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起源(TYPE-MOON)

登録日：2012/03/22(木) 07:20:11
更新日：2023/08/10 Thu 04:09:26
所要時間：約 5 分で読めます


起源とはTYPE-MOON作品に登場する用語。
そのモノの原初の方向性。そのモノがそのモノである事をたらしめるもの。根源の渦から生じた混沌衝動を魔術では起源と呼ぶ。
輪廻転生の真偽はさておき、最初に起源があり、それに沿って肉やら知恵やらが付き、以前とは少し違った人格ができるという考え。
全ての存在は起源によってその方向性を縛られているので、覚醒しなくとも個性や特徴として表面化していく。
また自らの起源を自覚するとその方向に言動が引きずられるようだ。

起源覚醒者とは、文字通り起源に覚醒した者のことである。その肉体には強大な力が備わるが、元々あった人格は異常を来たす。
それはたかだか人として生きる間しか持続しない「人格」など、原初の始まりより生じたその存在自体の方向性の前には容易く塗りつぶされるからである。
『空の境界』に登場する荒耶宗蓮は、意図的に起源を覚醒させる術を会得し、一度だけ行使している。
術の対象が己の起源を自覚し、術者がそれを呼び起こすという手順上、互いの同意が必要。

魔術(TYPE-MOON)にも密接な関係があり、人それぞれが持つ魔術属性も大元は起源にある。
魔術属性は一般的に五大元素のどれかになるが、起源が色濃く表に出ている者はそのどれにも当てはまらない特殊な属性、起源そのものが属性となる。
この手の魔術師は五大元素を用いた基礎的な魔術の習得が困難で魔術師として大成はしないものの、特定の分野の専門家として名を上げる事が多い。
衛宮切嗣によると、どんな人間も起源に従って魔力を引き出すことができ、一つは適した魔術系統を持っているものだとか。



以下、これまでに判明している起源。
荒耶曰く式と「同じ “起源”を持ちながら別れた者」。
痛覚を封じられたことで外界との繋がりを感じられなくなり、
他人を痛め付け苦しむ様を見ることでしか自分が生きていると実感できなくなっている。


魂というカタチを追い求めて根源に至ろうとした魔術師。
自らの起源「静止」を自覚した影響と、身体を人形にし替えが効く様にしている事から老いる事無く、200年以上生きている。
替えの人形がなくとも、数十年を要するだけで復活も可能。


「切断」と「結合」の複合属性。魔術属性ではそれぞれ「火」と「土」に当て嵌められる。
この2つの行為による不可逆的変質をもたらす。紐を切って結び直せば、そこに結び目が生まれるようなもの。

切嗣の手先自体は器用で、外れた鋼線を元に戻すのは難なくできるのだが、これが電子回路の部品だったりすると逆効果になる。
厳密な意味で元の状態に戻せていないので、元と多少違っていても良いものならともかく、精密機械は直そうとするだけ悪化する。
アニメ版では銃の組み立てに苦労しているが、電子制御している訳でも無い物にも当て嵌まるのかとのツッコミの声も。漫画版では普通に銃の整備をこなしている。
……会う人会う人、何がしか不可逆的な変化を起こしている気がするが気のせいだ、多分きっとメイビー
『Fate／Grand Order』での概念礼装「起源弾」によると、少数の命を切り捨て、多数の命を繋ぐという、彼の行動原理にも影響している様である。

切嗣はこの起源を最大限に活かした武器、「起源弾」を切り札にしている。自分の肋骨をすり潰して入れた銃弾で、自分の魔力を込めて発射する。
起源弾へ魔術で干渉した者の魔術回路は「切断」と「結合」ででたらめな状態になり、魔力があらぬ方向へ暴走して自滅する。
普通に着弾してもライフル弾の威力で広範囲に吹き飛ばされて「切断」され、いい加減に「結合」して修復される為、一見すると古傷だが、体組織の機能は戻らない。

因みに切嗣という名自体も起源に由来している。切嗣の父、矩賢が息子の起源を調べたところ、
その奇妙な結果に途方に暮れ、取り敢えず名前にした。いや起源を名前にするのってまずいだろ
メタ的には逆で、奈須きのこが自己矛盾を起こす様な名前として「切る」と「嗣ぐ」を一纏めにし、
虚淵玄がそれを起源にした。お陰様で起源の中でも随一の影響力を持つことに


正確には「剣」に変わりつつある。剣に対して強い関心、洞察力を持つ。
魔術属性も起源同様に「剣」であり、対象が「剣」カテゴリである時に限り、宝具すら投影出来る異常な能力を誇る。
士郎が7歳の時から体内に入っていた『全て遠き理想郷』は彼の魔術特性を「剣」に変えたが、起源にも影響したのかは不明。


どの様な行動を起こそうが、価値を持たない。小川マンションから抜け出し、式を連れて帰って来たのも、他の誰かで替えが効くことである。
しかし荒耶宗蓮に「無価値な物に価値を見出す」という矛盾を犯させ、その命運を決定した。


彼は妖精達に拐われた時、帰りたい一心で妖精達を血祭りにあげた。
この結果、言語としてでしか相手を「再認」できない記憶障害になる呪いを受け、
実の家族からも何故か血塗れになっていた子と白い目で見られるなど、故郷といえる場所を失うことになった。
作中での動機も「望郷」に端を発している。


動植物のどれに生まれようと、その群れにおける道徳から外れた存在になる。
律から外れようとする衝動。兄である幹也に対する愛情。近親相姦という社会的に「禁忌」とされている事を望む姿勢。
本人曰く、するなと言われたモノを無性にしたくなるらしく、それも起源の影響なのだろう。
魔術属性は不明だが、火の魔術を扱う。


  • 黒桐幹也：どこまでも普通で、誰よりも人を傷つけない
『空の境界』の忘却録音で語られた彼の起源。


『Fate／Grand Order』の概念礼装「リピート・マジック」では、呪文詠唱から近代文明の思想を排除したがる風潮に異を唱え、
「反証」とばかりに、コピー、大量生産という概念を取り入れて、「Repeat」と言うだけで何度も同じ魔術を使える様にしている。


謎を解き明かし、白日の下に晒す事。真実を探し出す事。
全ての「探偵という概念」の祖であり、明かす者の代表であるホームズの起源。
サーヴァントとして存在する彼は、史実に実在したかどうかは大きな問題ではないと語りつつも、
「小説のモデルとなった人物」ではなく「小説に登場した人物」そのものの言動をするため、「架空の人物」の意味合いが強いが、
そうであるならば彼の場合は「解明を起源として生まれた」というより、「解明という概念を元に出来上がった人物」と言った方が正しく、他とは若干異なる。
しかしともかくとして、シャーロック・ホームズと言う人物の起源は「解明」である事は間違いなく判明している。


荒耶が式に送り込んだ3つの駒の1人、「死に逃避して自我する起源覚醒者」。
半ば事故の様な形で人を殺し、遺体の処理に困っていたところ、荒耶と出会い、
「食べる」という起源に目覚めさせられ、遺体を丸々胃袋に収めてみせた。
蒼崎橙子からはこの起源なら前世は悉く捕食者だったのだろうと推測されている。
起源に今世の自分を塗り潰された影響で、人間というより肉食獣かと思わせる身体能力を誇る。
本人曰く自分の血を飲んだ奴は起源覚醒するらしいが、実際は彼の妄想でそんな効果はない。


荒耶曰く式と「同じ “起源”を持ちながら別れた者」。
長く病に侵されており、まだ死んでいないと認識することでしか自分が生きていると実感できなくなっている。


生の実感を得られない「虚無」的な人格。
蒼崎橙子曰く、式は起源と近すぎるためその衝動に引きずられているらしい。
霧絵、藤乃と同じ起源だが、式が死に抗うことでしか生を実感できないのに対し、
霧絵は死ぬことでしか、藤乃は殺人を愉しむことでしか生を実感できないという点で異なる。



  • ナイジェル・セイワード：執着
『Fate／Prototype 蒼銀のフラグメンツ』におけるランサーのマスター。ひたすら根源を目指し人間味が薄い。
感情を操作する霊薬の創造に長け、その効果はサーヴァントにすら及ぶ。
霊薬には彼の起源が組み込まれている。起源薬とでも言うべきか。


『フェイト／タイガーころしあむ アッパー』のアヴェンジャーによるとカレンの起源はこれらしい。
ギャグでやたらはっちゃけがちなのはこの起源の所為なんだろうか？


『Fate/complete material II』で「架空元素を起源とする冬木市の管理者」とされている。いやでも架空元素って起源になるのか？


HFルートで「架空元素、虚数を起源とする影使い」とされている。いやでもry


生前は人の好さから上司とその妻の間で板挟みになり、いっそ狂ってしまえと狂戦士になってみれば上司と鉢合わせ。
自分を裁いて欲しい余り、上司を追い回してあらぬ誤解を抱かせる。
こうした行動から虚淵玄に冗談めかしてとはいえ、「さしずめランスロットの持つ起源は『傍迷惑』とでもいったところだろうか」といわれる羽目に。


本人曰くコレ。
俺が二人になっても、ゲームのプレー時間が2倍になるだけだという。



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最終更新：2023年08月10日 04:09