アイカツおじさん/プリパラおじさん

登録日:2014/11/30 Sun 10:00:00
更新日:2023/06/25 Sun 16:56:43
所要時間:約 17 分で読めます




――女の子だけのアニメかと思ってたけど男も楽しいよ!――

                                      by 濱口優



アイカツおじさん、あるいはプリパラおじさんとは、昨今大人気の女児向けアニメ及びゲーム
『アイカツ!』『プリパラ』にドはまりし、ゲームを嗜むまでになってしまった成年男性たちの総称である。



【アイカツ!以前】

女児向けアニメにハマるアニヲタは、それこそ20世紀の昔から確認されている。
CCさくらに人生を狂わされた者は多いし、プリキュアシリーズは公式の資料で「成年男性層もターゲット」と記している。*1

しかしそれらはあくまでアニメが主体であり、アニメグッズを大人買いする紳士こそいたもののそれらを題材にしたゲームは、
大体において悪い意味での「キャラゲー」の域を脱していなかった。


2004年、アーケードにて『オシャレ魔女ラブandベリー』が稼働開始した。
これは当時流行っていた『甲虫王者ムシキング』の女の子版として作られたものであり、女児向けアーケードゲームの元祖とも言える存在である。

洗練されたファッション性や物珍しさもあって劇場版アニメになるほどの人気を得たが、
肝心の顔を中心にしたグラフィックはいわゆる「萌え」とは程遠いようなものであり、男性層の大友からの注目を浴びることは殆どなかった。


この「大きなお友達を回避するためあえて萌え絵を使わない」という戦略はその後の類似機種でも継承されていき、
アイカツ以前のヒット機種である『プリティーリズム』まで続いていたのだが……



【アイカツ!の大ヒット】

2012年、バンダイナムコから満を持して『アイカツ!』が登場した。
そのゲーム性は他のDCDと筐体が共通していることからわかるようにごく普通の子ども向け音ゲーであったが、
特筆すべきはそれまで類似機種では極力避けられていた「萌え」要素を大きく前面に押し出したことである。

その象徴ともいえるのが、「藤堂ユリカ」様。
もともと制作側にしてみれば大友を釣るための賑やかし程度の認識だったが、
強烈なキャラクター性や中の人の他のアイドルで鍛えた演技、ロリゴシック衣装の洗練された可愛さなどから
一気に女児からも人気が高まり、主役陣が交代した三期以降でも強い存在感を持つ脇役として活躍することとなった。
もちろん、本来想定していた大友層を一本釣りにしたことは言うまでもない。

主人公のを振り回し崖をよじ登る活躍もあってアニメ・ゲームともに大ヒット、ついに劇場版が制作されるまでに至った。
その当たりっぷりは登場の翌年に日経の「ヒット商品ランキング」にランクインしたほど。



【アイカツおじさん爆誕】

と、こうして大ヒットになった以上大友層も拡大するのは必然であった。
特にゲームの方でそれは顕著であり、それまでの類似機種には見向きもしてこなかった大きなお友達が、
ゲームセンターやショッピングモール等で「アツいアイドルカツドウ」に専念する姿が多く見られるようになりだしたのである。

アイカツおじさんは主に二種類に分類され、

・光のアイカツおじさん
清く正しい(心は)イケメンなアイカツおじさん。女児に配慮して彼女たちがプレイしに来ないような早朝や深夜にゲームを嗜み、
マイキャラやアニメキャラの活躍・成長を我が子のように喜ぶ父性の塊のような素晴らしい存在である。

・闇のアイカツおじさん
暗黒面に囚われたキモくてブサメンなアイカツおじさん。女児に混じって昼間からゲームをプレイした挙句、周囲の迷惑を顧みずにブヒってみたり、
アニメやアイカツ!を題材にした薄い本を見ていやらしい妄想にふける犯罪者予備軍。

がいるとされている。
が、の双方を宿した「カオスアイカツおじさん」がいるとの噂も。

ただ、であろうがであろうが成年男性である時点でどうあがいても不審者の枠に入るため、
ゲームをプレイする時には身だしなみや挙動、言動、プレイしに行く時間など、様々な内容に対してくれぐれも気をつけていきたいものである。
好きなゲームをプレイする以上、良い気分でプレイをする為にはマナーは当然のこと「余ったカードを子供にタダで渡す」などのことも控えよう。
それもまた、子供達が悪い大人に対してちゃんと警戒心を抱くことに繋がる。

アニメ版アイカツ!の終盤では現実とアイカツが偶然とはいえとんでもないリンクを起こし、
アイカツおじさんたちが(半分ネタではあるが)憤慨するという事態が起きてしまった。

現在、アニメはアイカツスターズ!に移行。
熱心なアイカツおじさん達も、引き続きリニューアルされたゲームへ向かっている。



【プリパラおじさん顕現】

一方、アイカツの大ヒットの煽りをもろに喰らったのはプリリズシリーズ及びそのファン、そしてタカラトミーである。
プリリズシリーズにも一定層の男性ファンはいたものの、先述したようにゲームのグラが大友向きではなかった上、
アニメの作風がかなり視聴者を選ぶものだったため、アイカツ!の登場で一気にファン数も市場も萎縮してしまった。

少数派となった大友は布教に躍起となり先鋭化。
「一週間で三年分全部見ろ」「いや三日で全部見ろ」といった(ネタとはいえ)過激な言動を繰り返す彼らは、
いつしか「プリズムヤクザ」と呼ばれ恐れられるようになっていった。

流石にそんな状況をタカラトミーが見逃すはずもなく、アイカツ登場の2年後に『プリパラ』が始まった。
詳細は個別項目に任せるが、この機種はかなりアイカツを意識したつくりとなっており、
それに加えて女の子に人気のプリクラや名刺交換の要素を盛り込んだ、アケゲー業界の最先端を行く女児向けカードゲームとなった。

しかし何よりもプリリズから変わったのは「キャラグラフィックが劇的に可愛くなった」ことだろう。
アニメ版も監督にマイメロミルキィホームズでその辣腕を存分に発揮した森脇真琴を迎えて作風が劇的に変化。
ニコ動での配信での異常なコメント率が示すように実にカオスなものとなり、一気に人気が爆発した。


大友層が一気に増えたことにより旧来のファンの過激な活動は成りを潜め、「プリパラおじさん」と改称された。
当初はプリクラ要素があるとのことでゲームを始めるのに躊躇する者も多かったが、
嫌ならスキップできることやお気に入りキャラが写った写真やスマホ画面をカメラに映すといった裏ワザが広まったことで徐々に増加。

トモチケという名刺交換のような感じで遊びを拡張できるシステムがあることから、
一般的にプリパラおじさんにはそれなりのコミュ力と社交性が必要と言われている(孤高を貫くプリパラおじさんもいるが)。

いずれにせよアイカツおじさんと同じでプレイの際はちゃんとした身なりと言動をしてもらいたいものである。
アイカツにしろプリパラにしろ、元は子供向けゲームであるということを認識して遊ばせてもらおう。
当然ながら、女児に対してトモチケの交換をお願いするなどもってのほか。
声掛け事案と思われかねない。
プリパラはQRコードを使用しているが、アイテムのQRをインターネットなどで公開する行為などもアウト。
もし行っている人物を見つけても、使わないように心掛けよう。

この項目の冒頭の台詞(プリパラ開始前特番でのもの)から、プリパラおじさん第1号は濱口優であるという見方が強い。



【アイカツおじさんvsプリパラおじさん】

アイカツ!とプリパラは現在の子ども向けアイドルブームを牽引する競合機種であることもあり、メーカーのライバル意識も強い。
両者とも相手のアニメ放送時間の前後にCMを挟んだり、特に後者はアンケートで露骨に相手のことを聞いてきたりしている。

昨今では一般的に成人年齢層の購入者が多いと言われているフィギュア関連でも商品が展開されており、
前者はS.H.Figuarts、後者はねんどろいどでそれぞれシリーズ化されている。
なお、アイカツに関しては放送中ではなく放送終了後からの展開であり、子供を中心とした展開がスターズに移行したため可能になったことがインタビュー等でうかがえる。
ちなみにプリパラキャラがリリースされている「ねんどろいどこーで」はゲームのように着せ替え遊びを楽しめ、「STマーク」も取得している。
ちゃんと子どもが買っても大丈夫なように配慮がなされている品なのだ。
この2シリーズを改造し、ゲーム内の自身のマイキャラを再現したり、商品化されていないキャラを作ったりする手先の器用な強者のおじさんもいる。


こうした競争は健全な範囲であればお互いを高め合うことになるため、むしろ推奨されるべきことである。
バンダイナムコとタカラトミー、この両者はまさに好敵手と言えるだろう。


一方、おじさんに限って言えば「VS」と銘打ってこそいるものの、ぶっちゃけ対立する層よりも掛け持ちする層の方が多い。
なにしろ大友向けアイドルアニメといえばアイマスという巨大な先例があり、さらに昨今ではラブライブ!もブームとなった。
WUGAKB0048?あっちは完全にオタに向けた作品だろう。

なので節操なく全てのファンになる者も多く、プロデューサー兼ラブライバー兼アイカツ・プリパラおじさんという強者もちらほら見られる。
いったいどこから金を出しているんだ……
最近ではKONAMIからリリースされたオトカドールと掛け持ちしている強者もしばしば見受けられる。
また、逆説的に言うのであればアイドル系アニメが一種のブームとしてカテゴリ化されてきた背景もあると言える。

ただしそれぞれの違いもあってファンのつき方は割と流動的。
アイカツでの星宮らいちの扱いに失望したところにこの娘が登場して鞍替えしたものの、後にガチホモと判明しドン引きしてアイカツに出戻った層や、
プリパラのカオスすぎる流れとサイリウムチェンジの色彩に疲れてアイカツに戻ったけどプリパラの楽しさも忘れられないといった層もいたりする。

どちらかの機種を愛するあまり、相手に対してネットで誹謗中傷をする真似だけは決してしないように。


ちなみにアイカツはすでに4作、プリパラはプリリズとコラボしたゲームと単独タイトルの2作がニンテンドー3DSで出ており、更に両者ともスマホアプリが出ているので、
どうしても人前でプレイするのが恥ずかしいというおじさんたちはそちらで我慢しよう。



【アイカツおばさん・プリパラおばさん】

ここまでは男性層について書いてきたが、もちろん女児以外にも女性プレイヤーは存在する。
ゲーム内に登場する衣装には現実世界で発売されているものもあり、ファッション的な観点から虜になる女性も多い。

アイカツおばさんには女児の付き添いでプレイするうちにハマった母親層、
プリパラおばさんにはプリリズ時代から実写パートがあった影響からかファッショナブルなJC~JDが自称する例が多いようである。

場合によってはアイカツお姉さん・プリパラお姉さんと表記されることもある。
女性である点から前者のおじさん達よりは悪いイメージは少ないが、
逆に女性である点でナンパ行為などの被害に遭う場合もあり、
夜にプリパラの置いてある地下のゲーセンに一人で行く、などの判断が危険を招く可能性がある。
好きなゲームにトラブルを持ち込む結果にもなりかねず、何より身を守れるように気を付けるのは危機管理能力として必要だ。



【プリズムエリート】

一度はプリパラに引き継ぐ形でシリーズ終了したプリティーリズムだが、2年後に男子メインの劇場版という形で斜め上の復活を果たした。
その際製作側から「過激な言動は慎んでほしい」というファンへの呼びかけと共にプリズムヤクザに代わって提案された呼称が「プリズムエリート」だった。
彼・彼女らは自ら鑑賞するのはもちろん「キンプリを見てください」「キンプリはいいぞ」「キンプリはやばい」をスローガンに作品の宣伝に励んでいる。
……監督を「親分」と呼んだり応援上映がものすごい事になっていたりと本性が隠しきれてないが。
だがその影響力は無視できるものではなく、彼・彼女らの懸命の宣伝により実際にキンプリは大ヒット作品となった。
なぜそこまで人気になったのか知りたかったら実際にキンプリを観てください。
一方でその強引な喧伝手法は旧来のファンからも反感を買うケースが発生しており、一概に肯定的に見られているかと言われるとそうでもない、というのが実際である。
「消費者金融に金を借りてキンプリを見て下さい」などと言った発言などで「キンプリは好きだけどファンがウザくて二回目を観に行けない」などという声も上がっており、賛否両論。
またなぜかプリズムエリート間ではこのアニメの事を「プリティーリズム4期」と呼ぶ者も。なんでだろうね(棒)


【メディアの扱い】

彼らの活動が徐々に認知されていくにつれ、その存在の是非について議論されることも多くなっていった。
商業的にはあまり大きなパイではないことから基本的に排除するべきという意見がある一方で、
女児のプレイ資金の出自は親の金なのだから父親をおじさん化させてもっと金を搾り取るべきという見方も。



追記・修正は勇気を出してゲーム筐体の前で最初の一歩(コイン投入)を踏み出してからお願いします。

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最終更新:2023年06月25日 16:56

*1 ただし、あくまでも「将来的に父親になる成年男性」である