墓場鬼太郎

登録日:2016/04/10 Sun 22:26:23
更新日:2024/02/29 Thu 10:10:40
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墓場鬼太郎(はかばのきたろう)


『墓場鬼太郎』は1960年代に兎月書房との契約により水木しげるが執筆をしていた貸本漫画作品。
及び、三洋社、佐藤プロ、東考社で執筆された漫画作品である。
後に講談社の『ゲゲゲの鬼太郎』の元となった作品として知られ、月刊漫画ガロに掲載された「鬼太郎の誕生」と「鬼太郎夜話」は、この『墓場鬼太郎』のリメイク作品である。

各シリーズの項目はこちらを参照


当初、アニメの第1シリーズをこの題名で放送する予定だったものの、「墓場」というタイトルを付けることにスポンサーが難色を示した為に、実際にアニメ化されるまでには『悪魔くん』を挟む等して、三年もの時を費やした。
タイトルも最終的には“ゲゲゲの鬼太郎”へと変更され、それ以降の漫画タイトルも『ゲゲゲの鬼太郎』に変更されるという経緯があった。
これが、現在まで長くシリーズ化されるアニメ・ゲゲゲの鬼太郎の始まりである。


そしてそれから40年後の2008年、なんと「墓場鬼太郎」としてフジテレビ系深夜のノイタミナ枠でアニメ化。制作は東映アニメーション。
逝去までを目玉のおやじとして過ごした田の中勇の他、鬼太郎役に野沢雅子、ねずみ男役に大塚周夫と、
第1~2期のアニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』のオリジナルキャストが復活した事も話題となった。


現在でこそ『ゲゲゲの鬼太郎』の元祖として知れ渡っている本作だが、連載当時は割と不遇で、複雑な経緯を経て執筆と刊行がされてきた歴史がある。

鬼太郎と云うと、今や誕生から半世紀以上が経過し、復活する度にその時代時代の子供達に“ヒーロー”として記憶されるキャラクターだが、元々は水木しげるの怪奇趣味を全面に押し出した本当の意味での只のお化け漫画だったのである。


【刊行の記録】


■兎月書房版

戦後、紙芝居作家をしていた水木は兎月書房の薦めもあり、原作・伊藤正美、作画・辰巳恵洋で『子育て幽霊』ベースの復讐譚である
戦前の紙芝居作品『墓場太郎(ハカバキタロー)』を『蛇女房』ベースに翻案し主人公の名を“太郎”としたオリジナル作品を描いていた。
この紙芝居は全体的には余り人気は出なかったとの事だが、後に貸本漫画家に転身。
60年から、兎月書房の刊行していた怪奇漫画集「妖奇伝」に『幽霊一家』を執筆。
これが、現在までに知られる『鬼太郎』の始まりとなった。

『妖奇伝』は不人気から廃刊に追い込まれたが、熱心な読者からのファンレターが届いた事で『鬼太郎』は延命。
「鬼太郎に関しては自由に描いていい」とのお墨付きを得た水木は、その名も『墓場鬼太郎』誌にて、執筆を続行する事となる。
しかし、第3巻までを描いた時点で経営不振により兎月書房からの原稿料が支払われなくなってしまい、憤慨した水木は兎月書房を飛び出して声をかけてくれた長井勝一(後の「ガロ」編集長)の三洋社に連載を移した。

……しかし、水木が飛び出した後で兎月書房は竹内寛行を執筆に立てて原作・伊藤正美、作画・竹内寛行で『墓場鬼太郎』の連載を続行
これについても当然のように水木は激怒したとも伝えられるが、知己の竹内自らの了承を求める声や、前述のように『鬼太郎』が水木一人の創作では無いと云う理由からか“黙認”と云う体裁で連載が続行されたのだろう、との予想がされている。

因みに、竹内版『墓場鬼太郎』は『ゲゲゲの鬼太郎』に先駆けるようなエンタメ路線で其なりに好評を博し、水木版以降4~19巻分も刊行されたらしい(※ただし、絵のレベルや質、コマ割りの読み辛さといった点で子供向けとしてならともかく、漫画としては水木ファンからの評価は低い)。
後に水木と兎月書房は和解。
62年には水木の執筆により「怪奇一番勝負」と「霧の中のジョニー」が掲載されたが、兎月書房は間もなく倒産してしまっている。

さて、水木が去った後も刊行されていた竹内版だが、件の水木と兎月書房の和解の条件として「原稿料の精算」と「竹内版の終了」が提示されたとされており、実際にこれを機に刊行が終了。
現在までに水木版は『ゲゲゲの鬼太郎』の元祖として幾度も刊行されているのに対して、竹内版は正式な形での日の目を見ることが出来ないままとなっている。

●妖奇伝
  • 「幽霊一家」
  • 「幽霊一家 墓場鬼太郎」
●墓場鬼太郎
  • 「地獄の片道切符」
  • 「下宿屋」
  • 「あう時はいつも死人」
  • 「怪奇一番勝負」
  • 「霧の中のジョニー」


■三洋社版

兎月書房版の3巻以降の物語となっており、4巻が刊行。
兎月書房版から三洋社版までが『鬼太郎夜話』と呼ばれる一連の物語の原型となっている。
しかし、5巻目の「カメ男の巻」を出す際に三洋社の社長が入院してしまい、どさくさの中で原稿が丸々紛失してしまったらしい。
●鬼太郎夜話
  • 「吸血木と猫娘」
  • 「地獄の散歩道」
  • 「水神様が町にやってきた」
  • 「顔の中の敵」


■佐藤プロ版

1964年に刊行。漫画家佐藤まさあきのプロダクションから発売された作品。
読み切り作品として3作が発表された。
  • 「おかしな奴」
  • 「ボクは新入生」
  • 「アホな男」


■東考社版

1964年に刊行。
東考社の代表は桜井昌一*1
  • 「ないしょの話」

※佐藤プロ版や東考社版の頃には、鬼太郎の見た目もかなり可愛くなっている他、不気味さが減って人助けをするようになっている。


■週刊少年マガジン版

65年に『墓場の鬼太郎』と改題して「手」が不定期掲載されるも、まったく人気が出ず3話で打ち切りも検討される。
しかし、貸本漫画時代のファンや学生からのファンレターにより打ち切りを回避。
人気獲得の為にアニメ化を目指すも、タイトルの縁起の悪さから敬遠されて失敗。
この時の東映との話し合いで生まれたのが、エンタメ路線の『悪魔くん』となった。
『悪魔くん』は実写ドラマ化もされる等、人気を獲得して水木の名声もメジャーに。
そうして、67年から正義の味方路線に方向性を改めて正式に連載を開始、改題されたのが『ゲゲゲの鬼太郎』である。


■月刊漫画ガロ版

68年から三洋社を前身とする青林堂の「月刊漫画ガロ」にて、貸本漫画時代のリメイクである『鬼太郎の誕生』と、三洋社版を基にした『鬼太郎夜話』が連載された。
上記の様に、同時期には週刊マガジンを初め、早速アニメ化もされていた『ゲゲゲの鬼太郎』は児童誌にも登場する子供達のヒーローとなっていたが、青年誌の世界では闇の住人としての顔を忘れていなかったのである。
『鬼太郎夜話』のタイトルで纏められた場合は、此方のガロ版の方が収録されている。


■アニメ版

冒頭参照。全11話で「おかしな奴」・「ないしょの話」は未アニメ化となっている。
ちなみに「おかしな奴」のブロットは後に『猫仙人』・『陰摩羅鬼』、「ないしょの話」の基礎設定は『大海獣』に流用されており、
ネタ被りの他、共に「他の貸本作品」と接続するには無理のある設定がある事もアニメから省かれた要因かも知れない。

OP:モノノケダンス(歌:電気グルーヴ)
ED:snow tears(歌:中川翔子)


【主な登場人物】


本作の主人公で幽霊族の末裔。
墓場から生まれてきた片目の子供と云う設定だが、最初から片目の場合と、ガロ版のように水木に潰されてしまったパターンがある。
初期作品では『ゲゲゲの鬼太郎』時代に比べると醜い容姿で、人間に対しても一切の同情を持っていない。
それどころか、身を粉にして己を育ててくれた水木には恩を感じるどころか仇で返し、助けを求められてもあっさりと見捨てている等酷いものである。
後には、作風の変化と共に人助けをするようにもなるが髪の毛針の様な超能力の類いは使っていない。

2008年のアニメにて、1971年の第二期以来、久しぶりに鬼太郎を演じた野沢は、
かつての鬼太郎とはかけ離れた悪どい性格で、醜く描かれた鬼太郎を「カワイイ!」と受け入れた上に、芯は変わっていない、と評している。
……野沢さんの優しさは底無しです。

病により死んでしまった鬼太郎の父親の目が子を思う執念から、目玉のみで生き返ったもの。
幽霊族の末裔として豊富な知識を持っており、鬼太郎の危機を救う。
目玉のおやじは漫画だと割とひどい目に遭うことが多いのだが、それは『墓場鬼太郎』の頃から変わっていない。
尚、目玉のみになる以前はミイラ男のような姿をしているが、あくまでも病気の為であり、本来の姿は不明である(不気味だが人間に近い容姿だったと思われる)。

薄汚い衣に身を包んだ、ねずみの様な容姿の男。
当初は四代目吸血鬼(ドラキュラ)の下男として登場した。この頃は後期と違って本当に鼠そのものの顔をしている。
自ら「怪奇大学不潔学科」卒業の「なまけ学」の博士号を持つ怪奇愛好家と嘯いている。
シリーズを代表するトリックスターで、キャラクター紹介では「常に鬼太郎に敵対する運命にある男」とも。
実は彼こそが、後に「人間へのお仕置き」として行使される幽霊電車の最初の標的だった。
作者自身が『鬼太郎』の中でも特にお気に入りと語る、水木しげるを代表する名キャラクターだが、モラルに欠ける存在だからか竹内版ではあっさりと退場させられてしまっている。

  • 水木(CV:大川透)
血液銀行の調査員をしている若いサラリーマン。
自社の製品に混入していた「幽霊の血」により、生きる死者と化してしまった患者の事件を調査する中で、血を売った張本人である隣の古寺に引っ越して来た謎の住人=幽霊族の夫婦=鬼太郎の父親(CV:郷里大輔)と母親(CV:鈴木れい子)に出会う。

妖怪夫婦の頼みを受けて、クビになるリスクを負いながらも見逃そうとしたのを皮切りに、後に死んでしまっていた夫婦を埋葬する、墓から這い出して来た鬼太郎の親代わりになる(反対した母親も説得する)等、鬼太郎一家との関係をいやいやながらも真摯に取り組み苦労している好人物なのだが、
好奇心と責任感から生きながらに地獄送りになったり、再会した後も鬼太郎の面倒を見ていたのに、アニメでは水神の襲撃の際に鬼太郎に見捨てられたりととにかく報われない。正直鬼太郎親子の恩人にして被害者である。
鬼太郎は水木のことを「金づる」と呼んでいたが溺れたときは命がけで助けてくれ、生活が苦しいのに腹を空かせた鬼太郎がかわいそうでお金をあげたのにあんまりである。

その最期は水神に襲われるという悲惨なもの。全身が泡で包まれており、他の被害者のように直接的な溶解描写ではないことで、TV放送版では辛うじて生死不明な形に終わっているが、BD版では服だけでなく骨まで溶かされていることから死亡したと思われる。
この水神の暴走を招いたのは鬼太郎なので、水木の死は鬼太郎が原因なのだが、彼は顧みることさえないのだった。

佐藤プロ版の「おかしな奴」は、水木自身が血液銀行の調査員であった頃からの物語を回顧するという体裁になっている事で、実は生存していたらしき事を示唆しているが、このエピソードのアニメ化はなされておらず、結局のところ原作・アニメ共に、水木の消息は不明なまま現在に至っている。

名前つながりか、佐藤プロ版では作者本人の設定が混ざっている。
母親(CV:真山亜子)が居たが、水木が行方不明になった際に、元凶である鬼太郎を殺そうとした末に狂人になってしまっているが水木は知らないままである。

ハンガリーから日本に渡ってきた西洋の大妖怪。ねずみ男を下男として日本に潜伏し人間の血を狙っていた。日光は平気。
原作漫画ではカタカナ表記の片言の日本語だが、ガロ版やアニメ版では流暢にしゃべる。
ガロ版では対牛鬼の為にねずみ男が何処かから連れてきて相討ちになる、と割と酷い扱い。
後の『ゲゲゲの鬼太郎』で夜叉が再登場した時には、どういうわけだかドラキュラ四世の姿に化けていた(本体は髪だが、取りついていた肉体がドラキュラ四世に似ていて、更にジョニーの設定でアレンジしたのかギターを奏でている)。

  • 夜叉(CV:堀秀行)
千年前に中国から渡った大妖怪。巨大な髪の毛の塊のような姿をしている「東洋の吸血鬼」。
鬼太郎の魂を抜き取って支配下に置き、特殊なバイオリンの音色で人々を誘い出しては血を吸っていた。その犠牲者は数え切れないほど。
活動の拠点を大阪の廃屋から東京の「下宿屋」に移していたが、下宿してきたのがよりによってドラキュラ四世。
東西の吸血鬼の一騎打ちは凄絶を極めたが相打ちに終わる。その亡骸からは「吸血木の芽」が……。
ガロ版では牛鬼に置き換えられており、同じく吸血鬼(ドラキュラ四世)と相討ちになる。
『ゲゲゲの鬼太郎』では改題作でおどろおどろ(おとろし)に置き換えられている。また、別エピソードでのおどろおどろが夜叉に似た特徴を持つ妖怪となっている。

なお、夜叉は『ゲゲゲの鬼太郎』に改題してからもしばしば登場し、アニメでも序盤の強敵として常連となっている。

時系列的には元祖の猫娘だが、長い黒髪に長身で手足が長い美少女……と、後の猫娘とは大きく容姿が違う。
東京に出てきた鬼太郎と水木らが間借りしていた下宿屋「ねこや」の娘で、鬼太郎の小学校でのクラスメート。
天保時代からの老舗の三味線職人の家系に生まれた為か、美少女にもかかわらず猫の呪いにより、猫の好きな物(ネズミや魚やねずみ男)を見ると、猫の様に狂暴になって襲いかかり、獲物を食べるまで戻れない性質を秘めている。
このことからわかるが彼女自身は人間の両親から生まれた純粋な人間で、一種の「狐憑き」のようなものらしい。
後に、自分の性質を知っても怖れなかった鬼太郎を頼りにするようになり、いい感じに。
トランク永井を頼りに(代役として抜擢されて)猫なで声を生かした歌手としてデビューして人気を獲得するが、鬼太郎の座を狙うニセ鬼太郎の策略により死んでしまう。
三洋社版、ガロ版ではいずれも鬼太郎とは哀しい別れをしていたが、69年に「別冊少年マガジン」に掲載された「ねこ屋のきょうだい」では妖怪病院に入院して猫化を克服。ようやくハッピーエンドを迎えている。

  • ニセ鬼太郎(CV:伊倉一恵)
鬼太郎に瓜二つの容姿の子供で、妖怪である鬼太郎とは違い日本国の国籍も持つ歴とした人間。本名不明。
自分にそっくりで人気者の鬼太郎を嫌っている。
自らがその身分を乗っ取る為に鬼太郎を無力化するべく、ねずみ男と手を組み霊毛ちゃんちゃんこを奪い、邪魔な寝子までも殺害した。
ちゃんちゃんこの力で死ぬことも出来ないままに地獄で途方に暮れていた所で、目玉と死者になった寝子に救われ、反省して頭を丸める(しかし鬼太郎とは仲が悪いままだった)。
鬼太郎との違いは両目があるのと、ニセのちゃんちゃんこの模様が市松模様なこと。
後に水神に捕食される。
「ねこ屋のきょうだい」では寝子の兄となっており、役割が逆転している。

  • トランク永井(CV:ピエール瀧)
モデルはフランク永井。
アニメ版ではトランプ重井。
流行歌手で、運悪く眠りながら活動する奇妙な男(ねずみ男)と終電で一緒になってしまったことから吸血木の実験台として選ばれてしまい、芽を植え付けられた末に自分が吸血木と化してしまった。
後に吸血木の果実から再生して鬼太郎達に救出される。
ガロ版では三島由美夫に変更されている。
トランクは再生と共に子供並の体格に縮んでしまったが、三島は無事に再生できている。

  • ビート族の男
ガロ版ではナンダカ族の男。
寝子を失い、傷心の末に自棄になっていた鬼太郎が出会った飄々とした自由人で、戯れに鬼太郎に駅で人を突き落とさせる隙にスリをしたりと悪戯を仕掛ける。
世の中に退屈していると嘯く彼の為に鬼太郎はお化けのすき焼きパーティーに誘うが……。
割と重要なキャラクター(預金通帳的な意味で)だが、アニメ版ではオープニングに登場したにもかかわらずモブ扱い(鬼太郎の喫煙が原因なのかもしれない)。

千年以上を生きるが、科学の発展に伴い落ちぶれてしまっていた、のちの小豆洗いかあまめはぎのような見た目の古妖怪。
ねずみ男と鬼太郎と知己になり、自分の借金を見逃してもらう代わりに鬼太郎を水神の下へと案内した。

  • 水神(CV:川津泰彦)
透明で液状の細胞を持つ大妖怪で、自分の体を水に潜り込ませる事で自在に操ることが出来る。
物の怪と同じく、数十年前に森脇社長=アニメでは脇森社長(CV:川津泰彦)に借金をしており、膨れ上がった利子の取り立てにやって来た鬼太郎に眠りから醒まされた上に侮辱された事で激怒。しかし、鬼太郎に襲い掛かる寸前にしびれ薬で動きを封じられ、逆にビニル袋で捕獲されてしまう。そのままゼリーに加工されそうになるが、能力で袋を融解させ、蒸発したふりをして脱出。
解放後は鬼太郎への憎悪のみを行動原理として動き、豪雨を降らせて大洪水を起こし家ごと鬼太郎を生け捕りにする・水源を汚染して水道菅から体内に侵入するなど、異常なまでの執着心で執拗に付け狙う。
「神」と称されてはいるが、余りにも強大かつ凶悪な性格の為に畏怖されてきただけの話で、作中では鬼太郎を探す途上で関係のない多くの人間を犠牲にした。東京を丸ごと水底に沈めるという圧倒的な力もさることながら、本体も蒸発した程度では気化するだけで死なず、物理攻撃を一切無効にするばかりか触れた物のほぼ全てを瞬時に溶かすという恐ろしい能力を持ち、誇張抜きに鬼太郎シリーズの中でも最強レベルの妖怪である

しかし、高熱や冷却などの温度変化には弱く、人狼のツテによる軍の現代科学の力(三洋社版=石油による火葬 ガロ版=ドライアイスによる凍結後、セメントに混ぜられる)によって、あっさりと退治された。

実は設定を変更しつつもアニメ版「ゲゲゲ」に登場したことがあり、やっぱり猛威を振るっていた。

  • ガマ令嬢(CV:川浪葉子)
口がチャックになっている妙齢の女性。ニセ鬼太郎いわく「バケモノじゃねえか」だが、いったい妖怪なのかなんなのか等、とにかく不明。
隣人のねずみ男と人狼に惚れられていたが、鬼太郎により密かに逃がされる。

  • 人狼(CV:宝亀克寿)
英国からやって来た紳士だが、実態は母国を恐怖に陥れた妖怪。
因みに、読みは“ひとおおかみ”である。
インテリで、人間としても英国軍とのコネクションを持つが、満月の夜には獣としての本性を現して暴れまわる。
水神襲撃後に目玉を人質にとられてしまい、ねずみ男の奴隷となっていた鬼太郎とは隣人として出会った。
鬼太郎に恋敵であるねずみ男の邪魔をするように働きかけ、自分とガマ令嬢の仲を取り持つことを条件に水神退治に協力した。
ガマ令嬢が消えた後で鬼太郎に騙されていたことを知り、ねずみ男と共に鬼太郎に復讐しようとするが……。
なお死に方は貸本版&アニメ版とガロ版で異なり、貸本版では幽霊電車に乗せられ飛び降りるも打ちどころ悪く死亡、ガロ版では「怪奇一番勝負」の被害者の如く鬼太郎の手に翻弄され力尽きた。

フランスからやって来た吸血鬼。「霧の中のジョニー」の二つ名を持つ大妖怪。
ギターの音色で相手を魅了して操ってしまう力を持つ。
えらい奴を征服する快感を味わいたいという理由で、血の味よりも名士や強敵を倒すことに意欲を燃やす。
後の改作ではエリートやチャランポランに名前が変更されている。

先祖代々ブリガドーン現象を研究してきたフランス人学者。
ブリガドーン現象の中にいる妖怪達のリーダーでもあり、人工的にブリガドーン現象を発生させて調布市を乗っ取った。
『ゲゲゲの鬼太郎』での改作「朧車」では、画図百鬼夜行にも描かれている妖怪ぐわごぜ(元興寺)に置き換えられている。

  • カロリーヌ(CV:江原詩織)
ガモツ博士の娘で、鬼太郎とねずみ男を虜にした。
目玉からは吸血鬼と疑われている。
作品によって普通の性格の場合と悪女の場合がある。

ブリガドーン現象の解明の為にチベットから呼び寄せられたラマ僧で千里眼の持ち主。南方妖怪ではない
額に第三の眼があるインパクトのある姿だが、実は見通しただけで解決には何の役にも立っていない。
アニメ版ではトムポに改名。担当声優の京極氏は4期一刻堂を演じた。


【余談】

  • ドラマ『ゲゲゲの女房』でも一部原稿が登場している。


  • 2008年のアニメ版では、流石に原作にあるような鬼太郎の飲酒や喫煙の描写、チンポの名前、……等は自重された。ただシリーズ構成の成田良美は喫煙描写等を本当ならやりたかったので交渉はしていたそうである。

  • アニメ版主題歌の「モノノケダンス」は癖になる名曲として有名。しかし、楽曲を提供した電気グルーヴはエンディングのつもりで作ったのに主題歌になってて驚いたらしい。





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最終更新:2024年02月29日 10:10

*1 水木作品の常連キャラ「サラリーマン山田/眼鏡出っ歯の男」のモデルで、弟で「劇画」創始者の一人である「辰巳ヨシヒロ」は後の「新編ゲゲゲの鬼太郎」にて水木の作画補佐を行った