マクシーム・キシン

登録日:2014/09/25 Thu 01:10:03
更新日:2024/01/21 Sun 00:49:22
所要時間:約 20 分で読めます











!!




マクシーム・キシンGBA専用ソフト『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』の登場人物。
CV:かわむら拓央



【概要】

主人公であるベルモンド一族の末裔ジュスト・ベルモンドの親友にして、幼少時から修行を共にしたライバル。
本作のヒロインであるリディー・エルランジェ共々幼馴染ということから舞台となった1748年時点で年齢は18歳前後と思われる。

魔力・魔法といった特別な力は持たないただの真人間だが、若くして家伝の武術「キシン流」を修めた凄腕の剣士であり、「ステラソード」という特殊な剣を自在に操る。
魔王ドラキュラ無き後も人々を恐怖に陥れる夜の眷属の残党とも対等以上に渡り合える超人的な技量を持ち、現・ベルモンド家当主であるジュストも彼には実力・精神両面において全幅の信頼を寄せている。

本編の2年前、ジュストが一族に伝わる聖なる鞭ヴァンパイアキラーを継承したのを機に彼との埋まらない隙間を感じたことから故郷を離れ、武者修行の旅に出たが、ある日満身創痍の姿でジュストの前にその姿を現し、リディーが何者かに攫われたことを告げる。
彼は傷ついた身体に鞭打ち決してジュストが引っぱたいて催促したわけではなく、ジュストを謎の古城まで導く。

マクシームはリディーが攫われた前後の記憶を喪失しており、ジュストと手分けして城内を探索している内に徐々に記憶の断片を取り戻していく。
しかし、城内で合流する度に時折まるで人が変わったかのような粗暴で敵意に満ちた態度を取ることもあり、認識の食い違った言動でジュストを困惑させる。




ジュストでゲームをクリアした後は、ニューゲーム時の名前入力画面に『MAXIM』と入力すると、彼をプレイヤーキャラクターとして操作する「マクシームモード」でプレイできる。
『月下の夜想曲』の「リヒターモード」や「マリアモード」に類するモードで、ストーリーらしいストーリーは無い。
火力は低く打たれ弱いが、ジャンプ力・スライディング距離といった機動性がジュストより高めに設定されており、手数が多い。また、クリア後に解禁されるボスラッシュモードでも使用可能。


専用BGMは『プロローグ ~マクシーム・キシンのテーマ~』。
ステージや戦闘時に流れる曲ではないため、あまりキャッチーな曲調というわけではないが、夢と現の境界が判然としない彼の混濁した思考を上手く表現した一曲。
へへっ、城を壊した後はションベンがしたくなる……
ちなみに、『エピローグ』のBGMはリディーのテーマでもあり、彼の曲と対になっている。



【人物像】

癖のある黒髪を後ろに無造作に束ね、手には指ぬきグローブ、素肌の上から直接黒革のジャケットを纏うというあまりにも難易度の高い変態的なファッションをごく自然に着こなす伊達男。
くっきりした太い眉などに表れている男らしい野性味は、色素が薄く中性的な面差しのジュストとは対照的である。


ただ、実際のゲーム画面ではあくまでクリア特典のオマケ主人公ということか、当時としてもゲーム中のドット絵がかなり粗く、立ち絵と全く似ていない。
キャラクターデザインのイケメンぶりを堪能するにはちょっと厳しいグラフィックである。

特に頭が黒髪のオールバックというよりもすっぽり鎖帷子か黒頭巾を被っているようにしか見えず、身軽な機動や武器の印象も相まって後述の疑惑の元凶となっている。
また、ジュストが蒼いオーラを身に纏っているのに対しマクシームは紅いオーラを纏ったようなエフェクトが入っている。

ワイルドな外見とは裏腹に性格は非常に生真面目かつ禁欲的、やや神経質と言っても良い程で、
中身は天然なフリーダム野郎であるジュストのマイペースぶりには昔からいろいろ気を遣っていた模様。

幼馴染のリディーとはジュスト共々親友止まりの関係ではあるが、密かに彼女を慕い続けてもいる。なんという三角関係。
リディーを護ろうとする想いの強さは手負いの状態でありながら自分の記憶の一部を潰し、我が身を省みずジュストを城に案内した辺りにも表れている。






【能力】

☆キシン流☆


マクシームの修めた武術。
よく『鬼神流』と間違われるが、キシン家発祥の武術なので『キシン流』である(日本の流派でいうなら田宮流とか富田流みたいなもの)。

基本は剣術であるが、足払いや跳び蹴りといったアクロバティックな体術、ステラソードを変形させての投剣術などその戦技は多岐にわたる。
一発の強い攻撃に頼るのではなく、千発の手数で攻めるのが基本。的=敵が大きければ大きい程威力を発揮する。

最大の特徴は凄まじいまでのスピードと機動性で、超高速のダッシュや生身での3段ジャンプすら可能とし、身体を丸めて空中をクルクルと回転する独特の立体機動は時にハイジャンプに匹敵する程の飛距離を稼ぐ。
この回転は攻防一体で、触れるものに逆にダメージを与えるほどの破壊力を秘めている。

さらにその奥義は質量を持った分身を発生させるという奇怪なもので、

  • 本体は地上に立ち尽くしているにも関わらず無数の分身が雪崩の如く飛びかかり斬撃を放つ
  • 本体と全く同じ動きをトレースする分身と共に合わせ鏡のごとく敵を挟撃する
  • 本体とは別に二体の分身が重力を無視したような機動で縦横無尽の飛び蹴りを放つ

など、ベルモンド家の戦技に匹敵するほどの驚異的な威力を誇る。
具体的に言えばラスボスが奥義1回で沈むほど。




☆ステラソード☆

マクシームの愛剣。刃渡り1m程度の両刃の直剣で、柄から鍔にかけては黒の拵え。鍔の片側のみ蝙蝠の翼のような装飾があり、
全体のシルエットはやや十手に似ている。これには相手の攻撃を受け止めるソードブレイカー的な役割を持たされていると思われる。

実は通常時の剣は5枚の刃がひとつに重なった状態であり、扇の如く展開・変形させることで巨大な五芒星の如き形状の投擲剣となる。
これがステラソード(“Stellar-Sword”、『星辰の剣』)の名の謂れ。

背中の鞘に納め、斜めに背負う形で携行する。普通剣を背負うというフォームは長距離移動で『運ぶ』ためであり、
緊急時の抜剣には向かないのだが、マクシームはバンバン抜き放っては納めている。
これもキシン流のテクニックなのかもしれない。

ゲーム内ではジュストの鞭に威力・リーチは及ばないものの、とにかく出が早く隙が少ない優秀な攻撃手段。
攻撃シークェンスが勿体ぶった巨大ボスなどは瞬く間に滅多切りにできる。
また、投擲剣モードはマクシームモード唯一のサブウェポンとして使用可能で、鋭い弧を描いた軌道で中距離までをカバーする便利な飛び道具。
攻撃範囲もそこそこ広く、円周軌道で何度も回転させることで連続してダメージを与えることも可能。
使い勝手的には『バンパイアキラー』のブーメランに近い。



☆神の祝福☆

ゲーム内では↑タメ+波動拳コマンド+Bで出せる技。「奥義!」と叫ぶと同時に輝きがマクシームを包み込み体力を全回復させる。
1度にハートを50も消費するが、ジュストに比べ打たれ弱く、アイテムも使えないマクシームモードにおいては貴重な回復手段。
技名から察するに神の与え給うた奇蹟であるためか、魔の力に乗っ取られた敵対時は使ってこない。
使用時のポーズから立ちションでストレス解消と言われることが多い。


【マクシームと関連が深い物】

◇マクシームの城◆

深い霧を抜けた先、リディーが攫われた現場に忽然と現れた謎の城。ベルモンド家に伝わる文献*2にも記されていない。

『白夜』の舞台となるこの古城は厳密には悪魔城ではなく、ドラキュラの遺物の魔力を元にマクシームが己の精神世界を具現化したものである。
この時、マクシームの内部には表裏二つの人格が存在していたため、城もまた同じ場所に聳えながら表と裏の二つが別々に並存するという極小のパラレルワールドめいた構造となった。

マクシーム本来の人格が顕れた表の城は蒼を基調とした煌びやかな建築であるのに対し、ドラキュラの破片から生じた凶暴な人格が顕れた裏の城は紅を基調とした不気味で荒廃した建築となっている。
また、城内を徘徊する魔物も裏の城の方が強く好戦的な傾向にある。

ジュストとは別のルートでこの城の存在を知ったデス様はいずれ復活させる予定の主・ドラキュラ伯爵を迎え入れるため、
この城を城主不在の「かりそめの悪魔城」として完成させようと暗躍していた。

マクシームの城を悪魔城として完成させるには表裏の城をひとつに融合させる必要があり、
それにはマクシーム本来の人格を消し去ってしまわねばならない。
裏のマクシーム=ドラキュラファントムは攫ってきたリディーから血を吸うことでその為の力を得ようとしていた。

なお、魔力で城を作り出そうとしたのは裏の人格の発想であり、マクシームの意志によるものではない。




☆マクシームの腕輪☆

マクシームの持つ、蒼い宝玉の嵌った腕輪。
ジュストも同じデザイン(宝玉の色は紅)を持っており、ゲームオーバー画面に映っている腕輪がそれにあたる。

多くは語られないがバッドエンディングでジュストの呟いた

『2人(マクシームとリディー)の思い出は、腕輪だけになってしまった…』

という言葉から、リディーが修行時代の2人に贈ったものと思われる。

城を作り出した際マクシームの腕輪は城主の間に入るための鍵の役割も果たすようになっており、イベントで彼から受け取ることでジュストも城主の間の出入りが可能となる。

さらにグッドエンディングを迎えるために必須のフラグアイテムでもあり、
VSマクシーム戦でジュストの腕輪マクシームの腕輪両方装備した状態で彼を倒さなければ問答無用でバッドエンドルートに直行してしまう。
ただし戦闘開始時点で装備している必要は無く、倒された彼がジュストの名を叫んだタイミングでポーズ→装備を変更しても間に合う。



☆余談☆

★シモンおじいちゃんが完全に滅ぼしたはずのドラキュラの遺物が、何故この時代に復活したかについては不明である。
ただ、『ドラキュラⅡ』のグッドエンディングではシモンがドラキュラを葬ったと思しき墓標の前の土から謎の手が生えてくるという演出がある。
ホラー映画にありがちな、「実はまだ生きてました…」というオチなのだが、これが『白夜』の伏線として繋がってくるなら、シモンはドラキュラの呪いからなんとか解放されたが、破片を完全に滅ぼせてはいなかったことになる。

『ドラキュラ伝説Ⅱ』でも伯爵は15年の雌伏の時をやりすごしていたが、
魔王としての意識の無い破片の状態で憑代として利用できそうな人間(この場合はマクシーム)と巡り合えるまで50年の歳月を待ち続けていた執念深さには怖気を震うものがある。
同時に、ドラキュラの遺物ならそれくらいやるだろうとどこかで納得もできるのだが。



★設定上彼の通常攻撃時使っている剣と投擲剣は同一のもののはずで、実際ボス敵としてのマクシームはこれらを同時に使ってくることはないのだが、マクシームモードでは普通に両方を同時に駆使した波状攻撃を仕掛けることができる。
予備の剣なのだろうか、あるいは実体を持った分身を召喚できるキシン流なんだし、武器の複製くらい余裕ということなのだろうか。
なお、コレを利用して投擲剣(サブウェポン)→急降下キック→空中攻撃と畳み掛けると最後の 空中攻撃が異常な勢いで多段ヒットする バグが起こる。
実に変態的な流儀である。








追記・修正は腕輪を両方装備してお願いします。







































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  • 22.73秒

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最終更新:2024年01月21日 00:49

*1 これは『ドラキュラⅡ 呪いの封印』での出来事のことと推測される。

*2 『血の輪廻』OPムービーでリヒターで確認してたやつ。

*3 どちらかというとジュストの『浮遊』やキャッスルヴァニア(PS2)のヨアヒム・アルムスターが操る『魔法剣』に近い感じである。

*4 RTA総本山のspeedrun.comでは「MAXIM」ネーム確定からドラキュラファントムを倒して出た魔力玉を手に入れるまでの時間が扱われる。