モビルドール/MD

登録日:2015/04/20 Mon 16:34:30
更新日:2024/03/28 Thu 12:45:34
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「さあ、お人形さん達! 華麗なダンスを踊りなさい!」


モビルドールとは、『新機動戦記ガンダムW』に登場する無人兵器(以下MD)。
この呼び名は通称であり、本来はMOBILE Direct Operational Leaded Laborすなわち「直接指揮及び作戦用機動作業機」で、大文字部分をとってMobile DOLLと略される。

ロームフェラ財団とOZが共同開発した無人戦闘システム、またはシステムを搭載したMSもMDと呼ばれる。

スパロボやGジェネなどのクロスオーバー作品にも登場し、他作品にも類似したシステムが登場する。


■概要


「人間の代わりにMSを制御するシステム」で「パイロットの犠牲を防ぐことが出来る人道的な兵器」とも謳われるが、見方をかえれば資源さえあれば戦闘兵器を際限無く運用できるという意味でもあり、事実上の大量破壊兵器

しかも戦争を行う責任から人間を逃避させるMDへの依存は武力行使に対する感覚の鈍化を招く。

仮に敵対する双方の勢力がMDを運用した場合、「現実感を伴わない破壊のための破壊を繰り返すだけの資源の浪費」と化し、戦争が娯楽へと変容しうる。導入した組織がMDを主力として投入したのも、性能面以上に絶対的な不足傾向にあった「戦闘経験を持った兵士」の補填が大きい。


人間の根本的な感覚を狂わせ行く側面を危険視したOZ総帥トレーズ・クシュリナーダ「後の世に恥ずべき文化となる」と評し、彼をMDとは対極の「人間が闘うMS」という極端な代物に走らせた。
彼と敵対的な関係にあったはずのガンダムの開発者たちも、
「これはもはやゲーム」
「ゲームに成り下がった戦争は娯楽になる」
「いっそ本当にゲームで勝敗を決めればいい」*1
「若い者は合理的に考えたがる、ならば戦争こそ合理的ではない」
「(MD開発の手助けをするくらいなら)死んだ方がマシ」
と真っ向からMDの存在を拒絶する姿勢を見せている。


このようにMDの存在は単なる戦闘システムとしてだけではなく、「人間が生きる上でそこに生じる責任と向き合い続ける意志を持つべきなのではないか」という本作のテーマに一端に触れることが出来る重要な要素となっている。


一方『G-UNIT』において、主人公側であるMO-VがMDの運用に踏み切ったのは上記で説明した「戦闘経験を持った兵士」の補填を行う事で主力パイロットが出撃する間無防備になるMO-Vを防衛するという納得できる理由であった。
MDが徹底して否定された本編とは逆に、こちらはあくまで人を護るために使われたという「人の英知が生み出した物なら、人を救ってみせろ」を体現したものと言えなくもない。 


■運用

MD開発は作中序盤の統一連合時代には一定の成果を得ていたが、当時のOZ(スペシャルズ)が有人機配備を推進し、軍縮傾向もあって実戦配備はほとんど行われていなかった。
OZが連合宇宙軍残党を掃討するために本格導入して以降は、デルマイユ派の主戦力を務め、最終的にはコロニー革命軍もしくは宇宙革命軍*2『ホワイトファング』が運用し、技術も転用された。
また、資源衛星MO-VにおいてもMDのデータを元に製造されたDユニットと呼ばれるリーオーを改造した無人機を運用している。

パイロットが必要なく完全に無人で動作し、専用のAIチップで稼働する。後の『EW』では遠隔操作型にマイナーチェンジした。

有人MSからMD化された機体はリーオートーラスサーペントなどで、最初から無人MD制御前提として開発されたMSはビルゴシリーズのみ。
有人型の追加システムとして採用されているトーラスでは無人のコックピットの中で機体の挙動に合わせて操縦桿が動く場面があった。この場面は少しホラー。
また、開発初期に模擬試験用にMD化されたリーオーの場合では機体が旧式過ぎて内部への追加だけではMD化が出来ず、
背面にケーブルを接続し外部から信号を送り操作する仕組みになっていた(後の改良で内部の変更だけでMD化が可能となった)。


MDの性能はプログラムやハード側の性能次第で変化するが、基本的に反応速度、人体の負荷を無視した鋭角的な動き、高速のマルチロックや攻撃精度は人間を遥かに上回り、有人機以上の連携行動も行える。
攻撃目標を設定すれば対MS・対人戦だけでなく、対要塞攻略戦まで幅広い作戦行動をこなす。
更に搭載されたのがトーラスやビルゴといった高性能機であったこと、多数の機体による物量戦を展開したことなどから圧倒的な制圧力を発揮するに至った。

しかし、基本的にはプログラム通りにしか動かないため(当たり前だが数えられるほどパターンなどではないが)、状況変化や特殊地形などへの対応力に乏しい部分がある。
そのため人外の更に向こうにいる技量や反応速度もつガンダムパイロット達やミリアルド・ピースクラフトなど、MDの回避行動を読み取れるため「人形(ドール)」扱いをされる。
トーラスのMDは射撃に比べ接近戦のプログラム性能が低いため接近戦に持ち込まれるとガンダムパイロットレベルなら容易に撃破することができる。
また、敵味方識別は識別コードに依存しており、コントロール側が命令しなければ味方有人機の裏切りなど不測の事態に対処できないといった融通の利かない部分も多い。
明らかに敵であるリーオーを庇うだけでなくこちら側を攻撃しているエアリーズが現れた際でも、そのエアリーズの識別が味方だったが為に誤射を恐れて攻撃を中止するシーンがある。
実際ヒイロはこの方法でOZのMDを一方的に破壊しており、「MDより宇宙機雷のほうが厄介」とまで評している。
要人暗殺に遣わされた際に邪魔しに現れたトーラスに対しても対人用の低威力のビームでそのまま戦闘をするというのはMDという存在の弱点を直に表していると言えるだろう。
人類を遥かに超えた精度と反応、連携によるMDトーラス数十機による全方位からの数百に及ぶ射撃というオールレンジ攻撃も真っ青になるような戦法も行えるが、AC196年においてのガンダムパイロットレベルの能力なら輸送機でほほ全てを回避し最終的に戦域を突破されてしまう。(やたらと狙いがいいので途中からMDなのに気づいた)

他にもヒイロの計略によって制御プログラムを書き換えられ味方を攻撃の対象にしてしまったり、
無茶苦茶な細工が施された事によってリーオー相手ですらまともに戦えなくされてしまったこともあった。

また、戦術レベルでの制圧力に長けてはいても、それらを組み合わせて戦略として機能させるのは結局のところMDを指揮する人間である。
つまりMDの能力を最大限に生かすなら、戦況を俯瞰しながら戦略を立て同時に多数のMDに指令を送り続けるという、かなり高度な戦闘指揮能力が要求される。
そのためホワイトファングではエピオンからコピーしたゼロシステムを組み込んだMDコントロールシステムを構築。
MDシステムとゼロシステムを連動させ主力機であるビルゴⅡを実戦投入しドロシー・カタロニアが部隊を率いたこともあるが、不完全ながら同じゼロシステムを用いたカトル・ラバーバ・ウィナーが指揮するガンダムチームの戦略に競り負け部隊を壊滅させられた。

一応「パイロットが要らないので犠牲を考慮しなくていいが、プログラムで指示された通りにしか動けない」MDと、「高度な指示を出すことができるが、パイロットに負担をかけ、ほっとけば際限なく犠牲者を出す」ゼロシステムは互いの弱点を補い合っており
人的被害を恐れることなくシステムを運用できるという意味では理にかなった組み合わせだったのだが、
ドロシーには荷が重かったらしい…というよりはそれまでろくに連携してこなかったガンダムチーム*3をゼロシステムを使いながら自身も戦闘しているのに損害を出さないように指揮したカトルが異常過ぎたというべきだろう。

また、MDを最大限に生かす「戦況を俯瞰しながら戦略を立て同時に多数のMDに指令を送り続ける」作業を一人でやるのは非現実的ではあるが、
例えば大型戦艦を用意して、複数人のクルーで連携して行えば、難度は大幅に下がるものと思われる。
作品は違うが、「機動戦士ガンダム」で登場した「ソーラシステム」は、400万枚ものミラーを一律かつ微細にコントロールしないと威力を出せないが、
戦艦の情報処理能力で「戦況を俯瞰し」、名将ティアンムが「戦略を立て」、大勢のクルーが「多数のミラーに指令を送り続ける」ことで、二度も本領を発揮した。
しかも二発目は、敵の攻撃でミラーが破損し定数が満たせなくなったにもかかわらず、その場の判断と組み合わせだけで再起動し、敵に大打撃を与えている。
もちろん、MDは移動だけのミラーよりも複雑なコントロールがいるのだが、MDとてソーラーシステムのように400万もの数を動かすわけではない。
MDに本領を発揮させるのは確かに難しいが、工夫次第でどうにかなると思われる。


こういった集団・組織戦における性能向上以外にも、MD単体のプログラム面からのアプローチもとられており、
ビルゴの前身機体であるヴァイエイトとメリクリウスが、ヒイロとトロワ・バートンのデータを組み込んだMD型として新造・運用(ヒイロ機・トロワ機そのものは破壊されている)され、デュオ・マックスウェルの前に立ち塞がった。
ヒルデからMDにガンダムパイロットのデータが組み込まれている事を知らされ、その的確な個人技と機体特性を生かしたコンビネーションを目の当たりにしたデュオは「これじゃあの二人をいっぺんに相手してるようなもんじゃねえか!」と動揺した。
しかし、二人の事をそれなりに知っているデュオにとっては「手の内を読める」と言うことで却って好都合でもあり、
近接レンジのアクティブクロークを応用した戦術で蹴散らされた。
最終的な結論は「人形ごときに負けててガンダムのパイロットが務まるか!」


一方でこれらのアプローチによって功を奏している場面も多い。
劇中ではトレーズ派のOZ派は旧型MSが多かったことや数が多かったこと、そしてMDのAIの性能などから、やられている姿がかなり目立っている。
MDへの各種妨害工作がなければ(あるいは仮にガンダム開発者が全面的に協力していたら)完成度が飛躍的に高まっていたはずなので、更に圧倒していたことであろう。
よくザコと勘違いされるが、前述の超精度の射撃の回避と回避行動を読む、近接戦が弱点をつくというのもゼクスやトレーズ、ガンダムパイロットレベルの人外の更に向こうにいる能力が大前提であり、
一般的な兵士はおろか、トレーズの薫陶の受けたエース中のエースのスペシャルズの生き残りでもイブ・ウォーではMD一機相手にクロスファイアからの接近戦をしかけても逆に一瞬で複数機が消滅させられてしまう。
エースレベルでも基本的に個人技でも連携でもMDに劣るため、MDに攻撃は回避され、MDの攻撃も回避の対処も困難を極める。(中にはMD以上の動きをしてガンダムパイロットと多少なり戦闘が可能なモブもいるが)


MDには長所も短所もあったものの、何よりもMDを扱った勢力は(MO-Vを除いて)全て敗北し、MO-Vも終戦後は地球圏統一国家に賛同したため機動兵器を全て廃棄、
残ったリリーナ達の勢力にとって記事冒頭のように感覚を麻痺させかねないMDに否定的だったため、
AC196年でのMD機体は、かつてのDユニットのような拠点防衛システムの代打のような扱いとされ、
主力機動兵器の座はサーペントを始めとする有人式のモビルスーツに戻されている。

戦後はMDの製造・運用が廃止されたため、残った機体は一年後のAC196でのマリーメイアの反乱により使用されガンダムパイロットに殆どを破壊された。



■登場作品


『新機動戦記ガンダムW』



また、『新機動戦記ガンダムW フローズン・ティアドロップ』では
宇宙戦闘機の時代にジェイ・ヌル/ドクターJ無人機(おそらく後のプラネイトディフェンサーの元になる技術)
を作ったことがあったが、コントローラーを奪取されるという苦い経験を境に対抗策を用意し否定的になったことが語られた。

■ゲーム作品での扱い

いずれもクロスオーバー作品では定番の雑魚キャラとして出ることが多く、
中には宇宙世紀の機体などWに登場しないMSがMD化されている場合もある。なお戦闘能力は様々であり個体差がある。

スーパーロボット大戦シリーズ
大半の作品では他作品の人工知能と共通の能力になっており雑魚の域を出なかったが、『第2次Z再世篇』においては下手なネームドキャラより高い能力値、見切り・戦意高揚・援護攻撃&防御といった充実の汎用スキルを併せ持ち、かつ大量に出てくるため非常に鬱陶しい。
更にビルゴ・トーラス以外にもデストロイガンダムゲルズゲー、ユークリッド、バイアランもMDとなっている。
薬物強化が必要なデストロイ、操縦に多人数が必要なゲルズゲー、ユークリッドをMDにするというのは理に叶っているが、なぜバイアラン……単独飛行ができて格闘戦もある程度可能だからか?
メタ的には当時、新作OVAにて改修機が人気だったからと思われるが

同作では大学時代のスメラギ・李・ノリエガが基礎理論を提唱した、という設定になっている。*4

また、ガンダム00のミスター・ブシドーボトムズのイプシロンはMDを「戦士の誇りを汚す」として嫌悪していた。


SDガンダムGジェネレーションシリーズ
『F』ではトーラス(黒)やビルゴ系はパイロットがMDで固定される。他の機体もOPパーツでMD化することが可能。
一見パイロットが不要になり便利になるように思えるが、MD自身の能力が低いことが、有人機と違って大雑把な指示しか出せないこともあり、非常に使い辛い。
以降の作品ではMDシステム自体が廃され、ビルゴ系であっても有人で運用可能になった。明らかに原作無視であるが、この方が便利なのでやむなし。



■類似の機体・システム

□ガンダムシリーズ

無人MS開発計画「モビルウェポン計画」が存在する。略称は「MW」。
基本的に人格はない。
映画ではMW『レイ』が物量差を物ともせずにガイアのMS部隊を血祭りにあげたが、GセイバーやIセイバーには敵わずボコボコにされた。
一応レイそのものはGセイバーとサシで互角に戦えるかなりの高性能機なので、やはりこの戦果は無人機ゆえか。
ゲーム版では『レイド』を始めとした新型MWと呼ばれる機体が少数登場。「まるで人間」と言われるほどの動きを実現している。
最新型の可変MW『レイヴン』に至っては人格を持ち、機体の性能も相俟って凄まじい強さを誇る。

ラフレシアに搭載されている…というのは間違いで、ザムス・ガルに搭載されている大量殺人兵器。
人間だけを殺す無慈悲な機械な事であまりにも有名である。
どちらかと言えば「機体外周にカッターの付いた円盤」を自律兵器化したような物で
MD等人型ロボット兵器の自律化とは異なる。

  • バイオ脳(機動戦士クロスボーンガンダム)
クローン培養された細胞による有機CPUで、MS操縦や本人の代わりに指示を出す(+囮)などに使われた。人体よりも巨大なので自然と機体も大きくなる。
アマクサに搭載されたものは敵味方の区別ができずに大惨事を引き起こしたが、これは実戦演習中で区別をつける前に急襲されたことが原因である。
それ以前のクラックス・ドゥガチのバイオ脳についてはほぼドゥガチそのものと言って良い完成度を見せている。但しNT能力で区別がついたので完璧ではなかった。
アマクサの後に登場したディキトゥスに搭載されたものについては、
地球から木星へ死亡時の思念をテレパシーで受け取って転写するという特殊な方法だったため、本当に人格をコピー出来ているのかは不明だが凄まじいレベルの自立行動を見せている。
このように何気なく登場したモノだが、倫理面の問題はさておくと完成度は非常に高いシステムとなっている。

『地球環境浄化のために、その障害となる人類を抹殺する』という意思を持ち、完全に自律して行動するMF。
コクピットこそあるものの、パイロットは生体コアにされて自意識が封じ込められるか、感情エネルギーを吸い取られる道具とされてしまう。
自律から暴走を経て、終盤では感情すら持つ自我が芽生えた描写があり、無人機の枠を超えて、完全な『悪魔』となっていた。
詳細は項目参照。

パイロットは乗っているがDG細胞に汚染されたゾンビ兵であり、デビルガンダムの操り人形。
その意味で人格は無く、まさに人間を部品とした兵器と呼べる代物。
自己修復機能も搭載しており動きがゾンビそのもの(のらりくらりと動く)。
そのため非常に不気味な印象を与える。
詳細は項目参照。

  • シェイディングガンダム(超級!機動武闘伝Gガンダム)
成長型自律思考コンピューターを内蔵した、いわば『黒いシャイニングガンダム
ガンダムファイトの進捗がはかばかしくないことに業を煮やしたカラト委員長がドモンを追い落とすために用意させた機体。
ドモンのデータのすべてがインプットされており、さらに処理速度は人間の1.5倍。
おまけにパイロットイメージとしてキョウジを再現してドモンを精神的にも追い詰めた。
しかしレインに手を出してしまったがためにドモンの怒りを買い、
スーパーモードを発現したシャイニングガンダムによって完膚なきまでに破壊された。

  • 無人MS(∀ガンダム)
マウンテンサイクルでギンガナム艦隊により発掘された。
主な機体はズサンなど。旧式の機体なので性能が低い。
本編で登場人物からは専ら「お人形さん」と呼ばれている。

宇宙探査機として開発されたMS。その目的ゆえに無人機として開発が進められ、自律型AIが搭載される予定であったが、劇中では有人のコクピットに換装して出撃・戦闘している。

デスティニーインパルスから独自に発展を遂げた機体群。エース級のパイロットが搭乗するデスティニーインパルスRを無人MSであるDIアダガが随伴・支援するというコンセプトで開発されたが、デスティニーインパルスRもデスティニーシルエット側に搭載されたAIによりインパルス側のパイロットが不在でも自律行動が可能。その上ストライカーパック規格を持つ連合系MSをデスティニーシルエットRが強制合体することで乗っ取ることができる。

ザフトで使用されていたジンディンファウンデーション王国が購入し、無人機仕様として改修した機体。頭部と胸部が新造されている。ブラックナイツに随伴して、数的不利や火力不足を補っている。「R」は「リモート」の頭文字。


その他、機動戦士ガンダムSEEDシリーズのクロスオーバー作品ではデストロイガンダムがMD化されて運用される場合が多い。

文明を衰退させ、人類を絶滅寸前まで追い詰めた「厄祭戦」の元凶。
自らの判断を基に、効率的かつ大量の敵を殲滅する事に特化している。
厄祭戦以前は人間の代わりとして戦争を代行していたため、ある意味ではモビルドールの成れの果てとも言える。(その更に果てが人類の殺戮である。)

地球連邦軍が開発した無人機。モビルドールと同じくプログラムで動くが、高度な学習システムを搭載しており
「経験の積み重ね」を元に自己の判断で行動する。
その為、当初はただ敵を殲滅する事しかできなかったが、漂流した友軍機を自ら回収したり、
敵であろうと極力殺さないようにするなど生みの親であるカインズ博士の「人の命を護る」という願いを叶える為に戦うようになる。
最終的には、カインズ博士の死を感じ取って唸り声を上げる等、人間と変わらない「感情」を獲得。
最後に戦ったエファ=ガラドリエルからも「あのガンダムのパイロットのように誇りを持って生きる」と敬意を払われている。



□その他

無人機の項目も参照のこと。

無人SPT。通称TS(テラーストライカー)
恐らくMD系の機体の始祖とも言えるだろう。
完全な自律型の戦闘兵器であるが、AIのプログラムが
「発見した全ての人間の抹殺」となっている為
極めて好戦的かつ執念深く、ターゲットを見つけると相手が死ぬまで追跡するという
厄介な性質を持ち、エイジたちを何度も窮地に追い込んだ。

エントリープラグ(コクピット部)の代わりに取り付ける無人制御システム。人格があり、なぜか総じて凶暴。

無人戦闘機。初代『超時空要塞マクロス』の頃から存在する。
特に印象的なのはマクロスプラスのX-9やマクロスF時代の機体だろうか。その高性能ぶりで劇中において幾多のパイロットたちを追い詰めている。

『ヤマトよ永遠に』で登場。
地球防衛軍が白色彗星帝国戦で壊滅した戦力の代替として配備した、無人戦艦の艦隊。大型艦と中型艦で構成されている。
無人化は、人的資源のほとんどを喪失しきったがゆえの苦肉の策でもある。
操作は地球上のコントロールセンターから行うが、ここを狙われると全戦力が無力化してしまうという弱点を抱えている。
戦力としては相当なものであったが、柔軟な行動ができないために黒色艦隊の前に完敗。

  • ケントゥリア(フルメタル・パニック!アナザー)
カエサル・プロジェクトに基づいて開発された無人AS。同系列機としてレガトゥス、トゥリヌス、バリストラが存在するが、これらはいずれも有人機。
無人AS自体はこれ以前から存在したものの有人機よりも単純な行動しか取れなかったが、本機は高度なデータリンクも相まって下手な有人機を凌駕する性能を誇る。
行動の柔軟性もかなりのもので、敵の武器を掴み取る、死んだふり、作戦遂行のための味方の切り捨てなど芸達者。

  • 機皇帝(遊戯王5D's)
暴走したモーメントシステムが人類抹殺のために生み出した巨大ロボット兵器軍。
スキエル、グランエル、ワイゼルの三種からなり、それぞれ「天地人」を象徴している。
単独では携行兵器でも破壊可能ではあるが圧倒的な物量で人類を全滅に追いやった。
人間の欲望に危険を感じたモーメントの特性上、欲望を持たない人間は襲わない。しかし人類がそれに気づいたときにはすでに手遅れとなっていた。

  • バーサーカー(バーサーカーシリーズ)
アメリカの小説家フレッド・セイバーヘーゲンの小説に登場する自己複製戦闘機。
日本語版の冊子の扉絵には単眼のロボットが描かれているが、他にも様々な形状・サイズの機体が存在している模様。
地球人が旧石器時代だった頃に星々で起きていた宇宙戦争の片方の種族が作り出した最終兵器だが、
暴走して全ての生命を攻撃対象とみなし、両文明をはじめ数々の文明を滅ぼしてきた。
日本の作品では『究極超人あ~る』の晩餐会や『宇宙家族カールビンソン』のパーカーが直接元ネタにしている他、
製作した種族の外見描写はザクのモノアイの元ネタではないかとも言われている。

  • 無人戦闘艇(ドラえもん のび太の宇宙小戦争)
ピリカ軍が大量に保有するシャチ型の宇宙戦闘艇。
パトロールから攻撃までこなせる使い勝手の良さに加えて、
敵を発見したら徹底的に追い詰め最後は体当たりして自爆すると、敵にまわせば非常にやっかいな存在。
なおピリカ軍には普通に空軍も存在するが、こちらが多用されているのはギルモア将軍が反乱を恐れているため。
また、別の劇場版「海底鬼岩城」では無人潜水艦のバトルフィッシュが登場。
こちらも半永久的に海底をさまよいながら敵を発見するとしつこく追い回すやっかいな存在である。

  • スリーパー(ゾイドシリーズ)
金属生命体ゾイドの無人制御システム。主にサソリ型ゾイド「ガイサック」に使われる。
MDと同じものだが主力としては用いておらず(主力軍は兵士が乗り込む)、「長期間地中に埋めて、敵が来た時だけ起動して奇襲する」という一種の地雷のように扱われた。
制御システムも完璧ではなく、通りすがりの民間人を襲ったり、所在を忘れられて放置されたり、といった現実の地雷に近い問題点も散見される。
また、スリーパーと共通するかは不明だが、キメラブロックスというタイプは無人機のまま主力として扱われた。これは開発した国が新興で、人員不足であったため。

戦闘用の自立型ロボット兵士。中央からの指示を受けて全軍が動く。
無人なので消耗や被害を恐れず攻撃するというのはMDと同じだが、特にBシリーズと称される機体群は、極限まで高めた量産性によって「数の暴力」を極めた。究極の物量兵器である。
生産性と引き換えに個の性能は貧弱だったが、少数だが強力なドロイドを同時運用することで、局面打破も可能。
ガンダムで例えるなら、200機のゲルググ相手に100万機のボールが無人機仕様で襲い掛かるようなもので、質の差を覆して猛威を振るった。
これを倒すには、ドロイドを上回る能力を持ちながら、それに匹敵するほどの数の兵士がなければ無理。

早乙女研究所の周囲を守る文字通り量産化されたゲッターロボG。
無人化されているが、各種武装やゲッターチェンジも元のゲッターロボGと同じくおこなえる。
ただしゲッターロボは適正者が3人そろって初めて真価を発揮するロボットなので、竜馬の乗った初代ゲッターロボに全くかなわなかった。
だが機体性能はゲッターロボGそのものであり、さらに数百数千はいる圧倒的な物量で国連軍を壊滅に追いやった。
最終的には全機が合体して真ドラゴンの素体となる。


■似て非なるもの

本作の最終決戦後制作された特殊なガンプラ。
「モビルドール」と銘打ってはいるが、本作のモビルドールとは大きく異なり外見は美少女フィギュアのような感じである。
ただし、作中世界においては「バーチャル世界において生まれた電子生命体の少女の魂を宿した機体」であるため、これも一緒のAIの意思で動くモビルドールとも言えなくもない。

ウォドム型のガンプラ「ウォドムボッド」内に組み込まれている機体で、少女を模しつつある程度MSに近づけた造形と武装をしている(モビルドール・サラにも同様のMSモードが存在した)。
作中描写やパイロットの素性等からモビルドール・サラの姉妹機にあたると思われ、1期最終回では美少女フィギュア型メイも登場している。


■余談

『新機動戦記ガンダムW』のTV版の監督である、池田成に代わって登板した高松信司(当時はゴルドランを掛け持ち)は
同時期に勇者シリーズで奇しくもAIをテーマにした作品を制作している。(ただしゴルドランにおいてはAIを詰んだロボは登場しない)




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最終更新:2024年03月28日 12:45

*1 本当にゲームで勝敗を決めるようにした結果、地球が荒廃したという話を前作でやったばかりなので物凄い皮肉である

*2 宇宙世紀でいえばエゥーゴやアクシズに該当する

*3 ヒイロも実際に言及していることであり(そのためカトルに指揮するよう勧めた)、連携不足はガンダムチームの弱点だった

*4 彼女は『ガンダム00』原作でも、大学時代に無人兵器の研究をしていた話がある。