無言の腹パン(遊戯王ARC-V)

登録日:2014/11/12 (水曜日) 23:10:30
更新日:2024/02/28 Wed 21:32:42
所要時間:約 3 分で読めます





無言の腹パンとは、その名の通り黙って腹パンすることである。

腹パンという行為自体はボクシングの戦法*1やバイオレンスな作品などで度々散見されるが、
特にこの無言の腹パンは、相手が冷静さを失っている際に用いると効果的だと言われる。
更には、その対象が「るり」という名の人物を捜索していた場合はより有効であるという説も。

(該当する人物の一例)
ホシノ・ルリ
五更瑠璃
姫宮瑠璃
瑠璃=マツリ
マリルリ

読者諸君も、彼女たちあるいはそれに容姿が酷似した人物に迫る悪漢を発見した際には、
すかさず容赦無く無言の腹パンをお見舞いした上で、

「彼女は瑠璃ではない」

と言い聞かせるように注意してあげることで、きっと事態を鎮静化できるだろう。




この項目が面白かったなら……\瑠璃ィィィィ!/

沢渡さん、
マジ強すぎっすよ!!


























実際は、遊戯王ARC-Vの登場人物・ユート黒咲隼に対して劇中で放った腹パンのことを指す。
視聴者の間では(無言の腹パン)のように、セリフに続く形で括弧を付けて表現されることが多い。


概要

問題のシーン(?)が描かれたのは、第21話「ペンデュラムのその先に」。
同志であり親友のユートと共に、異なる次元から主人公・榊遊矢たちの暮らす舞網市に不審者スタイルで現れた黒咲。
彼は敵勢力に捕らわれた妹・黒咲瑠璃を取り戻すべく、敵の関係者と思しき人物を見つけては襲撃を繰り返していた。
が、ある時偶然その場に居合わせ、自分が突き飛ばした柊柚子の姿を目にすると態度が一変。

「瑠璃!?瑠璃が何故ここに……逃げたのか?自力で脱出を?瑠璃!」

「え…?」

サングラスを外し、大きく狼狽えながら柚子へと迫ろうとする黒咲。
しかし瞬間、ユートが割って入り無言のまま黒咲に腹パンを見舞う。

「ウァッ……瑠璃……!」

それによって黒咲が意識を手放す寸前、諭すような口調でユートが告げる。

「彼女は瑠璃ではない」

そして気絶したままユートに担がれる黒咲だったが、突然柚子のブレスレットが謎の反応を起こし、二人はその場を去るのだった…



この一連のやり取りは視聴者に大きなインパクトを与え、瞬く間にテンプレとして定着。
多くのMAD動画も作られ、ARC-V以降も度々改変されながら擦られ続けるネタへと昇華された。
また、当時は比較的謎多きキャラとして描かれていた黒咲のネタキャラ化を決定付けたシーンでもある。

このシーンを紐解くと、元々暴走気味だった*2黒咲がここにいないはずの自分の妹・瑠璃と瓜二つの柚子を瑠璃だと勘違いしたため、
事を必要以上に荒立てたくないユートがやむを得ずパンチで黒咲を気絶させその場を収めた…という流れである。

だが常識的に考えるならば、普通は「彼女は瑠璃ではない、落ち着け」等とまず言葉で制止を試みた上で、
それでも尚狂乱して落ち着く気配が無い場合に止む無く腹パンで気絶させる、という順番が真っ当であるにもかかわらず、
同志であるユートが一言も発さずにさも当然の行為であるかのように強烈な腹パンを黒咲にかまし、
それを喰らった黒咲が特に怒りを顕わにするでもなくそのまま気絶し担がれる姿が、あまりにもシュール過ぎたのである。

また、ユートの行動以外にもこのシーンが印象的なものとなった背景としては、
  • 上述したように、黒咲隼というキャラクターを視聴者がまだ掴みかねている段階だった
  • その時の黒咲の不審者スタイル(サングラス+口元を覆うスカーフ)
  • 当時はまだ柚子と瑠璃の姿が瓜二つであるという設定はハッキリと明かされていなかった
  • それどころか、瑠璃という名前すら視聴者にとっては聞き馴染みのないものだった
  • 結果、知らない人物の名を連呼しながらヒロインに迫る不審者という構図が出来上がった
などの要因が考えられる。


また上でも少し触れたが、現在での用いられ方としては

(例) 「瑠璃ィィィィ!!!」 → 「彼女は瑠璃ではない」(無言の腹パン)

という定型文なのでやや分かりにくいが、前述の通り腹パン→セリフが正しい行動(?)である。

遊戯王デュエルリンクス

2023年、デュエルリンクスの世界に来訪した黒咲は、ユートと感動の再会を果たす。…が、その直後、ユートに無言の腹パンをかます。まあ直後にユートも「いいパンチだ…隼…」とか言ってるのでアレだが
さらに、ユートとのデュエル開始時のセリフも「ユート、お前はパンチ一発で俺を制した」から始まり、敗北時の大立ち絵も苦悶の表情を浮かべて腹を抑えているなど、(無言の腹パン)を擦り倒している。

余談

「無言の腹パン」という言葉(ネタ)の発祥はARC-Vだが、
前シリーズである遊戯王5D'sにおいても主要キャラ同士が腹パンし合うシーンが存在し、
同じく前シリーズである遊戯王ZEXALには(無言の手刀)というネタが存在する。

また、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」や「ジュエルペット サンシャイン」「仮面ライダーディケイド」といった別作品内にも無言の腹パンと言って差し支えないシーンががある。




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最終更新:2024年02月28日 21:32

*1 正確にはボディーブロー。

*2 このシーンの直前では、無関係の人間にまで敵意を向ける黒咲をユートが制止するも、黒咲は聞く耳を持っていなかった。