機甲創世記モスピーダ

登録日:2016/05/14(土) 23:50:56
更新日:2023/02/20 Mon 22:44:43
所要時間:約 6 分で読めます





レイトウの誘う地へ向え



蒼いナイフに集めた Moonlight

行き場失くしたお前を 反射(うつ)す十字架

今は刻んだ夢を道連れにして 旅に出るがいいさ



▽目次


【概要】

『機甲創世機モスピーダ』とは、1983年10月から1984年3月にかけてフジテレビ系列で放送された近未来SFテレビアニメである。
ロードムービー風のストーリーが特徴。全25話。
制作はタツノコプロ(アートミックと共同)、アニメフレンド。
キャラクターデザインは『FINAL FANTASY』シリーズなどでおなじみの天野喜孝。
メカニックデザインは人間側を荒牧伸志、インビット側を柿沼秀樹、監修・修正を窪田正義がそれぞれ行っている。


【あらすじ】

西暦2050年、正体不明の生命体インビットによって地球は侵略され、人類は火星コロニーでの生活を強いられていた。
そして西暦2083年、地球奪還のため新型の可変戦闘機レギオス、トレッド、モスピーダを配備した第2次降下部隊が大気圏へと突入した。
しかしインビットの襲撃により作戦は失敗し、部隊は全滅に近いダメージを受けた。
かろうじて南米(ブラジル南部)へと不時着したスティック・バーナード中尉は、地球に残った人類の子孫であり地球生まれ、地球育ちの少年レイと出会う。
一行は次々と行動を共にする仲間を迎え、敵の本拠地レフレックス・ポイント(カナダ中央部)を目指し旅を続けるのであった。



【登場人物】

  • レイ
CV:大山尚雄
地球におけるスティックの最初の仲間であり、共にレフレックス・ポイントへと向かう。17歳。
ミントと共にお気楽担当で飄々とした性格をしているが、生真面目なスティックとは喧嘩することが多く、衝突を経て仲間同士の絆を強めていく。
主人公がレイなのかスティックなのかは議論の分かれるところ。
確かにレイは過去や戦いを続ける理由こそ明確に描写されなかったものの、出番自体はとても多く、特にインビットに対する個々の考えを示す重要な役割を担っている。
物語が進むにつれフーケとよい仲になるが、アイシャといちゃいちゃしたり女性陣のお風呂を覗いたりと調子のいい部分はずっと同じである。


  • スティック・バーナード
CV:島田敏
火星生まれ、火星コロニー育ちの士官であり、第2次地球降下部隊第21機甲戦闘中隊に所属していた。20歳。
堅物で軍人としての使命を常に忘れず、恋人であるマリーンもろとも装甲降下艇を撃墜したインビットに強い恨みを抱いている。
そのため荒れた地球の惨状を全てインビットが原因だと決めつけ、発言する度にレイにたしなめられている。
マリーンの映像が入ったペンダントを常に持っているが、旅の途中に出会ったアイシャと恋仲になり、インビットとの戦いの末とある決断を下すことになる。
作中とても目立つ彼の操縦機はレギオスであり、モスピーダではない。


  • フーケ・エローズ
CV:土井美加
地球育ちで元暴走族の少女。16歳。
レイやスティックと出会う以前も旅をしていたが、物語の途中故郷に帰った際には仲間内で唯一肉親との不和、逡巡が描かれた。
一行の女性陣における姉役であり、自ら勇ましく戦いへ飛び込むことも多い。
数回悲恋を経験するが、その内よく行動を共にしていたレイとの仲が進展していく。
彼女の操縦機もよく目立つがこちらはレギオスもしくはバートレーであり、やはりモスピーダではない。


  • ミント・ラブル
CV:室井深雪
結婚願望の強い一行のムードメーカー兼次回予告担当。13歳。
実際個性の強い仲間達の潤滑油的存在であり、ミントが離脱した時にはあっという間に喧嘩沙汰になった。
恋愛対象に年の差は関係ないようで、ジムによく懐いている。また、その性格は仲間の中でも可愛がられており、誕生日には派手なお祝いがなされた。
非戦闘員であり、インビットとの戦闘中はその場から離れるかジムのジープに乗っている。
「ハレハレガッチーン!」「メラメラメラメラメラ~!」「ミントちゃんの予告!」


  • イエロー・ベルモント
CV:鈴置洋孝/松木美音
第1次降下作戦の際に地球へと来た元軍人。22歳。
女装し、さらに歌手としてデビューするという芸当で軍人狩りを回避していた。
物語開始時点ではすでに大人気の存在となっていたが、スティック達の戦いを見て、男として再びインビットに立ち向かうことを決意する。
しかしその後も歌手としてお金を集めたり人々の動きを誘導することが多く、時々おどけて女性声で話すこともある。
作中のお色気シーン担当なのか、よく水浴びをする。

なお、当時としてはかなり時代の先を走っていた中性的な美貌を持ったキャラクターであり、本放送当時は特に女性ファンの人気が高く、男性であるにもかかわらず、アニメ雑誌『アニメディア』の女性キャラクター人気投票で上位に食い込んだことがある。

  • ジム・ウォーストン
CV:西村知道
第1次降下作戦の際に地球へと来た元軍人その2。32歳。
修理・整備・ジープの運転担当。臆病な性格で過去に敵前逃亡を経験したが、スティックと出会い、再び戦いに身を投じることになる。
出会い頭からミントに言い寄られており、本気にしているかどうかはともかく常に気にかける存在となっている。


  • アイシャ
CV:高橋美紀
一行が旅の途中で出会った記憶喪失(?)の少女。年齢は不明だが、外見はフーケと同じくらい。
最初は言葉を話すこともできず、ただ保護されるだけの存在だったが次第に純粋な心を手に入れ、スティックを愛するようになる。
声優はスティックの恋人マリーンとの2役。


  • インビット
レイトウの導きにより地球へとやって来た生命体。
地球の自然を蘇らせるためにシャダウの心を持つとする人類を追放しようとしていた。
登場メカの原動力であるHBT感応レーダーを持っており、モスピーダやレギオスの出現にいち早く反応することができる。


【主な登場メカ】

  • VR-052F モスピーダ
タイトルにもなっているアーマーバイクであり、オートバイが変形して膝から上に装着するライドアーマーへと変形する。
設定上とても持ち上げられる重量ではないはずなのだが、レイやスティックは普通に動かしていた。


  • AFC-01 レギオス
可変戦闘機でアーモファイター(戦闘機)、アーモダイバー(中間型)、そしてアーモソルジャー(人型ロボット)の3形態に変形する。
いわゆる『超時空要塞マクロス』のバルキリーと同じような変形なのだが、こちらは人型ロボット形態時の機首の畳み方が逆である(背中側に折れる)。


  • バトル・ウォーマー
インビットの操縦するパワードスーツの総称。
物語が進むにつれ地球上の生物と似た進化を遂げ、最初は甲殻類のような形をしていたが、最終的にはレギオスに似た人型へと変形していく。
没案では最初は節足動物のような形態、つまり巨大ムカデのような状態から登場させる予定だったそうだが、さすがにNGとなったようだ。


【余談】

  • 登場する「HBT」は実は「GAS」をずらしただけである。
  • エンディングテーマや本編挿入歌はイエロー(松木美音)が歌っているという設定であり、コンサートシーン以外でも耳にする機会は多い。
    最終話ではなんとオープニングテーマもイエローが歌っているという設定が判明した。
  • アニメーターの金田伊功はオープニングと第1話のみ参加している。
  • 海外では『ロボテック』の物語の一つとして再編集されており、日本以上の人気を獲得している。
  • 2016年にはTOKYO MXでも夕方の時間帯で再放送された。なんと同時期には銀河旋風ブライガーも再放送されておりまさかの地上波の夕方帯で80年代ロボットアニメ二作品が放送されるという状況だった。なお、TOKYO MXの 公式Twitter でも#もしも5年前の自分に30秒だけ会えたらで、ブライガーとモスピーダを購入するチャンスがやってくるから、「古すぎて見る人いないんじゃないか」などと迷わず買って放送しとけ。ネットの人たちがちゃんと見てくれるぞ。とツイートしている。それを夕方の時間帯に放送するとはMXの編成の人度胸ありすぎ。



さよならが最後の優しさなんて

二人とも生まれる時代を 間違えたのさ

BLUE BLUE RAIN IN MY SOUL



追記・修正はレフレックス・ポイントにたどり着いてからお願いします。

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最終更新:2023年02月20日 22:44