趙公明(藤崎竜版封神演義)

登録日:2016/05/04 Wed 07:49:54
更新日:2024/02/24 Sat 02:28:04
所要時間:約 25 分で読めます


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趙公明は明代の志怪(伝奇)小説『封神演義』の登場人物。

中国の土着宗教・道教の神格であり、元は疫病の神とされたが
現在では主に財神(福の神)として信仰を集めている。

封神演義においては彼が現在の神格に封じられる(神としての役割を任ぜられる)以前の様子が描かれており、
主人公・姜子牙が支える国『周』と戦う現王朝『商』(殷)の太師であり
子牙の所属する仙界の派閥・『闡教(せんきょう)』と緊張関係にある『截教(せっきょう)』の道士でもある、
聞仲の道友として戦争に加勢した、同作のお約束である『敵側の強力な助っ人(仙人)』ポジションとして登場する。

凄まじい威力を持つ宝貝(パオペエ)(仙人・道士が使うマジックアイテム)を駆使し
周軍を大いに悩ませたが、味方サイドの助っ人・陸圧道人が齎した『初心者でも強い邪魔者をさくっと殺せる呪いのマニュアル』
『釘頭七箭書』に従い子牙のかけた呪いによって命を落とし、封神*1された。位は『金龍如意正一龍虎玄壇真君』

黒い虎に跨り、鋼の鞭(節のある棍棒)を武器とする勇猛な容姿で、剛毅かつ、友情に篤い人物であった。


この項目ではそれとは別に、安能務氏版の封神演義を原作とする漫画藤崎竜版封神演義の趙公明について説明する。





僕にとっては華麗に戦う事こそが全て!

目的があって戦うなんてナンセンスな事はしない!



人物



あらゆるキャラクターが少年漫画(あるいはフジリューのセンス)向きに
出る順番実力はおろか生死の結末まで別物に置き換えられていることが当たり前な漫画版封神だが、
趙公明も極めて強大な敵の助っ人という大体のポジションこそそのままだが、
異常にユニークかつ濃いアレンジが施されており、同作屈指のインパクトを持ったキャラクターに仕上がっている。

作中では邪心を持つ仙女にして妖怪である妲己に支配され非道の王国と化した殷を討つべく
長い雌伏の時期を経ていよいよ進撃を開始した太公望らの前に
金鰲十天君によって亜空間に封印され動けない聞仲の代わりに大きな壁として立ち塞がる。

仙人界の片肺である金鰲島(原典における截教サイド)出身の仙人であり、
金鰲島のトップ・通天教主の直弟子にして金鰲島の幹部である十天君以上の力の持ち主という設定。
その強さは妲己・聞仲と共に金鰲三強と並び称されるほど。

かつては妲己とともに*2通天教主の下で二大幹部として君臨していたが、
千五百年ほど前、退屈だからという理由で単身崑崙山に乗り込み、崑崙の教主である元始天尊に戦いを挑み敗北する。
*3
この事件により崑崙山と金鰲島の緊張関係は悪化。責任を問われた趙公明は、幹部の地位を剥奪され、
現在はタダの仙人として何人かの道士を弟子に取り今に至る。
しかし、その力は健在であり、動けば大勢に影響を及ぼしかねないだけの人物である。

ビジュアルは完全にギャグ。
少年ジャンプでは『リンかけ』『男塾』の時代からおなじみの『間違ったおフランス像』とでもいうべき、
ナポレオン時代の軍服を思わせる配色&デザインの道服(?)を身に纏った長身痩躯の美青年(無論仙人なのでめっちゃ長生きしてるが)。
カールした金髪碧眼の持ち主で外見は完全に西洋人(眉毛だけは黒い)。
趣味嗜好も(エセ)ヨーロピアンである。


性格

一人称は「僕」。自己主張が激しく人の都合には耳を貸さないくせに
妙に馴れ馴れしく芝居がかった口調がデフォルトで、
始終「はーっはっはっは!さあっ!〇〇しようじゃないか××くん!」といった調子である。

常にキラキラとした朗らかな笑顔を絶やさず、その立ち居振る舞いはまるでバレエのように優雅かつ躍動的(糸で吊ってることも)。
登場するたびに「ラー ラー」というフジリュー特有の無感情でパキパキした擬音によるコーラスや
どこからともなく当てられるスポットライトなどのクドい演出が入る。

性格はネアカ…というよりも完全な躁気質。目立ちたがりのナルシスト
いつも何やら楽しげでハイテンションな御仁*4
華麗かつゴージャスなものが大好きで妲己ほどではないが衣食住にはふんだんな成金趣味が見て取れる。
劇中では基本一張羅だがかなりの衣装持ちでもあり、遠出の際には着るものだけでスーツケース3個分に達する程*5
こうした外面上の共通点から妲己ともそれなりに仲良くやっているが、
逆に妲己を隙あらば抹殺してやりたいとすら考えている聞仲からは実力は認められているが明らかにウザがられており、
彼の仮眠室を勝手にリフォームするなどしてストレスの種にもなっていた。
「バカモン共が――――っ!!!」

これだけなら愉快かつカオスなお騒がせ男といったキャラクターで、それもまた真なりだが、
その本質は同じ『強い敵キャラ』でも
直接的な力の行使よりも裏からの策謀を巡らすことを好む妲己や、
鋼の信念を胸にシリアスかつガチな強さで押しまくる聞仲とはタイプの違う
背負うものも戦う理由も持たぬ愉快犯の戦闘狂。

1500年前の元始天尊への挑戦を見ても解るように目先の戦いが全てに優先し、
後先を考慮せずに行動に踏み切る超弩級の危険人物でもあり、
「楽しいから」という理由でゴージャスな闘技場を作っては人質をとって戦わせるという悪魔のような趣味の持ち主。
(この時点で相当なド外道であり、全く紳士的ではないのだが、
それを指摘されると「実は悪の貴公子ブラック趙公明だったのさーっ!」2Pカラーにチェンジして開き直る。

美学に沿って強敵と心行くまで戦うこと自体が彼にとっては至上の目的であり、
そこに打算や野望、大義名分などは存在しない。
太公望らに敵対するのも仙人界の対立構造や下界の易姓革命は関係なく、
単純に強そうで戦ってみたくなったからである。
クイーン・ジョーカーⅡ世号に会食の場を設けた時にも戦いに理由を求めること自体をナンセンスと言い放って憚らず、
太公望からは「面白いやつ! だが……何千年たってもおぬしとは意見が合わぬやものう」と返されている。
かつて元始天尊に負けた際も恨むどころかむしろ愉しげに再戦を虎視眈々と狙っており、さらには(一方的に)ライバルとして認定している。
元々元始天尊自身が(表面的には)派手で愉快な戦い方をするせいか*6感性としてはむしろ気に入られてしまったようである。

どうにも物事を演劇鑑賞のようなメタ的視点で見ているフシがあり、
太公望を破った暁にはこの漫画を完結させて自身の創った新たな作品を連載すると宣言したり、
性格に問題のある仙道を数多く弟子に抱えているのも、
「泣ける」「燃える」シチュエーションを演出しやすいやられ役を用意したうえで
理想的な戦いをプロデュースするためのようにも見える。
一度太公望を倒した時には涙を流していたが、それはあくまで泣ける映画を観て感動した時に流す類のものであり、
『封神演義・完』のスタッフロールが終わった時にはあっさり高笑いしていた。
これらの無神経な振る舞いからは命の重さや弱者の苦しみを一顧だにしない傲慢で不謹慎な本性が見え隠れする。

ただ、こうしたゲスな手練手管も『勝つため』ではなく、『相手に本気を出させるため』ために使っているのであり、
戦闘スタイル自体は正々堂々・小細工無用のストロングスタイルである。
また、シンプルな欲望の赴くままに動く様から脳筋にも見えるが、
劇中でも数えるほどしか存在しない、『歴史の道標』の存在及びその正体に勘付いている人物であることが仄めかされたり、
周が民衆まで巻き込む戦争になった時に「見損なったぞ!!」と憤る聞仲に「魔家四将らの破壊に対して民衆が怒った結果、太公望は仕方なくそうした」、と分析しつつ諫めたり、
「戦いにおいては戦術よりも戦略の方が重要だと思う」、と聞仲・張奎に提言するなど
要所要所では侮れないキレを見せている。『頭の回転が早いバカ』…とでもいうべきか。

因みに仙人界下から屈指の美貌と実力を持つ美人姉妹、雲霄三姉妹(クイーン・ビーナス・マドンナ)は彼の妹。
他者にあまり慈しみを見せない趙公明だが、死にぎわに彼女らの面倒をしれっと太公望に託したあたり、
肉親の情は普通に持っていたものと思われる。


作中の行動

崑崙山の打倒のため、聞仲に金鰲島の全権を与えるという通天教主の命令を伝えるため人間界に降りてきた。
しかし、この時点で太公望らとの戦いを望んでおり、金鰲島には帰らずそのまま勝手に禁城に居座ることに
(なお、聞仲のリアクションは「帰れ!」の一言だったが笑ってスルーした)。
しばらくの間は禁城で妲己とおままごとをして遊んだり、真面目な聞仲をからかったりして優雅なニート生活を過ごしていた*7が、
ある日、聞仲の側近である張奎(ちょうけい)*8「趙公明さま、あなたは何もしないからタダメシ食らいですね!!」と言われたことが契機となり
ちょっとした義理で周軍攻略に乗り出し始める。
まず手始めに生物兵器系の宝貝開発を得意とする召使い弟子ですの呂岳を刺客として送り込み、
大規模なバイオハザードで周軍を窮地に追い詰める。
さらに事件の解決後、妲己に依頼して武王や四不像など太公望の仲間数人を人質に取り、
自らの居城である『クイーンジョーカーⅡ世号』で弟子たちと共に華麗な戦いを繰り広げた。


豪華客船・クイーンジョーカーⅡ世号

趙公明の所有する巨大な船…のようなナニカ。
実際は仙人界における彼の本拠地である島*9そのものを持ってきてそう呼んでいるだけである。
中は全5段階の多層構造になっており、五重塔のように最下層から守護者を撃破して
上へ上へと登り詰めていく広大なバトルステージである。巨大迷路や落ちたら死ぬマグマ地帯など、
往年の少年漫画らしいトラップゾーンもそこかしこに仕掛けられており、趙公明の悪趣味が見て取れる。
各階層の守護者は趙公明の弟子だが、趙公明自身は『召使い』呼ばわりしており、
それぞれに貴族の爵位を授けて区別している。趙公明自身は『公爵』とのこと。
最上階ではゴージャスなディナーを摂れる大食堂があり、
『がんもどきのマスタード香草ソース ブルゴーニュ風』
『トーフ・ステーキ赤ワインソース』
等の専属のシェフが腕を揮ったフレンチ精進料理は太公望やスープーも絶賛の出来。
決戦のクライマックスには舞台装置として爆破・轟沈してしまったが、
趙公明は気にすることも無く大満足の様子だった。

―後に明かされるが、その名には重要な意味が込められている。


各フロアの守護者たち


1F・男爵


☆楊任(ようにん)

宝貝・『神の見えざる手』*10

趙公明の召使いで。クイーンジョーカーⅡ世号の第1階層の守護者。『男爵』の爵位を持つ。
楊戩以上の変化の術の使い手で、楊戩ですら出来ない聞仲や妲己、申公豹の完全な変化も可能。
さらには自分が知らない人間に変化することも出来き、その力で楊戩を圧倒した。

というのは真っ赤な嘘。
宝貝『神の見えざる手』の能力は変化ではなく、光によって相手の脳の一部を支配し記憶を見せる宝貝。
楊戩は自分が生み出した幻の敵を相手に勝手に自滅していただけ。

もとは殷の宮廷画家で、妲己の依頼で彼女のトレビアーンな肖像画を描くものの、
あまりに前衛的過ぎる自分の肖像画を見て激怒した妲己により両目をくり抜かれ失職。
死ぬ寸前で楊任の才能と髪型を評価した趙公明の外科手術によって仙人骨を植えつけられ、
さらに抉られた眼球の代わりに目に宝貝である『神の見えざる手』を移植されて趙公明の弟子になった。
能力がバレたことで戦意を喪失したため、そのまま封神されることなく見逃された。

その後、趙公明に倒された太公望を自身の生命と引き換えに救出し、封神される。

…原典においては真面目な文官出身で、清虚道徳真君の弟子。…つまり黄天化の後輩にあたる。
きちんと周軍サイドに仲間入りする味方キャラであり、広範囲に猛火を巻き起こし殲滅する強力な宝貝『五火神焔扇』を使う
かなりの強キャラである。
安能務のお気に入り。

2F・子爵


☆呂岳(りょがく)

宝貝・『瘟㾮傘(おんこうさん)』

趙公明の召使い。爵位は『子爵』。
陰湿かつ卑劣な性格のマッドサイエンティストで、細菌や薬物系の宝貝を操る。
趙公明からも『所詮暗く下賤な影のような物』とあまり良い評価はされていない。
初登場時には趙公明の刺客として殷に向け進行中の太公望の部隊に病原菌を放ち苦しめた。
その後、第2階層の守護者として再び現れた呂岳は、馬元と共に太公望たちの前に立ち塞がる。
が、最後は我に返った馬元の手に押し潰され封神された。

原典にいては趙公明とは師弟でも何でもないが、
本来疫神であった趙公明の病気属性はこいつが持っていったのでは? という説がある。
ついでに言うと原典では疫病も使うが筋骨隆々の大男で第三の目があり、しかも再登場時には三面六臂に化けるという、本人が怪物じみた容姿だった。


☆馬元(ばげん)

宝貝・『霊珠』

呂岳が開発した金鰲サイドにおけるの宝貝人間(霊珠をコアとして受肉した人造人間)。
最初は普通の人間姿で呂岳のことを父と慕っていたが、
呂岳に強くなる薬を投与されたことでおぞましい巨体の持ち主となり、知能も退行してしまった。
エネルギーのキャパシティの大きさにモノを言わせて宝貝の重武装でゴリ押しする哪吒と違い、
純粋な巨体とパワーで相手を叩き潰すモンスターに仕上げられている。
劇中の戦いでは途中で呂岳が施したドーピングで更なる異形化を遂げ、
理性無き完全な怪物と化したが介錯の意を込めた哪吒の一斉砲火で封神された。
彼と哪吒の戦いは非常に感動的で、趙公明も
「いい・・・・・・実に美しい戦いだったと思わないかい四不象くん。さすがは僕がプロデュースした戦いだ」
との感想を述べており、大変満足した模様。

なお原典では呂岳とは全く関係がない。
背は低いが大きな口から牙が生え、金色の目と鼻から炎を蛇の舌のようにチロチロ出している、という不気味極まりない見た目。
人肉を好んで食らう狂暴な妖怪で、背中から突然第三の腕を伸ばして獲物(人間)を引き裂き、肉と内臓をナマで食べるというR-18G一直線な「化け物」。
しかもその正体は中国妖怪ではなく、インド妖怪の「夜叉」だった、という異様に濃いキャラクター。当然感動シーンなぞはゼロ。


3F・伯爵


☆劉環(りゅうかん)

宝貝・『万里起雲煙(ばんりきうんえん)』、『火鴉壺(かあこ)』

第3階層の守護者。爵位は『伯爵』。炎の矢を放つ弓状の射撃型宝貝『万里起雲煙』
鳥型に変形して操れるマグマ状の宝貝『火鴉壺』など炎属性の宝貝の扱いに長ける。

外見は爽やかな雰囲気のイケメンだが、実は異常なまでに思い込みが激しい凶暴な性格で、
太公望曰く、「蝉玉以上に近視眼的で衝動的な男」
蝉玉が鳥嫌いになった原因で金鰲島では一目ぼれした蝉玉を常にストーキングしていた。

当初は想い人である(と一方的に思い込んだ)蝉玉と対戦し、圧倒的な実力差で彼女を嬲り者にするが、
作中味方サイドでも指折りの実力者である竜吉公主が飛び入り参戦したことで水の仙女である公主の実力に圧倒される。
切り札である火鴉壺さえ無力化された劉環は、自暴自棄になり蝉玉もろとも無理心中を図るが、土行孫の『土竜爪』を背中に受け封神された。

原典でも竜吉公主に瞬殺されているが、蝉玉とは何のかかわりもない。


4F・侯爵


☆余化(よか)

宝貝・『万刃車(ばんじんしゃ)』、『化血神刀(かけつしんとう)』

第4階層の守護者。趙公明の弟子であると同時に、殷の将軍でもある。爵位は『侯爵』。
殷の将軍をしていたのは彼曰く修行のためらしく、
そのせいで鎮国武成王(軍務の最高責任者)であった黄飛虎とは顔見知り。*11
数多くの武器を所有しているコレクターで余化自身よりも彼が持つ武器の方が厄介らしい。
上記の宝貝以外にも剣の妖精である飛刀(ひとう)を用いて黄飛虎に亡き妻と妹の幻を見せ不意打ちした。
封神の直前、原型である巨大な刀剣となり、決して癒えない呪いの傷を黄天化に負わせた。

原典だと、実は「戮魂幡」の持ち主。漫画版で通天教主が使っていたスーパー宝貝と同じ名前である。
ただし原典での通天教主は「六魂幡」を使っていた。あえて名前を取り換えたのであろう。

ついでに言うと上述した「飛刀」は趙公明を呪い殺した陸圧道人の持ち物である本人よりも武器のほうが厄介ってそういう……


☆丘引(きゅういん)

宝貝・『紅珠液(こうじゅえき)』

第4階層の「迷宮」を守る妖怪仙人の一人。要するにダンジョンのザコ。
巨大なミミズを操るミミズ怪人。元型はやっぱりミミズ。
ちなみにミミズは漢字で書くと「蚯蚓」。そこから虫偏を取ると丘引、というわけ。

原典では黄天祥を死に追いやったキャラクターであり、
「漫画ではどうなる!?」と一部の読者をハラハラさせた。


☆陳奇(ちんき)

宝貝・『?』

第4階層の「迷宮」を守る妖怪仙人の一人。 天化に瞬殺される。
原典では口から気を吐いて相手を気絶させる特技を持っているキャラ。
蝉玉の父・九公を討ち取ったり、同じ能力を持つ鄭倫と相討ち(双方同時気絶)になったりとそこそこ濃い。
ついでに鄭倫とは何の関係もないのに、能力だけならず持ち物・乗り物から配下の武器・装飾・数までそっくりだった。


☆高継能(こうけいのう)

宝貝・『蜈蜂袋(ごほうたい)』

第4階層の「迷宮」を守る妖怪仙人の一人。
床下に隠れながら宝貝『蜈蜂袋(ごほうたい)』を用いて
無数の蜂が入ったミイラを操り、太公望と黄天化を襲うが、
匂いから居場所を突き止められ黄天化に封神される。実際男塾めいたギミック野郎。

原典では逆に天化を死に追いやったキャラクターであり、
4Fで天化・天祥兄弟は原典における死亡フラグを克服してしまったことになる
(ただし、天化は余化の呪いによってまた別の死への宿命を背負うのだが…)。


5F



宝貝・『混元金斗』、『金蛟剪(きんこうせん)』

趙公明の妹たちで仙人界屈指の美貌と実力を持つ美人姉妹、
3人揃えば趙公明と同等な強さを誇る。
詳細は当該項目参照。


☆趙公明

爵位は『公爵』。その実力は…


所有する宝貝


映像宝貝

正式名称不明。自身の巨大な立体映像を何もない空間に投影する宝貝。
丸っこい石の台座に3連のライトがくっついたような外観をしている。
戦闘の役には立たない完全な演出用のツールで、無論こんなものは原典に出てこない。
こんなもんを造るのに1000年かけたらしい。アホか。
しかし趣味が近い妲己に気に入れられたのか、彼の封神後に回収されたうえで
彼女に有効活用されている。ちなみに妲己は自然と戯れる自分を演出しているつもりだったが
その立体映像には無数の野生のカラスが群がっていた。


縛竜索

コミックス10部の表紙イラストでも持っている、彼の基本装備。
乗馬用の鞭とフェンシングサーベルを折衷したような形状で、
華麗に揮うことで中距離までをカバーする衝撃波を発生させるシンプルな物理攻撃タイプの宝貝。
趙公明的にはあくまで小手調べの段階に用いる得物のようで、
太公望の実力を認めた際は惜しげもなく捨ててしまっている。
番外編「封神演義外伝」でも挨拶代わりに使っているが
この時は太公望との決闘時に増して大威力・広範囲・長射程になっており
太公望からも「この攻撃は聞仲なみだぞ」と言わしめた。

なお、原典では放り投げるとオートで敵をふん縛って捕虜にしてくれる縄の宝貝で、
これ以外にも同じ機能の宝貝は割とよく出てくる。



金蛟剪

本気を出した趙公明が用いる宝貝。
雲霄三姉妹が3人力を合わせて使っていたものと同じだが、実は本来は趙公明の所有物であり、彼が単独で使えばその威力は三姉妹のそれを遥かに凌駕する。
なお、彼が用いる際にはデザインが変化するが、なんだかマヌケなフォルムであり、
三姉妹が使っている時の方が見た目は強そうである。

その超絶的な効果ゆえに別格として扱われる7つの発掘兵器『スーパー宝貝』のひとつに数えられている。
攻撃手段は生体エネルギーのカタマリである巨大な龍を作り出し相手を呑み喰らわせるというシンプルなものだが、
それだけに純粋な破壊力は公式チートキャラである申公豹の持つ『雷公鞭』に次ぐ第2位。
しかも三姉妹の召還した龍がの2頭どまりだったのに対し、
趙公明のそれは七色レイボードラゴンであり、実質追尾機能つきの7条の極太レーザーといってもいい極悪な仕様になっている。
同じ生体エネルギーである打神鞭の風さえもムシャムシャ食べさせて無効化するなど、ガードは不可能。
また、トドメを刺す際は全ての龍を融合・一頭の巨大な龍*12にしてぶつけることで対象を圧し潰す。

趙公明撃破後に回収され、最終決戦仕様の哪吒に搭載されることになる。
『歴史の道標』との決戦では山河社稷図での特訓の成果もあって、哪吒は黄金の龍を出せるようになった。

原典では逆に妹が保管していたものを兄貴が「出入りに使うから貸してくれ!」
無茶を言って借り受けてきたという流れで登場した宝貝で、強力ではあるがちょっと経緯が情けない。

作品完結後に描かれた番外編「封神演義外伝」では3人の妹と力を合わせることでなんと一度に
九匹の龍を召喚して暴れさせていた。*13この作品における時間軸は単行本8巻あたりに相当するので
頭数さえ揃っていれば太公望との対戦時にも普通に使えたようである。*14
ただしこの状態は全員が龍の制御に集中していなければならず、
ビーナスが偶然発見した太公望に見とれていたために
制御を離れた龍が無差別に暴れ回り事態のカオスとインフレに拍車をかけていた。


原型

金鰲島の仙道は聞仲のような例外を除けばほぼ全員歳経た動植物が修行を積んだ『妖怪仙人』であり、趙公明にも妖怪としての原型がある(これは漫画版のみの設定)。
その正体は全長数㎞にも及ぼうかという規格外のサイズを誇る伝説の巨大花
顕現の寸前に一瞬だけ人間と妖怪の中間である半妖態も取っており、こちらは身体のあちこちから
不規則に枝を生やした姿で、彼にしては陰影の濃い凄みのある雰囲気を醸し出している。

彼の好むユリの花を思わせる花弁の他に、ニュー ニューと無限に伸びる枝葉や
地表に落下して即座に発芽・育成する種、食虫植物のように外敵を襲う器官など
様々な植物の要素が混ざり合った性質を持ち、
一度原型を現せば大地の滋養を吸いつくし、自身の森をどこまでも拡げながら周囲を死の荒野に変えてしまう。
当初は植物ゆえの怪物性を見せていたが、実は趙公明本人の理性や人格は据え置きであり、
この時点でも闘争心がより顕著にこそなってはいたものの華麗な戦いを好む本質は変わらなかった。
なお、本調子になると花弁が開花するのだが、
そこには人間態の時とまったく同じ目や口がくっついており(厳密には『そういう模様が花びらに浮かんでいる』)、
目撃した蝉玉は恐怖に絶叫した。

その馬鹿げたサイズと再生能力ゆえ、末端からちまちま攻撃してもらちが明かないという
天然の要塞ぶりで太公望らを圧倒したが、植物ゆえにその場から動けない/攻撃を回避できないという弱点もあり、
復活の玉の影響で一回りパワーアップし修復された太公望のNEW・打神鞭によって
はるか上空の中間圏から極低温の大気をかき集めて吹きつけるという大技を受け、
丸ごと氷漬けにされて粉砕、封神された。

彼の封神は、天から無数の天使に迎えられながら光に包まれて昇天するという特別仕様であり、
散り際までもゴージャスで規格外な男であった。

なお、趙公明自体はこの時死亡したが、戦場跡から彼の種子から芽吹いた一輪のユリが発見され
彼の形見として三姉妹に大事に育てられている。
発見時は本当に細いユリの花そのものだったが、後日再登場した際は成長して花はそのままに
樹木のように太い幹を備えた奇妙な植物となっていた。


作品完結後に描かれた番外編「封神演義外伝」では
時空を彷徨う生態を持つ胡喜媚の弟・孔宣*15の定期的ストレス解消に付き合うべく、
喜媚の姉であり彼女らの性質を熟知した妲己がタイミングを前倒しする形で
雲霄三姉妹ともども招待、理由もなく最大パワーで大暴れできるこの「祭」は彼の最も得意とする分野であり
水を得た魚の如く嬉々として参加し、凄まじい勢いでカオスを増大させていた。
この非常事態を鎮圧すべく崑崙山側では十二仙全員を緊急出動させるという大盤振る舞いに踏み切り
事態はいよいよ途轍もないエスカレートを見せていく…


アニヲタくん・・・
トレビアーンな記事をありがとう・・・
キミは僕の項目を立てるにふさわしい相手だったよ・・・

「!?」

「あ、天使!」

諸君さようなら・・・
天からお迎えが来たようだ・・・
僕は封神台に行かなければならない・・・・・・

ラーラーラー

ラーラー

ちなみにアニヲタくん!
残された項目の追記・修正はよろしくたのんだよ!!

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最終更新:2024年02月24日 02:28

*1 神に封じるためには一旦死なせた上でその魂魄を待機所である『封神台』に移さねばならない。

*2 聞仲は殷の太師としての使命を優先しており仙界との繋がりが他の二名に比べると薄い。加えて聞仲の年齢は三百歳ほどであり、彼が妲己とともに最高幹部だったころはまだ生まれてさえいなかった。

*3 当初は金鰲島と崑崙山の仙人を選抜した術比べと称した実質的な全面戦争を悪びれもせずに通天教主に進言。これには通天教主はおろか、自身の計画を妨害されたくない妲己にすら苦言を呈される… が、自分一人が個人的に行くなら何の問題も無いと自己正当化し単身崑崙山へ侵攻した。 あの妲己から放埓さ加減を戒められるというあたり、彼の図抜けた精神的妖怪性が見て取れる

*4 一応アフタヌーンティーをゆっくりと愉しむ程度の落ち着きはある。妹のクイーンの回顧によるとロイヤルミルクティーが好きだったとか。

*5 ちなみに妲己ちゃんは24個。

*6 回想で趙公明が負けたシーンの決まり手は額の宝貝からの『元始ビーム』というめちゃくちゃなもの

*7 一応は妲己と聞仲の仲裁役という立ち位置。妲己は「我らと同レベルの彼ならあなたも納得できるはず」と発言している

*8 彼も道士

*9 この作品における仙人界は空中に浮かぶ浮遊大陸や小惑星のようなビジュアルであり、仙人の暮らす『島』や『山』と呼ばれるモノも外観は『石造りの巨大オブジェ』といった趣である。

*10 原典では『掌中目』。

*11 もっとも余化が妖怪仙人だということには気付いていなかったようだが

*12 実際は龍というか奇怪な節足動物じみた形態である。

*13 龍のデザイン自体は一般的なもので色は九匹ともスミ一色で描かれている。

*14 しかも数時間連続で使用したうえにそこからさらに数時間経っても依然として元気に暴れ回っていた

*15 原典にも登場する人物だが「鳥の妖怪」という共通点があるだけで本来は喜媚とは全く関係はない