ボート小屋の管理人(逆転裁判)

登録日:2016/05/15 (日) 11:10:13
更新日:2024/02/24 Sat 09:34:36
所要時間:約 4 分で読めます




逆転裁判』シリーズの登場人物。

CV:?(パチンコ版)/蓮岳大(アニメ版)
演:小日向文世(実写映画版)


ひょうたん湖公園にある貸ボート屋の管理人。本名と年齢は不明(人物ファイル及びメッセージのテキストでは「オヤジ」アニメでは「証人 ???」と表記されている)。
浮浪者のような格好をしたニット帽のおじさん。
いつもぼんやりとした表情を浮かべ眠そうにしている。なので会話中でもつい鼻ちょうちんを膨らまして眠ってしまう事もしばしば。
また、普段から身体を左右にフラフラと揺らしている。

酔っ払っているわけではないが、そう思いたくなるようなボケた言動が多く、ボート小屋を“長寿庵”というソバ屋と思い込み、自分はそこの主人だと言い張っている(ボートはそればかり借りにくる客が多いため仕方なく貸しているのだとか)。
どうやら家を出て行かれた2人の子供がいるらしく、出会ってすぐの成歩堂龍一を息子の「ユキヒロ」綾里真宵を娘の「メグミ」兄妹と勘違いして、彼らに長寿庵の暖簾を継がせようとしていた。同じように小屋を訪れた糸鋸圭介のことは「タミオくん」と呼んでいた。
ちなみに「レインボーソバ」という究極の変わりソバやインディゴ・ブルーのソバを、ユキヒロと共に作る事を夢見ている。


パートナーとして「サユリさん」という立派なオウムを飼っており、フランスの高級ペレットを与え可愛がっている。

自分が忘れっぽいという自覚はあるらしく、金庫番号などの大事な事は全てサユリさんに教えている。
しかし、サユリさんと話すには合言葉が必要で、合言葉を言う事で様々な事を喋ってくれるらしい。

アニメでは女性らしい名前に似合わずかなり低い声である(パチンコでは女の子っぽい声だった)。
また、狩魔豪には「サユリ嬢」という茶目っ気のある呼ばれ方をされていた(後で小動物とも呼ばれた)。


彼が住んでいる小屋の中には様々な魚拓が貼ってあるが、そのどれもが海の魚である。
近所の魚じゃつまらないという理由で海釣りを好んでいるらしく、釣った魚は魚拓をとった後でおいしく頂いているのだとか。
でも真宵曰く、貼ってある魚拓は大半がセコい魚ばかりであるようだ。
ちなみに、釣りの際は結構高そうな釣竿を使っている(本人曰く「安物で魚さんを釣り上げようなんて失礼」だから道具に拘りを持っているらしい)。

他にも小屋の中にはテレビとコタツがあるが、テレビはゴミ捨て場から拾ってきた粗大ゴミ。なので当然壊れていて何も映らない。
冬のインテリアはコタツとテレビしかありえないというこれまた謎の拘りを持っていて、夏になるとテレビを捨ててクーラーを拾ってくるらしい。
その壊れたテレビの上には小さな手提げ金庫が置いてあるのだが、その中に入っているものは‥‥?
一見大雑把そうだが、ソバ屋を自称しているだけあってキッチンまわりは綺麗に片付いているため、見た目によらず綺麗好きのようである。


実は数年前からの記憶が一切なく、自分の名前すら覚えていない。
管理人になる前は化学工場で働いていて、そこで扱う薬品で誤って指先を焼いたため、指紋による身元調査も不可能らしいが‥‥
しかし意外と物知りな面があり、成歩堂が襟につけてあるバッジを一目見ただけで、彼が弁護士だと見抜いた(バッジだけ見て成歩堂を弁護士だと見抜いた一般人は、彼が初)。これは後述の彼の正体への伏線でもあった。


逆転裁判(蘇る逆転)』第4話「逆転、そしてサヨナラ」で事件の目撃証人として登場。
当初は1日目の法廷で出廷する予定だったが、証人としての説得力がないと検察側に判断された事で、事件を目撃したと名乗り出たもう1人の証人・大沢木ナツミが替わりに出廷して証言を行った。
しかし、裁判でナツミの証言に矛盾が生じたため、その矛盾を補うべく再び検察側の要請で証言台に立つ事となる。

そして2日目の法廷で、被害者の乗っていたボートに御剣怜侍が同乗していた事と、御剣が去り際に「まさか人を撃つ事になるとは‥‥」と漏らしていた事を証言する。
この証言が決定打となり、御剣に有罪判決が下されるのだが、直後に矢張政志が乱入した事で判決が撤回される流れとなり‥‥










以下ネタバレ




‥‥もう、いいですよ‥‥。






登録日:2016/05/15 (日) 11:10:13
更新日:2024/02/24 Sat 09:34:36
所要時間:約 4 分で読めます





私は、目的を果たした。
‥‥それで、じゅうぶんです。


彼の本名は「灰根高太郎」(はいね こうたろう)であり、第4話の事件の実行犯。年齢は52歳。
15年前まで地方裁判所で法廷係官をしていた人物で、当時世間を騒がせた通称・DL6号事件の最有力容疑者であった。
DL6号事件とは、地方裁判所のエレベーター内で発生した奇妙な殺人事件の通称であり、被害者の御剣信弁護士と彼の息子・怜侍(現在の御剣検事)と共にエレベーター乗っていた事で容疑者として疑われてしまう(事件の詳しい概要はDL6号事件の項目を参照)。
事件当日は大規模な地震が発生し、裁判所は停電に見舞われる。その影響で御剣親子と共にエレベーター内に5時間も閉じ込められてしまった。
酸欠により次第に冷静さを失っていき、遂には側にいた信と争いになり、最終的には彼を殺害しようとした。
しかし彼を殺す前に酸欠で意識を失ってしまう。
数時間後に何とか救助されるものの、側には胸を拳銃で撃たれ死亡していた信の遺体があった。

警察の捜査で、信の命を奪った銃弾は灰根が持っていた拳銃*1から発射されたものだと特定され、灰根は殺人容疑で逮捕されてしまう。
しかし、彼が撃ったという決定的な証拠が何1つなかったため、やむなく警察は綾里舞子に信を霊媒するよう依頼をし、その証言をもとに証拠を固めようとした。
その霊媒で信の霊が「私を撃ったのは灰根高太郎」だと証言した事で、犯人は灰根で間違いないと断定されてしまう。

酸欠で錯乱していたとはいえ、信を撃っていない事だけは覚えていた灰根は、担当弁護士となった生倉雪夫に「自分は無実だ」と訴える。
しかし、生倉はそれを信じてくれることはなく、「酸欠の影響で脳にダメージを受けた芝居をしろ」と強要した。
元上司である星影宇宙ノ介弁護士に言わせれば、灰根に刑事責任能力があるか否かを争点にして自分のために勝訴しようとしていたとされる。
裁判で心神喪失のふりをした結果、灰根に刑事責任能力がない事が認められ
証拠不十分なこともあり無罪判決となるのだが、その代償として仕事も社会的立場も全てを失ってしまう。
無罪判決と引き換えに何もかも失ってしまった彼はその後行方をくらまし、15年間記憶障害のふりをしながら人知れずひっそりと暮らしていた。
ちなみにオウムの「サユリさん」という名前は、結婚するはずだった松下サユリという女性から取られており、彼女は灰根が逮捕された直後に自殺している。

悪夢のような裁判から約15年が経過した頃、彼の元に謎の差出人から一通の手紙が送られてくる。
その手紙には「お前を破滅に追いやった2人の男(生倉と御剣)に復讐しろ」と書かれており、殺人計画の指南書と計画に使用する拳銃も同封されていた。
生倉と御剣に恨みを抱いていた彼は、その指南書どおりに彼らに復讐をする事を決意。生倉を殺害し、その容疑を御剣に着せようとした。
ちなみにその指南書は、計画を完遂した後で処分するよう指示されていたが、なぜか手提げ金庫の中に入れて保管してあった。

全ては指南書どおりうまくいったかのように見えたが、法廷で成歩堂の手によって御剣の潔白が証明され、自分の正体も暴露されてしまう。
正体が露見した後は記憶喪失のふりをやめて真剣な表情となり、「復讐という目的を果たしただけで十分です」と生倉を殺した事を自供する。
冒頭で語った2人の子どもや化学工場で働いていた経歴もであったことになる。

しかし、DL6号事件当時は小学生だった御剣に対し強い恨みを抱いていた理由は「私の口から言うべきではない」と最後まで黙秘し、「理由は御剣に聞いてください」と言い残し警察に連行されていった。


出番はこれで終わりとなるが、『逆転検事2』の第2話「獄中の逆転」では、彼の飼っていた「サユリさん」らしきオウムが刑務所の檻の中で飼われていた(調べる事はできないため詳細は不明)。
また、3日目の法廷で成歩堂は灰根の正体を明らかにするべくオウムの「サユリさん」に対し無謀にも尋問を行うのだが、この事は法曹界どころか世間でも伝説となっているらしい。

そして成歩堂はその後『レイトン教授VS逆転裁判』で再びオウムを、『逆転裁判5』特別編「逆転の帰還」で今度はシャチを尋問しており、『5』の第5話「未来への逆転」ではポンコというロボットを尋問していたりする。もはや動物ですらないが気にしたら負け。
ちなみに御剣の方も『逆転検事』開発中の段階ではイルカと対話する予定があったりしていた。


アニメ版でもゲームとほぼ同じだがこちらでは15年前の事件にてその裁判で心身喪失の芝居をした下りがカットされた他、その事件で彼がどんな思いをし、どんな目にあったのかが映像で描かれており、また婚約者のサユリの様子を生倉に聞いたり、無罪判決後、生倉に助けを求めて冷たく突き放されてしまった様子など自身の弁護士だった生倉とのやり取りも描かれている。


実写映画版でも登場。
ボケた言動は少なくなり、ミステリアスさが強くなった他、婚約者の松下サユリが結婚した妻となっている(演:中村優子)。
裁判や判決後の様子など、ゲームでは描かれなかった過去の描写が詳細に描かれており、自宅に中傷の落書きが多く描かれ帰宅直後にサユリの吊り死体を見てしまうなど非常に生々しい描写がされている。
エレベーターでの事件は「エレベーターが止まったくらいで酸欠になるわけないだろ」とユーザーから指摘されたためか、倉庫内で信が法廷に出された証拠品を調べていた所を見て不審に思い、食ってかかってからの乱闘に変更されている。しかしこの改変により、職務を遂行しようとした(証拠品を荒らしていた御剣弁護士を確保しようとした)ところ殺人犯に仕立て上げられた形となってしまった。一応自分から御剣弁護士に襲い掛かっていたゲーム版と異なり彼の取った行動自体は法廷係官として間違ったものとは言い難く、それだけに彼がすべてを失っていく過程は原作にも増してやるせないものがある。
また、指を薬品で焼いたのも工場労働者時代ではなく、犯行の為に直前で焼いた事になっており、非常に痛々しい描写がされている。

全ての事件が解決した後に成歩堂が自ら灰根の弁護を引き受けたい(序審裁判ではない)と言っており、原作よりも多少は救われた結末となった。


名前の由来は、「灰根」は詩人の「ハインリヒ・ハイネ」、「高太郎」は彫刻家の「高村光太郎」からであり、元々は「詩人」という設定で証言の台詞回しも複雑なものになる予定だった。
しかしあまりにも難易度が高く考えるのが難しいということで現在の設定に変更された。

魚拓が海の魚ばかりなのはデザイナー自身の不勉強とのこと。




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最終更新:2024年02月24日 09:34

*1 元々彼が携帯していたものだったのか、裁判の証拠品として持っていたのか、所持していた正確な理由は不明

*2 それ以前に当時9歳の怜侍は裁判にかけることができない