しさん (2022-06-16 13:57:51)
- それが入るなら至郎田正影とかも入るし…。と思ったけど、あいつ戦えてはいないか -- 名無しさん (2022-06-16 14:15:37)
- 敵だけどレックス・ルーサーは多分この仲間に入れていいはず -- 名無しさん (2022-12-25 12:39:38)
- 川尻早人と玲美さんは尊敬する -- 名無しさん (2023-11-07 23:39:49)
- 弓上手いだけでミュータント達と並べるホークアイって無茶苦茶やな… -- 名無しさん (2023-11-13 12:53:09)
- コメントのログ化を提案します。 -- 名無しさん (2023-12-04 13:09:51)
- コメントをログ化しました。 -- (名無しさん) 2023-12-13 15:26:18
- ワンピース -- (名無しさん) 2023-12-14 19:26:14
最終更新:2023年12月13日 15:26