甘城ブリリアントパーク

登録日:2014/10/05 (日) 22:23:55
更新日:2023/05/20 Sat 11:17:02
所要時間:約 9 分で読めます






唐突だけど……可児江くん。わたしと遊園地に行かない?


あなたにこの『甘城ブリリアントパーク』の支配人になって欲しいのです。


『甘城(あまぎ)ブリリアントパーク』は富士見ファンタジア文庫から出版されている賀東招二のライトノベル。
イラストは『パパのいうことを聞きなさい!』のなかじまゆかが担当している。

ファンタジア文庫においては『フルメタル・パニック!』以来15年ぶりの新作となる。
(ゼータ文庫の『ドラグネットミラージュ』や、そのリメイクの『コップクラフト』をガガガ文庫から出したり『フルメタアナザー』の原案を担当したりはしている)

時たまこれまでの賀東作品のネタが出てくることもある。
レーバテインのチェーンガンの口径なんて誰が分かるんだ……。


2014年10月からアニメ化。
製作はフルメタル・パニック!TheSecondRaidを担当した京都アニメーション

2014年10月3日より放送開始……と思ったら10月7日に延期された。
相変わらず賀東作品のアニメ化は呪われているようだ。
ちなみにアニメのサブタイトルは「ない!」で終わるように統一されている。


【あらすじ】
可児江西也は転校生の千斗いすずからデートの誘いを受ける。何故かマスケット銃を突きつけられながら……。
日曜日、彼女に連れられて着いた先は駄目なデートスポットとして名高い遊園地『甘城ブリリアントパーク』だった。
休日だと言うのに客はまばら、園内の手入れは行き届いておらず、マスコットは客に喧嘩を売ってくるという有様。
当然ながら憤る西也に対して、いすずは彼をパークの支配人ラティファのもとへ連れて行く。
ラティファは西也にこの滅亡寸前の遊園地の支配人になって欲しいと告げるのだった――



【登場人物】
可児江西也
cv. 内山昂輝
主人公。
容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群な完璧超人だが、それを憚らないナルシストな為に学校ではぼっち状態。
昼休みはトイレでカレーパンを齧っている。最近は屋上に変えたらしい。
甘ブリの立て直しの為に支配人代行を依頼される。
始めは拒否したものの、パークの惨状や自分たちの仕事に最低限のプライドは持つキャスト達を見て承諾する。

実は昔は子供タレント児玉誠也であり、超絶的な売れっ子だったが、故あって辞めてしまった。
その事に未練はないが、「甘ブリ」の惨状を見てイライラしながらも「供給する側」の目線から的確な指摘を行うなど、燻っている物は何かしらある。
依頼を引き受けた理由の一つも、良い意味での彼らのプライドが琴線に触れるものがあった為。
ラティファから授かった「一度だけ相手の心を読める魔法」は、
普段は電車内の暇つぶし程度にしか使っていないが、ここぞと言う時の決め球としては結構活用している。

当初は2週間(アニメでは3カ月)だけの約束だったが、目標達成後も代行を続けて行くことになる。

千斗いすず
cv. 加隈亜衣
西也の学校の転校生。
美少女でスタイルも良いが、無表情で無愛想。

正体は魔法の国『メープルランド』の近衛騎士「イースズルハ・セントルシア」
元老院にも列している軍人貴族の出自。
事あるごとに愛用のマスケット銃「シュタインベルガー」を取り出し、発砲も辞さないなどやや過激。
良くも悪くも生真面目な軍人気質で、ビジネスやエンターテイメントのノウハウ等は得意としていない。
その為元々ラティファの補佐の為に派遣された彼女は、誠実でこそあったが割とあっという間にキャストの信頼を失っていった。

西也を甘ブリに迎える為に転校し、就任以降は彼のサポートを務める。
二巻以降は西也に惚れた描写がしばしばある。四巻でほぼ確定した。

先祖に河童がおり、定期的(8時間に1回)に風呂に入らないと死にそうな気分になる。
その風呂上り(ほぼ素っ裸)を西也に見られたが、まったく平然としていた。
……がこれは、「危機的な状況ほど頭が冷静になる」軍人的思考が身に染み付いてしまっている為で、実際は叫びたいほど恥ずかしかったらしい。
因みにマスコットとしての姿もあり、ピンク色の愛らしい河童。この時は頭の皿からマスケット銃を取り出している。

因みに名物妖精3匹のプロフィール欄で、好きな物や特技を「被っている」と指摘したら、『お前のマスケット銃も被っている』と言い返された。

ラティファ・フルーランザ
cv. 藤井ゆきよ
甘ブリの支配人の少女。『メープルランド』の王女でもある。
神託によって選ばれた西也を呼び寄せ、パークの立て直しを要請する。
また、この際に「一度だけ相手の心を読める」魔法を授けている。

アニムス欠乏の呪いをかけられた為に盲目で病弱だが、彼女の作るコロッケは絶品。

実は「1年ごとに身体の成長と記憶がリセットする」呪いにもかけられている。

モッフル
cv. 川澄綾子
アトラクション「モッフルのお菓子ハウス」のマスコット。
設定上はお菓子の妖精だが甘い物は苦手で、あたりめや枝豆のようなおつまみ系が好き。
またラティファ作の物に限らず、コロッケも好物。被っている
マスコットの中でも古株で人望も厚い。当初は西也を嫌っていたものの、次第に彼を認めるようになる。
体脂肪を気にしており、居酒屋「さべーじ」での最近のドリンクはもっぱらホッピー。
無駄に戦闘力が高いが、それにはある理由がある。

実はラティファの叔父。

フルメタル・パニック!』のマスコット「ボン太くん」にそっくりな見た目だが、特に関連性はない。
なお、『フルメタ』のイラストレーターである四季童子の許可は取っているとのこと。
モッフルの名前を思いついた時点でボン太くんの姿しか想像出来なくなり、半ばヤケクソで聞いてみたら快諾されたらしい。
なお、4巻にてスパロボを絶賛プレイ中である事を発言してマカロンとティラミーに「自分達もスパロボに出たい」と羨ましがられたが、特に関連性はない…はず。

マカロン
cv. 白石涼子
アトラクション「マカロンのミュージックシアター」のマスコットで音楽の妖精と言う設定だが、本人の音楽の趣味は暴力的なファンクやラップ。
ついでに言えば童謡は嫌い。好物はドラ焼き。被って(ry)

離婚歴があり、子供の養育費の捻出に苦労している。その子供(女の子)は丁度複雑なお年頃で、
お父さんの事を嫌っているようで実はそうでもない感じの、素直になれないちゃん。
元ヤン(しかも元番長)で、キれると口調が酷い事になる。さらに退役軍人。
しかし人生に割と苦労してきているおかげか、意外と筋道だった考え方や話し方をする事も、出来ることは出来る。

ティラミー
cv. 野中藍
アトラクション「ティラミーのフラワーアドベンチャー」のマスコット。花の妖精と言う設定。
かなりの女好きで、手当たり次第にゲストやキャストにナンパやセクハラを行っている。いすず達に半殺しにされることもしばしば。
ただし女好きの姿勢は自分の内面を他人に晒したくないという面もあるらしく、本当に心から惚れた相手には意外と純情な姿を見せる。
(その姿を見た周囲の反応曰く『ウゼえ』)。

本人曰く特技はガンプラ作りで、説明書無しでMGが作れるとのこと。やっぱり被(ry)

アレなマスコットが多い本作でもトップレベルのゲスコット
アニメ版では花というか植物の妖精としてファインプレーをした事もある。妖精仕事した。

ミュース
cv.相坂優歌
ミュージカルシアター「アクワーリオ」(アニメでは「エレメンタリオ」で、後に原作でもエレメンタリオに改名)のキャストで、水の妖精。……水芸くらいならできる。
甘ブリのキャストの中では限りなく一般的且つ常識的な感性の持ち主。
人当たりが良く多くのキャストとからも好かれており、いすずにとっても数少ない友人と呼べる存在。
だが過去にセクハラを受けまくった為、ティラミーだけは若干ウザがっている。

因みにアニメ版では若干設定の変更があり、原作では彼女以外の妖精3人は(キャラは濃いが)余り出番もなく、
それ程目立たない存在なのだが、1話から4人並んで登場等、セットで目立つようになっている。

シルフィー
cv.黒沢ともよ
「アクワーリオ」(エレメン略)のキャストで、風の妖精
独特の空気感を持っているというか、空気が読めない
ダンスの素質は一番高いらしい。
自宅は築30年レベルのアパートを何故か6室借り切っており、その中で個人では世界最高レベルの個数のドミノ並べに挑戦しているなど、やっぱり不思議ちゃん。

コボリー
cv.三上枝織
「アクワーリオ」(エレ略)のキャストで、土の妖精
少し引っ込み思案で余り自分を主張しないタイプ。
なお土と言っても腐葉土がとりわけお気に入りで、筋肉とか男の子の友情とか大好き。要するに腐っている
有明のイベントにもよく行くらしい。
特技(魔法)として、お弁当の賞味期限を3日くらい縮めたり出来る…正直使い道が嫌がらせくらいしかない。
意外な所で、古い機械に強い。それが理由でちょくちょく皆に内緒でパークの裏で色んな事をやっていたり…良い事だが。

サーラマ
cv.津田美波
「アクワーリオ」(エ略)のキャストで、火の妖精
どんな時でもスマホを手放さず、人の発言等を聞きつけてはしょっちゅうtwitterやSNSに流している。
過去に公演中にウザいと思った家族連れの顔写真を、モザイク無しで危険発言と共に流して大炎上を引き起こしたりしている。
何気に相当な問題児なのだが、本人は「あたしは火の精霊だから炎上上等」と全く反省していない。
むしろ何故今でも顔出しキャストをやれているのか。
最近ミュースに対してツンデレ百合疑惑(友情寄りだが)が発生した
さらに上述の発言等により自分が嫌われ者である事に対しては割と自覚的であり、直す気が無いだけな事も判明。
自分のマンションの部屋が火事になって呆然となりがらもそれを実況し、「ざまあwww」とリツィートされてもそれは仕方がないことと受け入れる、ある意味豪の者(傷付かないわけではない)。
あとミュースに対する百合疑惑はますます深まっている

中城椎菜
2巻で採用された人間のキャストその1。
どう見ても小学生にしか見えないロリだが、立派な高校生。と言うか西也の後輩。
一度学校で顔を合わせて話をしているのだが、西也はまったく覚えていなかった(椎菜にとっては最悪な思い出となった)。

かなりのドジっ娘。それ故に自信無しで、常に対人関係でビクビクした態度を取る悪癖が付いてしまっている。
しかしながら唯一の趣味の一人カラオケで鍛えられた歌唱力は、西也もエンターテイメントとして認める程の一級品。
レパートリもアニソン、洋楽、演歌と多岐に渡る。

安達映子
2巻で(中略)その2。
天然気質でほんわかした巨乳のお姉さんだが、面接時に堂々と「AVによく出演していました」と言ってのけた。
代表作は『集まれ、おっぱい仲間! ちゅぱ☆ちゅぱパラダイス』
……本当のところは、N●Kの子供向け番組にありそうな「動物あつまれー」的番組だった。即ちアニマルビデオである。


伴東美依乃
2巻(ry)その3。
まず面接時に脇腹から血を流しながら笑顔(但しどんどん青ざめていく)で登場と、色々おかしい人。
自分が出血多量で倒れる前に甘ブリで働きたいという熱意をぶつけたいからとの思いだが、西也もいすずもモッフルもドン引きしていた。
なおこのどこまでも過剰な前向きさは(困ったことに)素の性格。
なお出血の原因は、彼女の生活を縛りつける頭の狂った兄に刺されたものであり、割とシャレになっていなかったのだが、
兄(や周囲の人間)がおかしくなっていたのは彼女にかけられた悪魔の呪いによるものだったと判明し、
4巻で呪いが解けたら普通に優しいお兄ちゃんだった。あと実は義兄だった。


トリケン
cv,福山潤
魔法の国・レックスランド出身の広報部長(アニメでは営業部長も兼任)するトリケラトプスの妖精。
物腰低く礼儀正しい人物。口癖は「前かがみ」。
仕事自体はまあまあこなす部類であるが相当なスケベであり、アニメではテレビ局のレポーターの案内役から外されそうになったりもした。
広報部長ではあるが映像作品を作るセンスはあまりない。


ドルネル
cv,日野聡
ティラミーより2代前の花の妖精。口癖は語尾に「~ネル」。
10年前に酔った勢いでアトラクションに迷い込んで行方不明になったままだったが、実はそれ以降はずっとアトラクションにかくまわれていたモグート族と共にオタクグッズに囲まれた悠々自適な引き籠り生活を贈り、さらにはMMOに嵌った際にネカマとなりアニムス不足にならないで済むと言う賢さを持った人物。マカロンにクズ呼ばわりされてたが。しかしその生活も終了後に自身の大量のオタクグッズの強制売却という悲劇を経験した後に甘ブリに戻り、悲しみを乗り越えて働いている。


【甘城ブリリアントパーク】
甘城市にあるテーマパーク。
バブル全盛期に建造されるも、その崩壊と共に経営が悪化。
休日ですら1日の来場者数が3000人に届かないという体たらく。
『バブル時代の微妙な遺産』『デートした男女は高確率で破局を迎える』『甘城市の不自然な出土物-オーパーツ-』とまで評される。

過去に「甘城企画」と年間来場者数が5年に渡って100万人を下回った場合にはパークを閉園しなければならないという契約がされており、
本編開始時点ではあと2週間で10万人を集めなければならないという絶望的な状況に陥っている。(アニメでは3ヵ月で25万人)

その実態は『メープルランド』が人々の楽しい気持ちを集め、糧である「アニムス」を生み出す為に作った「アゲル」(田園)。
どこぞの夢と魔法の国よろしく城が建っているが、
可愛いお姫様が王子様を待ち望みながら暮らしているような「お城」ではなく異教徒の軍勢を迎撃しそうな物々しい「城塞」である。
近所のラブホテルの外装の方がよっぽどそれっぽいという有様。


ララパッチのお守り
話の中によく登場するアイテム。
これをマスコット連中が付けていれば、外見は普通の人間にしか見えなくなり、変な語尾も普通の日本語のように認識されるようになる。
主に3馬鹿がさべーじに飲みに行く時や、外部の人間と接触する時などに使用する。
因みに魔法の国のホームセンターで普通に売ってるらしい。
安ければ980円位で。あと魔法の国の中国製(!?)は粗悪品でたまに爆発するからオススメ出来ないとか。


【名前の小ネタ】
主要人物の名前は、世界的に有名なヒップホップミュージシャンからとられている。
具体的には、
可児江西也⇒カニエ・ウェスト
千斗いすず⇒50セント
ラティファ・フルーランザクイーン・ラティファ
といったところ。
これらは編集担当者へのインタビューで公言されており、賀東の趣味からきているらしい。

ナルシストでビッグマウスで、でもそれに見合うすごい実力の持ち主だからカニエ・ウェスト、
武闘派だから50セント、
クイーンだからクイーン・ラティファ、と、
それぞれのキャラごとにあったミュージシャンが選ばれている……のかもしれない。

ほかにも、
久武藍珠⇒アイス・キューブ
はわかりやすい。
栗栖隆也はどうもクリス・タッカー由来っぽいが、彼はラッパーではなく俳優である。

追記・修正は壊滅寸前のクソ項目を2週間で良項目に建てなおしてからお願いします。

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最終更新:2023年05月20日 11:17