シーザー・クラウン

登録日:2014/10/20 Mon 00:05:31
更新日:2024/04/22 Mon 03:16:24
所要時間:約 18 分で読めます


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軍がそれを認め おれが科学班トップの地位を得た時…!! やっと叶う…

おれの科学力を”世界平和”に活かせるのだ!!!


シーザー・クラウンは『ONE PIECE』の登場人物。



【概要】

新世界・パンクハザードに住む科学者
Dr.ベガパンクが起こした研究所の爆発事故によって毒ガスが蔓延する死の島と化したパンクハザードに現れ、不思議な能力によって毒ガスを中和して島に閉じ込められていた囚人達を救った。

更に神経ガスによって多くが下半身不随になっていた囚人達にその科学力で足を与え、部下として迎えて日々人々のための研究を進めている。

部下たちからは慈悲深きM(マスター)として慕われ、「救いの神」として崇められている。













黙れ能無し共っ!!! ここは軍の研究施設だぞ!!!
海軍がいかに多くの海賊共を殺せるか!!! そういう兵器を求められているんだ!!!

違う!!! 民間人を巻き込むような非道な兵器など求められていない!

シュロロロ!! バカめ それは必要な犠牲というものだ!!!

巻き込まれるのがバカなのさ!! 全部吹き飛ばせば「世界は平和」だよ!!!

非道!? この島で囚人のクズ人間どもをゴミの様に人体実験するそれと何が違う!!!

今の元帥センゴクは考えが甘いが…大将“赤犬”ならおれの兵器を欲しがるハズだ!!!


元はそのDr.ベガパンクの同僚で科学班のNo.2。
そして誰あろうこのシーザーこそが、パンクハザードで起きた爆発事故を引き起こした真犯人。
科学者、特に化学分野では優秀だが、その本性は作中屈指の最低最悪のマッドサイエンティストである。


●目次


【プロフィール】


本名:シーザー・クラウン
異名:M(マスター)
懸賞金:3億ベリー
年齢:55歳
身長:309cm
所属:MADS(マッズ)→海軍科学班員→フリー(ドンキホーテ・ドフラミンゴ傘下)→NEO MADS
悪魔の実:ガスガスの実(自然系(ロギア  ))
出身地:偉大なる航路
誕生日:4月9日(シノクニ)
星座:牡羊座
血液型:X型(現実だとA型)
初登場:単行本67巻・第658話・『ビスケットルーム』
好物:ブドウ糖、ガスパチョ
笑い方:「シュロロロロ」
CV.中尾隆聖

【真の概要】


殺戮兵器をこよなく愛する極悪非道のマッドサイエンティスト。
より多くの人間を殺せる兵器を作ることにしか興味がなく、「世界を兵器まみれにして死の国の王になる」という野望まで持つ大量破壊兵器の第一人者。
初登場の時点で人として最低の部類ではあったが、話が進むにつれてシーザーが行った外道と悪行の所業が明らかになっていく傾向が強く、その度に底辺だった評価が更に下回っていく珍しい人物。
しかし、シーザーはドンキホーテ・ドフラミンゴをはじめ海賊世界のトップと幾つもパイプを持っていてその技術力に対する価値から四皇同士の奪い合いが発生するほどであり、四皇打倒を目指す麦わらの一味とローにとっては非常に重要な存在で、取引材料として仕方なく同行・護衛・共闘する場面も発生することとなった。


【人物像】


優しい言葉と笑顔で他人を煽て、自分の製造した薬品や兵器の実験台に用いることに何の罪悪感も感じず、それどころか自分の製造した薬品や兵器で人が死んでいく姿を嬉々として好むワンピース世界屈指の外道。
傲慢でプライドも非常に高く、自分こそが最も優れた科学者と信じて疑わない上に、子供を自分の実験のために使い潰すことにためらいがない。
常識を教えられない閉鎖空間での洗脳教育ゆえに排他的に育つ世界貴族とも違い、表向きは「善人」としてふるまう狡猾さを持ちながら殺戮兵器の開発といった悪行を行い続けた。
また「人間はみな本気で身を守ろうと考える時敵を殺す手段を欲する」という持論から、「みんなおれが必要なんだよ!!」と大義名分を掲げて自分の存在意義を身勝手に見出している。

無垢な子供を非道な人体実験の実験台にした挙句に殺そうとした事実ゆえに、基本はお人好しと言って良いほど善良な麦わらの一味(特にルフィナミチョッパー)とは相入れず、蛇蝎のごとく嫌われている。
基本麦わらの一味は「死ね」とか「殺す」ではなく「倒す」「ぶっ飛ばす」のように表現する*1のだが、シーザーに限っては、ナミ(年端も行かない子供を縛り付けて苦しめる)とチョッパー(医療のためではなく殺戮のための人体実験を平然と繰り返す)の地雷をダイレクトに踏んでいる関係上
  • ナミ:「人間のクズ」「もう用済みだから…死ねばいいのに」
  • チョッパー:「最低なんだあいつ!」
などと直接的に罵倒している。
ついでに作者からも
「パンクハザードを思い出してください。子供達に覚醒剤を飲ませ、部下をモルモットと呼び、殺戮兵器を作る事が生きがい。そんなシーザーは確かに死んだ方がいいです」
とこき下ろされている。


加えて悪い意味で世俗的であり、後ろ盾の力を誇示して威張り散らし、リンリンから依頼された「人の巨大化」についてはさっさと諦めて研究費を着服して豪遊し使い果たす有様であり、最低の俗物そのものである。
…とはいえリンリンの性格上、正直に無理だと言ったところで殺されるのが既定路線なので、もしかすると現実逃避の側面があったのかも知れないが。
なお、散々好き勝手に外道の所業をやりたい放題やっているにもかかわらず、自分は守ってもらう価値のある人物と思っているフシがあり、反撃できない状況で周囲からクズ呼ばわりされた時には酷いことを言われたかのように情けなく泣いていた。

自分の頭脳に自信を持つ一方、自分の毒ガス兵器でも攻略できない防護服や血統因子の解明をはじめ自分の頭脳を上回る数々の発明をなしたベガパンクには、強い嫉妬心と対抗心を抱いている。
シーザー本人は決してベガパンクが上と認めることはないが。
それでも人体に関する蘊蓄に関してリスクも倫理違反も恐れない性分もあり、現状他の追随を許さない。
腐ってもベガパンクに次ぐ頭脳を持った天才であることは間違いなく、現に肉体へのリスク込みではあるがチョッパーのランブルボールの組成をいとも容易く改良して怪物強化の維持時間の延長に一役買ってしまった。
また一部では「チョッパーがクイーンの細菌兵器の攻略策を考案できたのはシーザーの入れ知恵によるもの」といった説も浮上している。


スマイリー


かつてこの島を覆い尽くしたなん人も生きられねェ“死の世界”

人は“悲劇”を忘れちまうが…!! 何 消えちゃいない
それはいつでもおれの手中にあるんだよォ!!!

後述のH2Sガスをシーザーが「勿体ねェ」という理由で秘密裏に凝縮させてスライム状にした物質に、動物(ゾオン)系悪魔の実「サラサラの実 モデル『アホロートル*2』」を食わせることで誕生した巨大生物。
見た目は赤いゲル状物質でできた巨大な山椒魚。
シーザーはペット感覚で操っている。

自らの意志で行動できるのは勿論のこと自由に分裂する事ができ、その破片一つ一つが同一の意志を有する。分裂態は「スマイリーズ」と呼ぶ。
肉体そのものが猛毒の硫化水素ガスの塊であるため、切ったり殴ったりすれば可視可能なほど超高濃度の硫化水素ガスを撒き散らし、水に浸かれば水域を猛毒で汚染し、燃やせば引火・爆発を起こす凶悪な生物兵器。スマイリーズがある程度固まった状態で爆発すれば軍艦1隻を容易く沈めるほどの大爆発を引き起こす。
生物兵器らしく自発的に高濃度の硫化水素ガスを放出することまで可能。

当初はシーザーの命令により隔離されていたが、パンクハザード編中盤に島に放たれ、麦わらの一味や海軍G-5支部の面々、パンクハザードの人間達を襲った。
これだけでも凶悪極まりない兵器であったが、シーザーの狙いは別にあった。



【能力】


ナメられたモンだぜ…


自然(ロギア)悪魔の実「ガスガスの実」を食ったガス人間。
この名前には日本人のイメージするガスと英語で気体を意味する「gas」の二つの意味がある。
自分の体を気体に変えるという自然系の基本能力はもちろんのこと、毒ガスや可燃ガスなどを発生させたり、気球の要領でガスを燃焼させて肉体を空中に飛ばせるなど応用の幅は広い。
自身の高度な科学知識を応用することで毒ガス兵器を作るのも容易。
毒ガスを吸収することで、肉体を強化しつつ吸収した毒ガスの毒性を自分に付与することもできる。

弱点は良くも悪くも科学者であるが故の肉体の貧弱さと性格から来るスキの多さ。
能力は鍛えているので決してザコではないが、スモーカーのように自分の体を変形・高速移動させつつ接近戦・格闘戦を行うようなことは出来ず、肉弾戦は滅法不得手。
とはいえルフィの速さに完全についていけないほど鈍くはなく、何度かまともに殴られても動けているあたり「実力からすると貧弱だが科学者としては案外頑丈で動けるほう」といった具合だろうか。
加えて攻防共にガスガスの能力に頼りきっており、自然系だろうと問答無用で打撃を叩き込める覇気使いとの相性は最悪である。

ONE PIECEに登場する敵キャラの中でも何かと小物臭い言動の目立つ男ではあるが、腐っても3億の賞金首。
幅広い応用力とその応用力を十全に使いこなせる本人の頭脳と知識により総合力はかなり高く、そもそも「無空世界(カラクニ)」で酸素を奪って窒息させるというえげつない技も使えるので、覇気使いでも迂闊に近づけばシーザーの思うツボ。
能力自体もまるでスモーカーの「モクモクの実」とマゼランの「ドクドクの実」の能力をいいとこ取りしたかのような凶悪なシロモノ*3
ドクドクの実と一緒くたにされた際はインペルダウンの毒出し男」「あんな超人系(パラミシア)と一緒にするな」と露骨に嫌な顔をしていた。
毒ガスも扱える点を考えれば2年間の修行を乗り越えたモンキー・D・ルフィでもなければ勝てなかったのかもしれない。


◆技

  • ガスローブ
体から発生させた毒ガスで相手を包み込みで蝕む。
「まともに吸い込めば命に係わるほどの毒性」と豪語するも、マゼランとの戦いで毒に対して高い耐性を得ていたルフィにはほとんど効果が無かった。
……能力の多様性という点でたしかにガスガスに軍配が上がるが、ご存知の通りマゼランの毒はまともに吸い込めば~などという生やさしい域ではないし、
気体毒についても多種多様であるためあんな超人系と比べるなと言いつつ専門家には及ばないかもしれない。むしろ自覚があるからこそカチンと来たのだろうか?
それでも耐性のない者に対しては覇気等と関係ない生物としての弱点を突かれるため厄介な技には間違いない。

  • ガスタネット
手にしたカスタネットのような武器(?)を叩き鳴らすのを合図に、周囲に充満させた爆発性ガスに引火させ狙った空間に爆発を巻き起こす。
スマイリーの特性を利用すれば、より大規模な爆発を起こすことも可能。

  • 燃焼系ミオークGAS(ガス)
大量の可燃性ガスを辺りに充満させ、それに点火して辺りを焼き払う。
どちらかと言えば威力よりも攻撃範囲を重視した技。

  • 青炎剣(ブルーソード)
大量の酸素を手中にまとめて点火、完全燃焼させた青い炎の剣を構築する。
「無空世界」発動中でも通常通り使用できる攻撃技の一つ。

  • ガスティーユ
ガスバーナーの要領で口から放つ、レーザーを思わせる強力な火炎放射
鉄をも瞬く間に溶かすほどの高熱で、自分より大きな動物でも一瞬のうちに黒こげにしてしまう。

  • 無空世界(カラクニ)
自身を中心とした一定範囲の大気中の酸素濃度を操作して周囲の空間を無酸素状態に変え、範囲内の生物を窒息・昏倒させる大技。
勿論発動中の間にシーザーが動けば無酸素空間も移動するためシーザーの方から近付かれてもアウト。
更に酸素が無くなるためも燃えることができず、範囲内に入った炎は即座に消火させるなど火に対する防御手段としても機能する。
典型的な初見殺し技であり、ほとんどの生物に対して高い効果を有するシーザーの必殺技
加えて酸素濃度を操作するという性質の関係上酸素が消えているわけではなく、シーザー側は一部の炎を用いた技を問題なく使用できる。

  • RO・KO
モコモ公国を壊滅させた神経系毒ガス兵器KORO(コロ)を中和するガスを精製・散布する。
サンジに脅されて開発・使用した、ある意味兵器開発者であるシーザーならではの技。
ただし散布時は心底悔しそうな不満タラタラな顔をしていた。

その他幻覚ガスも使用でき、カタクリとオーブンを同士討ちにさせた。
仮にも未来視が使えるカタクリ相手に通用する辺りなかなかに厄介な技といえる。


◆製造兵器・薬品

  • NHC10
誘拐した子供たちにキャンディに混ぜて投薬していた覚醒剤。そう、覚醒剤である。
チョッパーいわく「特定の国の決められた医者でなければ扱ってはいけない」代物らしく、師であるドクトリーヌは扱えた模様。

  • ドラッグキャンディ
パンクハザードで人体実験の素体にした子供に毎日食べさせていた覚醒ガス入りの巨大飴玉。
要は覚醒剤入りの飴玉で、舐めるとガスが発生する。
実験体の逃亡阻止も兼ねており、怪しまれないために甘い味付けもされていた。シュワシュワした感覚も味わえるので子供的には炭酸感覚だったと考えられる。

  • H2Sガス
シーザーが開発した毒ガス兵器その1。H2Sとは硫化水素の意味。
パンクハザードを滅ぼした元凶となった兵器で、当時は毒ガス爆弾として運用した様子。

  • SAD
人造悪魔の実「SMILE」の原材料となる様々な動物の血統因子を混ぜた物質。
この物質はシーザーにしか作れないため、シーザーが重要人物扱いされた最大の要因である。


  • シノクニ
上記のスマイリーに特殊なガスを素材に作った巨大キャンディを食わせることで誕生した新殺戮兵器。漢字明記だと「死の国」になる。
毒が回って死ぬまでに多少のタイムラグが発生し、運が良ければ逃げられてしまうというH2Sガスの欠点を改修。
触れた生物の皮膚に紫色の毒ガスが灰のように纏わりつき、皮膚から毒が回って肉体を麻痺させて即座に硬化させるという特殊な効果が追加された。
これにより肉体を動けなくさせて確実に敵を殺傷できるようになっている。
弱点は肉体の硬化自体は毒性がなく、毒が回る前に表面を砕けば患者は蘇生できる点。ただし12時間も経てば皮膚から毒が体内を犯すため、なるべく迅速に救助する必要がある。
しかし、そのためにはシノクニの中を進む必要があり、この毒ガス以上の技術を用いて作られた防護服でなければこれを行うことは不可能。
そんなモノが都合よくあったりすることはほぼないので、実は弱点とは言えなかったりする。
「神経に働きかける速度たるやもはや芸術」とはシーザーの談。

  • KORO(コロ)
モコモ公国を壊滅させた神経系毒ガス兵器。
散布から48時間以内に解毒しないと手遅れになるという危険な殺戮兵器。
自分で使ったわけではないものの、その威力はシーザーも満面の笑みを浮かべる自信作だったようだが、即座にチョッパー達に解毒薬を作るようシバかれた。
元ネタはロシアが開発した非殺傷ガス兵器KOLOKOL-1と思われる。ちなみにKOLOKOL-1は使用した際に多くの死者を出してしまった。

  • KXランチャー
ガスティーノ……もとい、カポネに協力するシーザーが対ビッグ・マム用に開発した兵器。興が乗ったのか、或いは材料が余ったのか1本でいいところを予備として2本追加制作し、計3本も用意した。
実際猛毒の有機リン系のガス毒を体内に直接5gぶち込むロケットランチャーのような兵器で、曰く「神をも恐れぬ至悪の殺人兵器」
有機リン系は血中致死量がミリグラム単位の世界なので、致死量の数十倍以上を入れていることになる。
これは普通に撃ち込んでもビッグ・マムには効かないと考えている辺り流石四皇と言ったところか。

シーザーが開発し、ドフラミンゴを仲介としてカイドウに献上していた人造悪魔の実。
食べる事で動物系悪魔の実と同じく動物の力を得る事が可能になる。
ただし能力を獲得できるのは確率で約10%
ハズレを引いてしまった場合、喜怒哀楽の内『喜』以外の感情表現能力が破壊され、「笑う事」以外の一切の感情表現が不能になるという重大な副作用を持つ。
おまけにどんな形であれ「悪魔の実を食べた」という事実に変わりはないため、ハズレを引いてしまっても二度と海では泳げない。
なおこの感情破壊の副作用は食い残されたSMILE*4にも残留し続ける。
また仮に当たりを引いて能力を得られたとしても、通常の動物系能力者と異なり、能力を意のままに扱えないという欠点を抱える。
このように極めてデメリットが多い危険なアイテムだが、例え10%でも強力な能力を得られる可能性はある為カイドウの配下の海賊はSMILEを食べる事を躊躇わない。


【ストーリー中での活躍】

◆過去

ベガパンク主導による民間の無法な研究チームMADS(マッズ)に参加していたようで、ヴィンスモーク・ジャッジ疫災のクイーンとは当時の同僚。最も王族としての自負が強いジャッジと我の強いシーザーの仲は良くなかった。
ベガパンクは生物の「血統因子」の解明という世紀の大発見をなしたが、これを危険視した世界政府はベガパンク達を逮捕(ジャッジなど一部メンバーは政府の手を逃れた)。
取引に応じたベガパンク達は海軍科学班の一員となり、政府のための(元海賊の囚人を用いた人体実験も含む)極秘研究をパンクハザードで続けるようになった。


しかし科学班No.2だったシーザーは、パンクハザードにおいても科学班ら同僚の制止を無視して有毒ガス爆弾“H2S”といった単なる殺戮兵器の研究に傾倒し、4年前にはついにベガパンクも庇いきれなくなりシーザーの追放を決定。
追放という事実に激昂したシーザーは毒ガス爆弾を炸裂させ、3つあった研究所のうち2つが吹き飛び、緑溢れる島だったパンクハザードは高熱と有毒ガスにより死の島へと変わった。
ベガパンクはパンクハザードの責任者として名前が挙がっているだけに過ぎない。
科学班の面子は、実験体だった囚人達を置き去りにして島を去って封鎖。生き残った囚人達は残った研究所に立てこもりなんとか生き延びるも下半身麻痺に。

その後、一度は捕らえられたものの自らの能力によって姿を晦ましたシーザーは、3年前にパンクハザードに舞い戻ると、自らが引き起こした事故を全てベガパンクのせいにして、島中の毒ガスを自分の手で浄化し、囚人達に科学力で足を与えることで恩を売り、自分は「ベガパンクという悪を許せない」善意の科学者のふりをして、囚人達を体のいい手駒兼実験台として利用。

パンクハザードに戻った後の研究は“H2S”を更なる兵器として改良するためであり、その傍ら、ベガパンクが完成させられなかった研究「人の巨大化」を完成させるために近隣の島から病気の治療と偽って子供を誘拐。
薬物中毒にして逃げられなくした上に数年後には全員が死ぬレベルの投薬実験を行っていた。
更には人造悪魔の実「SMILE」の原料である「SAD」の開発を餌に王下七武海のジョーカーことドンキホーテ・ドフラミンゴと手を組み、彼の部下のヴェルゴの手によって子供達の誘拐の件を隠蔽。

パンクハザードは事故の影響で立ち入り禁止となっていたが、2年前には毒ガスもほぼなくなったため、赤犬青キジの決闘の場に選ばれた。よく赤犬と青キジに気づかれなかったな。
2年前の赤犬青キジのパンクハザードでの決闘後、元々立ち入り禁止だった上に島が灼熱と冷気で二分される永続の異常気象が起きるようになったこの島に近付く者は誰もおらず、3年間もの間誰にも気付かれずに自由に研究を続けていた。

◆パンクハザード編

非道の限りを尽くしてきたシーザーだったが、そんな中息子のモモの助を助けにパンクハザードに乗り込んで来た錦えもんに部下達が襲われ、助けを求める部下の通信をたまたま麦わらの一味が受信。一味は島に乗り込み、更にそれを追って白猟のスモーカー率いる海軍「G-5」の一団まで乗り込んでくるという事態に。

それに加えて協力者だったトラファルガー・ローにまでいい機会と裏切られたが、“無空世界”とヴェルゴの協力によってルフィ、ロー、スモーカーを捕らえる事に成功する。

そして“H2S”を凝縮したゲル状有毒ガスに「サラサラの実 モデル“アホロートル”」を食わせて誕生させた生物「スマイリー」に餌を食わせ、ゲルからガス状の殺戮兵器「シノクニ」へと変貌させる。

シュロロロ!!! さァ もっと見せろ!! 地獄絵図を!!!

この「シノクニ」は生物に接触した瞬間体にまとわりついて硬化し、全身を一気に麻痺させる。
「ガスを吸っても避難できれば生き残れるなら、死ぬまで動けないようにすればいい」という思想の元に開発されたこの兵器は、一度発動したが最後、島を覆い尽くして全ての生物を石化させ死に至らしめる。
ただ、その分完全に死に至らしめるのは半日の時間を要する。
その前に体にまとわりついたシノクニを破壊すれば助けられるが、近づいただけで自分も石化してしまうという、不意打ちで使われる分にはどうしようもない代物。

しかしそちらに集中しすぎてルフィ達の脱出を許してしまい、ヴェルゴとモネによる妨害も突破して遂にルフィはシーザーの元に辿り着く。
そしてこの期に及んでドフラミンゴやカイドウの威を借りてルフィを脅そうとするが、


シュロロロ、捕まえてみろ…!! おれは守られてる…!!

“ドフラミンゴ”!! “四皇”!! お前こいつらにケンカ売る度胸あんのかy


ドッゴォン!!!


そんなもん、いくらでも売ってきた!!!


今までにケンカを売ってきた男にそんな脅しが効くわけもなく、顔面に全力のパンチを食らってしまう。

それまでの戦いではガスガスの実の能力でどうにか食い下がってきたが、能力の種が割れてしまえば覇気を使えるルフィに敵う訳もなくボコボコにされてしまう。
最後の手段として「シノクニ」と同化するが、調子に乗って部下達を「シノクニ」の餌食にしたことでルフィを完全にキレさせる羽目に。


見てろ シーザーはルフィの最も嫌いなタイプの人間だ!!

ルフィは シーザーを許さない!!!!


お前の顔はもう見たくねェッ!!!!

……そうだ“麦わら”…
お前 おれの
部下にしてやっても……!!


最後の悪あがきと言わんばかりに涙ながらに懐柔しようとするも当然聞き入れられる筈もなく、“ゴムゴムの灰色銃(グリズリー・マグナム)*5の直撃を食らい、吹き飛ばされて敗北した。

それでもシーザーを回収に現れたベビー5とバッファローと共に逃げようとするが、背中を向けた敵には滅法強いナミウソップの手によって今度こそ捕らえられた。

その後はローに心臓を取られて逆らえないようにされ、ドフラミンゴとの取引に使われることに。


◆万国編

しかしドフラミンゴの打った大芝居によって取引は潰され、色々あって今度は研究費をだまし取っていたビッグ・マム海賊団に捕まってしまう。
ビッグ・マムが彼に依頼したのは『人間を巨大化させる薬』だが、シーザーが目指していた人間の巨大化とはあくまで「発育期の子供を巨大に成長させる」技術であり、リンリンが望む文字通りの巨大化とは似て非なるもの。
そういうわけで実験を重ねたところで今の技術では実現不可能と早々に諦め、シーザーは彼女から頂いた研究費を夜な夜なガールズシップを島に呼び寄せ酒と女につぎ込んでいた。
あんだけ四皇がどうたら言っていたくせによくそんな事ができたものだ

シーザーは「ルフィとローのせいで研究所が壊れた」からと必死で言い訳するも、それが通用するような相手ではない。
結局「巨人薬の完成は目前」だと以前から虚偽報告を吹いていた事が仇となり、「うちの息子の能力でパンクハザードの研究所を複製したからそこで完成させろ」とペロスペローの能力で複製された研究所で2週間以内に完成させないと殺される羽目になってしまう。
なおリンリンは巨人薬の完成を本気で信じていたが、一方のペロスペローは無理だととっくに見抜いていたようで実に楽しそうに処刑を予告していた。
また、ローから奪われた心臓の入った箱は、ドレスローザにてサンジが預っていたが、サンジがカポネ・ベッジの部下のヴィトに渡し、最終的にベッジの手に渡る。

…そしてそれから程なくして、ビッグ・マム暗殺計画を立てたカポネ・ベッジに協力を要請(脅迫)され参加することになった。
万が一このことがバレて殺されないためにファイアタンク海賊団の面々のようにスーツを着こなし髪型をトンガリヘアーに変えるなどのイメチェンを施し、
ベッジの兄弟分・"ギャングスター"ガスティーノ*6として振る舞い素性を隠している。無論モロバレではあったが
なんなら、ちょっとの変装ですら簡単に騙されるルフィにすら看破された

ベッジは彼にビッグ・マムを暗殺する為の先端に猛毒が入ったロケットランチャーを開発させた。
茶会当日は捕えたブリュレの能力を使ってベッジ達の脱出担当として会場の外で待機していたが、ビッグ・マムの暗殺計画が失敗した為、急いで鏡を抱えてベッジ達に向かうがビッグ・マムの絶叫による風圧で鏡が破損してしまい、脱出不可能になってしまう。
その後は、ベッジが能力で巨大な城に変化したのでその中に避難するが、その際にブリュレを入れた袋をカタクリに奪われた。尚、この際アニメではシーザーが大急ぎで城に向かったことでナミやチョッパーやキャロットが飛ばされてしまい、逃げ遅れた原因となっている。更に、まだナミ達が来ていないのにもかかわらず、ゲートを閉めるようベッジに要求していた。
要塞に避難したものの、周囲をビッグ・マム海賊団の猛者たちに包囲され、更には正気を取り戻したビッグ・マムに攻撃され連合軍は絶体絶命の危機に陥る。
このままではジリ貧だと判断したベッジは、全員を体内に入れたまま人間形態に戻り、シーザーに自分を抱えさせ飛んで逃げるという策を立てる。

おい!! 何でおれの命を勝手に賭けたんだてめェ!! 自殺行為だろうそれは!!

その一瞬でおれ達ゃハチの巣になるんだよ!! 成功確率ゼロパーセントだ!!

“武装色” の使い手も多い!! おれがガスになれても意味ねェんだよっ!!


自分の危険性の高さからシーザーは拒否するも、当然シーザーの意見が受け入れられるハズもなく、ジェルマ66の護衛の下シーザーは人間形態に戻ったベッジを抱え逃走。
ビッグ・マム海賊団の猛者たちに護衛を全滅させられ、絶体絶命の危機に陥るも、偶然にも玉手箱の中に仕掛けられていた爆弾が爆発し、ホールケーキ城が崩壊した事で逃走に成功した。

お茶会後、協力の報酬でようやく自分の心臓を取り戻したシーザーは晴れて自由の身となり、ルフィたちと別れ何所かへ去って行った。
尚この際アニメではルフィたちに「俺行っちゃうからな。じゃーなー」と元気に挨拶していたが、当然の如く全員に無視された。


◆扉絵連載「ジェルマ66のあゝ無感情海遊記」

ルフィたちと別れた後の動向は長らく不明だったが万国から脱出できずにいたことが判明。
そんな中ニジとヨンジの救出に成功し退却していたレイジュらに発見され、彼女らに救いを求めるがそこにカタクリとオーブンの襲撃にあう。
窮地に陥るもシーザーは幻覚をみせるガスでカタクリらを同士討ちにを行わせ、その隙にレイジュらと共にジェルマ66の拠点にたどり着くがそこでジャッジと対面し、そのまま壮絶な殴り合いに発展。
と同時にかつて2人が所属していたMADSの話へと移行するのであった。
当時からクイーンと共に殺戮兵器の研究や開発をしていたが、ベガパンクの頭脳と才能に恐怖し、物理込みでクイーン共々万年NO.2争いをしていた。そこで自分たちがいがみ合っていたのはベガパンクのせいだったと考え直し、「NEO MADS」結成という形でジャッジと和解したのだった。


【余談】

  • 基本的に下の名前*7で呼ばれることが多いONE PIECE世界のキャラには珍しく、大抵の場面で「シーザー」「シーザー・クラウン」と呼ばれており、「クラウン」と呼ばれるシーンはほとんどない。

  • 中尾隆聖氏
中尾氏は、同じジャンプ原作の『ドラゴンボール』でクリリン(CV:田中真弓)を2回も殺していることでも有名。
『ONE PIECE』でもアニメオリジナルエピソードにて、東の海編の賞金稼ぎエリックスリラーバーク編後のサヨとリナの父(現時点では唯一の善側キャラ)、金獅子海賊団のマッドサイエンティスト・インディゴを演じているが、原作にも登場したキャラを演じるのはシーザーが初めてとなる。

パンクハザード編のボスキャラだが、渋々人質にされた結果そこからドレスローザ→ゾウ→ホールケーキアイランド編の終盤で解放されるまでずっと麦わらの一味のそばで出番があり、なんと当人及びルフィ達の認識で仲間だったネフェルタリ・ビビより巻数が多い*8おかげで「新ビビ」というとんでもないあだ名まで付いてしまった。
断じて仲間ではないキャラとしては、読者基準でのルフィたち主要メンバーとの付き合いの長さはトップクラスである。


項目立て失敗!? wiki一つ殺してみせたおれの追記・修正の…!!! どこが失敗だ冥殿!!! おれは誰よりも編集できる!!!
見てろ……世界一の建て主が誰か、今に思い知らせてやる!!!

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最終更新:2024年04月22日 03:16

*1 そして実際敵は生きている

*2 サラ=サラマンダー、有尾目(尾のある両生類)の総称。アホロートル=ウーパールーパーの正式名称

*3 前者はルフィを追い詰め、後者はルフィを破っている

*4 食い残しの場合当たり外れは問わない

*5 巨人のバズーカを武装色の覇気で強化した大技

*6 この時の名前欄をよく見ると後ろの綴り部分が「Caesar Clown」になっている

*7 ONE PIECEの住人の大半は下の名がファーストネーム

*8 無論、同時期からワノ国編まで続く錦えもん達はもっと長いが。