山村ミサオ

登録日:2015/10/17 Sat 09:45:38
更新日:2024/04/21 Sun 03:23:58
所要時間:約 10 分で読めます




名探偵コナン』の登場人物。



□概要

群馬県警刑事部捜査一課に配属されている刑事。年齢は推定20代。
ヒョロッとした頼りない風貌の人物でオデコが広め。幼少期は坊っちゃん刈りだった。
本来は作者がチョイ役程度で登場させたキャラだったが、担当声優の古川さんの声を作者が気に入ったため、徐々に原作でも出番が増えていった。古川さんもこのキャラを結構気に入っているようだ。
ちなみに彼の独特な喋り方*1は広川太一郎さんをイメージして書いているらしい。
自称のあだ名は「山さん」で、読者からもよくそのあだ名で呼ばれている。
名前の由来は『キャサリンシリーズ』などで知られる推理作家「山村美紗」から。


明るい性格でお調子者だがかなりのおっちょこちょい。
そのうえ肝心の推理力はお世辞にもいいとは言えず、たまに「この人本当に刑事か?」と疑いたくなるようなトンチンカンな発言もする事がある。
洞察力や観察力も低く、現場が自殺や事故にしか見えない時には殺人の可能性を考慮せずにさっさと捜査を切り上げようとする困ったところもある。
おまけに後述の工藤有希子を始め、メインキャラやその身内(小五郎園子京極)を怪しんで犯人扱いすることも多い*2
なので江戸川コナンたちから度々「ヘッポコ刑事」と呼ばれており、彼が事件の担当になった際に露骨にガッカリされる事もしばしばある。
勿論本人に悪気はなく、『迷いの森の光彦』では自分の不甲斐なさを嘆いた事もあるが、その時は探偵団に励まされすぐに立ち直っていた。
だが稀にそのトンチンカン発言が事件解決の糸口になったりする事もある。

□活躍

初登場は第14巻収録の『追いつめられた名探偵! 連続2大殺人事件』。
この時はまだ一課に配属されたばかりの新米で、ヘッポコというより経験がなくどこか頼りない刑事という印象であり、言葉遣いも普通であった。
コナン(新一)の母親である有希子が主演した連ドラ「アブない婦警物語」に影響されて刑事になったらしく、この事件で憧れの有希子と出会う。
だがその時にアリバイがないというだけで有希子を疑った為、彼女から「ヘッポコ」呼ばわりされる事になった。
この事件でコナンに「他に適任がいない」*3という理由で探偵役に抜擢され、腕時計型麻酔銃で眠らされ事件を解決に導く。
以降も他に探偵役がいない場合や、「エイリアンの仕業」などというとんでもない理由で捜査を終了しようとしていた時に眠らされるようになる。
ちなみに2024年現在で探偵役として眠らされた唯一の警察関係者であり、コナンが彼の声で推理を披露しているときはイケメンボイスになっている。

なお、この事件の際の有希子がついた嘘のために、山村はコナンを「有希子の第二子」と思っている。
後の事件で遭遇した際に、蘭や小五郎らの前で「この息子…」と口にしようとしたが、コナンが必死で「ムスーッとしたおじいさんが犯人だったんだよね!?」と口を挟んだため誤魔化された。
それ以降の登場ではその事について触れない為、当人も周りも認識の差異に気付いていない様子。

毛利小五郎のファンであり、眠りの小五郎の推理をビデオに収めて一課のメンバーとそれを鑑賞しようとしていた事もある。
だが、何の説明もなくトリックの実験台にされた時は「こんなんで人が死ぬかってーの」と彼の推理を疑いながら実験に付き合っていた事もあったりする。
一方、小五郎がいない時にはコナンの助言を聞こうとせずつまみ出そうとする事もあり、コナンに「小五郎のおっちゃんと変わらない」と思われた事がある。
割れない雪だるま』の時には「飲み会に参加したいから」という理由で早々に捜査を切り上げようと、阿笠(コナン)の推理に聞く耳を持とうとしなかったので、「このほうが早そうだから」という理由でコナンに眠らされ探偵役になっていた。

コナンが彼の声を借りていくつも事件を解決したせいか、劇場版『漆黒の追跡者』にて遂に警部に昇進した。




遂に警部に昇進した。



※凄く大事な事なので2回言いました。


ご存知警視庁の目暮十三警部や切れ者で知られる長野県警の大和敢助警部と同等、佐藤美和子警部補や高木渉巡査部長よりも上の階級に、あろうことか彼もなっちゃってくれちゃったりしてしまったのだ。
初登場時はペーペーだったので、作中で同じく警部に昇進していた白鳥任三郎横溝参悟を上回るスピードで出世している事になる。
一応言っておくと、実際の警察の制度では山村が本当に切れ者であったとしても、この年齢で警部に出世するのはまず不可能。
もし昇任試験を受ければ必ず突破できる天才でも、階級が上がってから 数年 は次の階級の昇任試験受ける資格は与えられないため
巡査長から警部補になるのに早くて1〜2年、警部補から警部になるにも同様に時間がかかり、しかもそれは理論上の話なので普通は何年も試験に落ちてやっと合格する。
そして『コナン』の世界は 大人の事情 のため数百もの事件が発生しても 実際の時間はあまり経過していないことになっている ので
かなり贔屓目に見ても刑事の資格を得て一課に配属されてから一年くらいで 警部になっているやべー奴 である。

なお、いわゆる「キャリア組」なら20代で警部はありうるのだが、キャリア組の場合は警察入省後2年でほぼ自動的に警部になる為、もし山村がキャリア組だった場合は逆にありえないほど出世が遅いことになる。こっちの方がしっくりくる。
いずれにせよ、現実と混同しないようにしてほしい。

この設定は原作にも逆輸入され、コナンからも「このヘッポコが警部とは…」と心の中で突っ込まれていた。
もしかしなくてもコナンが探偵役にしたせいでは?
現実の群馬県警が怒らないか心配である。
警部になったのを期に自身の特徴的な口癖を直そうとした事もあったが、いつの間にか元に戻っていた。

警部になっても相変わらずだが、昇進で浮かれていたからか、昇進して間もない頃はそのヘッポコ振りに拍車がかかっていた。
警察手帳を指名手配犯の前にうっかり投げ出した事で相手を不用意に刺激してしまいショッピングモールが騒然となったり、
現場の様々な不振な点も密室だったから関係ないと見なして殺人を自殺と勘違いして捜査を切り上げてしまった事により、その捜査に不信感を抱いた遺族が真相を明かし犯人に復讐する為に毛利探偵事務所に籠城してしまうなど、事件を更に悪化させる事態も度々招いている。
一応たまにまともな事を言う事もあり、『山菜狩りとクローバー』では、トリックは分からなかったものの「本当は山に遺体を放置して、山菜取りで呼んだ人たちと一緒に遺体を発見したふりをしたんじゃないですか?」と犯行の全容をほぼ言い当て、真犯人の女性を怪しんでいた*4
また、アニメオリジナルエピソードの『危ない化石採集』では、身勝手な動機で殺人に及んだ犯人に対し「あなたがなすべきことは、たった1つしかありませんよ。あなたがなすべきことは、しっかり反省して罪を償うことだけです」と諫めている。

なぜか「山姥」や「河童」、「魔女」など、妖怪にまつわる事件を担当する事が多い。
最初はそれらの存在を否定するも、後にその妖怪がやったとしか思えないような事実が発覚すると掌を返してその存在を肯定しだすのが最早お約束になっている。
それでもそれらの事件がコナンや服部平次の協力によって解決している事から、いつしか「妖怪ハンター山村」を自称するようになった。

鳥取の八頭に住んでいる祖母のミサエを敬愛しているおばあちゃんっ子。
年齢の割にはかなりアグレッシブで、F1やカーチェイス系の映画を好んでいて、自分でも車を運転して峠の走り屋とバトルを繰り広げた事のある元気なおばーちゃんのようだ。
なお、顔と声は山村とよく似ており、彼女に限らず山村家の人々は全員似たような顔をしているらしい。


□余談

実は下記の諸々の理由により彼こそが黒の組織のNo.2ラムなのではないかと疑うファンもいた。
  • 人と話す時に顔を近づける癖=距離感がつかめていないので片目が義眼なのでは?*5
  • 男性でも女性でも通じる名前=RUMの人物像の中に女性のような男性があったため
  • 山村を反対にしてローマ字表記にすると「ARUMAMAY」とRUMが入ること。
  • 声が『うる星やつら』のラムちゃんのダーリン
読者からの「山村警部は組織と関係ありますか?」という質問に作者が「ないです」と否定を示したことで潔白が証明された*6

意外と声優陣からの人気は高く、工藤新一役の山口勝平さんは「新一とタイプが全然違うからこの役貰えるんじゃないか?」と狙っていた事があったらしい。
他にも小山力也さんや林原めぐみさんも気になるキャラとして彼の名前を挙げている*7

一方、実際の警察からはどう思われているかは不明。
隣の長野県警の大和敢助については作者が長野県警に取材した際、長野県に優秀な警部を出してくれたことに感謝されたが、
群馬県警はこのヘッポコについてどう思っているだろうか。


アニメオリジナルエピソードには数年に1度登場する程度であり、基本的に1話解決回の登場がほとんどだったが、2024年に放送された『ルーブ・ゴールドバーグマシン』で初めてアニオリの前後編に登場した。

なお、山村役の古川氏は過去にベルモット声の主人公が登場するアニメでも警察官を演じていた。


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最終更新:2024年04月21日 03:23

*1 ~してくれちゃったり、何言っちゃってくれちゃって~

*2 園子の件は、オリジナルエピソード『テニスコートに潜む悪魔』でコナンが園子を眠らせて容疑を晴らした後、犯人扱いされたことに腹を立てていた園子にエピローグでお仕置きされていた。

*3 最初は有希子に探偵役を務めてもらおうとしたが拒否された

*4 探偵団のせいで捜査が進むうちに犯人の目論見通りに容疑者から外してしまったが。

*5 これは横溝参悟の癖でもあり、あちらには他に「屈強な大男=長身」という特徴も当てはまっているが、他に根拠が無い為か「横溝兄=ラム」説を考えるファンは少ない。

*6 名探偵コナンBLACK PLUS SDBより

*7 キャラクタービジュアルブックより