仙術(NARUTO)

登録日:2014/10/05 (日) 14:16:00
更新日:2024/04/23 Tue 15:17:51
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NARUTO‐ナルト‐』に登場する戦闘術の一つ。
仙術を行使する者を仙人、もしくは仙術チャクラを練り上げた状態を指して「仙人モード(仙人化)」と呼ぶ。
仙人モードになると、共通して隈取が出現する。



◆概要

通常、忍は身体エネルギー精神エネルギーの2つを練り上げることでチャクラを生成し、忍術を使用している。
この2つのエネルギーに加え、自然エネルギーを組み込んで練り上げる仙術チャクラを使用する術が仙術である。

仙術チャクラ練り込むことで、既存の忍術・幻術・体術の全てを大幅に強化することが可能。
更に「チャクラ感知能力」「危機察知能力」が並の感知タイプの忍を遥かに上回るレベルで身に付く。

仙人モードの性能の高さはもちろん、そもそも仙人モードを使えること自体が作中でも屈指の実力者であることを意味するほど。
そのため、アニオリではあるが『炎の中忍試験!ナルトVS木ノ葉丸!!』の中忍試験では仙人モードの使用そのものが禁止された。ナルトしか使用可能な忍がいなかったため、ほぼ名指しに等しい。
実力を見るための試験とはいえ解禁してしまえばあまりに力量差が出るのが分かりきっているからというのが建前だが、里を救ったナルトの実力など知れ渡っているため、ニュアンスとしては「仙人化以外でどれだけやれるか示してね」ということなのだろう。
まぁテンション上がっちゃってつい使っちゃったけどな!


◆会得

会得には実際に仙人の下で修業する必要がある。
この時の修行場、師となる仙人によって仙人モード時の特徴が変化する。
一子相伝かつ門外不出の秘伝忍術に比べれば門戸は開かれていると言えなくもないが、
  • 仙術自体の知名度がそもそも低い
  • 仙人がいる里の口寄せ動物とのコネが必要
  • しかもその里は超秘匿情報で、契約者でもそうそう知りようがないし、認められるかも別問題
と、相当細い線を辿らなければいけない。

仙人は口寄せ動物である場合が多く、その系譜に連なる口寄せ動物の術はデフォルトで仙術の特性を備えている。


◆仙術チャクラ

上述の通り、「身体エネルギー」「精神エネルギー」「自然エネルギー」を練り上げることで生成される特殊なチャクラ。
この3種を全て均等の配分で練って初めて仙術チャクラとなる。
自然エネルギーの割合が少ないと仙術チャクラにならず、逆に多いと身体が元になった動物に変化し、最悪の場合そのまま石像と化す。

フカサクが言うには己の内に膨大なチャクラを持つ者で無ければ自然エネルギーに取り込まれてしまうらしい。
そのため、習得者は膨大なチャクラを持ってるのにさらに強力なチャクラを振るい、かつ回復も可能などという敵からすれば頭が痛くなるしかない図式が自然と成り立つ、ずるい。

身体エネルギーと精神エネルギーは体内に存在するものであるが、自然エネルギーは文字通り自然界に存在するエネルギーである。
そのため感知自体が困難で、修行はまず自然エネルギーを感じ取れるようになる所からスタートする。

自然エネルギーを体内に取り込むための基本は「動かないこと」。
よって、余程高度な次元で仙術を修得した者を除き、仙術チャクラの生成中は完全な無防備になることが最大の欠点。

仙術チャクラのスペックは凄まじく、明らかな老体かつナルトの膝より小さな蛙・フカサクでさえ怪力を発揮し、組手ではまだ仙術チャクラに慣れてないナルトを圧倒する様を見せた。


◆各仙人モード

仙術を学ぶ場としていくつかの派閥が登場している。

◇妙木山

蝦蟇達が住む妙朴山で修業した場合に会得できる仙人モード。
特徴として隈取に加え、瞳孔が蝦蟇と同様の横一文字となる。
自然エネルギーを利用して直接触れずに敵を攻撃する仙体術「蛙組手」を使用できる。

作中初の仙人モード使用者。
実戦に耐え得るレベルでは当時最高の使い手で、この状態に限定すれば五代目火影・綱手を凌いで木ノ葉最強を誇った。
仙術チャクラへの適性自体は完璧とは言えず、鼻や手などが僅かながら蝦蟇化しているほか、顎ヒゲが生える*1
静止した状態で仙術チャクラを予め練るという手順を踏めば一人で発動できるが、戦闘中動きながらチャクラを練るために二大仙蝦蟇のフカサクとシマを口寄せして両肩に乗せ、自然エネルギーの収集を代行してもらうことで対応していた。

自来也を破ったペインに対抗するため、妙朴山での修業の末に会得。
全く蝦蟇化せずに仙人モードを発動できるようになり、自来也を超えたと称された。

体内に封印されている九喇嘛が「ワシがいるのに蝦蟇の力を借りるなど気に食わん」という理由で妨害するため、当初は九尾チャクラとの併用は一切できなかった。
併用せず仙人モードのみの発動なら問題なくできたが、師の自来也と同じようにフカサクとシマを口寄せして肩にくっつける方式はやはり九喇嘛が邪魔するためできず、「動きながら仙術チャクラを練れない」という欠点の解決ができなかった。
この欠点は「戦闘参加前に予め練っておいた分を使い切ったら終わりの短期決戦専用と割り切る」、または「別所で影分身に仙術チャクラを練らせて待機させておき、必要に応じて逆口寄せで呼び寄せて口寄せ解除しチャクラを還元して補給する」という方法で解決を試みている。
ただしこれでも、後者の方法は「影分身を出し過ぎると仙術チャクラのコントロールができなくなるため、仙術チャクラ待機役が2人+戦闘用に生成する影分身3人」が限度になるという制限がかかってしまう。
さらにチャクラを等分する影分身に練らせる関係か仙術チャクラの量も多くなく、風遁・螺旋手裏剣2発で仙人モードが切れる程度の仙術チャクラ量だった。

なお、精神世界で九喇嘛と戦った際にもナルトは仙人モードを発動している。
この時は現実世界のナルトの身体は静止しており自力で仙術チャクラを練り続けられる状態だったため、精神世界内では動きながらでも好き勝手に仙人モードを発動できている上、無尽蔵とも思えるチャクラ量で大量の影分身を生み出している。

後に九喇嘛と完全に和解した後は必要に迫られた事もあって九喇嘛が妨害を止めたため、九喇嘛モードとの同時発動も可能になった。
この場合、瞳孔が仙人モードの横一文字と九喇嘛モードの縦に細い目とが合わさって十字のような模様になる*2
完全な九喇嘛モード習得後は口寄せ合体も邪魔される事がなくなったが、そもそも九喇嘛モード中は仙術チャクラの収集スピードが上がるのに加え、ナルト自身が仙術に習熟してきた事もあり、戦闘中に必要に応じて仙術チャクラを即座に練る事が可能になった。
それ以降、チャクラ収集役を置く必要自体が無くなった。

九喇嘛モード会得後はお役御免かと思われたが、その高い感知能力により要所要所で活躍(単純な感知能力ならばチャクラモードよりも精度が高く範囲も広い)。
また、十尾の人柱力との戦いでも仙術チャクラの重要性が判明してからは常に使われている。

劇場版「THE LAST」以降では、影分身や九喇嘛モードに頼らずとも極自然に走ったり、戦いながらでも瞬時に仙人モードになることが出来る。
本来は短時間でも静止する時間が必要な仙人化をここまで容易く発動出来るのは、「BORUTO」の時点でもナルトのみである。

ナルトと同様、蝦蟇化せずに仙人モードを発動可能。
単体で完結可能なほか、一瞬で発動できるなど完成度は師の自来也を超えるが、自来也に比べるとチャクラ量が多くないため、一度に練ることができる仙術チャクラ量が少ない。
その分維持時間も短く、また膨大なチャクラを練って大技で決めるより高速で駆け回り的確に仕留める戦闘スタイルとも相性があまり良くないせいもあり、ミナト当人は使えることには使えるが実戦に耐え得るレベルではない苦手な術、として使用を控えている。

母カグヤに対抗するため、若かりし頃のガマ丸に師事してあっという間に会得。
これが後の六道仙術である。

自来也のクローンゆえに同系統の仙術を使用。
ただし実質的な人造人間であること、肉体年齢の違いから完成度はオリジナルを超えている。

◇龍地洞

蛇達が住む龍地洞で修業した場合に会得できる仙人モード。
カブトが「仙人の力に耐え得る体を大蛇丸様はまだ持っていなかった」と言っているので、妙朴山で会得出来る仙人モードとはまた違った制約があるのかもしれない。

会得はしたものの肉体の強度が足りず不完全(隈取は出ている)。
重吾の仙人化にヒントを得て、自身の仙術チャクラを呪印として他者に付与する技術を編み出した。
この仙術チャクラは大蛇丸の分化した意識を内包しており、外部からの干渉があれば本体として現出することができる。
不屍転生と合わせて大蛇丸を不死身たらしめている術と言える。

大蛇丸本体の亡骸を移植後、龍地洞で修業して会得。
角が生える、皮膚が鱗だらけになるなど、外見的にはかなり蛇に近づいてしまう不完全な仙人化に見えるが、本人が言うには「完全な仙人の力」「蛇から龍へと昇華した」らしい。
カブトは蛇化を利用して蛇としての特性をフル活用し、うちはサスケうちはイタチを追い詰めた。

  • 重吾
龍地洞出身の一族で、自然エネルギーをデフォルトで体内に取り込むことができる特異体質の持ち主。
大蛇丸の呪印のオリジナルであり、当初は呪印化と呼ばれていたが、後に生家では仙人化と呼ばれていたことを明かした。
仙人化すると破壊衝動に呑まれて暴走するのは、生物の攻撃本能を刺激するためらしい。
呪印に適応できる者に仙術チャクラを付与することができる。


◇不明

ルーツ不明の仙術。
前者二つが三竦みの口寄せ獣に由来しているため、蛞蝓が住む湿骨林が由来の可能性がある。

準備動作なしの一瞬で仙人モードを発動可能。
自然エネルギーを取り込むと濃緑色の隈取りが浮かび上がる。
木遁忍術との併用により圧倒的な力を発揮する。

外道・輪廻天生の術で蘇った際に餓鬼道の能力で柱間の仙術チャクラを吸収。
通常なら扱い切れずに石化なり反動が来るものだが、柱間の細胞を埋め込んでいたからか、扱いが難しい仙術チャクラを容易く制御し、自分の物とした。


◇六道仙術

六道仙人由来の仙術。
妙木山の蝦蟇仙術の系譜に当たる。

陰陽遁を駆使するため通常の忍術が効かず、仙術か体術でなければダメージを与えられない。
また、4種以上の性質変化を融合させた求道玉が背中に浮かんでいる。
原理は不明だが浮遊能力を得る。

この術にはオビトとマダラが得た「六道の力」とナルトが得た「六道仙人モード」があり、前者は十尾の人柱力となることで、後者はハゴロモから仙術を授かることで開花する。
このうち六道仙人モードは、「この世の理を違えることなく理解し、味方につける」という独特の能力が覚醒する。
そのため、自然エネルギーを取り込む必要すらなく、ごく自然に仙術を使用することが出来る(それでも大技の使用には仙術チャクラの練り上げが必要だが、許容量は通常の仙人のそれを遥かに上回る)。

ハゴロモの次男。
仙人の肉体と生命力を受け継いでおり、求道玉を発動している事から六道仙術に目覚めているものと思われる。

十尾の人柱力となったことで開花。
柱間をして「俺より強い」と言わしめ、火影級の忍4人で発動する四赤陽陣の強化版「六赤陽陣」を単独で発動可能。
更に神樹の一部を口寄せし、複数の超巨大尾獣玉を発射するなどまさに規格外。
しかし、体内に十尾が入っているため神威によるすり抜けはできなくなってしまっている*3
読者からは「弱体化してないか?」とまで言われている。
彼自身はインドラ側のうちは一族の者なのだが、半身がアシュラのチャクラを内包した柱間細胞で構築されているためか、オビトの持つ求道玉が変化した錫杖は陽の形をしている。

  • うちはマダラ
十尾の人柱力となったことで開花。
輪廻眼との併用で神の如き力を発揮し、輪廻眼が片目のみの状態でも六道化したオビトを上回る力を持つ。
インドラの転生者のため錫杖の形状がオビトと異なり陰の形をしており、両者で六道仙人の錫杖を左右で分けた形になっている。

  • うずまきナルト
尾獣のチャクラを体内に宿し、更にチャクラ体の六道仙人から力を授けられたことで開花した。
開眼以降は、ナルトの身体を拠り所として、遠くからでも尾獣達のチャクラを招集出来る。
身体的には、隈取が無くなった状態で瞳孔が十字になっている点が普段と異なる。
全身が黄色くなるチャクラモードにならずとも、求道玉を蹴り飛ばせる膨大なチャクラを有する。
後述のチャクラモードを「六道仙術モード」と呼ぶと誤解され易いが、『陣の書』によれば、この瞳孔のみが変化した状態を含めた、六道仙術チャクラを扱える状態を指して六道仙人モードと呼ぶらしい。
六道仙人から授かった右掌の陽の印がある状態では、特に凄まじい治癒能力を持ち、八門遁甲の陣を発動して瀕死になったマイト・ガイや十尾を抜かれて同じく死にかけていたオビトの命を一時的に繋ぎ止め、写輪眼を奪われたはたけカカシの左眼を即座に再生させたほど。
これ程の治癒能力は掌の印が消滅してからは見られないが、その後も他人の全身の大火傷を瞬く間に全快させる力を発揮しており、治癒力も六道仙術会得前よりは向上したままの模様。
各尾獣の性質変化を付与した様々な特性の螺旋丸を放つことができる。

この状態では新たな姿に変わることもでき、この姿では他の六道仙術の使い手同様に浮遊能力を体得した。
見た目は九喇嘛モードのコート状のチャクラがジャケット状になった姿。
錫杖ではなく黒棒を携え、チャクラの色が橙から黄に変化。
他のチャクラモードと明確に違うのは、顔のみ地肌が露出している点である。
九喇嘛チャクラモードと比べると汎用性や威力は大幅に上昇しているが、スピードは幾分劣る模様。
the last時点ではまだ最終巻が出ていなかったため仙人九喇嘛チャクラモードで戦ったが、何故かこのチャクラモードの姿でも、浮遊能力でもって大筒木トネリと高速空中戦を展開出来ている。

一方「BORUTO」以降の作品におけるナルトがこの六道仙人モードが使えるのかどうかは読者の間でも意見が分かれている。
隈取りが無い十字の瞳孔を持つが顔部分までチャクラの黄色になっていたり、求道玉や黒棒を行使する描写はないが熔遁・螺旋手裏剣は使っていたりと、尾獣達のチャクラの一部を引き続き持っているのは間違いないが、(ナルトが大人になったことによる容姿の変化も相まって)九喇嘛モードとの判別が付きにくい状態であり、六道仙人モードが使えるのであれば上記の大戦末期でのみ見せたチャクラモードが他のモードと統合されているのか別に存在するのか、使えないのであればサスケとの決戦後いつ使えなくなったのかなど、今も議論が絶えない題材となっている。

  • うちはサスケ
輪廻写輪眼開眼と共に会得。
他の六道仙術の使い手のように姿形に変化は生じないが、千鳥を黒く変化させてマダラの動きを封じた他、仙術チャクラでなければ対処出来ない求道玉を須佐能乎の矢でもって迎撃してのけた。
眼が馴染むに伴って扱いに長けていき、六道仙人の域と九喇嘛が慄く程に巧みに自然エネルギーを制御するまでに至った。



追記・修正は仙人モードを保ちながらお願いします。

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最終更新:2024年04月23日 15:17

*1 自来也は「女子にモテない」という理由でこの姿を嫌っていたが、フカサク曰く「これでもまだ上手い方」らしい

*2 実は長門と対面した際に九尾のチャクラと仙術チャクラが混ざっており、一時的とはいえ九尾チャクラとの併用はできた

*3 カカシの左眼を奪ったマダラは神威で異空間に移動できたため、異空間への移動自体は可能な模様