赤井秀一

登録日:2015/06/30 Tue 07:47:57
更新日:2024/01/29 Mon 11:30:17
所要時間:約 7 分で読めます





まさか…ここまでとはな…


名探偵コナン』の登場人物。

CV:池田秀一梶裕貴(少年期)


□概要

アメリカ連邦捜査局(通称FBI)の捜査官。
黒のニット帽に、ジャケットを着ている事が多い。年齢は32歳で左利き
1年ほど前まではその黒髪を長く伸ばしていたが、来日する際にバッサリ切って現在の短髪になった。
目の下に特有のクマがあり、同僚から「疲れてるのでは?」と誤解される事もある。
現在は日本で黒の組織を追っており、その関係で江戸川コナンの協力者となり頼もしい味方となる。
コナン=工藤新一であることにはほぼ気付いており、コナンも赤井にはバレても問題ないと思っている程信頼している様子。


名前の由来は、『機動戦士ガンダム』に登場する“赤い彗星”ことシャア・アズナブルと、彼を演じた声優の池田秀一氏から。
偽名の「諸星大」*1もシャアの本名の「キャスバル・レム・ダイクン」であるが、『ウルトラセブン』の主人公モロボシ・ダンと一字違いで名前が似ていることからそちらとかけている可能性もある。犯人(ホシ)全員(を諸共)ブチのめす(die)とかけている可能性もありそうだが。
なお、作者は「諸星」は「赤い彗星」の「彗星」からの引用だと語ってはいるが、「赤星」でも「星野」でもいいところをあえて「諸星」にしたのは、『うる星やつら』の主人公「諸星あたる」とかけている可能性もある*2

クールな性格で感情を表に出す事は少なく、作戦を遂行するためならたとえ信用のおける同僚でも欺く事があり報告連絡相談ができない。
とてつもない切れ者で、同時に射撃の腕も超一流。その腕前は組織や元アメリカ軍人のスナイパーをも凌ぐほど。
また体術の心得もあり、妹である世良真純曰く「兄はボクの3倍は強かった」らしい。ちなみに幼少期に截拳道のビデオを送った事がきっかけで彼女は截拳道にどっぷりはまったとか。
父親の務武は亡くなっており母親のメアリーは今のところ明言はされていないが妹である世良が「ママ」と呼んでいることを考えると「領域外の妹」ということになる。
三人兄妹の長男。弟は棋士の羽田秀吉で妹は女子高生探偵の世良真純。

かつて組織に潜入していた事もあるが、その際に知った事は特に一切FBIに報告していない。
組織の人間からは「シルバー・ブレット(銀の弾丸)」と呼ばれ恐れられており、潜入時には“諸星大(もろぼし だい)”を名乗っていて、「ライ」というコードネームまで与えられていた。
愛車はシボレー・C-1500という黒塗りのピックアップトラックだが、とある事件で失ってしまっており、現在は赤色に白いストライプのマッスルカーであるシェルビー・GT-500 (フォード・マスタングの最上級モデル) に乗っている。
ウイスキー党で、バーボンとスコッチを好んでいるが、最近はバーボン一筋らしい。


□主な活躍

初登場は29巻収録の『謎めいた乗客』。
この時はまだ身分は明かされず顔もマスクで隠れており、事件の容疑者の1人に含まれていた。
“ある人物”をマークしてバスに乗りこんだのか、はたまた別の用があったのかは分からないが、乗ったバスがジャックされる事件に巻き込まれる。
その犯人一味に爆弾犯の格好をさせられ、危うく乗客もろとも爆殺されかけるが、そこに乗っていたコナンたち少年探偵団の活躍もあり事なきを得た(彼らが乗り合わせなくても赤井の事だから難なく切り抜けただろうが)。
その直後に隠し持っていた通信機で「ターゲットは現れなかった」と報告しており、事件の最中の怪しい行動と、灰原哀が終始怯えていた事から、当時の読者には“組織の一員か?”と疑われていた。

以降も度々コナンたちの前に現れ、『シカゴから来た男』では上司のジェイムズ・ブラックと合流し、意味深な会話をしていた*3
毛利蘭とは1年前の『工藤新一NYの事件』で出会っている。
彼女とは当時少ししか会話をしていないが、よほど印象に残っていたのか後に日本の街中で再会した時に「お前はいつも泣いているな…」と話しかける。
その後、かつての恋人の事を思い出したのか、それを匂わすような発言をして去っていった。
蘭のほうも彼の事を断片的には覚えていたようだが、彼と会う前にとても後味の悪い事件が起きていため、その記憶は無意識に封印されていた。

彼がFBI捜査官だと判明するのは『黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー』でのこと。
この話の終盤で登場し、同時にジョディ・スターリングがFBIの同僚だという事も判明する。
組織の一員・ベルモットをあと一歩のところまで追い詰めるが、コナンを人質に取られた事でやむなく取り逃がしてしまう。
この時に灰原について「俺はまだその茶髪の少女とまだ顔を合わせるわけにはいかない」という発言をしていた事から、どうやら彼女の正体を知っているようであり、さらにそれを仲間に報告していないようである。

コナンを目にした当初は「誘拐事件に巻き込まれた子供」程度にしか思っていなかったが、『ブラックインパクト! 組織の手が届く瞬間』で「何者なんだ…?」と興味を示すようになる。

その後、『赤と黒のクラッシュ 昏睡~殉職』にて初めて協力関係となり、コナンの考えた計画を元にFBIで匿っていた組織の一員・水無怜奈(正体はCIA諜報員・本堂瑛海)を組織に送り返す事に成功した。
だが後の13日の金曜日、怜奈に来葉峠へ呼び出され、ジンの策略によって射殺される。
その遺体は爆弾によって始末され、愛車のシボレー・C-1500ごと焼かれてしまう。
後の調べでその遺体は赤井に相違ないと証明される。
よく誤解されるが警察は死体を赤井だと認定しておらず、あくまでFBIと組織の認識である。

なお、この事件では灰原の姉・宮野明美と恋人同士だった事が発覚*4
恐らく彼女の死の責任は自分にあるため、その負い目もあって灰原と顔を合わすのは避けていたのだろう。なぜFBIに報告しないかは全くの謎である。
また、後の事件ではジョディとも恋仲だった事が判明する。
明美に接近する際に「俺は2人の女を同時に愛せるほど器用じゃない」という理由で別れを告げるが、ジョディはまだその事を引きずっていたようで、彼が死亡したと聞かされた際には大粒の涙を流して泣き崩れた。
また、後の話で宮野明美の母・宮野エレーナと赤井の母・メアリーが姉妹であった事が判明している。つまり赤井と明美は、いとこ同士で恋人になっていたのである。

彼の突然の死に多くの読者が「あの赤井が簡単には死ぬはずがない」と確信する中、やはり彼の死と同時期に“ある謎の人物”が登場する。
その後に顔に火傷を負った彼があちこちで目撃されたため、“やっぱり赤井は実は生きているじゃん?”という噂がファンの間で流れ始める。
結局火傷の男の正体は組織の一員・バーボンの変装だったが、『漆黒の特急』の終盤のシーン及び後に公開された劇場版『異次元の狙撃手』のとあるシーンにより、彼の生存説が真実味を帯びる。
それと同時期に連載されていた『緋色シリーズ』で、遂にその謎が解明される事となり……


以下ネタバレ




















実は怜奈を組織に返す前に彼女へ協力を持ちかけ、コナンの考えた奇策を用いて組織による暗殺劇から生き延びていた(詳細は緋色シリーズの項目を参照)。可哀想な楠田陸道……。
怜奈やコナンの協力で自らの死を擬装した後は、工藤有希子の助けを借りて“沖矢昴”という大学院生に変装し、阿笠邸近くの木馬荘というアパートに住むようになった為、「沖矢昴」という人物は戸籍上存在しない。
後に放火によってアパートが全焼してしまうトラブルに見舞われるが、火事現場に居合わせたコナンから「新一兄ちゃんの家に住めばいい」との提案を受けて、以降は工藤邸の“留守”を任される。
沖矢に変装中だった『工藤優作の未解決事件』の時にコナンが工藤新一の声で電話をしているところを目撃している為、彼の“秘密”にも気づいている模様*5

沖矢として生活する場に米花町を選んだ理由は、灰原の身に組織や他の危険が迫った時にすぐ駆けつけるためだと思われる。
最初に住んでた木馬荘も阿笠邸の近くだった為、そう考えて間違いないだろう。
探偵たちの夜想曲』の時に少しだけ距離は縮まるも、『漆黒の特急』後に協力者だと判明するまでは灰原から警戒されていた。
なお、沖矢に扮する以前は料理を全くやらなかったようだが、空き時間の有効利用と食費の節約を兼ねて有希子に教わり、阿笠には「彼の作る料理は中々のもの」と評される腕前となる。
料理のお裾分けは緊急時の阿笠邸へ介入する理由となるが、主に煮込み料理なので不完全な状態が多く灰原からの不審を買う。現在は皮肉交じりの文句を言ってくるほどには馴染んできた様子である。

ジェイムズには沖矢に扮する以前からその事を知られていたが、他のFBI仲間には『緋色シリーズ』終盤までこの秘密は知られていなかった。報連相をしろ。
彼らに居場所を明かした後も沖矢として工藤邸に留まり、“彼女”との約束を果たすため灰原に危害が及ばないよう見守っている。
また、家族の中では秀吉にだけは自分が生きていることを伝えているらしく、『標的は警視庁交通部』などで連絡を取り合っている様子が見られる。

コナン(新一)との邂逅は意外と古く、『さざ波の魔法使い』にて10年前に幼少期の新一と出会っていることが判明した。
この際に起きた事件を新一と協力して解決したが、新一はこの事を最近まですっかり忘れていた。


□劇場版との相性が悪い?

上記に書いてある通り、射撃の腕前はその腕前は組織や元アメリカ軍人のスナイパーをも凌ぐほどの超一流であり、その射撃で犯人の脳幹を狙う(つまり、犯人を射殺する)事も可能である。

ところが、『コナン』という作品はご存じの通り、犯人を死なせる事は作者の方針もあって扱う事ができない為*6、『異次元の狙撃手』では犯人の脳幹を狙おうとした時に蘭が近くにいた為、脳幹ではなく犯人の持っていた銃に変更している。
緋色の弾丸』でも犯人の急所を狙っていたが、こちらは、コナンがある人物にメールで「もしもの時には犯人の肩をあの位置に誘導したいから手伝ってほしい」と送っており、その指示を受けた人物が犯人に拳銃を向けられた時、細かく指示を出していた事で急所ではなく右肩に命中している。

コナンとは完全に真逆のスタンスであり、超一流のスナイパーでありながら話の都合上犯人を仕留める事ができない為、そういう点では不遇ともいえる*7

一方で『純黒の悪夢』では黒の組織が操るオスプレイのローター部分を花火ボールの光で浮かび上がった瞬間で捉え、そこを正確に撃ち抜いてオスプレイに大打撃を与え撤退させていたり、『緋色の弾丸』でもリニアの特性や特殊な弾丸を使う事で神業とも言える超長距離狙撃を成功させている。
一応、劇場版に登場する度にこういったチートじみた狙撃を見せており、上記の不遇な面は実のところあまり目立たなかったりするものの、犯人の死が扱えない点を考えると相性が悪い部分もある。


□余談

赤井と同じく、名前の由来が池田氏から取られたキャラクターに『アークザラッド』シリーズに登場する「シュウ」がおり、むしろこちらのほうが赤井より先に世に出ている*9

なお、池田氏は2007年に放送された『金田一少年の事件簿』のエピソードである『吸血鬼伝説殺人事件』では偶然にも苗字が「緋色」という人物を演じていた。


追記・修正は、700ヤード(約630m)離れた先からお願いします。

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最終更新:2024年01月29日 11:30

*1 余談だが、バスケット漫画であるSLAM DUNKにも同姓同名のキャラクターがいる。

*2 なお、1981年版であたるを演じたのは、『ガンダム』ではカイ・シデン、『コナン』では山村ミサオを演じている古川登志夫氏である。

*3 公式ガイドブック『50巻+』中の作者インタビューでは、この時の殺気立った台詞などから声優陣が「どんな強敵だよ!」と怯えだし、やむなく「実は味方」とネタバレしたという

*4 ちなみに宮野明美の声を担当する玉川砂紀子氏は池田氏の妻である。つまり、夫婦でカップルを演じたということになる

*5 ガイドブックによってはコナンの正体を知る人物の1人とされている事がある。

*6 ただし、組織関連のエピソードではこの方針が解除される事が多い。

*7 『異次元』に関しては蘭がいなかったら事件が早く解決したなどの声もあり、結果的に赤井(沖矢)の狙撃を邪魔した蘭に対する批判が多くなってしまった。

*8 尚、コナンのサポートがなければ成功しなかった

*9 初登場作品は1996年に発売。彼も赤井と同じく銃使いであるなど共通点も多い。