スーパーXⅢ(平成ゴジラ)

登録日:2010/01/16(土) 00:12:31
更新日:2024/02/23 Fri 11:57:50
所要時間:約 3 分で読めます





スーパーXⅢ
型式番号:DAG-MBS-SX3
全長:38.5m
全幅:58.7m
全高:7.4m
総重量:220t
速度:マッハ1.7
乗員:3名

武装:
収納式上部ミサイルポッド(カドミウム弾装備)
1000万ボルト95式超低温レーザー砲
4連装冷凍ミサイルランチャー

動力:レーザー核融合炉
装甲:超耐熱合金『NT-1s』+人工ダイヤモンドコーティング


ゴジラVSデストロイア』に登場した兵器。
ゴジラシリーズでは過去にもスーパーXスーパーX2が登場していたが、これはその後続機にあたる多目的大型戦闘機である。

ゴジラVSビオランテ』のスーパーX2以来、6年ぶりとなる第3のスーパーXであり、過去の2機と同様に所属は陸上自衛隊。
形式番号にスーパーX2同様にMBSがあるため、見た目は戦闘機でもあくまで扱いは「陸上自衛隊所属の艦艇」である。

だが『ゴジラVSキングギドラ』で三代目ゴジラが未来人の手で抹消されたため、
(もともと核戦争の際の首都防衛のためのスーパーXはともかく)三代目ゴジラが戦ったスーパーX2の存在もなくなるはずなので、
その後XⅢが作られるはずがなく本来は歴史改変の矛盾なのだが……。やっぱり他作品同様に三代目ゴジラの活躍が全く消えてない

原発事故、核攻撃等を想定して開発された多目的大型の有翼型V/STOL機。
……らしいが、どう考えても対ゴジラを想定しているとしか思えない人工ダイヤモンドによる超装甲を持っている。
さらに形式番号もスーパーX2に引き続き「DAG-MBS」=「Defence Against Godzilla - Main Battle Ship」、
つまり「対ゴジラ用主力戦艦」のままとなっており、やはりゴジラ戦を想定していないわけではなかった模様。

大きな特徴として、通常兵器を搭載せず、瞬間で摂氏-200℃に達する超低温レーザーや冷凍ミサイルなど、ほとんどの装備が冷凍兵器であることが挙げられる。
カドミウム弾は冷凍兵器では無いが核反応を抑制する為に装備している。1984年には一度ゴジラを倒している非常に有力な兵器である。

装甲材質の超耐熱合金『NT-1s』はメカゴジラに搭載されたものの発展型であり、動力のレーザー核融合炉もメカゴジラ、MOGERAと共通する。
さらに従来のスーパーXスーパーX2に比べて非常に高い機動力はガルーダからの影響が見て取れる。
しかし国連G対策センター所属の技術がどういう経緯で日本国の自衛隊に流れたのか……*1

専用格納庫からカタパルト発進で飛び立つが有翼型V/STOL機であるため滑走路を使わずに飛び上がるシーンもある。

ゴジラとも真っ向やり合える非常に高性能な機体であるが、その分非常に金食い虫でもあるようで、
作中二度目の出撃前に冷凍弾や燃料などをフル補充したことを告げられた黒木は、後述するように冗談混じりでもあるだろうが「これで我々の来年度の予算は0」と言っている。
ゴジラがメルトダウンすれば迎える「来年度」自体がなくなるので、予算を使い切り翌年の予算に手を付けてでもというほどの準備をしたのだろう。
ただの燃料がそこまで金食い虫とも思われないので、何か特殊な燃料を使っているのかもしれない。

劇中での活躍

ゴジラが核爆発の危険があるため攻撃を行えない(一年前にMOGERAを失い予算の関係上通常の火器兵器しか保有していなかったため)Gフォースに代わり、
ゴジラの四国の豊後水道・伊方発電所襲撃を阻止するために防衛庁特殊戦略作戦室長の黒木特佐ら三人を乗せ出撃。
海上で冷凍弾で動きを封じたゴジラにカドミウム弾を撃ちこみ、冷凍ビームにより氷漬けにして一時的に行動不能にすることに成功。

防御力はこれまで登場した兵器の中でも群を抜いており、
ゴジラの熱線が二発受けてかなり故障しながらもゴジラ足止めに成功して帰還している。
6時間ほどでゴジラは動き出したが、もとより倒すのが目的ではなく付近住民や核燃料などを避難させる時間稼ぎが目的であることを考えれば事実上の完勝である。

その後、ゴジラのメルトダウンの被害を最小限で止めるべくスクランブル発進することになり、地上の冷凍メーサー/戦車部隊の指揮を執った。

「ありったけの冷凍弾か?」

「はい。超低温レーザーの燃料も目一杯です」

「これで我々の来年度の予算は0だな。…来年度があれば、だが」

現地では燃料節約のためか、ゴジラが接近してくるまではあえて空地に着陸し、ゴジラ接近(ゴジラの目的はジュニアだったが)に伴い離陸している。
ジュニアを失って嘆き、体温の急上昇するゴジラに冷凍総攻撃を準備。
ゴジラとの戦いで空中に逃げたデストロイアにとどめを刺し、溶けていくゴジラに超低温レーザーなどの冷凍兵器の全弾を発射。
放射能に汚染されていく東京でゴジラの溶けてゆく最期の姿を見届けた。



武装

●収納式上部ミサイルポッド
機体中央からせり上がる最大装弾数16発で各種弾頭弾を搭載可能なミサイルポッド。
作中ではゴジラの口の中にカドミウム弾を命中させ、暴走していた核分裂反応を抑制する成果を出している。


●1000万ボルト95式超低温レーザー砲
機種先端が展開して現れるレーザー砲。
発射口は反射集束板と多層式発振レンズで構成されており、
最大出力による超低温レーザー光線の連続照射は15秒以内で次回発射まで4秒のインターバルが必要になる。
空へ逃げようとするデストロイアに冷凍戦車部隊と共に命中させ、デストロイアを地面に落として止めを刺した。
作中に登場する95式メーサータンクにもこのレーザーの試作品が搭載され(性能はやや落ちる)、デストロイアに効果を上げている。

●4連装冷凍ミサイルランチャー
両翼下部に1基ずつ装備されていて冷凍ミサイルを発射できる。
連射が効き、何度も命中させることで豊後水道では核反応が暴走していたゴジラを6時間も氷漬けにした。



余談

全スーパーX中、唯一ゴジラに勝った(生き残った)機体であり、メカゴジラ系列の機体を除き、唯一怪獣を撃破した機体。
そのせいか「劇中の暴走ゴジラじゃない、平常時のゴジラが相手なら普通に倒せたんじゃないの?」なんて意見が出ることもある。
ただ、ゴジラの生命力を考えると、ゴジラを凍結、長期間の行動停止に追い込むことはできても死に至らせるには結局別の兵器が必要になると思われる。
毎度毎度「来年度の予算がゼロになる兵器」を出撃させる訳にも行かないだろう…

因みに、スーパーX、スーパーXⅢが扱うカドミウムは中性子をよく吸収する元素だが、
「イタイイタイ病」の原因となった有毒元素であり、該当機は意図していなくとも、容赦なく海洋・土壌汚染したことになる。
1984年のスーパーX以来対ゴジラ兵器として使われていないのは、そのことが原因かもしれない。
今回は、それをしなければ地球が灼熱地獄になっており手段を選んでいる余裕がなかったのだと思われるが……

坂井孝行氏によるコミカライズ版では見た目、設定、用途の全てが違っており、正直名前が同じだけの別物。
ゴジラVSスペースゴジラ』の結城晶が操縦し、バーニングゴジラに核分析機を取り付けた。
MOGERAを駆って勝手にゴジラ攻撃した罪で逮捕されていたのだが、腕を買われて特例的に現場復帰している。



これで来年度も追記、編集はできるな。来年度があればだが

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最終更新:2024年02月23日 11:57

*1 実はメカゴジラはアメリカの、MOGERAはロシアの主導で作られ、同時に技術を盗まれていったらしい。日本も同じことをしていたのだろうか。