桃地再不斬

登録日:2014/10/12 Sun 16:58:01
更新日:2023/05/04 Thu 21:48:40
所要時間:約 6 分で読めます




桃地(ももち)再不斬(ザブザ)とは、岸本斉史の漫画作品・『NARUTO‐ナルト‐』の登場人物。
同作品における「波の国編」の実質的なラスボスである。

●目次

【プロフィール】


誕生日:8月15日
星座:しし座
血液型:A型
身長:183cm
体重:72kg
年齢:26歳(初登場時/享年)
忍者学校卒業:9歳(その際、 他の受験生を皆殺しに)
担当声優:石塚運昇

【概要】

霧隠れの里の抜け忍で、元"忍刀七人衆"の一人。
背中に巨大な大刀・断刀首斬り包丁を担ぎ、包帯で口を覆っている。

「鬼人・再不斬」の異名で恐れられており、霧隠れの暗部において、無音殺人術(サイレントキリング)の達人として知られる。
後述の卒業試験の際にはその年の受験生を皆殺しにした。
側近に(ハク)という美少年を付き従える。

ナルト達の所属する第7班の最初の敵である事や、抜け忍ながら最期に見せた忍らしい生き様から読者や視聴者の記憶に残りやすく、古参ファンからの人気が高い。

名前の由来は、伊賀流忍術の祖とされる百地(ももち)三太夫(さんだゆう)からと思われる。


【人物】

表面的には冷酷非情に見えるが、そうとも言えない部分も持つ。
白の事は道具扱いしていたが、白が死亡した際はガトーに白の死を愚弄された事と、ナルトの強い呼びかけによって自身が白のことを道具だとは思っていなかった事を自覚し涙を流した。
死に際には逝ってしまった白に対し、「今までありがとう…悪かったなあ…」と本音を露わにしている。

幼いころから戦闘には秀でており、忍者学校の卒業試験では100人を超えるその年の受験者を皆殺しにした。
そのことをカカシに言われた際「楽しかったなぁ……アレは…」と残忍な笑みを見せるなど、戦闘狂のような描写も垣間見える。
再不斬が育ったころの霧隠れの里は血霧の里と呼ばれており、卒業試験の際に生徒同士の"殺し合い"をさせるなど、残酷な教育方針であったため、このような性格になってしまったのかもしれない。

先述の通り、彼はNARUTO‐ナルト‐における「波の国編」のボスキャラであり、主人公たちの最初の本格的な敵となっただけでなく、その生き様は、「人は…大切な何かを守りたいと思った時に、本当に強くなれるものなんです」という言葉を遺したとともに、ナルトたちに強い影響を残した。

実際、のちに描かれた回想でもナルトは「あいつら敵だったけど…オレあいつら好きだった」と言い、直接撃破したカカシもそれに「オレもだよ」と笑って答えている。

また再不斬と白の関係も強い信頼関係によって結ばれており、終盤に再不斬がカカシに一方的に打ちのめされたのも、「内心は白の死による動揺を抑えきれなかった」からだとカカシは推測している。


【能力】

大刀・断刀首斬り包丁を用いた剣術と水遁系の術を得意とする。
霧隠れの術で視界を塞ぎ、その上で無音殺人術(サイレントキリング)を用いて敵を仕留める。
先述の通り、彼は無音殺人術(サイレントキリング)の天才のため、強い霧隠れの術で視界がほぼ0の状態でも音だけで相手の位置を把握することが可能。

また忍術・体術・分析力全てにバランスよく秀でており、その実力はカカシとも互角に渡り合ったことからもうかがえる。
むしろ初戦ではカカシと一対一の状況でカカシを水牢の術に閉じ込め、動きを完全に封じていたため、ナルトとサスケの助けがなければ再不斬が勝利していただろう。

使用術

  • 霧隠れの術
あたり一面に霧を発生させ相手の視界を塞ぐ術。

  • 水分身の術
水を使って自身の分身を作り出す術。

  • 水牢の術
水で相手を包み込み、動きを封じる術。
そのまま相手を窒息させることもできる。

  • 水遁・水龍弾の術
をかたどった水の塊を相手にぶつける術。

  • 水遁・大瀑布の術
大量の水を相手にぶつける。あたりは大洪水になる。

  • 血霧の七刀
ナルスト4での干柿鬼鮫との合体奥義。
自分と鬼鮫以外の忍刀七人衆を呼び出し、滅多斬りにする。トドメは再不斬が刺す。
なお、鮫肌担当は鬼鮫なので、呼び出した七人衆に西瓜山河豚鬼は含まれていない。原作で刀を握れなかった鬼灯満月は、「双刀・ヒラメカレイ」を持たされている。

  • 鬼刃の冷撃
こちらは白との合体奥義。
まず敵に凍らせた水龍弾を叩き込み、それでできた巨大な氷柱の天辺に閉じ込める。続いて白が浮いた氷の破片を利用して、魔鏡氷晶の要領で氷柱内部の敵に攻撃。最後は再不斬が下から氷柱を敵ごと真っ二つにする。

【来歴】

過去

当時の霧隠れの里では、卒業試験で生徒同士に殺し合いをさせていたが、再不斬は、その年の100人を越える受験者を殺戮しつくした。
その後は、「霧の忍刀七人衆」の一人として名を上げ、"霧隠れの鬼人"の異名で恐れらた。

本編の数年前に水影暗殺とクーデターを試みたが失敗し、数人の部下と共に野に下る。
抜け忍は里の情報が外部に漏れるのを防ぐため、里の暗部により抹殺されることになるのだが、再不斬は海運会社の大富豪ガトーの裏の仕事に協力することで、隠れ家を提供してもらい、追手を逃れていた。
「報復のための資金作り、そして"追い忍"の追討から逃れるため…そんな所だろう。ガトーのような害虫にお前が与したのは…」とはカカシの推察である。

第一部

部下の鬼兄弟がカカシに撃退された後、第七班の前に姿を現す。

カカシの写輪眼を前にして、「霧隠れの術」を発動。
その圧倒的な殺意は、さっきは意気揚々と敵と戦っていたサスケさえもがビビってしまうほど。

これに対しカカシは、「安心しろ お前達はオレが死んでも守ってやる」
「オレの仲間は絶対殺させやしなーいよ!」と仲間を鼓舞する。

その後、カカシは「水分身の術」をコピーして対応するが、再不斬の反撃に遭い、「水牢の術」に閉じ込められてしまう。

皆に撤退を促すカカシ。しかしナルトは、木ノ葉の額当てを身につけ、


「おい…そこのマユ無し」

「…お前の手配書に新しくのせとけ! いずれ木ノ葉隠れの火影になる男」

「木ノ葉流忍者! うずまきナルトってな!!」

その上で、仲間とのチームワークと「影分身の術」・そして「影手裏剣の術」とを駆使し、カカシを水牢から救い出す。

その後はカカシが「水遁大瀑布の術」を写輪眼でコピーし、再不斬を撃破。

…が、再不斬は霧隠れの追い忍の仮面をつけた謎の少年による千本の攻撃により、息絶える(実は仮死状態)。

この少年こそ、再不斬の付き人のであった。白は再不斬を助けるため猿芝居を打ったのである(カカシたちものちにそのことに気づく)。
ちなみに、わざわざ首を狙ったのは「ザブザさんのキレーな体にキズを付けたくなかったから…」なんだとか。
…当人の項目も参照してほしいのだが、この白という少年、「ヒロインのサクラちゃんよりカワイイ」男の娘である。なんというか、再不斬には爆発しろと言いたくなる。
しかもこの二人、この後も似たような夫婦漫才を披露。
もう本当に(ry

その後、再不斬はカカシたちへのリターンマッチ。今度は白も引き連れて。
カカシの写輪眼対策として、再不斬は「霧隠れの術」で前回より濃い霧を発生させ、眼を瞑り音のみで攻撃を仕掛ける。

…が、白にサスケが殺されかけたことでナルトの怒りが爆発。九尾のチャクラを発動する。

勝負を急いだカカシは忍犬を口寄せして匂いを頼りに再不斬を捕縛。雷切でトドメを刺そうとするが、白がその身を楯にして再不斬を庇う*1

「まったくオレはよくよくいい拾いものをしたもんだ」
「最後の最後でこんな好機を与えてくれるとは」

この発言に激怒するナルト。しかし、カカシは「こいつはオレの戦いだ!!」と制止する。
その後カカシは、圧倒的な実力差で再不斬を叩きのめした。
「今のお前ではオレには勝てないよ」「お前は気付いていない」

その時、黒幕のガトーが子分を引き連れて姿を現した。
死んだ白を足蹴にするガトー。その姿にナルトは怒りを露にし、さらに何も言わない再不斬にも食って掛かる。
「オレも白を利用してただけ」と切り捨てる再不斬。

だが、ナルトは聞き入れない。


「うるせェー!!オレの敵はまだこいつだァ!!!」

「あいつは…お前のことがホントに好きだったんだぞ!!」

「それなのにホントに何とも思わねーのかァ!!」

「ホントに…ホントに…お前は何とも思わねーのかよ?」

「お前みたいに強くなったらホントにそうなっちまうのかよ…」

「あいつはお前の為に命を捨てたんだぞ!!」

「自分の夢も見れねーで…道具として死ぬなんて…そんなの…つらすぎるってばよォ…」

涙ながらに説得するナルト。その言葉を聞く、再不斬の目にも涙が…(まさに「鬼の目にも涙」である)

「…小僧…それ以上は…何も言うな…」

その後、再不斬はナルトのクナイを借り、深傷を負ったままガトーたちに特攻。その圧倒的迫力は、手下たちに"鬼"の幻影を見せるほど。
そのまま再不斬はガトーと相討ちとなって生命を落とす。

カカシ「目を背けるな」「必死に生きた男の最期だ」

その後、増援も到着し、「影分身の術」のハッタリも成功してナルトたちはガトーの手下たちを撃退する。

カカシは再不斬の希望を聞いて、白の隣に寝かせてやる。


白よ…泣いているのか…
ずっと側にいたんだ…せめて最後もお前の側で…
「…できるなら…お前と…同じ所に…行きてェなあ…オレも…」

…その時、空からは白の名の通りの白い雪が…

第二部

再登場の機会は無いと思われていたが、第四次忍界大戦で薬師カブト穢土転生の術により白と共に復活。生前と同じく「霧隠れの術」を駆使し、カカシたちの所属する部隊に立ちはだかる。


「カ…カシ…容赦…するな… オレを…どんな手を使っても…止めろ…」
「…オレは…もう…死んだ…」
「人間として死んだんだ!」

だがカブトは要となる再不斬を守るため白を盾にする。(カブト曰く「戦争ではなかなか面白い演出になってるだろうな…」 カブトェ…)

その姿を、かつて戦った時の姿に重ね合わせてカカシは「お前達がナルトの最初の敵でよかった…」と実感。
必殺の雷切で勝負を付けた。

お前らの死に様と涙は…お互いの絆そのものだったよ…

カカシは再不斬と白の死に様を「忍として守るべきもの」と表現。その上で、死者の魂を弄ぶ穢土転生の術に対し、珍しく怒りを露にしている。


【主な人間関係】

腹心の部下。
白との出会いは道のすれ違いざまに孤児だった白に言葉を掛けた事がきっかけ。
白が血継限界の血族ということもあり、彼を道具として利用すべく拾った。
白もそれは承知の上で「ずっとお側に置いて下さい」と再不斬に忠誠を誓っていた。

再不斬も内心では自分を慕い、付き従う白に対し肉親のような情を抱くようになっていたが、表には出さなかった。
自身が人間らしい情を抱いていることを受け入れられなかったのか、忍としての性質上受け入れるわけにはいかなかったのか、そもそも再不斬には情というものがいまいち理解できていなかったのかもしれない。

ガトーに白の死を愚弄された時は、自身が白のことを道具だと思っていなかった事をはっきりと自覚し涙を流しており、
死に際には先に死んでしまった白に対し、「今までありがとう…悪かったなあ…」と本音を露わにしている。

また、第四次忍界大戦の際にはかつて再不斬がカカシに敗北した時カカシの動きに再不斬がついていけなかったのは、再不斬自身の気付かないところで白の死に動揺していたからだとカカシが明かしている。

生前の戦い終盤で、相手の動きに追いつけず焦る再不斬にカカシが掛けた「お前は気づいていない」というセリフも、
おそらく「お前が勝てないのは、白の死に動揺して憔悴しているのを、自分自身で気づいていないからだ。そんな精神状態ではまともな戦いはできない」という趣旨であろう。


  • 鬼兄弟
再不斬の配下。
元・霧隠れの中忍で兄弟でコンビを組んでいる。
兄の名前は業頭(ごうず)。弟の名前は冥頭(めいず)

  • ガトー
海運会社ガトーカンパニーの経営者。
表向きは世界有数の大富豪だが、裏では麻薬などの禁製品の密売はおろか企業や国の乗っ取りまで行う悪徳組織の頭目。
波の国編の黒幕で抜け忍となった再不斬を雇い入れ保護と引き換えに裏の仕事をやらせていた。
再不斬がナルトたちと戦ったのも、ガトーが第七班の護衛対象であるタズナの暗殺を依頼したから。
だが、ガトーの真の目的は、再不斬と第七班を戦わせ消耗した処で、タズナ達もろとも抹殺する事だった。
波の国編の終盤で、配下の私兵を引き連れて現れるも、白の死を嘲笑った事で再不斬の逆鱗に触れ殺害されてしまった。

  • ゲンゴ
かつての部下。
外伝小説「シカマル秘伝」の登場人物。
黙の国の里長で元は再不斬の配下だった。
里抜け時に白と同様に再不斬の配下として従っていたが、再不斬が理想を忘れガトーと手を組んだことに反発し訣別。
黙の国でクーデターを起こし黙の国の大名を追放し里長となる。
無力な大名ではなく忍術という力を持つ忍びこそが支配者となるべきと説き、甘言と術を用いて忍者を洗脳し支配下に置いていた。
だが、黙の国の調査に来ていたサイを捕らえた事で木ノ葉に目を付けられ、奈良シカマルに敗れ拘束された。


【余談】

  • 彼が卒業試験で同期を皆殺しにした事件を契機にそれまで行われていた卒業試験(生徒同士の殺し合い)が問題視され、大規模な改変を余儀なくされている。

  • 彼が暗殺しようとした水影は時系列的に四代目のやぐらである可能性が高く、おそらくは暗殺未遂前後にオビトがやぐらにかけていた幻術が解除した可能性がある。

  • 忍刀七人衆としてはおそらく里抜け後にの一員となった枇杷十蔵の後任だと思われる。




追記・修正はヒロインよりカワイイ男の娘とフラグを建てた人がお願いします。

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最終更新:2023年05月04日 21:48

*1 この「カカシが敵に対して放った雷切を第三者が身代わりになって死亡した」という事例は時系列的には2度目となっている。