チヨ婆(NARUTO)

登録日:2014/11/08(土) 06:49:45
更新日:2023/08/27 Sun 12:56:41
所要時間:約 11 分で読めます




チヨ婆は、岸本斉史の漫画作品『NARUTO‐ナルト‐』の登場人物の一人である。


◇プロフィール

忍者登録番号:01‐002
誕生日:10月15日
年齢:73歳
星座:てんびん座
身長:149.1㎝
体重:39,1㎏
血液型:B型
性格:早とちり、お茶目
CV:谷育子

◇概要

砂隠れの里に所属するくノ一
弟のエビゾウと共に風の国砂隠れの里の相談役を勤める老婆。
かつては砂隠れでも屈指の傀儡師であり、実弟のエビゾウ共々歴戦の兵でもあった。
現在は隠居しているが、今なお緊急時には相談役として里の者に頼られる。
ご意見番としては他里との協力関係に頼らず、自国の戦力を増強することを重視する主義で、里の戦力強化のため我愛羅に一尾の守鶴を封じて人柱力としたのも彼女。

孫は暁の傀儡師、赤砂のサソリ
息子夫婦を戦争で失った過去がある。殺害したのははたけカカシの父、はたけサクモ。
その為、まだ幼かったサソリの世話をし、サソリに傀儡の術を教えた師でもある。
両親が早死にしたせいかサソリの事はかなり可愛がっていたらしく、「」に我愛羅が連れ去られ里の上役のバキに協力を求められた際
「この世に未練があるとしたら20年前に抜け忍となってしまった孫に一目会いたいと言うことかの」
と呟いたり、サソリの両親を復活させる為に己生転生を開発するなどしている。

初登場時には既に隠居しており、里の未来などどうでもいいと思っていたが、ナルトに出会ったことで過去の自身の行いを間違いばかりであったと深く後悔し、自分にもまだ出来る事を考えるようになる。
そして尾獣をとられた事で死亡した我愛羅に自身が編み出した自分だけの術、『己生転生』を使って我愛羅を生き返らせ、未来に希望を託して安らかに息を引き取った。

◇能力

高齢だが実戦経験は豊富であり、その実力はかなり高い。
特に超一流の傀儡(くぐつ)師であり、「使える傀儡の数でその者の能力が測れる」とされる傀儡師において、両手の指の数・すなわち最大十機の傀儡を操れる。
チヨ婆秘蔵の傑作傀儡十体全てを同時に操る"白秘技"「十機近松の集」によって城一つを一人で落としたという戦歴を誇る。
傀儡師であるため傀儡の仕込みについての造詣があり、また関連して毒に関する知識もかなりのもの。

◇使用術

  • 指の数
通常、傀儡一機あたり少なくとも3~5本ほど指を使い、カンクロウ等上忍クラスでも同時に三体の傀儡を操るのが限界。
しかし、チヨ婆は読んで字の如く、指一本で傀儡一体を、そして指の数と同じだけの傀儡全十体を同時かつ自由自在に操る。
その様子から名付けられた傀儡の術における極意。

  • 白秘技・十機近松の集
初代操演者モンザエモンの十傑作全てを同時に操る、"指の数"を最も活かせる傀儡使いの中でも最高の奥義の一つ。
サソリ曰く、チヨ婆はこれで「一人で城一つ落とした」らしい。

  • 機光盾封
腕に仕込んだカラクリを展開することでチャクラの盾を発生させる。
仕込みの都合上術者自身の腕を改造する必要があるが、チャクラ糸を用いれば傀儡に使わせることも可能。これも後にカンクロウが受け継いだ。

  • 操演・人身御冴
傀儡ではなく人体にチャクラ糸を接続して操る。戦国時代、傀儡を失ってピンチの傀儡使いが敵の死体を用いて戦った故事が由来。
サソリ戦で対傀儡戦闘に不慣れなサクラをフォローするのに使用した他、穢土転生後はこれで侍の死体を用いて戦った。

  • 操演・一心同体
「父」と「母」の傀儡を用いての術。二体の手をワイヤーで結び連携攻撃をかける。三代目風影の傀儡を相手に使用し「千手操舞」を破った。

  • 白秘技奥義・夢幻の衆
"指の数"を最大限発揮し、操演・人身御冴で十体の亡骸を同時に操る術。
アニオリでカンクロウに傀儡の術の神髄を叩き込むために使用したが逃げられた。

  • 己生転生
傀儡に命を吹き込む目的で開発された忍術。死者を蘇生する事もできる。
術自体は完成するも、使用者の命と引き換えにするというリスクが発覚したために禁術指定された。
生きている者に対して使う事も可能で、その場合は通常の医療忍術では手の施しようがない重傷でも治療可能な高度な術となる。
使うと無条件で命を落とす術ではなく、「致命傷を負ったがまだ死んではいない者」を治療する場合、大幅に消耗はするが命を落とすまでは至らない。
逆に死者を蘇生する場合、命を落としても尚足りない場合がある。
後者については術者以外の他者が手を添える事でチャクラを補助する事ができる。

◇作中での活躍


我愛羅にさらわれ、後を追ったカンクロウが敵の毒に倒れた際に、隠居していた相談役の彼女らが招聘される形で登場。
このときチヨ婆はエビゾウと釣りをしていたのだが、弟の話しかけにわざと答えず、「な~んてな死んだフリ~」と茶化している。
(エビゾウには「そういうリアルなボケするない…」と呆れられた)

チヨ婆はカンクロウを診るが、自分の手には負えず、木ノ葉隠れの綱手にしか治療はできないと宣告。
(ちなみにチヨ婆は、戦争中に自ら開発した毒をことごとく綱手に解毒された過去があるらしく、「あのナメクジ娘は好かん」と綱手のことを毛嫌いする様子も見せていた)

そこにナルトたち第七班が到着。班を率いるはたけカカシを息子の仇のはたけサクモと勘違いし、いきなり襲い掛かった。
(弟に勘違いを諭されたときは「な~んてなボケたフリ~」と誤魔化している、アニメではサクモのことを知らないナルトがカカシにサクモの異名である白い牙とはどんな人物なのか聞き、カカシが自身の父と答え、カカシがサクモの息子だと知り驚く場面が追加されてる)

その後、綱手の元で修行を積んだ春野サクラがカンクロウの解毒を行い、カンクロウは無事命を取り留めた。
(チヨ婆は「形式的に役立たずの下っ端が遣わされてくるのが関の山」と高をくくっていたため、カンクロウを治せるほどの人材が来たことにかなり驚いていた)

そして、ナルトたちは我愛羅の救出任務に向かうことになり、カンクロウから敵が孫の赤砂のサソリだと知ったチヨ婆も四人小隊に加わった。

敵を追う最中に、チヨ婆は尾獣とそれをコントロールするための人柱力という存在について説明。そこに暁の一員・うちはイタチが現れる。

思いがけない強敵の出現に驚くナルトたちに対し、"一対一なら必ず逃げろ"、"二対一なら後ろを取れ"という写輪眼の対戦対策を教える。
(このアドバイスはのちにナルトがイタチと対峙したときにも役立っている)

一時的にナルトは幻術にかけられるが、仲間とのチームワークを駆使し、最後はナルトの新技・大玉螺旋丸で撃破。
…だが、このイタチは偽者。"象転の術"を利用した足止めだった。

ナルトたちは我愛羅を追って敵の本拠地へ向かう。
我愛羅が死ぬ可能性を聞かされて気合の入ったナルトを見て、訝しむチヨ婆。カカシはナルトも九尾の人柱力であり、「同じ痛みを知る仲間」だと説明。
さらに、「ナルトには不思議な力があるんですよ…」「あいつは交わす言葉は少なくても誰とでもすぐ友達になってしまう…」とも。

その後、ガイ班と合流。敵本拠地に入るが、時すでに遅く、尾獣を引き剥がされた我愛羅はすでに命を落としていた。

それを見たナルトは激怒。デイダラの挑発に乗ってしまい、カカシも仕方なく後を追う。

残ったチヨ婆は、春野サクラとともに孫のサソリと戦うことになる。

チヨ婆はチャクラ糸でサクラを操り、サソリの傀儡の鎧・ヒルコをサクラの綱手直伝の怪力で粉砕した。

サソリは切り札の"三代目風影"を見せ、チヨ婆もまたサソリの作った"父"と"母"を繰り出した。
だが、敵の人傀儡の砂鉄により自分の傀儡の動きは封じられてしまう。

そこでサクラは、再びチヨ婆の傀儡役となり、敵の攻撃パターンも見極め始めた(これはサクラが綱手から回避能力を鍛える特訓を受けたため)。
しかしサクラは、敵の砂鉄に含まれた毒を受けてしまう。

…が、サクラはカンクロウの治療の際に事前に解毒薬を2つ用意しており、隙を突いて"三代目風影"を破壊。

チヨ婆は切り札の十機近松の集を展開。サソリもまた赤秘技・百機の操演で応戦する。
激戦の最中、チヨ婆を庇ったサクラは敵の毒刀を受けるが、チヨ婆は"父"と"母"によりサソリの人傀儡の生身の部分を貫き、辛くも勝利した。
(サソリにはチヨ婆の最後の攻撃が見えていたが、僅かな隙が生じてかわせなかった)

チヨ婆は転生忍術を利用してサクラの命を救う*1。戦闘中にサソリの毒を受け、最後の解毒薬をサクラに使ったチヨ婆にサクラは里に戻るよう説得するが、「ワシにはまだ…やるべきことが…ある」と断る。

一方、ナルトたちはデイダラから我愛羅を取り戻したが、我愛羅はすでに命を落としていた。

ナルト「…何で…我愛羅が…我愛羅ばっかりが…」

「こんなんで死んだんじゃ…!」

「風影だぞ…風影になったばっかじゃねーか…」

チヨ婆「少し落ち着け…うずまきナルト…」


だが、ナルトは聞き入れない。

「うるせェー!!!」

「お前ら砂の忍が我愛羅の中にバケモノなんか入れなきゃこんな事にはならなかったんだ!!!」

「…何が人柱力だ!! 偉そーにそんな言葉作って呼んでんじゃねェ!!!」

サスケ奪還に失敗したことも思い出しながら、悔しがり、涙するナルト。
その姿を見てチヨ婆は遂に決断。転生忍術を利用し、自分の命と引き換えに、我愛羅を生き返らせようとする。

この転生忍術は、傀儡に命を与える為にチヨ婆が先頭に立って開発したものであり、元々は親を失ったサソリのために人傀儡に命を吹き込む事を目的としていた。
だが、術のリスクが大きすぎるために禁術に指定されていた。

ナルトはチヨ婆に手を重ね、自らのチャクラも分け与える。

「砂と…木ノ葉…これからの未来はワシらの時とは違ったものになろう…」

「カカシの言っていたお前の不思議な力…その力が未来を大きく変えるじゃろう…」

「そしてサクラ…お前は今度は死にかけのババアではなく…自分の大切に思う者を助けてやれ…」

そして、チヨ婆の命と引き換えに、我愛羅は生き返った。
そこに砂の人間たちも到着する。

エビゾウは姉の死に顔を見て、「死んだフリー…って今にも笑い出しそうな…そんな…安らかな顔をしておるよ…」と呟く。

チヨ婆は元々、「里の未来などどうでもいい」と言い、我愛羅のためにこんな事をするような人間ではなかった。
それが、ナルトの里を超えた友情と、自らを気遣い続けたサクラの想いに触れたことで、最後はナルトたちにその未来を託したのである。次世代に未来を託すその最後はナルトに3代目火影と同じだと思わせ、カカシもその言葉に頷いていた。

最後に我愛羅たちは、チヨ婆に黙祷を捧げている。

その後の再登場は無いと思われたが、薬師カブト穢土転生される形で復活(アニメではサソリを復活させようとして蘇らせたことが描かれてる)。「ガチで死んだフリ~をかましてもうたがな!」と愚痴をこぼしている。
因みにこのとき「暁だか大蛇丸だか知らんが~」と語っており、大蛇丸はともかく孫のサソリが所属していた暁のことをまるで忘れてしまったかのような発言をしている。死んだ間にボケてしまったのだろうか?*2
また、穢土転生について「二代目火影扉間の時より洗練されている」と言及した辺り、先の忍界大戦で交戦経験があったのかもしれない。
同じ戦場に振り分けられた穢土転生体の山椒魚の半蔵とも交戦経験があったようで、毒の性質など半蔵の弱点を知っていた。
戦場では穢土転生体ゆえに行動は縛られており、君麻呂と共に戦線を担い自身は侍の死体を用いて連合と戦っていたが、半蔵の弱点をペラペラ喋ることで連合軍に協力した。
最後は穢土転生解術に伴い彼女もまた昇天した。
なおアニメではカンクロウの傀儡への想いやサソリから父と母の傀儡を託されたことを知り、戦いを通じて自身の技を伝授しようとした他、
昇天の際「死んだふりもこれで終わりじゃ」と宣言して、カンクロウに「傀儡師の技、しかと託したぞ!」と言い残し、彼も受け継いでいきますと答えている。

その後もナルトの回想にいる辺り、彼女の意志もまた次世代に受け継がれているのだろう。

◇余談


PS4専用ソフト『ナルティメットストーム4』にてナルトの「おいろけ・逆ハーレムの術」には一部キャラ(主に女性)に専用の反応があるのだが、
何とチヨ婆のリアクションも用意されている。誰得
その内容は逆ハーレムの術を見た瞬間に頬を染めて卒倒、というもの。だから誰得
だが他の女性陣は雄叫びを上げて喜んだりしているので、その中ではむしろ控えめな反応だったりする。

また、様々な活躍の場があったチヨバアに比べて、弟のエビゾウは描写が殆どない。
封印されていた「父」と「母」を持っていくチヨバアに対して声を掛ける描写から、同じく傀儡の術を使うのではないかと推測されていたが、
アニメで若い忍達が息を切らす長距離の移動でも全く息を切らさない身体能力の高さが描写された程度である。





な~んてな。追記・修正したフリ~♪

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最終更新:2023年08月27日 12:56

*1 このとき瞳の黒目部分が濁り出しており、恐らく視力を失いかけていると思われる

*2 大蛇丸についても木ノ葉崩しで結託していたほか、三忍の綱手のことを知っていたので、大蛇丸を知らないというのも不自然なのだが