バベル(MtG)

登録日:2014/07/10 Thu 10:36:40
更新日:2024/01/13 Sat 07:21:16
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千冊の本を読破したウィザードは強力なウィザードになる。
千冊の本を暗記したウィザードは狂気のウィザードになる。

───「機知の戦い/Battle of Wits」オデッセイ版フレイバーテキスト



【バベル】とは、マジック:ザ・ギャザリングにおけるデッキタイプの1種。主に《機知の戦い/Battle of Wits》を用いたデッキを指して呼ばれることが多い。
そのデッキ名は、旧約聖書に登場する言語の塔に由来している(後述)。


▲概要

まず《機知の戦い/Battle of Wits》とは、オデッセイ・ブロックにおいて登場した特殊勝利サイクルの一枚である。
このサイクルは各色に与えられたが、どのようなカードが登場したか見てみると…

白:「ライフが50点なら勝利」(初期ライフは20)という 《忍耐の試練》
黒:「墓地にクリーチャーカードが20枚あったら勝利」という《死闘》
赤:「コイントスに累計10回勝ったら勝利」という《偶然の出会い》(これ自体にコイントスの能力はない)
緑:「20体のクリーチャーをコントロールしていたら勝利」という《勇壮な戦闘》

どれもこれも一筋縄ではいかないものばかりで、ともすればカスレアの扱いも免れないものだった。*1
さて、では青に与えられた「機知の戦い」はと言えば……


機知の戦い/Battle of Wits (3)(青)(青)
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリーに200枚以上のカードがある場合、あなたはこのゲームに勝利する。

……初めてこのカードを見た人は大抵こう思っただろう。
「馬鹿じゃないのか!?」 と。
200枚!200枚である! MtGにおいてデッキの上限は決められていないが、いくらなんでも多すぎである。
そもそもデッキというものは、必要なカードを引く確率を高めるために基本的には可能な限り下限に合わせて構築するのが望ましいとされている。
MtGのデッキ枚数下限は60枚、同じカードを入れてよい上限は4枚だ。
60枚のデッキに4枚差しなら、20枚も引けばまあ1枚は手に入る。

だが機知の戦いを想定した200枚スケールのデッキに4枚差しでは、70枚引いて1枚というレベルである。
しかも実際にデッキを組もうものなら、初手ドロー7枚に設置するのに数ターンは必要なので、実際に組むにあたってはデッキは200枚よりも多くしなければならない。

近年でこそデッキ枚数を下限+20枚以上にすることで相棒指定出来る《空を放浪するもの、ヨーリオン》に端を発したことで、この法則に当てはまらない独自の理論を持つ様々なデッキ構築理論が開発されている*2ものの、
200枚以上などという法外な枚数ではないし、未だに60枚ピッタリに抑える方が主流である*3
オデッセイブロック当時は言うまでもないだろう。

しかしこの機知の戦いはサイクルの中で最も強く、それどころかトーナメントレベルの強さを見せ付けるまで時間はかからなかった。
すべてのデッキは「勝利条件を満たせるようデッキを組み」「ゲーム中条件を満たし」「場に出してそれを運用する」という手順が必要である。
これは別に「他の特殊勝利条件がどうのこうの」という話ではなく、ビートダウンならクリーチャーを並べて除去を掻い潜りながら殴り、コントロールなら相手の攻め手を的確にさばいて優位を築き、コンボなら相手の間隙を突いて勝利条件を満たす。
そこに駆け引きがあり、駆け引きを優位にするためにデッキを工夫し、その上で土地事故やぶん回りという運要素がある。これがほとんどすべてのカードゲームで行われている対戦というやり取りだ。
しかし機知の戦いは デッキを組んだ時点で勝利条件を満たしている ため、あとは「あなたは次のターンに勝利する」と書いてあるのと同義のカードを場に出し、何事も無く次のターンを迎えられれば勝ちなのだ。
ここまでくるともはや小学生の作ったオリカである。


▲バベル誕生

やがて機知の戦いを中核に据えたデッキ、「バベル」が誕生した。
約240枚という通常のデッキの4倍の高さ、スリーブと合わせれば500mlペットボトルを軽く凌駕する程の高さを誇るこのデッキには、確かに天を目指した結果途方もない高さを誇った塔「バベル」という名が相応しいだろう。
基本的に時間稼ぎと機知の戦いを引くために、妨害手段とドローに長けた「青」と除去能力とサーチカードが豊富な「黒」が基本色で、それに好みで白や赤を足す形で組まれるが、
そのデッキ枚数を利用してデッキ内にはこれでもかというほどカウンター・クリーチャー除去・ハンデスにドローが詰め込まれている。
構築理念は比較的シンプルで、基本土地以外ハイランダーで組んだ60枚デッキをそのまま4倍した構成となっている。まあ実際のデッキはそれから少々枚数調整されているのだが。
多少カードパワーが低いものも投入されるが、これはハイランダーデッキに近い理由で、どんなカードが引けるかは運ほぼ任せな都合上、動きを安定させるには同じ役割をこなせるカードや汎用性の高いカードで水増しするしかないためである。

それでも流石にこの枚数ともなると機知の戦いが4枚では並大抵のドローやサーチ手段を動員してもそうそう引けないが、


魔性の教示者/Diabolic Tutorㅤ(2)(黒)(黒)
ソーサリー
あなたのライブラリーからカードを1枚探し、それをあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。
けちな贈り物/Gifts Ungivenㅤ(3)(青)
インスタント
対戦相手1人を対象とする。あなたのライブラリーから異なる名前のカードを最大4枚まで探し、それらを公開する。そのプレイヤーはそれらのカードから2枚を選ぶ。選ばれたカードをあなたの墓地に置き、残りをあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切り直す。
脳崩し/Brainspoilㅤ(3)(黒)(黒)
ソーサリー
エンチャントされていないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。それは再生できない。
変成(1)(黒)(黒)((1)(黒)(黒),このカードを捨てる:あなたのライブラリーから、このカードと同じ点数で見たマナ・コストを持つカード1枚を探し、それを公開し、あなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。変成はソーサリーとしてのみ行う。)

従来のデッキなら敬遠されるような2軍レベルのサーチカードをも詰め込むことで、手札に加えられる可能性を大きく改善出来る。
引けばほぼ確実に勝利できる《機知の戦い》の特性ならではである。

特に変成持ちのカードは状況に応じて通常効果との使い分けも出来るので汎用性を重視するバベルにとっては大事。
デッキによっては60枚デッキに4枚差しするより引ける可能性が高くなる。

基本的にはカウンターや除去で相手の攻撃をのらりくらりと躱しながら、サーチカードを引いたら機知の戦いをサーチしてきてこれを設置し次ターンには勝ち、という流れ。
動きとしては普通のコントロールデッキである。単に勝ち方がクリーチャーで殴るのではなく特殊勝利カードを使うだけである。

▲バベルの恐ろしさ

…と、たびたびこの特殊勝利カードのみが勝ち筋のように言われやすいバベルだが、実際にバベルを相手にしたときの恐怖はこれではない。
むしろ「そっちに気がいきすぎて気づいたらわけのわからないカードで殺されていた」という方だったりする。
バベルの厄介さは「機知の戦いによる勝利は狙えたら狙うプランであり、平然と他のカードを用いても戦う」こと、つまり戦術が極めて多種多様な点にある。

バベルはその性質上、とにかくカードを大量に入れなければならず、その中にはサーチを得意とするカードも入っている。
ということは、「特定のデッキにだけだが刺さる相手には激烈に刺さるカード」や「普段は二線級ではあるが特定条件下で独特な強みを持つカード」もデッキに、それもピンで入れることもできる。所謂シルバーバレット戦術を無理なく組み込むことが出来るというわけ。
60枚デッキなら事故要因が一枚でも入るとかなり動きに響くが、200枚オーバーともなれば事故要因が数枚増えた所で動きが特段歪になるわけじゃないのだ。
もちろんサーチで引っ張ってくるのが前提になるが。あとピンだと探すのが滅茶苦茶大変。

60枚デッキの場合「○○対策に××を入れたいけど入れられなくて出されたらどうしよう?でもそんなものは出されないから大丈夫!」と割り切ったところに、バベルは「じゃあ出しますね」と出して相手を悶絶させる。

よくバベル対策として挙げられる大量デッキ破壊カードの《心の傷跡》だが、むしろバベル側が「自分に向けて撃ち、機知の戦いによる勝利を放棄したうえで墓地利用系のカードで相手を吹っ飛ばす」というプランで採用することもある。*4
上記の特殊勝利サイクル《死闘》の他にも、環境によってはデッキ破壊された途端に《縫合グール》《サイカトグ》《土を食うもの》《総帥の召集》なんてカードで唐突に戦いを挑むこともあるし、墓地から直接唱えられるフラッシュバック呪文なんかを大量に墓地に投下することだってある。

指定したカードをライブラリーから追放する《頭蓋の摘出》?どうぞ撃ってください。別のカードで勝つだけです。
追放するのはいいけど対戦相手にカードを紛失される方が怖い。バベルは枚数の確認が難しいから

伊達に240枚以上でデッキを組むわけではない。その中に何が入っているかが限りなく予想できない狂気のデッキなのである。
そして60枚デッキが戦術を絞ることで安定性や速度を上げることに特化したものなら、バベルはその2つを犠牲に様々な戦術を内包したデッキなのである。*5


▲弱点

バベルの弱点は、戦術を一本化できないことによる引きムラである。
ほとんどのデッキはこの引きムラを「デッキの下限ギリギリに合わせる」ことに加え「ライブラリーの操作、ドロー、サーチ、同名カードや同じ役割のカードの複数枚投入、デッキ圧縮」し戦術を絞った上で、その戦術をブラッシュアップして戦う。

バベルはそれができない。様々なパワーカードが入っているというのは、裏を返せば「それくらいしか入れるものがない」ということ。
どうしても引きががっちりかみ合わず、速度を出せない。そのせいで速度特化のデッキに負けてしまうのである。
デッキ枚数が特殊すぎて変なデッキ扱いされるが、基本は「手管の多いコントロールデッキ」なのでコントロールデッキの弱点は大体刺さってしまう。

実際バベルが活躍したオデッセイ期や第9版期は、比較的ゆっくりしたデッキがトーナメント環境を席巻している時期でもあった。
しかし基本セット2013期や、レガシー、モダンといった環境では往時の名活躍が嘘のようにまったく活躍できない。
これはカードプールが広いと対戦相手の方が戦術をブラッシュアップしやすいから、つまり速度負けするのだ。
対策カードを引けりゃ勝ち?出す前に負けたら意味がないわ!というやつである。

そしてなにより適切なデッキ構築をしつつ使いこなすとなるとかなりのプレイヤースキルが必要になってしまう点。
上記に書いてある通り大抵のバベルは複数の勝ち手段を持つ一方で、いざどんな役割のカードが手札にくるかはほぼ運任せ、既に引いたカードに合わせた最適な勝利手段を新しいカードを引くたびに判断しつつその場その場の臨機応変が求められるプレイングも大変難しいが、無数のカードから組み合わせを最適化するデッキ構築すらも困難極まるデッキである。
一見すると飾りに見えるサイドボードもメインボードの理念とは違う形のアプローチ枠や枚数調整枠としてキッチリ戦略に組み込まれるため蔑ろにできない。
なまじ似た役割を持つカードが多いので、特定の状況で強いカードがあり、そのカードと同じ役割をこなすこと自体はできるカードもいざデュエルすると違う場面で違った使い方の方が強い、ということもままあるためセオリーはあってないようなもの。
なによりハイランダーとは「同じカードが手札に来てしまう可能性が低いながらある」「デッキ圧縮がほとんど役に立たない」の2点が決定的に違う。
機知の戦いを筆頭に1枚だけ来てほしいようなカードがたまたま2、3枚来て事故ってしまうことも確率は低いながら決して0ではない*6し、いらないカードをサーチなどで選んで別の領域に動かしても効果が非常に薄い。
デッキ圧縮も枚数自体が多いのもさることながら、非常時のサブプランとしてならともかくメインでやるのはバベルとして本末転倒であろう。

柔軟かつポテンシャルの高いデッキは使いこなすのが難しい傾向があるのはどのデッキ、どのカードゲームでも言えることではあるが、
バベルはカードの枚数そのものが多いためこの欠点が非常に大きい。

バベルのもう一つの弱点として
  • カードを揃えるための資産が必要
  • それを覆うための相応のスリーブ量と代も必要で、なおかつマークドを疑われないようにしないといけない
  • 管理がものすごく大変。故意にせよそうでないにせよカードの紛失が常について回る
  • 対戦相手にシャッフル・カット・デッキ確認させるのが大変
  • 対戦する前からアーキタイプがバレる
といった構築・プレイビリティ上の物理的な問題がある。まぁこれは構築やプレイングの外なので一旦置いておこう。実際にはこっちの方が断然問題になる

実際弱いデッキではないし、初見の対戦相手の反応も面白いので機会があったら使ってみるといいだろう。
ただ「相手のデッキの中から~」みたいなカードを入れている対戦相手は、バベルのことを嫌がるかもしれない。
自分で240枚ほどのライブラリーを確認する必要があるためである。

なおこのデッキを使う場合、デッキを複数の束に分けておくとお互いに楽。
デッキ崩れなんて故意に起こすぐらいの意気込みじゃないと普通起きないが、流石に200枚以上のカードの山ともなると崩壊する危険性が常につきまとうため。
ただし「どれが一番上だかどの順番だったか分かんない!」といった状況にならないように。また、シャッフルする際は必ず束を全部混ぜること。

『頭蓋の摘出』を喰らうと悲しい。
バベル側は最大の勝ち筋を失うし、対戦相手は240有余枚から問題のカードがリムーブされた事を確認する面倒な作業をする事になり、お互いにとても虚無いのだ。


▲余談

バベルの登場以前から573(コナミ)、758(名古屋)といった語呂合わせデッキが存在した。
これらは《崩れゆく聖域》というバベルと相性のいいカードを用いてライフを水増しするという戦術を主眼に据えたものである。
流石にネタの域を出ないが、それを組んだ努力と財力には賞賛すべきものがある。…と思う。

「The Finals*7」でもネタカードをピン刺ししたバベル、
さまようもの》入りバベルが入賞したこともある。
デッキ枚数があまりにも多い都合上そのカードを引く確率は限りなく低いからなせる芸当である。
しかしよりによって敗退時のラストドローがそのさまようものだったというのは偶然にしては出来すぎである。

100枚構築のハイランダーデッキを使う特殊ルールに統率者戦があるが、このフォーマットが流行したのはバベルの影響も少なからずあるだろう。
バベル構築術は突き詰めればハイランダーデッキ構築術と一致するので、自ずとハイランダーデッキを組むのにも抵抗がなくなるのである。
バベルのデッキを1/4にして追加でカードを40枚加えたものが統率者戦用デッキという事も珍しくなかったりする。

環境と渡り合えたオデッセイブロック当時はともかく、令和の現在にバベルを組む人というのは本当にカードに人生を捧げた人くらいのものであり、普通に遊ぶプレイヤーはほとんど異世界の話のようにしか思っていない。
そのため実物が目の前に出てくると「ほんとに使ってくるやついたのか……」とショップ中の話題をかっさらうことになる。
そういう意味では目立ちたがり屋やエンターテイナーが使うタイプのデッキである。

ただ、コンピュータ処理のMOだと先に挙げた物理的問題がだいたい解決されるのでガチで使っている人もたまにいる。
いわゆる「合理的な枚数」とされやすい240~60枚のもの以外にも、JFF部屋が華やかだったころは400~500枚程度で組んだ完全にお遊びのバベルで遊ぶという人もいたほど。

MTGAのスタンダードPauperイベントでは何枚でもデッキに投入でき、かつデッキ破壊能力を持つ《しつこい請願者》と島だけを250枚積んだ「請願者バベル」なるデッキが環境を席巻したことがある。
元々は単に請願者と島だけの60枚デッキだったが、ミラーマッチ対策として枚数をMTGA上での限界まで増やしてバベル化した経緯を持つ。
2種250枚デッキというTCGでも屈指のバカみたいな内容のデッキだが、どちらを何枚積むかはそれなりに構築議論があったようだ。
さらにこのバカみたいな請願者バベルをメタって、請願者ではブロックできないクリーチャー(主に飛行持ち)と土地だけを入れたという、もはやゲームを始めたての小学生のようなバベルデッキまで登場。
スタンダードPauperでは対策らしい対策も取れず、請願者バベルを使うか対策デッキを使うかというあまりにも請願者バベル中心のメタゲームと化したため、請願者はあえなく禁止カードとなった。


よく「ランタンコントロール」の天敵として名前が挙がるバベルだが、実際にはよほど変なバベルでもない限りむしろ絶好のカモだったりする。
しかしバベルは上述の通り「速度を出せない・引きムラがあるコントロール」。相手を事故らせるためのデッキであるランタン側にしてみれば、対戦相手のサーチカードや危険牌をはじいてライフを狙うアプローチにすればとても簡単に倒せるのである。


特殊勝利サイクルの中で最も使われたのが「機知の戦い」であるが、
「無限ライフ」と呼ばれるデッキに「忍耐の試練」が勝ち筋の一つとして採用された。
またカジュアルレガシー*8では、トリコロールデッキの勝ち筋のひとつとして「偶然の出合い」と「熱狂のイフリート」の2枚コンボによる奇襲勝利を狙うプランもあった。イフリートが着地した瞬間にコンボが確実に成立してしまうため、エンチャントを破壊できないと次のターンに敗北してしまう。しかもこのイフリート自身もあらゆる除去を半分の確率で回避してしまうのである。
20体並べたら殴ればいいじゃないか、といわれる「勇壮な戦闘」も、かつては青緑マッドネス対策として真面目に用いたプレイヤーもいたとかなんとか。
パッと見ネタにしか見えないこれらのサイクル全てで、トーナメント級のデッキが組まれる日が来るのかもしれない。



追記・修正以上に高尚な志があろうか。
~基本セット2013版「機知の戦い」のフレーバーテキストより

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最終更新:2024年01月13日 07:21

*1 一応どれも真面目に使われることが試みられたことがある。この4種類の中だと、意外なことにある程度大成したのは白と赤(熱狂のイフリートのエラッタ解除後)である

*2 他TCGでは遊戯王の「除去ガジェット」や「隣の芝刈り」は下限を上回るように構築されている

*3 「イニストラードを覆う影」時代、ある日本人のプロプレイヤーが61枚のデッキで大会に参加したことがある。これ以前にもライブラリーアウト対策でデッキを61~3枚程度にするというアプローチ自体はあったが、そういう目的もなしに61枚というのは非常に大きな話題を呼んだ。これは使用者は「バランスの問題を考えると、どうしても最後の1枚を抜くわけにはいかなかった」と説明し、それらに対して様々なプレイヤーが好意的なものから否定的なものまで、様々な意見を表明した。「そもそも60枚でデッキを組めていないのなら失敗なのだ」という手厳しい意見もあったほど。60枚に揃えてデッキを組むというのはMTGにおけるある種の信仰とも言える。

*4 当然だが人による。墓地対策を嫌う人は入れないし、そもそも5マナと重いくせに盤面に何も影響しないから腐りやすい欠点もある

*5 もちろんカードプールが狭ければ、その分とれる戦術も大きく狭まる。

*6 ただし本物のハイランダーと違い、1,2枚対策されて落としてもまだライブラリーに眠っているので問題はないとも考えられる。相手にハイランダーとバレている状態のEDHや相棒ルーツリーでは、「墓地に落ちたカードは二度と飛んでこない」という情報アドがかなり顕著な弱点になる

*7 通常のガチガチな協議グランプリに比べるとネタに走ったものが多いお祭り的なイベント

*8 カジュアルと言っても寄せ集めのカードという意味ではなくショップ大会などのこと。そもそもレガシーは公式のグランプリが行われる頻度が非常に低いため、そういう意味ではカジュアル系のフォーマットである。