遊撃士(英雄伝説)

登録日:2015/1/15(木曜日) 01:59:05
更新日:2022/10/26 Wed 14:52:55
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遊撃士とは英雄伝説 軌跡シリーズに登場する職業。架空の民間団体『遊撃士協会(ブレイサーギルド)』に所属する者達の呼称である。
『支える籠手』をシンボルとして掲げており、『ブレイサー』あるいは『ギルド』とも呼ばれる。


作中の50年程前にレマン自治州に総本部が設立され、以降は大陸全土に拠点と人員を持ち、各地に多大な影響力を持つ。

仕事内容は様々な依頼(魔物退治や探し物等々)を聞き届け、それを実行する所謂「何でも屋」。
一方で『民間人の安全と地域の平和を守る』事を最優先の目的に掲げ、時には犯罪者を取り締まるようなことも。
その在り方から憧れを抱く者も多く、遊撃士ごっこという真似事をして遊ぶ子供達もいる。
他にもあらゆる国に対して中立性を保っているため、国家間交渉の仲介役を担う場合もある。


資格は満16歳以上の者に限られ、それ未満の者は遊撃士になる事は出来ない。
遊撃士になるにはまず指導教官の下で訓練を積んで見習いである『準遊撃士』になり、更に実績と経験を積む事で『正遊撃士』に昇格する必要がある。
その中でも細かいランク分けが存在しており、正遊撃士は高い順にA~G級、準遊撃士は1級~8級に区分されている。

戦闘以外にも捜査や交渉などを行う仕事柄、ランクと強さに直接的な関係はないが、当然ながら高ランクである程戦闘力も高い傾向が強い。
最高ランクであるA級遊撃士は大陸全土でも20人程しか存在しておらず、実力も達人クラスが殆どである。

他にも非公式であるがA級の更に上にS級というランクが存在しており、
此方は国家を揺るがす程の大規模な事件を解決した者にしか与えられず、大陸に僅か4人*1しか存在しない。



その理想的とも言えるべき信条と活動から、上記の通り民間人からの支持は絶大なものがあるが、
軍隊や国の上層部の方からは煙たがられており良い印象を抱いていない者も多い。

また、広く国家にも受け入れられるために中立性を保つため「国家権力への不干渉」を掲げており、政治家や公的機関に対しては現行犯以外では手を出すことができないというという弱点を持つ。
その他、運営資金についても寄付で賄っている所が大きいといった問題もあり、理想だけではなかなか立ち行かない部分もある様子。


民間人保護の理念の為に、ミラ次第では如何なる仕事を引き受け場合によって多大な被害を齎す《猟兵団》とは昔から折り合いが悪く、
正遊撃士の多くは猟兵と大なり小なりの衝突を経験しているという。
例外として《赤い星座》と《西風の旅団》という桁違いの戦力規模を誇る二つの最強の猟兵団に関しては、
余りに強大な戦力故に遊撃士協会といえどまともにやり合えばただでは済まず、下手すれば全面戦争にも成りかねない為に衝突は可能な限り避けるようにしている。

更に大陸各地で暗躍する謎の組織、結社『身喰らう蛇《ウロボロス》』とも深い因縁がある。
遊撃士の全員が全員その存在を認知しているわけではないようだが、上級の遊撃士ならば認知している模様。

またユン・カーファイが立ち上げた剣術《八葉一刀流》は不思議と遊撃士の中で縁がある者が多く、それなりの知名度があるとか。



以下、各国ごとに登場した遊撃士を紹介する。ネタバレ含む為に注意。詳細は各項目参照。

リベール王国
シリーズ初舞台にして、主人公であるエステルが遊撃士の為にシリーズで最も遊撃士と触れ合う機会に恵まれている。

エステル・ブライト
ランク:準遊撃士(FC)→正遊撃士(SC)→B(零)
ご存知、空の軌跡の主人公。太陽の娘。
遊撃士に成り立ての頃は未熟であったが数々の事件を解決に導いたことで実力を付け続け、現在で立派なベテラン遊撃士に。
零の軌跡の頃には結社との闘いが評価されてか弱冠18歳にして驚異的な速度でB級まで昇進しており、レンを探すべく一時的にクロスベルに滞在する。
因みにFCの未熟な頃のエステルでも導力銃の弾丸程度なら余裕で弾けるぐらいの力量だったり一般人とは桁違いの強さだったりする。
また閃Ⅳ時点ではヨシュアと共にA級へのランクアップが目前である事が明かされた。
それからさらに約2~3年後の世界を描く黎の軌跡Ⅱ時点でもB級のままらしく、A級を目指してヨシュアと共に頑張っている途中だとレンの口から語られている。

ヨシュア・ブライト
ランク:準遊撃士(FC)→正遊撃士(SC)→B(零)
エステルに並ぶ空の軌跡の主人公格。猪突猛進直感的な思考が多いエステルに対して彼は冷静な判断でサポートする。
過去の出来事を乗り越え、エステルと行動を共にとり続けており、彼女同様に零の軌跡ではクロスベルに滞在している。
エステル同様、閃Ⅳ時点でA級目前とされている。

カシウス・ブライト
ランク:S→脱退(SC以降)
エステル、ヨシュアの父にして作中唯一登場しているS級遊撃士。
《剣聖》の異名を持つ八葉一刀流屈指の剣士であったが、遊撃士に転向する際に棒術に変えた。
あらゆるものの本質を見抜く「理」の域に達しているとされ、最強クラスの戦闘力と最高クラスの知力を併せ持つ初代チート親父。
その特出した能力でD:G教団の殲滅作戦など様々な事件に貢献するも、その能力故にワイスマンに《福音計画》最大の障害と判断され、数年掛かりで罠を仕掛けられ結果的に遊撃士を退職せざるを得なくなってしまう。
現在は軍に准将として復帰し、卓越した戦略眼を奮い活躍している。

アガット・クロスナー
ランク:C→B(SC)→A(閃Ⅲ)
《重剣》の異名を持つ赤髪の若手有望株。
かつて実妹であるミーシャを失ったショックで荒れた生活を送り、ルーアンの不良グループ「レイヴン」のリーダーをしていた過去を持つ。
しかし、カシウスに叩きのめされ、その後色々あって遊撃士を志すようになったという。
閃ⅢではA級遊撃士として再登場し帝国入りしている。

シェラザード・ハーヴェイ
ランク:C→B(SC)→A(閃Ⅳ)
《銀閃》の異名を持つ銀髪の女性遊撃士。
アガットと並ぶ若手有望株であり、エステルの姉貴分。
カシウスの弟子に当たり、先生と呼び慕っている。
元々は孤児であったが旅芸人の一座のハーヴェイ座長とルシオラに拾われ、充実した日々を過ごしていた。しかし、ある日座長が亡くなり、一座は解散。知り合いだったカシウスに頼り遊撃士になった過去を持つ。
アガットと同じく閃Ⅲ時点でA級遊撃士として帝国入りし、閃Ⅳにて再登場した。
《巨イナル黄昏》後はオリビエと結婚し、エレボニア皇室入りした事で姓が「アルノール」となると同時に、遊撃士を事実上引退(籍だけは残している)。

クルツ・ナルダン
ランク:B→A(SC)
《方術使い》の異名の持つ緑髪の男性。
カシウスに次ぐリベール王国No2遊撃士であり、SCにはA級に昇格するなど実力も確か……なのだが作中ではいつも不覚を取る為にプレイヤーからは専らネタキャラ扱い。
小船やらかませ犬やらと呼ばれ、公式でもネタにする始末。まあ戦った相手が作中屈指のチートなので相手が悪かった。

アネラス・エルフィード
ランク:F→B(零・閃)
新米遊撃士。八葉一刀流の創始者ユン・カーファイの孫に当たる。
年齢の近いエステルをライバル視しており、互いに競い合う友人同士。
雑誌によると零の軌跡の頃にはエステル同様にB級に昇進しているという。

○カルナ
ランク:不明
銃とオーバルアーツを得物とする女遊撃士。姉御肌な人物。
エステルとアネラスの前に試練として立ちはだかった。

○グラッツ
ランク:不明
大剣を操る赤髪の青年。
カルナ同様にある事情からエステルとアネラスの前に試練として立ちはだかった。
微妙に印象が薄いのが特徴。ブラックさん。

○ディン
○レイス
○ロッコ
レイヴンのリーダー格の三人組。元アガ夫の舎弟。
当初はルーアンの厄介者だったが、エステル達との出会いや導力停止事件を経て遊撃士の道を志す。アガットの指導の下、3rdでは晴れて準遊撃士に合格した*2


クロスベル自治州
帝国と共和国に挟まれるなど微妙な力関係が続いている場所であり、事件が絶えないため遊撃士の活躍も多い。住民も様々なしがらみで動きが取り辛い警察より遊撃士協会に信頼をおいている。
少人数ながら所属遊撃士全員がB級以上であるなど猛者揃いである。

アリオス・マクレイン
ランク:A→脱退→復帰
《風の剣聖》の異名を持つ八葉一刀流の剣士。
二の型《疾風》による高速の剣技を得意とし、単純な戦闘力だけなら《剣聖》カシウスをも超えると言われる最強のA級遊撃士。
本部からS級への昇進を検討されているも、本人の「自分には過ぎたもの」として昇進を断り続けている。
尤も功績及び実力共に昇進には申し分なく、能力的には実質S級遊撃士クラスの人物。
常に依頼を請け続ける多忙な人物であり、これには理由があるらしい。
終盤にある目的を叶えるべき行動を起こし遊撃士を辞退。
閃ⅣのEDにて遊撃士協会が地位を取り戻し、各地の支部が復活したと説明されるが、過去登場した数多の高位遊撃士と共にアリオスの姿も確認できる。
創の軌跡ではA級遊撃士として復帰しており、クロスベル独立のため再び尽力する。

○リン
ランク:B以上
泰斗流の免許皆伝者。鉢巻をした女性であり、ジンとキリカの妹弟子にあたる。
腕前は相当のものであり、戦闘ではジンと一部同様の技を使ってくる。

○エオリア
ランク:B以上
リンとコンビで行動している女性遊撃士。可愛いもの好きでアネラスと同じ趣味の持ち主。
レミフェリア出身で、注射など医療関係の攻撃を行う。

◯スコット
ランク:B以上
凄腕の銃使い。アリオスと同様にクロスベル出身。
百貨店《タイムズ》で受付嬢をしているパールという婚約者がいる。その後彼女と結婚し、七耀暦1207年時点で子持ちとなった。

◯ヴェンツェル
ランク:B以上
エレボニア帝国出身の大剣使い。
「帝国ギルド連続襲撃事件」では解決作戦に参加していたが、その後帝国での活動が制限されたためクロスベルに移動してきた。

〇ナハト・ヴァイス
〇クロエ・バーネット
暁の軌跡の主人公で、準遊撃士。ナハトは元猟兵団《ニーズヘッグ》の団員、クロエはジェニス王立学院の元学生。
なお、暁の軌跡は本編とはパラレル扱いのため、本編では未登場。


エレボニア帝国
かつて複数の支部があった国だが、身喰らう蛇主導のジェスター猟兵団による帝国ギルド連続襲撃事件によって大打撃を受ける。
更にオズボーンの手によって規模は縮小され、《巨イナル黄昏》終焉までは一部を除いて活動を停止していた。ギルドだった建物も空き家になっていたりする。
そのため他国家に比べて登場する遊撃士は非常に少ない。

サラ・バレスタイン
ランク:A→脱退→復帰
トールズ仕官学院教官にして、元最年少A級遊撃士。
当時は《紫電》の異名を持つ凄腕遊撃士として活躍していた。
帝国ギルド連続襲撃事件の影響によってギルドの解散を余儀なくされ、行き場を失っていたところをスカウトされ士官学校の教官となった。
ナイスミドルが好みの私生活は残念お姉さん。
閃の軌跡Ⅱ後は遊撃士へと復帰している。

トヴァル・ランドナー
ランク:B
《零駆動》と呼ばれるギルドきってのアーツ使いであり、高速起動するアーツによる怒涛の攻撃を行う。
ランクはB級だが、カンパネルラやミハイル少佐の発言のよるとその戦闘力はA級並みと目されており、オーレリア将軍や蒼の深淵ヴィータ・クロチルダ等にもその実力は認められている。
アルゼイド子爵によるとA級への昇進を辞退していると言う話であり、トヴァル自身も自分には過ぎたランクであると話し辞退しているという事は否定していない。
エステルやヨシュアら現役遊撃士、カシウスやアルゼイド子爵にリィンといった《理》に至ったゼムリア大陸トップクラスの達人、果ては星杯騎士団守護騎士第一位アイン・セルナート総長とも関係が匂わされるなど多くの人物と知り合いであり、驚異的な人脈を持つ。

フィー・クラウゼル
ランク:B
《妖精》の異名を持つ猟兵団《西風の旅団》出身の若手遊撃士。
旧《Ⅶ組》の生徒だった内戦時、かつての猟兵仲間と再会した事をきっかけに遊撃士としての道を進む事を決意。
帝国政府からの規制が更に強まる中で、サラやトヴァルの指導を受け、若干16歳で正遊撃士の資格を取得した。
これはエステルとヨシュア以来の快挙であるらしく、現時点での最年少正遊撃士資格取得者である。
サラとコンビを組み国内外での仕事をこなしているほか、アルマータの暗躍により治安が悪化したカルバード共和国に渡ったこともある。


カルバード共和国
活動を停止させられていた帝国とは対照的にかなりの大勢力で、当然ながら裏社会の有力者たちからは強く警戒されている。
民間人の保護のためならばかなり無茶な手段も取るらしく、東方マフィア《黒月》からは厄介がられている。

ジン・ヴァセック
ランク:A→準S
クマに例えられる大柄な男性。
空の軌跡ではリベールの遊撃士に協力していた。
東方三大拳法の一つである《泰斗流》を修める拳法の達人。本人曰く自分はA級の中では未熟な方との事だが、その実力は非常に高く、《不動》の異名を持つ。
七耀暦1207年時点では、S級昇格を打診されているが、辞退したため準S級という扱いを受けている。カルバード共和国での遊撃士では重鎮扱いされているほか事実上のトップで、エレインやアルヴィス、フィーからも頼りにされていた。


エレイン・オークレール
ランク:B→A
《剣の乙女》の異名を持つ若手遊撃士。天才的な剣の腕前と、モデルにスカウトされるほどの美貌を兼ね備えており、サラに並ぶ最年少A級遊撃士として話題になっている。
エレイン本人は自分に自信を持っておらず、なにより広告塔として使われている事もわかっていたのでA級遊撃士として推薦された時も、長い間断り続けていた。
しかし、ある事件をきっかけとして前に踏み出す勇気を獲得し、自分にできることをするためと考え、A級遊撃士として活動する決意を固める。

○アルヴィス
ランク:C→B
若手の期待株の一人。エレインを尊敬するあまり、彼女が意識している裏解決屋(スプリガン)のヴァンの事を、遊撃士と裏解決屋という仕事上対立する立場もあって快く思っておらず、何かと突っかかる。対立する立場の人間に対し融通が利かない面があるため、そこが課題となっている。
黎の軌跡ⅡではB級に昇格している。

○グレイ・アーノルド
レマン自治州出身。黎の軌跡では準遊撃士だったが、黎の軌跡Ⅱで正遊撃士に昇格。
準遊撃士が出身地以外で修行を積むのは珍しい事例だが、その理由は彼の出自にあった。彼の姉レヴィは諜報・潜入捜査を得意とするB級遊撃士だったが、共和国で問題となっていたマフィア「アルマータ」への潜入調査において、組織に正体が発覚し見せしめとして殺され殉職。グレイは姉の敵討ちとアルマータへの復讐の為に共和国での修行を志願した。
しかし、遊撃士が復讐を目的に行動するのは職務上御法度であり、共和国の各支部もその点を懸念していた。アルマータがヴァン達らの尽力で壊滅してからは、修行を積む中で折り合いをつけ、改めて正遊撃士となった際に全てを知った仲間達に認められた。


【レミフェリア公国】
北方の寒冷の地に存在する、観光と世界一の医療技術を軸とする国(海運業は塩の杭により壊滅した)。
北国で自然も多く手が届かない領域の多いお国事情により遊撃士ギルドとは持ちつもたれつの良好な関係を築いているらしい。

○カタリナ・フォード
ランク:?
暁の軌跡にて登場。レミフェミアの首都、公都アーデントにあるアーデント支部に所属する白衣を着た女性遊撃士。そして、支部に所属するたった一人の遊撃士である。
医師免許も所持しており、午前中はギルドに併設しているフォード診療所(名前からして個人診療所)にて診察し、午後はギルドで遊撃士としての業務をこなしつつ、作中では三ヶ国合同の導力ネットワークプロジェクトにも参加していた。
設定盛りすぎである。
ブレイサーランクは不明。中堅とのことなのでA級ではないだろう。

【レマン自治州】
遊撃士協会の総本部が存在しており、S級の遊撃士も在籍しているらしい。



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最終更新:2022年10月26日 14:52

*1 後にその一人であるカシウスが引退したので3人になったと思われる

*2 ただし依頼の際は3人一組で行動するという条件付き