小説 仮面ライダードライブ マッハサーガ

登録日:2016/05/21 Sat 01:36:37
更新日:2024/03/31 Sun 11:24:18
所要時間:約 20 分で読めます







「人はやり直せる」


俺のダチはそう教えてくれた。





小説 仮面ライダードライブ マッハサーガ』とは、2016年4月20日に講談社キャラクター文庫から出版された小説である。

仮面ライダードライブ』のノベライズであり、TV本編の正統的な続編。
時系列としては『超MOVIE大戦ジェネシス』の2年後の物語となっている。
著者はTVシリーズチーフプロデューサーの大森敬仁。同作サブライターを務めた長谷川圭一が監修を担当している。

主人公は泊進ノ介ではなく、仮面ライダーマッハこと詩島剛
タイトルには「仮面ライダー」とあるが、仮面ライダーの出番はほとんどなく、表紙には写っているドライブは影も形も登場せず、仮面ライダーマッハが終盤で少し登場するのみ。

本編のストーリーからネタを拾うだけでなく、各映画や同時期に発売されたVシネマ『ドライブサーガ』、更に特典映像シリーズ『シークレット・ミッション』などの様々な小ネタも多く、読み応えのある一冊となっている。
巻末には三条陸および石森プロが監修を務めた「仮面ライダードライブ全史」が収録されており、物語が開始する前から今作までのドライブの主な出来事が網羅してあり、ここでしか読めない初情報もある。


【あらすじ】

ロイミュード108体を撲滅完了して約2年。放浪のカメラマンとして旅をしていた詩島剛は、二年前にとある理由で延期となってしまった泊進ノ介と詩島霧子の結婚パーティーを祝うために日本に帰国する。
2017年12月24日、パーティーは無事開かれたが、突如都内全域が大規模停電に見舞われる。その状況は、三年前にボルトロイミュードが起こした「暗黒の聖夜」事件に酷似していた。
その事件を皮切りに、ロイミュード事件に関わった凶悪な犯罪者たちが一斉に脱獄、さらにミスターXと名乗る人物による、ロイミュードが起こした事件の模倣犯罪まで発生。
事件の首謀者と思われたのは、かつて進ノ介が逮捕した犯罪心理学者・西堀光也。
しかし特状課や警察の厳重な捜査でも西堀の居所を掴むことはできず、次々と事件が起こっていく。
剛は、そして特状課はこの事件の真実にたどり着き、事件を止めることができるのか……!?


【登場人物】

かつて仮面ライダーマッハに変身し、ロイミュード撲滅に尽力した青年。
今作の主人公であり、連続ロイミュード犯罪模倣事件を解決するために奔走する。
事件解決のため、かつて自分を嵌めた西堀の娘・西堀令子と面会を図る。
当初は煽られて激昂したり、逆に煽って彼女を激怒させたりもしたが、何度も面会を続け、交流を深めることによって令子と心を通わせることに成功、共に事件の解決にあたる。
令子を説得するための話の中で、マッハとなってロイミュードと戦う以前の剛の姿を知ることができる。

なぜ彼はロイミュードを憎むのか。
なぜ彼はマッハとなったのか。
彼はどのようにして 蛮野との関係を知ったのか。
なぜ彼は初戦闘でド派手なパフォーマンスと共に登場したのか。
それらを知り、もう一度本編の剛を見てみると、彼に抱く印象が180度変わるかもしれない……。

ちなみに『超MOVIE大戦ジェネシス』の新造マッハドライバーはゴースト事件に際しての急造品で、事件解決後に即オシャカになった模様。

かつて仮面ライダードライブに変身し、第二のグローバルフリーズを打ち砕いた青年。
2015年に霧子と結婚し、2016年には第一子・英志を授かった。
結婚式の直後に結婚パーティーを開いたが、直後に起こった嘘の爆破予告によってパーティーは中止になり、諸々の事情があってパーティーは二年後に延期となった。
現在は警視庁捜査一課のエースであるが、模倣事件の解決にあたり、再び特状課のメンバーとして脳細胞をフル回転させる。
物語中盤、父親の仇敵である仁良光秀と再び対峙するも、ドライブとして鍛えられた格闘術で瞬く間に彼を制圧し、もう一度仁良の腕に手錠をかけた。
変身後の仮面ライダードライブはタイトルにもなり、タイプスピードの姿は表紙にも写っているが『超MOVIE大戦ジェネシス』後に再びベルトさんが失われており直接変身することはなかった。

  • 詩島霧子
かつて進ノ介のバディとしてドライブを支えた女性。
現在は英志を出産したため育児休暇をとっているようで、捜査には参加しなかった。
以前は進ノ介のことは名字呼びであったが、夫婦となったことで下の名前で呼ぶようになった。

  • 狩野洸一
チェイスのコピー元となった白バイ警官。
どうやら進ノ介とダチになったようであり、今回の事件では彼に頼まれて剛とバディを組むこととなる。
言動で剛を焚きつけることがうまく、狩野の言葉によって剛が動くことも多かった。自称「剛のアクセル役」。
特状課などの関係者からチェイスに間違われて驚かれることは慣れっこの模様。
高校時代から大学時代まで七年連続で全国射撃大会で優勝したという腕前を持ち、信用金庫襲撃事件では見事な速射を見せた。
中盤でのバイクアクションは超人技。

  • 本願寺純
かつて特状課課長として指揮を執った男。
現在の役職は警視庁警務部人事・教養課長兼務という肩書きであり、警視庁の人事と設備を牛耳れる立場にあるらしい。
模倣事件解決のために特状課を再結成し、警視庁の刑事たちとともに捜査にあたる。

  • 追田現八郎
かつて特状課と捜査一課を繋ぐ橋渡し役として走り回った刑事。
現在は警部補から警部に昇進し、捜査一課にて自慢の足を使って捜査している。
脱獄したかつてのジャッジ事件の真犯人、宇津木壮こと浅村誠から橘を守り、一本背負いで浅村を確保するも重症を負う。意識不明の状態が続くも、何とか死の淵から生還した。
なんと最近、りんなにプロポーズをしており、りんなもまんざらではない様子。
これにより、テレビ朝日公式サイトの「子煩悩」設定は完全に無かったことに(若しくは未来形に)なった模様。
ちなみに以前『Blu-ray COLLECTION』の映像特典『泊進ノ介の取調室』3回目に吉井怜さんが登場した際、現さんの子煩悩という設定について話題が出ており、結婚している訳ではなく子供好きに近い意味ではないか、といった感じにまとまっている。
プロポーズはりんなに受け入れられたものの結婚に関してはまだまだらしく、以後の作品では恋人関係になった事で喧嘩して距離を置く事が多くなったようである。



  • 沢神りんな
かつて様々な発明品によって、仮面ライダーや特状課を助けた天才科学者。
現在は学会に戻ってロイミュードやアンドロイドの研究を続けている。
追田からプロポーズを受けるも、仮面ライダーの研究を続けるため返事を保留していたが、追田が倒れたこと、剛の言葉を受けたことにより、受け入れることを決めた様子。
夏目台集合団地での警察官錯乱騒動や、擬似重加速のトリックを科学の観点から解明するなど大活躍をする。
終盤、剛にとあるものを手渡す。

  • 西城究
かつてインターネットの情報網によって幾度も特状課を助けた青年。
現在はロイミュード072との交流を描いた小説が大流行して時の人となっている。
作中ではとあるスマホゲームに熱中していたが、それが模倣事件の意外な手がかりとなることに。

  • 早瀬明
かつてグローバルフリーズ以前に進ノ介とバディを組んでいた警察官。
怪我のため現場復帰は難しく、ネゴシエーターとして活動していたが、今回は育児休暇中の霧子に代わり進ノ介のバディとして復活する。
中盤では、銃を撃とうとする仁良に対して正確に彼の肩を撃ち抜くという見事な射撃の腕を見せる。

かつて仮面ライダーチェイサーとなり、同胞たちと戦ったロイミュード。
蛮野との戦いで戦死するが、彼が剛に遺した免許証とシグナルチェイサーは何度も彼を助けることとなる。

  • ハーレー・ヘンドリクソン
クリムの恩師にして、「ネクストシステム」、仮面ライダーマッハの開発者。
作中では直接の登場はないものの、剛の回想で彼との出会いが描かれており、アメリカに潜伏していたロイミュード017、018をマークしていた。
ちなみにドライブ全史では蛮野を嫌っており、クリムが蛮野の研究に協力することに反対していたことが判明。

  • 西堀光也
かつて模倣犯罪を繰り返し、グローバルフリーズの夜に進ノ介に逮捕された犯罪心理学者。
今回の事件の首謀者とされており、進ノ介や仮面ライダー、警察への強い憎悪や復讐心が動機の根底にあると思われている。
ロイミュード犯罪を模倣することで、世間にロイミュードの恐怖を再び蔓延させることが真の狙い。
物語冒頭で操った刑務官にバット型のバイラルコアを持ってこさせていた。
犯罪の手口、精密な模倣スキルから犯人は十中八九西堀で間違いはないのだが、彼の性格と今回の犯人の人物像が繋がらないことに、進ノ介は疑問を抱く。

  • 西堀令子
西堀光也の娘で、かつてロイミュード050と融合してシーカーロイミュードとなり、剛を罠に陥れた女性。現在は関東中央刑務所に収容されている。
今作の実質的なヒロインであり、西堀光也の手がかりを求めてやってきた剛と何度も面会を繰り返す内に、彼と心を通わせ、事件解決に協力する。
父親の思考パターンを読み、クラッシュの事件を模倣した麗泉高校へのトラックの爆撃を未然に食い止めることに成功する。
しかし西堀が八王子にいると知り、彼に呼びかけて刑務所の電子ロックを解除させ、剛の目の前でその場から脱走してしまう。

かつて進ノ介の父・泊英介を射殺し、進ノ介に逮捕された卑劣な元捜査一課課長。
今回の騒ぎに乗じて脱獄し、独断専行した浅村の処刑、唐沢ゆかりの襲撃などの凶悪犯罪を次々と行う。
浅村にドッキリを仕掛けた直後にヘラヘラしながら彼を射殺、おどけながら小銃を乱射するなど、本編より狂気性が増している。
ゆかりを追いつめ、進ノ介の前で彼女を射殺しようとするが、行動を共にしていた根岸がそれを庇い、激昂したところを進ノ介と早瀬のコンビネーションで取り押さえられる。
進ノ介の啖呵に対して何かを言い返そうとするが、直後に顎に一撃を食らいノックアウト、再び進ノ介に逮捕された。

  • 根岸逸郎
かつて泊英介が射殺された銀行に強盗に入り、英介殺害の容疑で逮捕された末に ロイミュード067と融合し、オープンロイミュードとなって多くの強盗殺人を犯した男。
仁良たちと共に脱獄し、地上げ屋社長を襲撃するなど凶悪な本性は変わっていないと思われたが、実は人を殺したことを悔いており、仁良の銃弾からゆかりを身を呈して庇った。

  • 浅村誠
かつて「ジャッジ・タイム」という復讐代行サイトを運営し、「自分より正義の味方っぽくてムカついた」という理由で罪のない青年を殺害し、全ての罪を着せた凶悪な男。宇津木壮という偽名を持つ。
仁良たちと共に脱獄するが、自分が逮捕されるきっかけを作った橘に独断専行で復讐しようとして見張っていた追田と揉み合いになり、彼を刺すも一本背負いで失神させられ再び逮捕された。
その後留置場に乗り込んできた仁良の処刑ドッキリに引っかかり、安堵して彼をどついた瞬間、本当に射殺されてしまった。その際仁良からは偽名をもじった「うつけくん」と呼ばれた。

  • 多賀始
かつて「警官殺し(コップキラー)」の異名を持ち、ロイミュード007と融合してソードロイミュードとなった凶悪犯。
仁良たちと共に脱獄し、坂木たちと擬似どんよりバンドを用いた信用金庫襲撃事件を起こす。
駆けつけた剛たちも擬似重加速で動きを奪い、二本の日本刀で止めをさそうとするが、りんなの装置によって重加速を打ち消され、剛の特殊警棒の一撃を受け倒れた。
その後坂木たちとともに逮捕されたが、どんよりバンドに仕込まれていた毒によって口封じで殺されてしまう。

  • 坂木光一
かつて女性をストーキングすることで精神的に追い詰めるという行為を繰り返し、ロイミュード069とシンクロした異常犯罪者。
仁良たちと共に脱獄し、多賀たちと信用金庫襲撃事件を起こす。居合わせた女性たちの個人情報をチェックするという相変わらずの悪辣さを見せた。
頭の足りない多賀に代わりどんよりバンドを使って人質や剛の動きを止めるが、動けるようになった狩野の射撃を食らったうえに剛の特殊警棒の一撃でのされた。
多賀や手下と共に逮捕されるが、彼もバンドに仕込まれていた毒で死亡する。

  • 久坂俊介
かつて歪んだマスコミ精神でスクーパーロイミュードと結託し、マッチポンプのスクープを作っていた報道カメラマン。
己の罪を悔いており、現在も服役中ではあるが、相棒の高杉とともに再び仕事をするという夢を持って出所を目指しているという。

  • 笹本喜三郎
かつてのりんなの恋人であり、ボイスロイミュードと結託して音で人間をコントロールしようとした応用物理学者。
逮捕されて以降は反省の色を示しており、模範囚として服役中であったため、今回の事件には関わっていなかった。

  • 橘真伍
かつてジャッジロイミュードと結託し、冤罪をかけられて殺害された岡島冬馬の無実を証明し、真犯人の浅村に復讐しようとした元刑事。
彼もまたフリーズロイミュードによって記憶を改竄された一人であり、仲間であった英介の死の真相を知ったことで自分の罪の重さを再認識し、警察に自首した。
記憶を取り戻したタイミングからして恐らく彼が自首してしまった事が、第35話で追田が冤罪で留置されてしまう切っ掛けに……
機械生命体措置法によって執行猶予が言い渡され、現在は冬馬の妹である秋絵の親代わりとして生活している。
浅村から逆恨みで殺されそうになるが、追田の執念によって大事には至らなかった。

  • 岡島秋絵
浅村に殺害された岡島冬馬の妹。
橘に届いた浅村からの犯行予告を知り、橘には内緒で追田に相談していた。

  • 唐沢ゆかり
かつて泊英介、そして進ノ介によって命を救われた少女。
現在は麗泉高校に通う三年生であり、警察官を目指している。
冬季補習で高校にいた所を再び仁良に狙われ、射殺されそうになるが、進ノ介と根岸によって命を救われる。

  • イーサン・ウッドワード
かつてアメリカで剛が出会った親友。
自称冒険家であり、オクラホマ州の断崖絶壁で落ちかけていた剛を助け、行動を共にするようになった。
かつて彼にはブライアンという友人がいたが、彼が犯罪に巻き込まれて死ぬのを助けられなかったことを嘆いており、剛を助けたのも彼の死を無駄にしないためであった。
そのしばらく後、剛と待ち合わせをしていた時に偶然マフィアの取引現場、そして取引相手の兄弟がマフィアを皆殺しにする現場を目撃してしまい、剛に自分のところには来ないよう電話をかけ、逃走する。
しかし剛が駆けつけたときには弾丸を受けて瀕死の状態であり、彼の腕の中で看取られながら息を引き取った。
剛の「危険は大好物」という口癖は元々彼の口癖であり、それが剛に移った。

  • ガフ&ビーン
イーサンを殺害したマフィアの兄弟。
冷血なガンマンの兄・ガフと卑劣な守銭奴の弟・ビーンで構成されている。
その正体はアメリカで活動していたロイミュード017・018であり、復讐に現れた剛の目の前で正体を現し、彼を始末しようとするも、ハーレー博士の妨害にあい失敗する。
マッハに変身した剛と再戦、ネクストシステムを扱いきれない剛をいたぶり、さらに017はガンマンロイミュードに進化するも、またもやハーレー博士の横槍によって逃げられる。
その後、日本に渡り、どんよりバンドを売りさばく事件を起こすが、「姉のために怒りを胸に秘め、笑顔のままで敵を撲滅する」という誓いを立てた剛によって、今度こそ完膚なきまでに叩き潰される。

  • 三神沙耶
ミスターXに誘拐され、犯行予告の動画で犯行声明の代読をさせられていた女子大生。
二度目の動画で、代読の途中で「助けて!!」と叫んだが、ミスターXによって射殺されてしまう。

  • 天野千草
三神の射殺後に犯行予告の代読をさせられたOL。
彼女もまた動画の中で助けを求めたが、無理矢理犯行予告を代読させられた後、ミスターXに射殺されてしまった。

  • ミスターX
この事件の主犯。
かつて剛や蛮野が自らの正体を隠して活動する時に使用していた偽名を流用している。
犯行予告の動画や部下たちの前ではモアイ像のような仮面と金色のマントを身に纏っており、その姿はタブレット中の蛮野のインターフェイスやゴルドドライブそっくり。
パソコンやスマートフォンをハッキングすることでインターネットを自在に行き来することができ、その能力を駆使して警察の捜査状況や部下の働きぶりを見ていた。
警察はその正体を西堀だと考えて捜査しているようだが果たしてその正体は……?


【事件】

  • 連続ロイミュード犯罪模倣事件
かつてロイミュードたちが起こした凶悪犯罪を再現し、再び世間にロイミュードの恐怖を蔓延させようという恐ろしい事件。
ボルトロイミュードの「暗黒の聖夜」の模倣、及び漏電による古館北地区の火災事件を皮切りに、一斉に仁良たち犯罪者が脱獄し、ミスターXの計画に力を貸す。
スクーパーロイミュードの建造物崩落事件を模倣したオリオン総合スタジアム崩落事件、ボイスロイミュードの技術を応用しシーカーロイミュードの事件を模倣した夏目台集合団地警察官集団錯乱事件、ガンマンロイミュードとロイミュード018のどんよりバンド事件を模倣した戸塚信用金庫強盗事件・地上げ屋社長襲撃事件、クラッシュロイミュードのフォントアール社爆薬密輸事件を模倣した麗泉高校襲撃事件といった恐ろしい事件が次々と起こった。
戸塚信用金庫と麗泉高校の事件は、警察の捜査や令子の活躍によって大きな被害が出る前に止めることができた。


【用語】

  • 「ラビリンス・オブ・アニマ 魂の迷宮」
現在流行中のスマートフォンゲーム。
ステージごとにクイズが出題されるというありがちなゲームなのだが、なぜか最終ステージのみ鬼畜難易度であり、ネットの達人である究さえもクリアできなかった。
実はこのゲームはミスターXが自らの部下を集めるために作られたゲームであり、最終ステージをクリアできた人間はミスターXの信奉者となるよう洗脳されてしまう。
信奉者の数は合計で108人であり、その数はロイミュードの合計人数と同じである。

  • アニマシステム
グローバルフリーズの直前、かつて小田桐という教授が発明した人間の精神をネットワーク世界にダイブさせるというシステム。
初出は『シークレット・ミッション type TOKUJO』。
かつてロイミュードたちによって破棄された筈であったが、実はグローバルフリーズ当日にミスターXもこのシステムを手に入れてコピーしていた。
彼はアニマシステムの力で仮面ライダーに倒されたロイミュードの復讐心、逮捕された人間の屈辱を集め、「ラビリンス・オブ・アニマ」をプログラミングした。



【以下、この事件の真相……。更なるネタバレ注意】










愛?家族は私にとって支配するためのものでしかなかった
愛など、存在しない



  • 西堀光也
この事件の犯人。
かつて八王子に所有していた廃屋同然の別荘を本拠地として活動しており、西堀は昔からこの別荘に来る度に近くで模倣犯罪を起こしていた。
ある時偶然西堀が誘拐した少女を令子が発見してしまい、その時から西堀は彼女の才能を恐れ、自分から遠ざけるようになった。

今回の事件の動機は、かつて小田桐教授が開発した、人間の精神をネットワーク世界にダイブさせる装置「アニマシステム」を用い、ネットワーク世界の神となるというものであった。
西堀はネットワーク世界と一体化することでロイミュードに関するありとあらゆる情報を手にし、限りなくロイミュードに近い存在となっていた。
そして今回の事件によってネットワーク世界を人間の恐怖の感情で溢れさせることにより、西堀はよりロイミュードに近づき、人間やロイミュードを超越する神となって人々を支配しようと考えていたのであった。

令子の自分への愛情を上記の言葉で踏み躙り、剛と令子に向かって自分の思想を語り、アニマシステムでネットワーク世界に意識をダイブしようとする。
しかし突然機械がショートを起こし、機械ごと西堀の意識は焼き尽くされ、後には息絶えた彼の亡骸だけが残されていた。
こうして最強最悪の犯罪者は、あっけない最期を迎えたのであった……。

  • 三神沙耶
  • 天野千草
実は彼女たちもラビリンス・オブ・アニマによって西堀に洗脳された信奉者であり、動画で射殺されたように見えたのは演技であった。
西堀が死んだ後、近くの林を彷徨っていたところを捜査員が保護した。
彼女たちの他にもスタジアムの設計技師、爆弾知識を持った大学院生、拳銃マニア、果ては自衛隊や警察関係者、刑務官など多くの人間が西堀に洗脳されていた。

  • 西堀令子
刑務所から立ち去る時に剛に西堀の居場所のヒントを教え、彼が自分の元へ着けるように導き、八王子の別荘で父親である西堀と対峙する。
西堀を軽蔑し、憎んでいたが、本心では彼を父として愛しており、彼から娘として愛してほしかったのである。
しかし無慈悲にもその愛は西堀に打ち砕かれ、その本人も事故によって死亡し、令子は彼の亡骸を抱いて泣きじゃくった。
事件後、西堀の復讐心を利用して事件を起こし、彼を殺害した黒幕がいることを確信、剛と話してまた明日会う約束をするも、拘置所内で毒を飲み、意識不明の重体となってしまう。
集中治療室に入れられた彼女の右手はピースサインを作っており、この手を見て剛は真犯人の正体に気がついた。

  • 詩島剛
自分の父と同じ、子を子と思わない下劣な西堀に怒りを露にするが、彼のあっけない死に疑問を抱く。
大晦日に令子と面会し、その帰りに彼女に手袋とマフラーを買うが、令子が毒を飲んだという知らせを聞いて警察病院に駆けつける。
真犯人からのメールを受け取った後、令子が力を振り絞って作ったメッセージを見たことで真犯人の正体に気付く。
そしてりんなからプロトタイプのマッハドライバーと、かつてチェイスがエンジェルロイミュードに与えられた、ライノスーパーバイラルコアを改造して作ったシフトカー「シフトバイラルコア」を受け取る。
その後、忘年会と進ノ介の誕生日と結婚パーティーを兼ねた会の会場の前に立ち、そこに現れるであろう真犯人を待ち構える。
そこに現れた人物とは……!?



【以下、本当の真相……。更なるネタバレ注意。】










全てのロイミュードの復讐の感情が私を究極のロイミュードへと進化させた。
そう、今や私は全てのロイミュードの能力を手にした!



  • ロイミュード005
今回の事件の真犯人。
『type ZERO』にてグローバルフリーズの直前に西堀をコピーした後にプロトドライブに倒され、復活した後再びドライブに倒されてコアを粉砕された幹部クラスのロイミュード。
令子が手で作っていたピースサインはローマ数字の「V」=「5」を意味しており、すなわちロイミュード005のことを表していた。

実はプロトドライブに倒された後にコアだけでネットワーク世界を徘徊していたところ、偶然アニマシステムを発見してコピーし、別の場所に保存していた。
復活後、『type TV-KUN』にてドライブに敗れてコアを破壊されるが、微小な残留思念がアニマシステムに残り、その後も倒されたロイミュードや悪人たちの復讐心を吸収し続ける。
そして今回の事件を西堀を操って起こし、ネットワークに蓄積された恐怖心、復讐心によってコアを復活させ、用済みとなった西堀を殺害、操った刑務官に獄中の西堀に差し入れさせたバイラルコアを用いてこの世界に復活した。
更に令子に毒を飲ませて重体に陥らせ、剛の憎しみの心を煽り、自分に怒りを向けさせようとした。

人間の恐怖心、ロイミュードの復讐心を吸い上げることによって「リベンジャーロイミュード」へと進化を遂げる。
全身を剣や銃で覆った禍々しい姿をしており、ソードやガンマン、シーカーやボルト、果てはトルネードやフリーズといった幹部格たち、全てのロイミュードの能力を使うことができる。
チェイサーマッハに変身した剛を様々なロイミュードの力で圧倒、フリーズの力を使って動きを止め、シーカーの力で剛の憎しみの心を醜く成長させ、進ノ介や霧子たちを皆殺しにさせようとする。

しかしフリーズの能力は半分ロイミュードであるチェイサーマッハには効かず、怒りや憎しみという感情も、クリムとの約束を果たすために成長した剛の中には既に無くなっていた。

そして……





もう時間がねぇんだよ。音速よりも速く、お前を倒してやる!

「レッツ、変身!」



  • 詩島剛
リベンジャーに打撃を撃ち込み、チェイサーマッハの変身が解除されると、直ちに剛はシフトバイラルコアをプロトマッハドライバーに装填、彼の体が黄金の炎に包まれ…



超デッドヒ────ト!!



  • 仮面ライダー超デッドヒートマッハ

「自分たちに希望を託して消えていったハートやブレン、メディック、そしてチェイスたち、彼らの心と人間が一体となって変身することで仮面ライダーは完成する」という、彼なりの答えを見つけ出した剛が変身する、マッハの新形態。
白く輝く超魔進チェイサーのボディに、マッハの頭部のバイザーの奥から紅く輝くチェイサーの眼差しが特徴的。

超デッドヒートマッハに変身したことで戦局は一気に逆転、鋭い連撃にリベンジャーは圧倒され、最期はマッハのライダーキックが炸裂し、リベンジャーは爆散。
005のコアも粉砕されると同時にプロトドライバーも砕け散り、ようやく事件は解決されたのであった。





……おつかれ





【エピローグ】

戦いの後、剛は遅れてパーティーに出席し、進ノ介と霧子、英志の写真を撮った後、りんなに005の技術を応用してチェイスのコアを復活させる手助けを要請する。

数日後、剛は奇跡的に息を吹き返した令子と面会をする。
彼女は混濁する意識の中で三途の川に行き、そこで父と出会い、彼に「生きろ」と言われたことで意識が戻ったのだという。
そして彼女は一遍の曇りもない笑顔で、剛から貰ったマフラーと手袋を掲げ見せるのであった。

病院からの帰り道、剛は財布の中にある数枚の写真を取り出した。

イーサンの写真。

チェイスの免許証。

進ノ介、霧子、英志の写真。

そして今日から一枚、笑顔の令子の写真が新たに加わることになった。




Next Drive's saga is... 『ドライブサーガ 仮面ライダーハート



Previous Drive's saga is... 『ドライブサーガ 仮面ライダーチェイサー




追記・修正はラビリンス・オブ・アニマの最終ステージをクリアしてからお願いします。

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最終更新:2024年03月31日 11:24