大筒木カグヤ

登録日:2015/06/37 (水) 00:46:02
更新日:2024/02/04 Sun 08:46:51
所要時間:約 22 分で読めます




大筒木カグヤとは週刊少年ジャンプに連載されていた漫画『NARUTO』の登場人物。


◆プロフィール

誕生日:8月15日(獅子座)
年齢:不明
身長:不明
体重:不明
血液型:不明
性格:傲慢、強欲
CV:小山茉美


◆概要

チャクラの始祖。遠い土地から渡ってきた、大筒木を名乗る一族の一人。
大筒木ハゴロモの母。
うちはに伝わる石碑を読んだマダラの話によれば、遥か昔人々の信仰の対象とされていた神樹に1000年に一度実ると言われる『チャクラの実』を口にし、その力で乱世を治めた。
その後はチャクラの力を宿した子を一人授かった。
しかし、実を奪ったことでそれを取り戻そうと神樹が化けた姿が十尾となり、六道仙人こと大筒木ハゴロモがそれを己の身に封印した














…が、それは黒ゼツが作り上げた嘘であった。
カグヤはチャクラという絶大な力に溺れ、歪んだ支配欲と独占欲で無限月読で人々を家畜同然に支配していた。
さらに、チャクラという自分のみのものであるべき力がハゴロモともう一人の息子ハムラの二人に分けられたことを怒り、神樹と同化した姿───十尾として兄弟達に襲い掛かったのだった。
ハゴロモとハムラはこれを神樹がカグヤからチャクラの実を取り返すために襲ってきたと考えて反撃、死闘の末に地爆天星で月に封印してしまう。
しかしカグヤは封印される前に自分の意思を持った黒ゼツを残し、虎視眈々と復活の機会を狙っていた。


●目次


◆人物

君麻呂と同様に殿上眉とギザギザの分け目でストレートの長髪、加えて頭部には2本の角らしきものが生えている。
三大瞳術を網羅しており、両目の白眼輪廻眼写輪眼を合わせた輪廻写輪眼 を額に開眼している。
服装は六道の勾玉模様が刺繍された着物を羽織っている。

一人称は「ワラワ」。
ハゴロモの話では、かつては民からは慕われていた程の人格者だったが、いつしか「鬼」と呼ばれるようになったらしい。
息子のことは所有物としか思っておらず、作中でもその傲慢さが表れている。
…と、カグヤについて判明しているのはこの程度であり、実のところその内面は殆ど明らかになっていない
劇中ではチャクラの回収とナルトらの撃退に終始しており、白ゼツ兵団を創設してまで一族に刃向かおうとした目的も描かれていない。

実の息子であるハゴロモからは愛とは何か知らない者として扱われ、数々の悪人とも心を通わせ改心させてきたナルトにすら「心がないみたいだった」とまで評されている。
これは一族特有の精神なのかと思われたが、続編で登場した同族達はナルト達を下等生物と見下す事はあれど、いずれも人並の感情表現は持ち合わせていた。そしてカグヤはその同族達からも真意が掴めない存在として見られている(約一名に至っては、劇中でカグヤについて触れる機会がなかったというのもあるが元パートナーにもかかわらず一切言及する事は無かった)。
仲間と言える存在は自身の分身である黒ゼツと奴隷として造り替えられた白ゼツのみであり、ある意味『NARUTO』の世界における真の孤独を体現している人物と言えるかもしれない…


◆能力

風・火・土・雷・水・陰・陽全ての性質変化を組み合わせた8つ目の性質変化「血継網羅」と呼ばれる術を扱い、その力は「人」という概念を超越している。
世界規模の幻術完成体須佐能乎をも砕く体術空間ごと入れ替える時空間忍術など全ての能力が異次元のレベルで高い。
純粋な戦闘能力はラスボスらしく『NARUTO』シリーズでもブッチギリの最強である。

しかしカグヤ本人はあまり戦闘慣れしておらず、特に作中では復活したてという事もあって能力を活かし切れていない一面があり、そこが弱点となっている。


◆使用術

  • 天之御中(アメノミナカ)
輪廻写輪眼の輪廻眼としての瞳術で、自身と周りにいる者を瞬時に別空間に強制移動させる。
空間は始球空間、溶(よう)、氷(ひょう)、砂(まさご)、酸(さん)、超重力の6つの世界で、カグヤの意思で地形を変化させることが出来る。
莫大な規模の術であるがその分チャクラ消費も凄まじく、カグヤにしか出来ないとされている。
ナルトたちが暮らす世界とは別世界のため元の世界に帰ることが出来ないが、ハゴロモと冥界から呼び寄せた歴代五影前任者達による口寄せでナルト達は帰還できた。

  • 輪廻眼の瞳術
六道の術も発動可能であり、作中ではサスケの天照を吸収するのに餓鬼道を、多重影分身のナルト達を吹き飛ばすのに神羅天征を使用している。
にもかかわらず後には超尾獣螺旋手裏剣を吸収せず食らったり、ナルトとサスケに追い詰められた際に上に退避する等、使っていれば勝てた場面が多い。
自身の封印がかかっている状況で舐めプするとは考えづらく、ペイン天道のように一度使用したら長期間のインターバルが生じるのかもしれない。

  • 八十神空撃(やそがみくうげき)
体術の一種で、掌にチャクラを込めて放つ巨大な拳撃。
似たような技でガイの「夕象」と日向一族の「八卦空掌」があるが破壊力はこちらが上で、サスケの完成体須佐能乎を破壊するほど。

  • 兎毛針(とげばり)
髪の毛を針のように飛ばす技。白眼で相手の点穴を的確につくことで動きを封じる。
カグヤにしては珍しく小技。

  • 共殺(ともごろし)灰骨(はいこつ)
手に平から放つ「灰骨」を対象に向けて放つ。これを扱う際は背中から骨が出てくる。
対象に突き刺さると骨はボロボロと崩壊するが同時に相手も受けた箇所から一気に崩壊し、最後は塵と化すという即死攻撃。致死性・即効性共に挿し木の術の上位版。
ゲーム『ナルティメットストーム4』ではこれを千本よろしくバリバリ連射してくる。

  • 黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)
空中に穴を開け、空間を自由に行き来する時空間移動術。自身の支配する別空間に移動することも出来る。神威と似てるが印や予備動作を必要としない。
回避や相手の背後に回り込む奇襲の他に、灰骨を異空間に通じて死角から攻撃するという事も可能など汎用性が極めて高い。
本来ならカグヤ以外はこの空間に入り込めないが、両目とも神威の万華鏡写輪眼を取り戻し六道の力で瞳力を上げたオビトの域の時空間忍術使いならば、大量のチャクラを消費することで共鳴が可能。
それ以外に一定以上の水準に達した輪廻眼の使い手ならば、カグヤの空間にも穴を空けて行き来することが出来る。

  • 自然との一体化
神樹と一体化したため使用可能になったと思われる。
自然環境その物を操れるという仙術の極致。カブトの「無機転生」に近いがこちらは印なしで発動できる。
本編では氷の世界にて巨大な氷の塊を手足のごとく動かしナルトを拘束した。
ナルティメットストーム4では固有技として溶岩、氷、砂の世界ごとに異なる特殊な技が使用可能であり、溶岩世界ではマグマを前方に噴出する火鼠ノ皮衣(ひねずみのかわごろも)、砂漠世界では砂嵐を飛ばす大砂食(おおすなはみ)、氷の空間では氷を生やして相手を串刺しにする天之氷室(あめのひむろ)を扱う。
また、黄泉比良坂を介した溶岩・氷・酸の一斉放射も行える。

  • 十尾化(じゅうびか)
神樹と一体化したため使用可能になったと思われる。
尾獣を己の体に封印する人柱力とは違い、彼女は神樹と融合し十尾そのものと化しているため、厳密には人柱力の尾獣化とは異なる。
作中では、ナルト達との戦いで超尾獣螺旋手裏剣を食らったために体内の尾獣が呼応して抑えきれなくなり、巨大な卯の姿へと強制的に変身させられている。
神樹の化身である尾獣チャクラのみの時には上述の超常の力は行使できず、天変地異と超威力の尾獣玉とオビトを経由しての木遁くらいしか術がない。
無限月読による神樹の実のチャクラ回収後は十尾の姿でも血継網羅を扱える模様。本編では膨張求道玉、ナルスト4では黄泉比良坂と共殺の灰骨と終焉求道玉を使用している。

  • 無限月読(むげんつくよみ)
輪廻写輪眼の写輪眼としての瞳術。月を使い、地上の生物に幻術をかける大規模な幻術。
この術を受けた者は目に輪廻眼と同じ紋様が浮かび上がり、身動きが取れなくなる上月の光はあらゆる影を通すため、隠れたり屋内へ避難してもこの術からは逃れられない。
輪廻写輪眼を得たサスケが完成体須佐能乎がこの術を遮ることが出来る他、動く死体の穢土転生である火影前任者、カグヤの尖兵の黒ゼツは効かなかった。
マダラは「人々に永遠の夢の世界に誘いこむことで争いを無くす平和な術」と思っていたが、本来は後述する「カグヤの兵へと時間を掛けて変化させる」というものだった。
ただしカグヤの場合だと肝心の月が無いためどうやって人々にかけたか不明だったが、アニメオリジナルエピソードでは、時空間忍術「黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)」で衛星が浮かぶ宇宙空間を開き、そこに輪廻写輪眼の模様を投射して人々に幻術をかけていた。

  • (シン)樹海降誕(じゅかいこうたん)
無限月読にかかった人達を神樹のツタで繭のように包んで拘束し、チャクラを奪い続ける木遁忍術。
黒ゼツ曰く拘束された生物は長い歳月をかけて最終的には白ゼツへと変化し、カグヤの兵となる。
ツタを切っても即座に再生しては縛る為、解術以外で救出するのは不可能。

  • 膨張求道球(ぼうちょうぐどうだま)
神樹に拘束された忍たちのチャクラを吸収し、作り上げた巨大な求道球。
世界を作り変える程の力を持っている。
並の求道玉なら触れても問題無い六道仙術体得後のナルト達でも、触れると危険な規格外の術。

  • 終焉求道球(しゅうえんぐどうだま)
『ナルティメットストーム4』に登場したゲームオリジナル技にしてカグヤの究極奥義。
対象を始球空間に引きずりこみ自身は十尾化、そのまま求道玉を形成してあらゆる角度に極太のビームを放射する。
「次元ごと葬り去る」術とされており、「新たな空間を造る」膨張求道玉とは対になっている。


◆劇中の活躍

来歴(アニメオリジナル)

原作・ナルスト4では「外世界からやって来た」以外のことはまるで不明だったが、疾風伝のエピソードでその略歴が描かれている。

日本で言う大和時代に相当するはるか昔、神樹の後を追って地球へと漂着。竹林に光輝きながら舞い降りたところを当時のソの国の国主・テンジに拾われた*1
敵国・カの国(火の国?)の回し者とされて殺されかけたが瞳術?で一蹴し、その地に居つくことになる(ちなみに当時の情勢はまんま三国志時代の中国である)。
この当時のカグヤの性格はハゴロモの言うとおり「女神」そのものであり、争いなき平和を望んでいた。
この後テンジと結ばれたと思われる。

その後、カの国が侵攻を開始し、劣勢に陥る中で滞在していた屋敷にも攻め込まれるが、瞳術でカの国の兵士を文字通り木っ端微塵にして一蹴した。
しかし、この力が周囲の恐怖を呼び、テンジ率いるソの国の軍勢から追われる身となる*2。二子を身ごもった身ながらも一族の使命を果たすべく神樹のもとへ向かうが、たどり着いた時点で追っ手に追いつかれてしまう。
付き人のアイノを犠牲に払いながらもなんとか神樹の根元にたどり着き*3、我が子を守るために神樹の実を口にし、額に輪廻写輪眼を開眼すると共にチャクラを宿して現在の姿へと変貌。
黄泉比良坂で異空間を開いて月を召喚し、無限月読を発動した。ただし、一部は人間を絶やさないために記憶を改竄した上で解放した。

術の発動からしばらく後に双子――ハゴロモとハムラを生み、その地を治め始める。
しかし、神樹に対して行う「しきたり」への反対から反乱が相次ぎ、それを鎮圧すべく城を空けがちになる。この過程で個人的な恨みもあったのか、カの国の者を全滅させていたために「暴君」と噂されるようになった。

ある時、ついにハゴロモとハムラに神樹のしきたりの真実を知られていまい、今まで育ててきた息子たちにすら裏切られたと絶望したカグヤは、丁度村に帰ってきたハムラを白眼の瞳力で威圧して洗脳し、人質にとってしまう。
同じく仙術の修行を終えて帰郷したハゴロモに何故このような恐ろしいことをするのかと詰め寄られた際には、いずれ空からやって来る愛など知らず力しか通用しない脅威に対抗するための兵を量産するためだと答え、ハゴロモの愛を逆手にとり殺せないであろうハムラを操ってけしかけ、勝負を挑ませた。

しかしこれがハゴロモの万華鏡写輪眼と輪廻眼の開眼、ハムラの仙力会得という結果を招いてしまい、分散したチャクラを回収するためついにカグヤ自身が、そしてそのカグヤを守るために神樹が十尾に変化して兄弟に襲いかかった。

数ヶ月にも及ぶ激闘、地上に甚大な被害をもたらしながらも最終的には息子たちに陰と陽の刻印を身体に刻まれてしまう。
直後に黒ゼツを産み落とすもそれ以上の抵抗はできず、地爆天星の核として大量の岩石に封じ込められ遥か上空に飛ばされたのであった。

十尾はこの戦いの後に魂を尾獣として九つに分けられているが、チャクラを抜かれた十尾本体の描写はなく(枯れ朽ちていく場面はある)、ハゴロモの死後はおそらく外道魔像として地上に解放されたのであろうが、後世では月に封じられており地爆天星で封印された後のカグヤ共々顛末がうやむやになっている。


本編

忍界大戦の終盤にて、マダラがうちはの石碑に記された神話を話す際に名前と大まかな容姿が登場。
その後死の淵を彷徨っていたナルトの精神世界にて、ハゴロモとの対話の中でカグヤの起こした悲劇として初めて見た目が明らかになった。

ナルトによって神樹が切断された際には、先の戦いでオビトが連合からチャクラを回収したために意識が多少回復したのか「神樹の化身」としてマダラに接触し、神樹である自身を吸収するようカタコトながら指示。
マダラの回復とパワーアップに貢献した。
そして激闘の最中ついにマダラが無限月読を発動し、ナルト、サスケ、サクラ、カカシ、黒ゼツに取り憑かれたオビト、穢土転生の前任火影以外の全生物を神・樹海降誕で拘束してしまう。
機は熟したとしてカグヤの意志である黒ゼツはマダラを裏切り、無限月読にかかった忍たちのチャクラを人柱力であるマダラを触媒に十尾へ注入、千年近くの時を経てカグヤが復活した。
復活して早々にナルトサスケから六道の力を感知し、二人を放り投げて休戦を提案。

「ここではな」

苗床である地上世界をこれ以上傷付けさせないため、彼らをサクラカカシオビトと共に溶岩の空間に引きずり込んだ。
移動してしばらくは傍観していたが隙を見て兎毛針による奇襲をしかけ、それが失敗すると今度は八十神空撃でナルトとのラッシュに挑みこれに打ち勝ち、サスケの不意打ちも完成体須佐能乎を粉砕して退けた。
さらに黄泉比良坂で背後に回って二人のチャクラを吸い尽くそうとするも、ナルトの抵抗もあって失敗。
引き続きナルトらの攻撃に対応しようと構えるが、不意の逆ハーレムの術に呆然としてしまいその隙に殴り飛ばされ、サスケの天手力で2人の間に強制移動してあわや封印されかける。

すると今度は氷山の世界に移動し、自身は脱出して2人のみを氷の中に閉じ込めて再びチャクラを吸おうとしたが、サスケの万華鏡写輪眼の能力で脱出される。
そこで黒ゼツの助言を受け、まずは自身を封印させる力を持つ2人を引き離そうと黄泉比良坂でサスケを砂漠の世界に放り込んで無力化し、ターゲットをナルトに絞って攻撃を再開。
八十神空撃に神羅天征、一撃必殺である共殺の灰骨を駆使してナルトの多重影分身を徐々に減らしていく。
しかし、ナルトのみを意識したためにその他の動きに気付けず、結果オビトとサクラの活躍で救出されたサスケがナルトがいる世界へ無事に戻ってきてしまう。

2人が合流したため今度は超重力の世界に飛ばし、全員の動きを大幅に鈍らせるも重力による影響でカグヤ自身も動けなくなっていた。
「くっ……」プルプル
それでも優勢には変わりなく、共殺の灰骨によりナルトとサスケをあと一発という所まで追い詰める。
しかしオビトがナルト・サスケ・カカシを庇った事で失敗し、さらに瞳力が戻ったサスケに接近されたため再び世界を変換、

始球空間へと飛ばし寸前で攻撃を回避した。
しばらくはサスケと一対一で戦っていたが、黒ゼツがオビトの死を嘲笑ったために激怒したナルトの一撃で黒ゼツが寄り添った左腕を切断されてしまう。
その状態でも八十神空撃で須佐能乎を破壊し、直後にナルトが尾獣たちの力を借りて放った「仙法・超尾獣螺旋手裏剣」もほとんど無傷で耐えた。
しかし螺旋手裏剣のチャクラに体内の尾獣たちが呼応し、尾に尾獣達の顔が浮かび上がった巨大なウサギという不安定な十尾化をしてしまう。
その姿のまま、触れた物を瞬時に吸収する十の尾を操ってナルトらを取り込もうとするも、一時的にオビトの万華鏡写輪眼を得たカカシの「神威手裏剣」によって阻止される。
安定した状態に戻るために無限月読の忍達からチャクラを改めて取り込んで元の姿に戻りつつ、膨張求道玉を発動し今度こそナルト達を殺害しようとする。
しかし、ナルトとサスケに加えカカシとサクラも含めた第七班全員の活躍により、ついに陽と陰の印を体に刻まれてしまい「六道・地爆天星」が発動。
尾獣達を全て強制的に排出させられ一気に外道魔像まで弱体化し、咆哮を上げながら再び封印されてしまった。

黒ゼツはまたカグヤの復活を行うために逃げようとしていたが、ナルトによって地爆天星の中に封印された。
カグヤに取り込まれたマダラは封印される直前に吐き出されたが、尾獣を抜かれた状態のため一尾を抜かれた我愛羅と同様に死亡した。


BORUTO

カグヤの異空間に建造されたカグヤの居城等について、成長した輪廻写輪眼を用いて独自に調査をしていたサスケの手で、白ゼツを生産したのは自身を脅かす存在に備えての事だったと判明した。
太古に星に渡ってきた大筒木の一族はカグヤ一人ではなく、どうやら異空間を介して様々な星からチャクラの実を回収していたらしく、カグヤは地球に愛着を懐き本家を裏切ったそうだ。

劇場版『BORUTO‐ボルト‐』にて大筒木モモシキ・キンシキ、アニメではウラシキを加えた三名が地球を訪れているが、彼らも本家から派遣されただけの存在に過ぎないとのこと。

映画のその後を描いた漫画・アニメ版では、二人組で来襲したモモシキとキンシキのように、カグヤも同族である大筒木イッシキとツーマンセルを組んでいた事が判明。
上下関係としてはカグヤの方が格下であり、チャクラの実を手に入れるため遙か昔にイッシキと共に地球へ来訪した。
ところが、地球に着いた途端カグヤが突如イッシキに敵対。不意を打ってイッシキに下半身を丸ごと失う致命的なダメージを負わせてしまう。
致命傷を受けたイッシキは付近にいたとある修行僧に取り付いて何とか生き延び、『BORUTO』の時代に新たなる騒動を巻き起こす事に…。

ちなみにイッシキを裏切った理由は不明*4
大筒木本家への敵対行為もそうだが、はたしてカグヤの真意が明かされる日は来るのだろうか…?


◆血縁関係

息子:大筒木ハゴロモ、大筒木ハムラ
孫:大筒木インドラ、大筒木アシュラ
子孫:大筒木一族、日向一族、うちは一族、千手一族、かぐや一族
遠縁ながら子孫:うずまき一族、金閣&銀閣
同族:大筒木モモシキ、大筒木キンシキ大筒木ウラシキ大筒木イッシキ大筒木シバイ

この内かぐや一族は第一部にて絶滅、月の大筒木一族も分家と宗家の争いでトネリを残して全滅、千手一族は綱手のみ、うちは一族はサスケとサラダのみ、うずまき一族は離散(クシナの会話から)

人間との子を為したカグヤは人間を見下す大筒木一族の中でも異例の存在。彼女がいなければNARUTOシリーズの世界は間違いなく別物となっていたと思われる。


◆読者からの反応

ナルトからは「十尾どころじゃないチャクラ」、サスケから「マダラなど比ではない」と恐れられる程の実力を持つが一部読者からは小物扱いにされている。
理由としては、

  • 戦争編前まで伏線は無く、戦争編の終盤で突如の登場。
  • マダラやオビトのように回想などによる補完がなく、キャラの特徴が分かりにくい。
  • スペックは高いが、以下のように戦闘経験の少なさゆえか戦い方に雑な面や隙をつかれる面が見られる。
    1. 戦闘や解説などは黒ゼツの方が喋り、肝心のカグヤはあまり喋ってない。戦略も黒ゼツが助言。
    2. 超重力の空間でナルト達の動きを封じるが、自分もその影響を受けてしまい身動きが出来ずにプルプルしている。攻撃自体は遠距離技で行ったが。
    3. サスケ曰く「マダラとは比較にならないチャクラ」だが、戦闘ではそれを生かしてない、というより戦闘シーンがあまりに少ない。
    4. ナルトが使った忍法『逆ハーレムの術』にまんまと引っ掛かっている (効いたというか突然の意味解らない技に呆然としたという方が近いが)

という点で一部の読者からは「ぽっと出のカグヤよりマダラの方がラスボスっぽい」と言われている。
回想シーンがほぼないことや戦闘シーンもそう多くなかったのは、NARUTO原作は700話での完結がおそらくすでに決まっていた*5ため尺が無かったことや、続編『BORUTO‐ボルト‐』にて大筒木一族の話を広げて描く予定上その布石となるカグヤの話の段階ではまだ厳密に描きづらかったものと思われる。

しかし、少なくとも戦闘能力という面では、輪廻眼を取り戻した後のマダラですら比較にならない
そもそも戦いにおいては途中までチャクラを取り戻すこと優先で本気で殺しに来てなかったり(ナルトとサスケを殺せる場面はいくらでもあった)
ナルトの膨大な数の影分身を物ともしない、サスケの鷹の点穴を瞬時につく、完成体須佐能乎を砕いたりと圧倒的な力は見せており、
六道の力を得た後のナルト達でも一人ずつではまるで歯が立たず、時間稼ぎが限界。

何かが掠っても問答無用で即死しかねない異常な攻撃力に加え、尾獣玉螺旋手裏剣が直撃しようと大したダメージを与えられないカグヤの生物を辞めてる耐久力を前に、
もはや最終手段の封印術「六道・地爆天星」以外にナルト達に成す術は無かった。
しかもその封印すら、同じ時空間に干渉できるオビトの神威がなければ不可能だった(オビトの方もサクラの百豪のチャクラを使い眼から血を流すほどの力を使ったかなり切迫した状況だった)。

また、「全ての因縁の根本的な存在だから」、「マダラが最後の最後で改心するとすれば、自分も誰かの掌の上で転がされる存在であり、結局自分が見下していた対象に救われた場合くらいではないか」
等という理由で、カグヤがラスボスらしいと言う読者もいる。

ちなみに後付け?のためか、千手柱間柱間細胞と、忍誕生以前から作られていた白ゼツの神樹?細胞は、おそらく無関係なのにそっくりで、後から生まれた柱間の方が高性能な細胞ということになっている。


◆考察

外道魔像の謎

大筒木兄弟と十尾の戦いの結末については途中で設定がブレている節があり、「ハゴロモが十尾を自身に封印した」から「六道・地爆天星で十尾(外道魔像?)を月に封印した」に変わってしまっている。


尾獣とハゴロモから語られた史実は
  • 原作656話での陰九喇痲「十尾の人柱力は他の人柱力と違う…尾獣を抜いても死にはせん。十尾の殻…つまり外道魔像が残るからな…ありゃ相当の生命力だ。誰が十尾のチャクラを九つに分散した後、各地へ散らしたり出来る?ただし九体も一度に力を抜かれちゃあ死んだみてーに弱りきって数か月は動けもしねェ。かつてのじじいもそうだった」(大筒木ハゴロモは、尾獣達を解放しても体内に外道魔像を残していたので死なずに済んだ)
  • 原作670話での大筒木ハゴロモ「カグヤは神樹のチャクラの実を喰らい力を得てこの地を治めた。ワシら兄弟は母の残した罪をあがなうため、チャクラの実を取り返そうと暴れた神樹の化身である十尾と戦い、それを己に封印した」(大筒木ハゴロモは、ハムラと共に挑んだ戦いの末、十尾は己の身体に封印した)
  • 原作670話での大筒木ハゴロモ「十尾封印後、インドラとアシュラをもうけた。息子アシュラの生き方の中に新たな可能性をかいま見た気がしたワシは、己の中の十尾の力を分散し個々に名前をあたえ、“協力”という繋がりこそ本当の力だと信じた」(大筒木ハゴロモは、成長したアシュラの在り方を見た後、体内の十尾を分散して尾獣達を創造した)

このように既存の設定との矛盾も特になかったのだが、黒ゼツの語りとカグヤの存在により混乱が生じてしまっている。

  • 原作681話での黒ゼツ「母はかつて我が子の手で封印されたと。それはそれは強力な封印だったそうだ。十尾自身を地爆天星の核へと変える術…それによって十尾は月となった。だが封印の寸前でオレが産み落とされた」(十尾は月に封印され、その際に黒ゼツが生まれた)
  • 原作681話での黒ゼツ「十尾の正体は神樹だけではない。母自身でもある。チャクラの実を取り返そうとしていた神樹の化身だけではなく二人の子供達に分散したチャクラを取り戻そうとした母の意志だった。このことと母復活の為にオレが動いていたことはハゴロモすら知らぬ真実だ。」(十尾の正体はカグヤ)
  • 原作681話での黒ゼツ「黒ゼツも母の意志も知らぬハゴロモはその頃、インドラとアシュラをもうけ忍宗を作った。忍宗の跡目争いに負けたインドラをオレは唆した」(黒ゼツ誕生はインドラ達誕生以前)

ハゴロモ「十尾はハゴロモの体内に封印され、アシュラの成長を見た後にハゴロモは尾獣9体を生み出した。外道魔像をいつ月に封じたかは言及されず」
黒ゼツ「十尾(カグヤ)は月となって封印され、黒ゼツはその時誕生。黒ゼツはアシュラに敗れたインドラを唆した。」
このように説明が食い違うため、各媒体で異なった概要が書かれる事態となった。

陣の書

十尾はカグヤが神樹と融合した姿であると明記されており、カグヤ=十尾=外道魔像が月に封印される事でそこから解放された外道魔像もとい十尾からカグヤが復活、という本編の出来事への整合性が取られたものになっている。

一方で、十尾の封印については「兄弟で十尾を地爆天星した後しばらくしてからハゴロモが尾獣を解放した」というややつっこみ所の多いものとなっている。(十尾を月に封じた後でいつどのように尾獣が造られたのか?外道魔像抜きでどうやって尾獣を各地に散らしたのか?)

列の書

「ハムラと共に外道魔像を地爆天星で封印した」という記述から最も整合性の高い説…と思いきや、直後の文章ではハゴロモが死亡せず忍宗の布教を本格的に始めている事が明かされている。
外道魔像が体外に存在しているにもかかわらずハゴロモが元気モリモリである事から、老境に体内の外道魔像を解放してから衰弱死する前に月に封じたわけではなく兄弟で十尾に挑んだ決戦の中で地爆天星したと思われる。
こちらも尾獣の誕生タイミングが不明。

疾風伝

これらの設定に辻褄を合わせるため、十尾とカグヤを別個の存在として描いたのが疾風伝のアニメオリジナルエピソードであるが、実はこれでも物語が成立しない
先に述べた通り、疾風伝ではカグヤ封印後の外道魔像の描写がない上、劇中では尾獣チャクラを入れ込んだ外道魔像=十尾を取り込んだマダラが体内の十尾にのっとられてカグヤ復活の媒体となっているので、「外道魔像にカグヤが融合したまま地爆天星で封印された」という事実がないと劇中の復活劇に繋がらないのである。
黒ゼツ曰く「十尾(神樹)にはカグヤの意思も含まれていた」とのことで、チャクラ吸収でそちらの意識を覚醒させて復活させたともとれるが、今度は最初の地爆天星で月に封印されたカグヤの行方がわからなくなる。
また、陰の九尾はミナトに「六道仙人も九体の尾獣のチャクラを一度に抜いて弱り切ったが、外道魔像が残っていたので死ななかった」と語っている。つまり、ハゴロモが尾獣のチャクラの他に外道魔像を封印していないと尾獣たちを解放した途端に死んでしまうので、九尾の回想シーンが成立しない。

このようにどこをどう解釈してもどこかに矛盾が発生しており、結局何がどうなって外道魔像が月へと封印されたのかは原作でもアニメでもゲームでもよくわかっていないのが現状である。

カグヤと十尾

疾風伝でハゴロモ・ハムラとの戦いが描かれたカグヤと十尾だが、実はここまで明かされても十尾の辿った経緯がいまだによくわかっていない
というのは、作中の無限月読を巡る戦いとマダラを媒体にカグヤが復活したシーン(原作・アニメともここは同じ)を鑑みるに、少なくともその時点では「カグヤ=十尾=神樹」という図式が成立しており、定説となってきた「十尾=カグヤが神樹に同化した姿」という話の根拠となっていた。

疾風伝では両者が最後まで別個の存在として描かれているのだが、こちらの設定では「月に渡ったのがハムラ一人」「外道魔像の行方が不明」という問題がある。
前者についてはそのままだと「THE LAST」に繋がらない(時々戻ってくるとは言っているので解釈の余地は十分にある)が、問題は後者。ハゴロモの中に封印されていないとすると、敗北したオビトとミナト・カカシが対話したシーンで陰の九喇嘛がミナトに語った「かつて六道仙人も尾獣九体のチャクラを一気に抜いて弱ったが、外道魔像が残ったので死ななかった」という顛末と矛盾する。

疾風伝を根拠にこの定説を否定する向きもあるが、概ねアニメ準拠の設定のナルティメットストームの存在を踏まえ、さらに黒ゼツが「カグヤが十尾化出来る」ということを事実として把握していたことを考えれば、やはり定説は正しいと見るべきだろう。*6

描かれている事実を突き合わせると、カグヤは神樹と一体化して十尾の状態に戻し暴れ出した後、外道魔像の状態で封印され月となったことが読み取れる*7
一方でカグヤ自身の回想では六道・地爆天星で封印されたのはハゴロモが若かった頃であり、人柱力化より前だと思われる。

最終的に外道魔像が月に封印されたのは確かだが、ハゴロモ自身はナルトに対し「十尾と戦いそれを己に封印した」と述べており、外道魔像がどのような経緯で月に封印されたのかが謎となっている。


続編『BORUTO‐ボルト‐』では、「十尾とは神樹の苗木であり、生きたままの大筒木一族を喰らう事で神樹へと変貌する」という新事実が判明。
つまりカグヤは神樹から十尾へと退化させていた事になり、十尾はカグヤの固有形態でない事が明らかになった。
しかし、どのような経緯と手段で神樹と融合するに至ったかは長らく謎であった。

ところが「全能」の存在が明かされたことで事態は一転。
これらの奇妙な矛盾点や登場人物たちが疑問を抱かない理由が、「全能が使用されたため」である可能性が急浮上している。

◆余談

  • 主なキャラ造形のモチーフは『竹取物語』のかぐや姫。
    「大筒木」とはかぐや姫のモデルとされる古事記の人物「迦具夜比売命」の父の名。また彼女の二つ名である「卯の女神」は、月面に見られる模様の一つであるウサギから取られたものと思われる。外道魔像として月に封じられていた過去から、月に関連する要素を複数取り入れたのだろう。

  • 大筒木カグヤという存在が明かされたのは六道オビト戦の後半であり、カグヤというキャラ自体はポッと出ではあるが十尾としてなら五影会談の段階でシルエットが出ており、更に遡ると第二部の初期から外道魔像としてではあるが作中に姿を見せている。

  • ゲーム『ナルティメットストーム4』ではアニメに先駆けて登場。声を演じた小山氏はそのままアニメでも続役している。カグヤは他キャラと比べて演出が派手で空間の入れ替えなど多彩な術を使うため処理が激しいようで、対戦で彼女を選択するとロード時間が非常に長い。



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最終更新:2024年02月04日 08:46

*1 この時、ソの国の兵士達にカの国の回し者と誤解されて危うく尋問されかけたが、直後にその場にいたテンジと重役もろとも昏睡状態に陥れており、次の場面では妃の位に収まっている。テンジがカグヤとの出会いをハッキリと覚えていないことから洗脳した可能性が高い。

*2 実際は侵攻以前にデンジがカの国との戦争を避けるために制定していた「カの国の者に手を出してはならぬ」との掟を破った形となったため。

*3 このときアイノの名を叫んでおり、少なくともこの時点では親しい者の死を嘆く人間性は有していた

*4 作中では「かねてからの私怨か、チャクラ実の独占が目的だったのでは」と推測されているが確証は得られていない。

*5 人気作は終了に合わせたメディアミックス展開を行うために終了話数はある程度余裕を持って決められる。

*6 岸本氏によるオフィシャルデータブック「陣の書」の「忍博聞録・忍術創生秘録」では「十尾はカグヤが神樹と一体化した姿である」と記されている。

*7 輪廻眼開眼後にマダラが月から口寄せしたのは外道魔像である。