シンケンレッド/志葉丈瑠

登録日:2012/01/03(火) 08:53:29
更新日:2024/02/19 Mon 22:28:46
所要時間:約 5 分で読めます





最初に言っておくぞ。この先に進めば、後戻りする道はない。

外道衆を倒すか…負けて死ぬかだ!


シンケンレッド/志葉(しば)丈瑠(たける)とは、スーパー戦隊シリーズ第33作『侍戦隊シンケンジャー』の登場人物。

演:松坂桃李

キャラクターソング:「シンケンレッド 一筆奏上」


概要


三百年前から外道衆と戦ってきた侍の一族・志葉家の十八代目当主。
幼い頃から志葉家当主としての使命を負い、アヤカシとの戦いに備えていた。
両親とは死別しており、爺の日下部彦馬と、志葉家に仕える黒子達と共に暮らしている。

志葉家当主は代々「封印の文字」という強力なモヂカラを使えるが、未だかつて完全に習得できた者はいない。
かつての戦いでは先代シンケンレッドが不完全な状態で使用。
血祭ドウコクの一時的な封印に成功するが、致命傷を負わされた事もあって直後に息を引き取った。

本編開始時点では「他人を巻き込みたくない」との思いから一人で戦っていたが、
第一幕「伊達姿五侍」にてナナシ連中のみならずアヤカシまでが行動を開始した事で四人の侍の招集を遂に決意する。

その後、彦馬から招集の矢文を受け取った池波流ノ介達の前に馬に乗った姿で登場。
項目冒頭の言葉で前置きしてから、「それでも戦うって奴にだけ、これ(ショドウフォン)を渡す」とその覚悟を確かめようとする。

……ただし、家臣とか忠義とか、そんな事で選ぶなよ。覚悟で決めろ!

四人の強い覚悟を認めた丈瑠はショドウフォンを渡し、シンケンジャーとして共に戦う事となる。


性格は、一言で言えばクール。そして無愛想。
また他人に本質を掴まれまいとしている節があり、白石茉子にそれを見抜かれた事もある。
そんな性格からか、最初は谷千明達からあまりいい印象はなく、序盤に洗脳された池波流ノ介と対峙した際には、「本音を話さないからこういう時に100%信じられない」と千明からは言われている。
だが、共に戦っていく内に互いを理解していき、やがてかけがえのない仲間となっていく。

根は優しく、流ノ介達を召集する事や、第十七幕「寿司侍」で再会した幼馴染の梅森源太を戦いに巻き込む事を迷っていた。
獅子折神とじゃれあっている時や彦馬に対してはごく普通の青年の面を覗かせるが、やがて流ノ介達にも自然体で接するようになった。

作品によっては『隊長』、『チーフ』、『キング』など、特殊な呼び方をされる歴代レッドの中でも丈瑠はそのバリエーションが特に豊富。
流ノ介や彦馬からは『殿』、茉子や千明からはそのまま『丈瑠』花織ことはやダイゴヨウからは『殿様』、源太からは『丈ちゃん』と呼ばれている。
それに倣い、ファンからの愛称も『殿』

当時のコラボ先である『仮面ライダーディケイド』第25話「外道ライダー、参る!」では、もやしこと門矢士からも『殿様』と呼ばれた。


剣の腕も、仲間内ではかなり強い。だが、たまに自分の身を省みない戦法をとる事もある。
第七幕「舵木一本釣」から登場したはぐれ外道・腑破十臓とは幾度となく死闘を繰り返し、終盤では、侍ではなく志葉丈瑠個人として最後の死合いに挑んだ(後述)。


こんな殿だが、第二幕「極付粋合体」の巨大戦でいきなり合体からハブられ、ネタキャラの片鱗を見せる。
その時の俺、余ってるだろ!は名言となった。

それからしばらくした後、第三十幕「操学園」で合体に割り込んできたダイゴヨウに弾かれ、また余る事に。

また俺余ってるだろ!

その戦闘の間は、上空を獅子折神で飛んでいた模様。

その他にも、お化け屋敷が大の苦手だったり(本人曰く「作り物だから怖い」)、ブラウンに台詞を取られたり、魂を入れ替えられて招き猫ポーズにされたり、ことはの付き添いで執事役になった時は『執事っぽくしなさい』と怒られたりしている。
このように回を重ねるにつれて、ネタに事欠かない殿となっていったが、逆に人間味を感じさせることにもなった。




以下ネタバレ









封印の文字を唯一使える志葉家当主でありながら、自分の命を省みないなど不自然な点も目立っていた丈瑠。
その理由は第四十四幕「志葉家十八代目当主」で明らかにされる。

実は本物の志葉家当主ではなく、影武者。
真の志葉家十八代当主は、姫こと志葉薫

彼の父親(演:津田寛治)も志葉家の当主やシンケンレッドではなく、志葉家の家臣であり、丈瑠はモヂカラの素質があったことから(この辺は源太と同じ)、影武者に選ばれた。
丈瑠の役目は、薫が封印の文字を完成させるまで、外道衆の注意を彼女から反らさせるための時間稼ぎ*1

「危険な役目を臣下ばかりに押し付けられない」として、薫は努力を重ね、予定より早く封印の文字を完成。
本格的に外道衆との戦いに参戦するも、それは丈瑠がお役御免になることを意味していた。

その役目を終え、志葉の屋敷を後にした丈瑠には、虚無感しか残らなかった。

びっくりするほど何もないな……

唯一侍でない源太が駆け付け励ますも、その場を離れてしまう。

そして十臓と出会い、「何もないよりましか……」と、一対一の死闘に挑む。

一進一退の攻防の中、なりふり構わない戦い方に『人斬り=外道』の道に近付く丈瑠。
だが、駆け付けた彦馬によって一線を越える事を免れる。
その後も戦い続け、辛くも十臓を倒すも、火に囲まれてしまう。

それを助けたのは、駆け付けた流ノ介達だった。
火の中から助け出された後、お互いの気持ちをぶつけ合い、再び仲間として戦う事を決意する。


その後志葉家十九代当主として返り咲くのだが、その方法が……



姫「養子にした」



姫ェ…………


(自分より年下の)姫の養子として当主の座に戻り、最終決戦に挑む丈瑠。
最終幕「侍戦隊永遠」では封印の文字すら跳ね除け、街を破壊するドウコクを文字通り『力づくで倒す』ために対峙する。
姫の側近である丹波歳三から渡された『双』の秘伝ディスクと仲間達の連携で一の目を倒す。

そして二の目になり、サムライハオーで巨大戦。圧倒的なドウコクの力に正面から立ち向かい、合体が弾かれながらも、変身が解けながらも近付いていく。

その中で、皆に、

お前達と、戦えてよかった

と感謝の言葉を呟く。
そしてシンケンオーだけになり、ありったけのモヂカラを込めた一撃を振るい、見事ドウコクを倒した。


その後は、姫と丹波に志葉家当主を任され、去っていく仲間達を見送った。

「広くなってしまいましたな……」

と淋しげに言う彦馬の言葉とは裏腹に、空を眺める丈瑠の心は晴れやかだった…。



シンケンレッド


ショドウフォン! 一筆奏上!!

(火) ハッ!!

シンケンレッド、志葉…丈瑠!


スーツアクター:福沢博文

丈瑠が『火』のモヂカラで変身した姿。
変身アイテム「ショドウフォン」で書いた『火』のモヂカラが裃を模した赤いシンケンスーツに変化。
丈瑠の身体を包み込み、最後に頭部を覆う事で変身完了する。
必殺技は『火炎の舞』

専用武器は身の丈程の大剣『烈火大斬刀』。大筒モードという砲撃形態に変化させる事もできる。
そのサイズから盾のように使う事も多い。
最終決戦では『双』のモヂカラで二刀流を見せた。


スーパーシンケンレッド

第二十四幕「真侍合体」にて完成したインロウマルの力でパワーアップした姿。
白い陣羽織が装着され、殿という事もあってか出番も多い。
必殺技は『真・火炎の舞』
第三十八幕「対決鉄砲隊」にてモウギュウバズーカという大砲を装備し、遠距離戦にも対応できるようになった。
モウギュウバズーカでの必殺技は、最終奥義ディスクをセットする事で発動する『外道覆滅』


ハイパーシンケンレッド

志葉家初代党首・志葉烈堂から託された恐竜ディスク、そしてそれに眠る恐竜折神の力でパワーアップした姿。
侍戦隊シンケンジャー 銀幕版・天下分け目の戦』にて変身可能になった。
恐竜折神が変化した刀『キョウリュウマル』で自在に戦う。
詳細はリンク先の項目参照。


外道シンケンレッド

『VSゴセイジャー』にて、血祭のブレドランにビービ虫で操られた丈瑠が変身した姿。
陣羽織を羽織っているのは上2形態と同じだが、羽織とグローブの色は黒く、背中には志葉家の家紋がない。

丈瑠の自我は殆ど残っておらず、変身や技の掛け声を上げる以外は無言。
しかし、丈瑠の高い戦闘能力はそのまま反映されている上に理性というリミッターが無くなっているせいでその容赦ない戦闘スタイルから繰り出される攻撃の数々は「脅威的」の一言であり、初戦ではゴセイジャー5人を全く寄せ付けなかった。
しかも、変身にはインロウマルを必要としない為、シンケンマルをこの姿のまま烈火大斬刀に変形させることも可能というインチキ仕様。インロウマル無しでどうやってこの姿になっているのかは不明。
ブレドランの目的はこうして手に入れた丈瑠の火のモジヂカラを自身の軍門に下ったマダコダマの作った水蒸気レンズで増幅させて擬似的な太陽フレアを起こし、護星界を強制的に繋げ、そこから三途の川の水を流し込んで滅亡させることであった。

終盤にて、ゴセイレッドと激闘を繰り広げ、あと一歩のところまで追い詰めるも、シンケンジャー4人によって止めを防がれてしまい、薫から受け取った「火炎トルネードカード」を発動したゴセイレッドの渾身の一撃を喰らい、洗脳が解除され元の丈瑠に戻された。

ちなみに上記した通り、あくまでビービ虫による強制的な洗脳に過ぎないので、“外道”という名称はついているものの、シンケンジャー本編における“外道化”とは一切関係ないので注意。
その為、ぶっちゃけこの外道シンケンレッドが、具体的にどういう状態だったのかは作中でも殆ど語られていない。


その他の作品

『仮面ライダーディケイド』では、ディエンドライバーの影響でディエンド態に変身したチノマナコを倒すために共闘。
ブレイドブレードと、ディケイドのAR烈火大斬刀による武器交換コンビネーションで倒した。

侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!』では、ゴーオンレッド/江角走輔から共闘を申し込まれるも、『素人』といい拒否。
だが次第に認め合い、息の合った作戦で逆転の活路を開いた。
その後走輔に恐竜ディスクを貸し、ハイパーゴーオンレッドにパワーアップさせた。

Vシネマ『帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 特別幕』では、流ノ介以外の全員の印象が同じで拗ねる。
仕舞いには茉子に「まあ、いいんじゃない?」と言われ、(゚Д゚)になる。
あと、他の野郎ズ共々女装を披露した。

斬るわよ


天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕』では、血祭のブレドランの罠により外道シンケンレッドとして、皆の前に立ち塞がる。
アラタ、ゴセイナイトを除いた9人がかりでも勝てないという無茶苦茶加減を見せた。
その後合流したゴセイレッド相手にも優位に立ちまわるも、トドメとして放った百火繚乱*2をシンケンジャー5人が作った壁のモヂカラで弾き返され怯んだところを、薫の協力で作成した火炎トルネードカードの力で撃破され、正気に戻った。


その後は『梅ちゃん先生』でボウケンレッドと幼馴染を巡って恋の火花を散らしたり、
『軍師官兵衛』で本物の殿になったり(後述)、
『わろてんか』でヒロインに一生笑わせることを誓ったりするが……それはまた別のお話。

【参考】
(『軍師官兵衛』の番宣として某トーク番組に出た際に来た投書)
こんにちは、私は松坂さんがデビューした戦隊ヒーローのころからずっと応援しています。
だからずっと殿と呼んでいたんです。
まさか本物の殿になる日が来るとは思っていませんでした。

この「本物」というのはどういう意味で言っているのか気になるところである。

最近では遊戯王にハマっている事でも有名。


『パワーレンジャー・サムライ』及び『パワーレンジャー・スーパーサムライ』

"ジェイデン・シバ"という名前の青年として登場。もちろん役者は現地の別人。
アメリカの子供向けに設定が変更されており、爽やかで協調性のある性格と典型的なレッド像である。
志葉家も武家でなく「侍としての修行を積むための道場」といった形になっており、志葉薫にあたる”ローレン・シバ”は家を出て行った実の姉という設定となっている。


余談

歴代スーパー戦隊シリーズでも、作品自体と同様に特に人気の高いレッドである。
様々な作品と客演している(中の人は違うが)他、グッズ展開も積極的でスーパー戦隊シリーズ初のフィギュアーツ化を果たした上に、スーパーやハイパーなどの派生フォームのアーツも作られる高待遇っぷりである。

最終幕で披露した烈火大斬刀の二刀流だが、ドウコクに振るうシーンは流石にCG撮影である。
ただし構える場面は、1本10キロ以上する烈火大斬刀のプロップを二本実際に構えている
しかも右肩で支える右手側はまだしも、左手で保持している方は水平に構えていると、アクターの福沢氏の本気が垣間見える。

丈瑠が影武者である事は、最初から決まっており、6幕などで少しづつ伏線を張り巡らせていた。演者の松坂氏がこの事実を知ったのは、三十九幕の収録直前で彦馬役の伊吹吾郎氏も同タイミングでスタッフから聞かされている。ほかのレギュラーキャストは、姫が登場する四十四幕の撮影の際に知らされている。

影武者としての負い目から家臣たちとの一定の距離を取ろうとしていた丈瑠であったが、
「父の意思を受けて侍の道を歩み出した」(流ノ介)
「死別と離別の違いはあるが、幼少期に両親と別れて侍の教育を受けた」(茉子)
「『他者(姉/姫)の代わり』として自分を軽く見ている」(ことは)
「侍の家系の生まれではないが、モヂカラの才能に長ける」(源太)
「亡き父の遺志を継いで志葉家当主の座に就いた」(薫)
というように、1人の人間としての丈瑠には、他の侍たちとの共通点がそれぞれあった。
ただし、丈瑠の背中を追い、彼を超えることを目標とする千明にだけはそれがなく、
「侍の家系の生まれではないが、幼少期より世間を離れ侍の英才教育を受けて育った」(丈瑠)
「侍の家系に生まれながらも、必要最低限程度しか侍の教育を受けず、ごく一般的な生活で育った」(千明)
と、性格から生い立ちまで全くの正反対であることがわかる。


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最終更新:2024年02月19日 22:28

*1 ちなみに、相手が気にしていることを言い当てる敵から「嘘つき」と呼ばれたり、丈瑠の回想シーンに一度も志葉家の相続に関する描写が無いなど、伏線は前から張ってあった

*2 何気にDVDのカットシーン以外で技名を呼称したのは初