無属性

登録日:2014/09/13 Sat 19:30:00
更新日:2024/03/09 Sat 21:55:53
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この項目では、バトル系、ファンタジー系作品でお約束の『無属性』について説明する。

『無』そのものに関しては、こちらの記事を参照





『無』とは?

『無』とは、
1.物事が存在しないこと。絶対的虚無であり、存在論(有論)に立たず、言わば、「無論」に立つ。
2.物事が、ある状態の下にないこと。ゆえに、他の状態にはあることが含示された存在論に立つ。
Wikipediaより引用)

物理学においては、物理的に何も無い空間を真空と定義し、真空は完全な無であると考えられてきたが、
最近の物理学では、真空のゆらぎによって、何も無いはずの真空から電子と陽電子のペアが突然出現することが認められている。
このことによって、現代物理学では完全な無(絶対無)というものは物理的に存在しないとされている。


……うん、さっぱり分からない。
でもないとあらゆる意味で問題になる。
串焼きなのに串がないのと同じぐらい困る。



扱われ方

多種多様。 この一言に尽きる。

100人の哲学者、宗教家、物理学者に対して『無とは何ですか?』と質問したら、100種類の答えが返ってくるのと同様、
作品によって『無属性』の定義や概念は非常に異なる。

作品によっては、
爆発したり、記憶を操作したり
核融合だったり隕石だったり
対象を無に帰す(還す)など……
ゲームや物語上で『無属性』と呼ばれるものは多種多様である。


とりあえず、「無属性」と呼ばれるものを大雑把に分けると2種類ある。

  • 『無』の名の通り物体等を消しさる属性。消滅系。
  • 『属性を持たない武器や魔法』や『どのカテゴリーにも属さない武器魔法』ものをまとめて呼ぶもの。いわゆる属性なし。


後者はプレイヤーの間で便宜上『無属性』と呼ばれているものもある。
分かりやすい例として、モンスターハンターでいう『無属性武器』、ポケモンでいうノーマルタイプ(初代のみ)がある。

属性別に防御力の数値が設定されているロマサガシリーズにおいては、属性なしの攻撃はすなわち防御力無視攻撃を意味する。

魔法等でなく武器などで通常攻撃を『物理属性』と括られるが、ルーンファクトリーシリーズなど、作品によって属性として考える場合に『無属性』と定義することもある。

また、数多く魔法属性が存在する中、あえて物理で殴ることを無属性と呼んだりすることがある。

「無」という属性が、属性なしとは別に存在するゲームなどもある。
属性の1つに過ぎないので吸収されたり無効化されたりすることも。

「無」の異字体である「无」が使われることもある。

色は灰色、もしくは無色透明で表されることが多い。



武器・魔法などの無属性

  • ティルトウェイト(Wizardryシリーズ)
核融合爆発により敵全体にダメージを与える呪文
無属性であることが多いが、シリーズによっては別の属性になっていることもある。

核融合により超高熱と光で敵を攻撃する魔法FF3では反物質による対消滅反応の爆発だった。
無属性だったり炎属性が付いていたりと作品ごとに微妙な差はあるが、大体無属性のイメージ。
バハムートの使う「メガフレア」も同様の効果。

  • メテオ(〃)
隕石を降らせて攻撃する魔法。
こちらも無属性であることが殆どだが、FF4では実は聖属性。

  • アルテマ(〃)
究極の攻撃魔法。
……とされている割には、威力がイマイチだったり、さらに強力な魔法があったりする。
原理は謎。FF7のみ、ライフストリームに似たような演出となっているが……

銀河から宇宙線を呼び寄せて敵全体にダメージを与える
シリーズでは数少ない無属性の攻撃方法である。
ちなみに、同シリーズの「クリムゾンフレア」は熱属性。

  • メギド系(ATLUS製ゲーム)
物理攻撃にも「斬」「突」「打」が存在するゲームを多く手掛けているこの会社であるが、唯一この魔法だけは「万能属性」という「どの属性にも属さない」、まさに万能の性質を持っている。
(ごく一部のボスを除く)どの敵も耐性を持たないため、相性関係なく通用する。
……しかし、ゲームシステム上、特にペルソナシリーズにおいては「敵の弱点を突く」ことが重要視されている。
万能属性を弱点とする敵がいないせいで、この系統の使い手は不遇の立ち位置にある。
ペルソナ1作目だけは核熱属性だった(後のペルソナ5では核熱属性専用の魔法「フレイ」系が設定された)。

インペリアルが所持する攻撃スキル。敵1体に近接斬+無属性攻撃という複合属性攻撃になっている。
無とは一体……

珍しいハードなSF的世界観の作品における無属性。無印AC(PSAC)のブレード光波とV系ACのブーストチャージ(要はキック攻撃)には属性が無く、機体の防御力を無視してどのような機体であっても一定のダメージを与える。
他にもミッション中のスリップダメージや輸送列車バルダー*1の体当たり等も無属性攻撃であるが、後者は威力がわずか「1」というものである上にゲーム中では普通にプレイしててもまず轢かれないので、意識することは殆どない。

  • 通常弾、高速弾(パワードールシリーズ)
上記ACと同じくSF版無属性。PD2以降のシリーズでは各ユニットの装甲タイプに「装甲歩兵(パワーローダー)」「硬装甲(主力戦車等)」「軟装甲(歩兵戦闘車等)」「航空機(ヘリコプタ等)」といった属性が与えられている。
攻撃時には敵の装甲と砲弾の属性による相性が生じる*2のだが、通常弾と高速弾は全ての属性の装甲にまんべんなく当たり、一定のダメージを与えることが可能である。

  • ビーム兵器(FRONT MISSION 3)
本作ではどの武器も「貫通」「衝撃」「炎熱」のいずれか3種類の属性となっている。そんな中、ビーム兵器だけ唯一ビーム属性となっている。
現時点ではシリーズで最も後の時系列に当たる3作目でビーム兵器が開発されたのだが、まだ試験段階であまり出回っておらず、敵味方共に威力を軽減する手段がない。つまり実質無属性と同じである。

サモンナイトシリーズでは四つの異世界から召喚獣を呼び出す世界観なのだが、一つだけ「名も無き世界」と呼ばれている世界がある。
四つの異世界に関しては個人によって適正属性世界があり、召喚術の技法や秘伝が継承され研究されているのだが、「名も無き世界」はまずこの世界への召喚ゲートを開くこと自体が安定せず適正属性を持つ人間もいないため「詳細不明」と作中人物たちは研究できない状態になっている。
ゲーム中では無色透明のサモナイト石で誓約し、無機物しか召喚できない。
初期シリーズでは剣や岩塊を召喚してぶつけるだけといったシンプルな攻撃魔法が主だったが、後々では様々な効果を持つオブジェクト(ただの足場や魔法耐性フィールドを展開する水晶など)を呼び出す召喚魔法が多くなっていった。
なお攻撃魔法に関しては召喚獣は故郷世界の属性に耐性を持つため、耐性無視が可能。
登場人物としては「名も無き世界」=地球から召喚されたキャラクターが必ず1タイトルに一人以上は登場する。
なお「名も無き世界」から呼び出される召喚獣は必ずしも全て地球から呼び出されているわけではなく、呼び出す世界リィンバウム側の人間が「なんか詳細不明の世界」をひっくるめて「名も無き世界」と定義しているところがある。

  • 無属性武器(モンスターハンターシリーズ)
特定のモンスターの素材を用いた場合や、鉱石や骨を素材とした素体武器が該当する。
モンハンではモンスターの素材ごとに火や雷などの属性が発現するが、その手の属性攻撃を用いないディアブロスなどの武骨なモンスターの派生武器や、純粋な鉄鉱石や採集した骨を元に作られた武器は属性が発現しない。

近年は属性解放系のスキルを積むことで、水や麻痺などの属性を発現するようになってきている。
Worldでは『無属性強化』という逆手に取ったスキルが存在しており、単純に攻撃力を底上げするという火力スキルで一時期流行した。

『無属性』のキャラクター

上記の理由から、作中で「無」を操るキャラクターも多種多様である。
ここでは、作中にて「無、またはそれに名称や性質が近いものを扱う」キャラクターを紹介する。

ゲーム

ムーアの大森林に存在した1本の樹に邪悪な心が集まり、意思を持ち、人の形を取ったもの。
封印されていた『無』の力を手に入れるため、2つに分かれていた世界を合併し、作中にて「無」の力を手に入れた。
カメ相手に激昂したり、根に持って真っ先にカメを殺そうとしたりと、器の小さい性格をしている。
しかし、「無とはいったい・・・うごごご」とか言って消滅してるあたり、彼も「無」のことをよく分かってないのかもしれない
「無」は万物の源であり、世界を司る4つのクリスタルも「無」から生まれたとされる。
1000年前に不死の暗黒魔道士エヌオーがこの力を得るべく、不死と引き換えに「無」の力を創り出した。
別機種への移植+α版では、このエヌオーが真の「無」の力を得て登場する。

魔王ザンデが光と闇のバランスを崩したことで出現した闇の氾濫の化身。
闇の力を纏っているが本質は「無」。
無が光の世界と闇の世界に分かれた世界観であり、全てを無に還そうとする時の流れの具現化のような存在。
闇の四戦士によって闇の力を失うと、今度は光の氾濫を起こそうと光の四戦士の力を狙った。
FFで無と言えばエクスデスのイメージが強いがこっちのほうが元祖なので、
ディシディアだと無マニアと化したエクスデス先生から「貴様の無…偽物だな」と因縁を付けられてしまう。

元々は自然を守る神に近い存在であったが、人間が自然の摂理から外れた結果、自然破壊するようになった人間に業を煮やして様々な祟りを起こし、人間にとっての悪となっている。
神様なので性格は尊大。人の心も読める。
超必殺技で無に帰されたプレイヤーは多数。

「无」の高位精霊ゼルヴと契約している機動兵器。
「風」の高位精霊と契約している魔装機神サイバスターとそっくり。
パイロットは「サイバスターのほうがパクリ、魔装機神よりすごい」と主張して魔装機帝ゼルヴォイドと自称している。本人以外は誰も魔装機帝とは呼ばない。
その正体は、遥か太古の人類に高度な文明を授けた巨人族に反逆するため人類が作った自爆特攻兵器。
デザインの記録だけ残っていたため、それがサイバスターに採用されたのだった。

世界が生まれる前の何もないところから宇宙を創造した。
プレートを持たせればタイプが変わるため、どんな色にも染まれるという意味で「無」。
全種族値120と驚異の技のバリエーションを持つハイバランスなオールラウンダー

同作の主人公であり、影が薄いのが特徴。
それを象徴するかのように他の仲間には赤・青・黄の属性が設定されている中でパーティ唯一の無属性キャラ。
後半の展開を見るに、単なる主人公特権ではなく世界観に則ってそう設定されているようにも見える。
ゲーム的には素の能力や特技の優秀さと無属性ゆえ弱点を突かれないことから安定して戦える主戦力キャラ。

魔法少女のソウルジェムに干渉し、その中に眠る魔力を増幅させたり記憶を引き出したりする魔法少女たち。
「絶対的中立」を信条としており、様々な派閥・陣営に分かれる魔法少女らを、見返りさえあれば善悪の区別なく助ける死の商人のような存在。
誰かを呪う様な事を願ったためか魔女と戦う事が出来ない者が多く、報酬として貰った金銭やグリーフシードによって生活している。
無属性としての能力は他者の強化・弱体化から回復や読心、魔力の解析、衣装のアレンジまで多岐に渡る。

久遠の闇から生まれた捕食者。
マナが色に分かれる前からの太古の存在らしく、色を持たず、無色マナと密接な関わりを持つ。
現状におけるプレインズウォーカー最大の敵。

ゲーム中でもアーティファクトでない無色のカードはほぼエルドラージ関連である。

デュエル・マスターズにおける無属性カード「ゼロ文明」誕生の発端となり、エピソード2の背景ストーリーにおけるラスボスを務めるクリーチャー。
ガーディアンクリーチャー達の「どんな相手でも守ってあげたい」「平穏を脅かす外敵は全て排除する」という矛盾した想いから生まれ、「全てを無に還す」ことでその想いを成し遂げようとした。


【小説・漫画ラノベ

伝説の魔法「虚無」の担い手。
それゆえ、火 、 水 、 風 、 土 のいずれの魔法を扱うことが出来ず、「ゼロのルイズ」という不名誉な仇名までつけられた。
性格は、最早ラノベのテンプレと化したツンデレ……の元祖。
本作における虚無の魔法は、爆発や瞬間移動、幻影など、非常に多岐に渡っている。

触れたもの全てを消し去る「 暴王の月(メルゼズ・ドア) 」というチートなPSI能力を持つ。
戦いの動機が「失踪した幼馴染みを救うため」というバカだが根の優しいジャンプ主人公であったが、「命を奪うときでさえも 自分でも驚く程冷静」と零すほど敵には容赦がない。

本作のラスボス
人への怒りと憎しみから「闇が光の上に立つ世界」を目指す人物。
永劫輪廻という、「無数の円状の手を内包した破壊球を繰り出し、球体が通る直線状に存在する物体を無に帰す」チート技を使う。

金色のガッシュ!!に登場するラスボス。
自身を「滅亡の子」と称し、王の特権を使い全ての魔物を消し去ることを目論む。
他の物質や術を瞬時に消し去る強力な「消滅の力」を持っており、その威力は圧倒的な実力を持つブラゴさえ弱い術を数発打ち込んだだけで消し去る寸前まで追い込んだほど。
そしてその強力すぎる消滅の力にはさらなる秘密があり...

本作品の主人公アノスと同じく「不適合者」とカテゴライズされる人物。
性格は穏やかな雰囲気をもった残忍な人物の一言で、薄っぺらい語りと態度で非道な行為を行う。
能力は「虚無の根源を持つ」、簡単に言えば
「魂そのものが『虚無』そのものである存在」であるため、肉体はおろか根源が滅びても「根源が滅びたがゆえに虚無となり、虚無となったが故に根源が蘇る」
といったパラドクスじみた『不死』どころか『不滅』の領域の存在。
他にも「虚無の根源をぶつけることで存在を消滅させる」等戦闘能力は作品中の中でも最上位にあり、数少ないアノスが互角どころか苦戦した相手。

忍術・幻術が一切使えず、体術一本で戦い抜く漢。
体術のみで戦うという戦闘スタイル故に、相手との忍術の属性相性を気にする必要が無いと作中で言及されていた。

  • ムトウミツキ(処刑少女の生きる道)
異世界(日本)から召喚された少年で、召喚される際に純粋概念「無」の力を得た人物。
純粋概念とは作中の舞台となる世界で使われる魔導という力の大本となる大変強力な異世界人(日本人)固有の異能力で、力の代償に使用するたびに記憶を失い能力そのものに人格を蝕まれる。
「無」はその名の通り無の概念を司っており、物体の消失などを引き起こす。
成長すれば死んだ事実を無かったことに出来たかもしれないと言われるが、召喚された当日に人類滅亡を引き起こしかねない純粋概念能力者は処分するという規則の基に暗殺された。


【アニメ・特撮】

本シリーズに登場する珪素生命体。
ミールによって「存在と無の地平線」のエントロピーを受け取って生み出され、人間に「あなたはそこにいますか」と問いかける。

本作に登場するラスボス、その正体は存在しない「無」そのもの。
実在はしているものの、目で捉えられる姿は脳が「無」を無理やり知覚している姿だという。
不気味かつ圧倒的な力を持ち、一度はウルトラマンエックスに相討ちに持ち込まれるものの、何事も無かったかのように復活してしまう。

本作に登場する不死身の剣士。
他の聖剣の属性を無効化する無属性の覇剣・無銘剣虚無の使い手であり、エターナルフェニックスワンダーライドブックに由来する不死身の肉体まで備え付けた強敵。
また、劇中で確認可能な最初の変身者であるバハト自身も、過去の経験から世界に対して絶望しきっており、全てを破滅させて無に帰そうとするなど性格面でも虚無の要素が強い。



無属性は弱点がない!長所もないけど
だから強いことを示すために
追記、修正お願いします


画像出典
Pixaby 高品質なフリー画像素材 2019年 11月10日閲覧
https://pixabay.com/ja/

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最終更新:2024年03月09日 21:55
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*1 初代ACに登場した「こちらバルダー!」と言っていた奴

*2 例えば徹甲弾は硬装甲には大ダメージを与えられるが、装甲歩兵には当てることすら不可能となる。逆にグレネードは装甲歩兵と軟装甲に効果的だが、硬装甲には雀の涙程度のダメージとなる