アンドロメダ(宇宙戦艦ヤマト)

登録日:2014/05/29 (木) 23:26:16
更新日:2024/01/09 Tue 19:13:15
所要時間:約 16 分で読めます




砲撃用意。エネルギーが切れるまで、怒りを込めて撃ち尽くせ!




アンドロメダとは、『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場する宇宙戦艦である。







旧シリーズでのアンドロメダ


諸元

全長:275m
全幅:66.2m
全高:不明
基準排水量:98,000t
乗員:95名
主機:新型波動エンジン ×1基
補機:補助エンジン ×4基

《兵装》
艦首拡散波動砲 ×2門
50.8cm3連装衝撃砲 ×4門
5連装大型艦橋砲 ×1基
3連装対空パルスレーザー砲 ×2門
連装対空パルスレーザー砲 ×2門
艦首ミサイル発射管 ×4門
対空ミサイル砲 ×8門
連装舷側砲 ×4基
対潜宙艦ソナー

《主な艦載機》
コスモタイガーⅡ

《主な搭乗者》
土方竜 艦長兼地球防衛軍連合艦隊司令長官



概要

西暦2201年。ヤマトの活躍によってガミラス帝国の脅威を退け、地球はガミラス戦役前を上回るまでに復興を遂げていた。

そんな中、地球防衛軍の象徴として建造されたのがこのアンドロメダ級戦艦である。

イスカンダルよりもたらされ、ヤマト建造で培った技術を更に発展させたものを惜しげもなく注ぎ込み、就役した当時はヤマトをも上回る地球最大最強の戦艦として白色彗星帝国にまでその名を轟かせた。

ただ、初登場の『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』や「2」では人間の精神が欠如した科学文明の象徴として批判的に描写されており、試験航海に携わった真田さんからは「戦艦ではなく戦闘マシーン」「この艦では勝てない」と評され、白色彗星帝国のズォーダー大帝は「ヤマトより強力」としつつも「力は更なる力に屈する(意訳)」などと評価されるなど、「人間は機械には負けない」という作品コンセプトから劇中では不遇を強いられていた。

何も出来ずに全滅するか壊滅するのがデフォルトのヤマト以外の地球艦隊の中にあって、それでもただ一隻奮戦。特に土方司令長官が指揮を執った『2』ではヤマト抜きで艦隊戦を征したことは紛れもない事実であり、デザイン・能力ともに現在でもその人気は高い。



性能

前述の通り、その性能はあらゆる点でヤマトを上回る。
主機たる波動エンジンは地球で改良された新型で、ヤマトに積まれているものよりも小型で高出力。『さらば』劇中の描写を見る限りでは波動砲のチャージタイムは驚くほど短縮され、艦の機能にも何らかの支障をきたしている様子は窺えなかった。
防御力も、少なくとも都市帝国の大型ミサイル数発に耐えている時点主力戦艦よりは強固としか言いようがない。ヤマトを除く大半の艦艇は一発喰らえば撃沈というのが相場なので…

『2』においてはヤマト追撃戦で速力も上回る描写がされている。

艦内はオートウォーク式になっていて、居住性はかなり高いことを見学に来た古代進が指摘している。おそらく艦隊司令部としての機能を持ち合わせているからであろうことは、想像に難くない。


そして、このアンドロメダ最大の特徴が、艦内の徹底的なオートメーション化である。特に波動エンジンや主砲塔の制御・作動は艦橋からのコントロールを通して全てロボットが行っており、機関部員や砲術部員は全くいない。果てはダメージコントロールまで一切を機械頼りとなっている。
現実のイージスシステムに近いと言えるが、アンドロメダの場合は極端なまでに機械化に走っていて、明らかに機械に頼り過ぎたきらいがある。
ガミラスの遊星爆弾で地球人口が激減しているという止むを得ない事情もあるのだろうが、真田さんは「ヤマトの勝利を機械力の勝利と勘違いした結果」と辛辣に語っていた…
余談だが、本作以降も地球防衛軍上層部は懲りずに自動化を推し進め、完全自動の無人艦隊暗黒星団帝国に何も出来ないままボロクソに負けるまで続けられることとなる。

地球防衛軍上層部はアンドロメダ一隻で満足していたが、土方司令は対白色彗星帝国に備えて最低5隻、ヤマトの報告を受けてからは10隻のアンドロメダ級が必要であることを主張し、劇中でも2番艦建造を急ピッチで進められていたが、間に合わなかった。
しかし、『復活篇(DC版)』では同型艦のA12が登場しているので、白色彗星帝国の撃退後もある程度量産された様子。



兵装


◆艦首拡散波動砲
艦首に2門装備された波動砲。強力な波動エネルギー増幅装置によってヤマトの2倍もの威力がある。
アンドロメダや主力戦艦、巡洋艦、護衛艦に搭載されているものは拡散波動砲という艦隊戦向きのタイプで、点攻撃には向かない代わりに面攻撃では絶大な効果を発揮するタイプである。


◆50.8cm3連装衝撃砲
前方に2基、後方に2基装備された地球防衛軍艦艇共通の主砲。所謂ショックカノン。
射程はヤマト(改装前)の波動砲並で、当たれば白色彗星帝国の大戦艦クラスでも一撃で撃沈する威力を持つ。
なお、ヤマトを含めて地球側の艦艇には高角砲に相当する兵装が無いらしく、敵艦載機が接近してくるとまず主砲で迎撃している。
『さらば』でデスバテーターや潜宙艦を、『2』では大戦艦やバルゼーの乗るメダルーザを滅多撃ちにした。


◆対潜宙艦ソナー
『さらば』で潜宙艦に使用した装備。
照明弾に似たようなもので、潜宙艦の潜む宙域に発射され、閃光と共にステルス機能を無力化する。


◆パルスレーザー砲
ヤマトのそれに比べてかなり基数が少ないが、猛烈な弾幕で接近するデスバテーターを迎撃している。


◆その他
他にも5連装大型艦橋砲や各種ミサイルを装備しているが、劇中未使用である。


◆艦載機
台詞で触れられただけだが、ヤマトのようにコスモタイガーⅡやその他の艦載機を搭載可能。
後部側面の補助エンジンの間に艦載機発進口、艦底部に大型機発進口があるらしい。



『さらば』での活躍

名前不明の司令官指揮の下、地球防衛艦隊旗艦として白色彗星帝国に立ち向かった。
艦載機や潜宙艦の攻撃を物ともせず、拡散波動砲の一撃でバルゼーの艦隊を壊滅させたものの、艦隊での拡散波動砲一斉射撃も白色彗星には全く通じず、離脱も間に合わずに中性子ガスの渦へと消えていった。
反転180度という司令官の命令ミスが離脱失敗の最大の原因とよく言われる。哀れ



『2』での活躍

こちらでは土方総司令が艦長を兼任している。
進宙式からテスト航海でのヤマトとのニアミスや反乱同然に地球を飛び出したヤマトの追撃など、存在感は映画以上。

そして、アンドロメダが最も輝いたのが、白色彗星帝国の太陽系侵攻時、土星空域海戦である。
太陽系第一外周艦隊を率いるアンドロメダは土方司令の命を受けてあちこちの基地からあつめられた艦隊と共にタイタン基地に集結、連合艦隊旗艦となる。
ヤマト率いる機動艦隊の奇襲によって機動艦隊を失っていたバルゼー提督率いる白色彗星の前衛艦隊に波動砲による殲滅戦を仕掛けようとするも、敵旗艦メダルーザの決戦兵器・火炎直撃砲の圧倒的な射程と回避不能の攻撃の前に失敗。

だが、土方総司令の作戦で転身、土星の輪に誘い込み、圧倒的な熱量を持つ火炎直撃砲の水蒸気爆発による混乱と火炎直撃砲封じを狙う。
目論み通りに水蒸気爆発で敵艦隊が隊列を乱した隙に転身した地球艦隊の反撃によって第1、第2艦隊は壊滅、生き残ったメダルーザも突撃虚しくショックカノンで蜂の巣にされ、バルゼーは戦死した。
遂に地球艦隊はヤマト抜きで敵艦隊に勝利したのであった。

それが地球艦隊、ひいてはアンドロメダ最後の輝きだった。

勝利の直後、突如としてワープアウトした白色彗星によってヤマト以外の機動艦隊は全滅。
連合艦隊は拡散波動砲の一斉攻撃で中性子ガス帯を吹き飛ばすものの、本体たる都市帝国は全くの無傷。
上部の都市への攻撃も中性子ガスの防御スクリーンによって全くの無力、逆に連合艦隊は大型ミサイルによって全滅させられ、アンドロメダもまた制御不能に陥って都市帝国に衝突し、轟沈。
土方総司令は地球艦隊と共に壮絶な最期を遂げた。

だが、この時土方総司令がヤマトに送った最期の通信が都市帝国攻略の糸口のひとつとなった。


これ以後、映像作品でのアンドロメダ級は『復活篇ディレクターズカット版』まで登場していない。



同型艦


◆アンドロメダA12
『復活篇』のDC版に登場した12番艦。
近代化改修によって主砲塔は艦橋砲と同様の物になっていて、拡散波動砲は撤去はされていないものの砲口が塞がれている。
劇中では残存救助艦隊としてチラっとしか登場していない。


◆ネメシス
PS2用ゲームソフト『宇宙戦艦ヤマト 二重銀河の崩壊』に登場した2番艦。
アンドロメダとほぼ同型だが、副砲がミサイルランチャーに換装され、艦首の波動砲が拡散式から収束式に改められている。



発展型


◆スーパーアンドロメダ級戦艦
全長:不明
全幅:不明
基準排水量:不明
主機:波動エンジン ×1基

《兵装》
艦首波動砲 ×2門
3連装ショックカノン砲塔 ×3基9門
8連装対空ミサイルポッド ×1基
連装副砲 ×2基
格納式対空連装パルスレーザー機銃 ×24基
煙突型対空レーザー


『復活篇』に登場するアンドロメダ級の発展型。
外観はどちらかというと主力戦艦の発展型であるドレッドノート級の更なる発展形といった感じで、艦橋をはじめかつてのアンドロメダとは大幅に形状が異なっており、艦首と艦底部のタンク状パーツで辛うじてアンドロメダ級の系譜だとわかる。

主砲の基数や武装が削減され、ドレッドノート級と火力はさほど差が無くなっているものの、対空機銃は大幅に増強されている。使わなかったけど。
艦底部のタンク状のパーツは格納庫と設定され、艦載機を搭載出来るらしいが、こちらも劇中未使用の為に詳細は不明。
艦橋は広い割に何故か座席が艦長用のものだけが無く、雪や名もなき艦長達は皆立ちっぱなしで指揮を執っていた。
同型艦が多数建造され、艦隊旗艦級として運用されている。

劇中では移民船団の護衛として投入される。
第1次移民船団護衛艦隊の1隻は古代雪(森雪)が艦長を務めていたが、突如襲撃してきたSUS艦隊によって大破した。
自動操縦でワープしてアマール星に流れ着くが、艦内は遺体さえ無い全くの無人であった。乗員のその後の行方はわかっていない。

第1次~第2次移民船団所属の艦は奮戦虚しく壊滅するも、甦ったヤマトを旗艦とする第3次移民船団の護衛は戦意も高く、SUSや連合国の艦隊に善戦していた。



◆アンドロメダⅡ
全長:375m
全幅:70.2m
基準排水量:78,000t
主機:超高推力コスモエンジン ×1基
補機:大規模ワープエンジン ×4基

《兵装》
艦首拡散波動砲 ×2門
艦尾拡散波動砲 ×2門
4連装衝撃砲 ×4基
基幹ロケット砲塔 ×2基


『宇宙戦艦ヤマトメカニック大図鑑1』に掲載された発展型。デザインは宮武一貴氏。

艦首の突起物が異様に長いのが特徴で、全体的にアンドロメダらしくはないデザインが特徴。
しかし前後合わせて4門の拡散波動砲、4基16門のショックカノンなど殺る気満々な素敵仕様となっている。



◆戦略指揮戦艦アンドロメダ改級 しゅんらん(春藍)
全長:300m
全幅: 56m
基準排水量:151,000t
主機:波動エンジン ×2基
補機:補助エンジン ×4基

《兵装》
艦首拡散波動砲 ×3門
主砲:51cm四連装衝撃砲 ×5門
副砲:31cm四連装衝撃砲 ×3門
対空パルスレーザー砲 ×多数
側方近接ミサイルランチャー
下方対艦ミサイルランチャー
対空防衛ミサイルランチャー
3連ガトリングミサイル


PS2用ゲームソフト『宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの追憶』、『暗黒星団帝国の逆襲』、『二重銀河の崩壊』に登場するゲームオリジナル艦。
上記のアンドロメダⅡをゲーム用にリメイクした物で、デザインは同じく宮武一貴氏。

ゲームバランス上調節されているが、艦首の拡散波動砲が3門に増設され、ショックカノンも51cm四連装と大幅に増強された浪漫仕様となった。
掟破りの波動エンジン2基積みにより横広な外観で、アンドロメダⅡよりはアンドロメダらしい外見をしているものの、もはや別物と呼べる代物であるらしい。

設定では2202年時の最新鋭戦艦であり、連合艦隊旗艦。
また、複数の自動超弩級戦艦(映画でいう無人艦隊大型艦)の管制を行える程の高い指揮能力を持つ。

ゲームでは山南艦長兼艦隊司令*1指揮の下、暗黒星団帝国の奇襲を逃れた第7艦隊の旗艦としてヤマトと共に戦った。





リメイクアニメ版でのアンドロメダ



物量を過信する愚か者よ。
力は、力によって滅ぼされると知れ!


概要(2202)

『さらば』及び『2』をベースとした『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』にもやはりアンドロメダの姿はあった。

公式サイト等の情報から、どうやら軍拡を進める地球がイスカンダルとの条約を反故にしてまで推進している「波動砲艦隊構想」に基づいて建造されたようだ。中でも1番艦アンドロメダは地球連邦航宙艦隊の総旗艦として建造された。

クラス名が「アンドロメダ級前衛武装宇宙艦」となっているが、劇中では「アンドロメダ級」とだけ呼称されている。
艦番号は「AAA-就役した順番-就役した年(アンドロメダならAAA-1-2202)」となっている。
なお、「AAA」は「Advanced Ability Armament」の略とされる。

拡散波動砲とショックカノン以外の未使用のまま終わった装備には新たな設定が与えられ、艦首の連装波動砲は一条の集中射撃と旧来の拡散射撃の撃ち分けが可能となった。
小ワープ戦法に苦戦したヤマトの経験から対空兵装も一新され、波動防壁もより優れた性能のものになっている。
補助エンジンも従来の核融合炉ではなくケルビンインパルスエンジンという(おそらくガミラス系統の)新型エンジンを採用している。

デザインも玉盛順一郎によってリデザインされて旧作のアンドロメダよりもかなり大きく、スマートながら力強い印象になった。
また、旧作では間に合わなかった同型艦も建造されて、従来の戦艦型に加えてバリエーションの空母型が登場する。
家族が増えたよ!やったねアンドロメダちゃん!




ただし、かつてのアンドロメダが「機械文明の負の側面」として描かれていたように、本作も「『かっこよさ』というよりも『禍々しさ』『怖さ』を意識して描いている」と脚本を担当した福井晴敏氏が述べている。

『さらば』のように無様な末路を辿るのか、『2』のように批判的に描かれながらも活躍して散っていくのか、それとも新たな道を進むのか。
今後どのような道を辿るのかは自分の目で確か見てみろ!

性能(2202)


戦艦型

旧来のアンドロメダと比べて外見上あまり変わっていないが、先述のように武装は大きく変更されている。
旧作同様オートメーション化が進んでいるようで、乗員はヤマトの1/5の約200名。特に艦橋は艦長、副長、戦術長(航海長を兼務)、通信長の僅か4名で運用されている。
リメイクアニメ版のアンドロメダは戦艦型と空母型に分けられているが、戦艦型も描写こそないもののヤマト同様にコスモタイガーⅡを36機搭載出来る。

AAA-1 アンドロメダ
AAA-2 アルデバラン
AAA-4 アキレス

以上の3隻が戦艦型。

戦艦型諸元
全長:444m
全幅:114m
全高:140m
乗員:約200名
主機:次元波動エンジン ×1基
補機:ケルビンインパルスエンジン ×4基

《兵装》
二連装波動爆縮放射機(通称:拡散波動砲) ×2門
40.6cm三連装収束圧縮型衝撃波砲塔 ×4基12門
速射魚雷発射管 ×4門
重力子スプレッド発射機 ×4基8門
小型魚雷発射管 ×8門
四連装対艦グレネード投射機 ×2基
亜空間魚雷発射機 ×4基
短魚雷発射管 ×16門
多連装ミサイル発射機 ×16基
ミサイル発射管 ×10門
司令塔防護ショックフィールド砲 ×3基
近接戦闘用六連装側方光線投射砲 ×2基
対空パルスレーザー砲塔 ×4基
拡散型対空パルスレーザー砲塔 ×1基
多目的投射機 ×2基

《艦載機》
1式空間戦闘攻撃機 コスモタイガーⅡ
or 99式空間戦闘攻撃機コスモファルコン 36機
100式空間偵察機 2機
空間汎用輸送機SC97 コスモシーガル 2機
内火艇 2機


空母型

デザインは本作の副監督である小林誠氏。
船体構造そのものは戦艦型と同じだが、艦橋後部が格納庫と艦載機発着区間となった。巨大な笠かキノコのような後部格納庫のデザインは『復活篇』を連想させる。
この格納庫及びカタパルトを設置した為に後部主砲と短魚雷が撤去されたが、上部格納庫を支える艦橋後部の支柱側面に両舷合わせて18門もの大型魚雷発射管が装備されている。
その他の武装は戦艦型と変わらない為、分類こそ空母型だが事実上の戦闘空母か航空戦艦と呼ぶべき代物であるのは明白だろう。

驚くべきは搭載数で、10個航空隊相当の180機!
実に三段空母(最大搭載機数57機)の3倍以上となる。
しかも最大24機の同時発艦が可能とのこと。公式ページに記載されているのは艦橋後部のみだが、本編では艦体中央両舷のバルジ部分や艦底部からも艦載機を展開している。
また、波動防壁があるので露天駐機したままでもワープが出来る。
劇中では第2章の時点でアポロノームの艦載機としてコスモファルコンを搭載、第5章ではコスモタイガーⅡとその派生に機種転換、
更にはアンタレスの飛行甲板上に不採用機のコスモタイガーⅠも露天駐機している様子が窺える。

AAA-3 アポロノーム
AAA-5 アンタレス

以上の2隻が空母型となる。

空母型諸元
全長:484m
乗員:約800名
主機:次元波動エンジン ×1基
補機:ケルビンインパルスエンジン ×4基

《兵装》
二連装波動爆縮放射機(通称:拡散波動砲) ×2門
40.6cm三連装収束圧縮型衝撃波砲塔 ×2基
速射魚雷発射管 ×4門
重力子スプレッド発射機 ×4基
小型魚雷発射管 ×8門
四連装対艦グレネード投射機 ×2基
亜空間魚雷発射機 ×4基
ミサイル発射管 ×10門
大型魚雷発射管 ×18門
司令塔防護ショックフィールド砲 ×3基
近接戦闘用六連装側方光線投射砲 ×2基
対空パルスレーザー砲塔 ×4基
多目的投射機 ×2

《艦載機》
1式空間戦闘攻撃機 コスモタイガーⅡ
or 99式空間戦闘攻撃機コスモファルコン 180機
100式空間偵察機 2機
空間汎用輸送機SC97 コスモシーガル 2機
内火艇 2隻





兵装(2202)

◆二連装波動爆縮放射機
艦首に装備された連装式の波動砲。
アンドロメダと言えば拡散波動砲だが、本作では拡散射撃と収束射撃を使い分けられるようになった。
また、多重ロックオンが可能となっていて、命中精度も高い様子。
旧作では「ぶっとい波動エネルギーが途中で小さく分裂してエネルギーのシャワーとなって降り注ぐ」描写だったが、
本作では「ごんぶとの波動エネルギーが途中で分裂してぶっといままの波動エネルギーがターゲットを破壊し尽くす」という演出に強化された。
威力も申し分なく、たった1射で浮遊大陸ごと敵艦隊を薙ぎ払い、拡散した波動エネルギーの1本であっても一撃でカラクルム級(大戦艦)を粉砕出来る。


◆40.6cm三連装収束圧縮型衝撃波砲塔
所謂ショックカノン。
旧アンドロメダの50.8cmに対して本作の物は長砲身だが40.6cmと2199版ヤマトよりも口径が小さくなっている。
ただしヤマト等に搭載されていた「陽電子衝撃砲」の発展型である「収束圧縮型衝撃砲塔」という新型*2を採用しているため、威力と連射速度はヤマト以上で実弾射撃も可能。
これはヤマトのように発射された3本のエネルギー流が螺旋を描いて1本に纏まるものではなく、1本1本がそのまま飛んでいく。
威力については大戦艦を仕留めきれなかったり、アステロイドリング破壊に1分かかったことから必ずしも一発がヤマトより強力というわけではないようだが、
連射速度については恐ろしく速く、主砲だけで対空弾幕を張れそうなほど。
恐らく火力を手数で補うタイプだと思われる。
設定上は三式弾の発射も可能ではあるが作中で使用することは無かった。


◆重力子スプレッド発射機
艦首両舷上下にあるエアインテークっぽい部位の後方に格納されている連装式の兵器。使用時には前面のエアインテークが引っ込み、発射機がせり上がる。
波動砲の予備チャージエネルギーを活用したビーム兵器で、着弾点に重力フィールドを形成する。
攻防一体の兵器で、攻撃に使えば超重力で目標を粉砕し、防御に使えばインフェルノ・カノーネすら吸い寄せて防ぐ超重力の盾となる。

そしてその最大の役目は、艦隊から一斉に発射された数百束もの波動砲を1本に収束・融合させることであった。


◆速射魚雷発射管
艦首船嘴部両舷に装備。
速射タイプの魚雷を発射する。


◆小型魚雷発射管
安定翼の上下に2門ずつ装備。


◆四連装対艦グレネード投射機
前甲板両舷のバルジに装備。
旧作では「固定式四連装舷側砲」とされていた装備。


◆亜空間魚雷発射機
舷側に2基ずつ設置された発射機。旧作で詳細不明だった「連装舷側砲」のリメイク。
亜空間に攻撃可能な新型特殊魚雷を発射する。


◆ミサイル発射管
艦底部に10基装備されたミサイル発射管。
ヤマト以外の地球艦艇では珍しい下方に攻撃可能な火器。


◆多連装ミサイル発射機
艦橋基部と外宇宙航行用補助推進装置基部に片舷8門の計16門の側方攻撃用ミサイル。
アンドロメダ改では無砲塔の回転式パルスレーザー砲に換装された。


◆短魚雷発射管
両舷のバルジに2基8門の合計16門搭載された魚雷発射機。
空母型は舷側カタパルトに置き換わっており、アンドロメダ改も無砲塔の回転式パルスレーザー砲に換装された為、未装備。


◆大型魚雷発射管
空母型独自の装備。
司令塔後方の飛行甲板支柱に合計16門装備された。


◆司令塔防護ショックフィールド砲
空間に衝撃波を発生させて実弾を迎撃する迎撃用兵装。
旧作以来長らく謎装備だった「5連装大型艦橋砲」の本作での設定。
3基装備されているらしいが、設定が判明しているのは司令塔前部と基部で、残り1基の場所は不明。
劇中では第6章でアンドロメダ改が使用したのみ。


◆近接防御火器
上記の司令塔防護ショックフィールド砲、近接戦闘用六連装側方光線投射砲(詳細不明)、対空パルスレーザー砲塔(司令塔側面に連装2基、艦橋基部側面に3連装2基)、拡散型対空パルスレーザー砲塔(艦橋背面部に1基)など。
ヤマトのようなパルスレーザー砲塔が少なく、独特な対空兵装が多いのは「ヤマトが瞬間物質転送機による小距離ワープ戦法に苦戦した為」とのこと。
アンドロメダ改は一部の魚雷・ミサイルを無砲塔の回転式パルスレーザー砲に置換している。


◆波動防壁
勿論搭載されている。
ヤマトのそれよりも高性能らしい。


◆多目的投射機
艦首のバルジ内に搭載。内部で機能を切り替えられるようだ。
劇中ではアンドロメダ改がロケットアンカーを使用してヤマトの曳航を行った。


◆艦載機
ヤマト同様、艦底部に射出口があるバラ撒きタイプ。
先述いたように空母型はコスモタイガーⅡまたはコスモファルコンを180機搭載可能。
戦艦型でもヤマトに倣って36機搭載可能という。
その他、100式空間偵察機、空間汎用輸送機SC97 コスモシーガル、内火艇をそれぞれ2機搭載している。


◆ドレッドノート級前衛航宙艦
土星沖海戦以降に登場した追加装備。……装備?
波動砲使用時に艦を固定する重力アンカーで両舷にドレッドノート級を接続、武装付きワープブースターとして使用している。
これによってアンドロメダ級は自艦のエンジンで波動エネルギーをチャージしたままドレッドノート級のエンジンでワープし、ワープアウトと同時に波動砲を発射するという裏技が可能となった。
普通に考えたら戦艦級2隻を追加装備扱いするなんてまともな発想ではないが、次元断層で凄まじい数を量産出来たからこその力技である。

ちなみにガトランティスのカラクルム級戦闘艦(大戦艦)は 畑(?)で戦艦が採れる という表現が冗談ではなく本当に採れてしまう*3ので天文学的な数を生産しており、もっとド派手に使い捨てている。



『2202』での活躍

第一話にていきなりの登場。
艦長は土方竜・・・ではなくなんと山南修。ゲーム版では春蘭の艦長を務めてはいたがまさかの大出世である。
因みに当の土方は波動砲艦隊計画に異を唱えた結果、外用防衛師団の司令官に左遷され、結果的に『さらば』と似た状態になった。

苦戦する地球ガミラス連合軍の切り札として単艦投入され初手拡散波動砲で敵艦隊を全滅させたが、大戦艦を取り逃がすなど失態を犯してしまう。
その後木星圏で主力艦隊を率いて演習中ヤマト反乱の報を聞き、単艦での追撃戦を開始するが突破されてしまう。


17~18話(第5章)にて、旧作『2』に近い展開でガトランティス艦隊と土星沖で衝突。
今回は衝撃砲や火焔直撃砲によるアウトレンジ攻撃も無いのでバルゼーの大艦隊相手に拡散波動砲の一斉攻撃と物量作戦で互角以上(地球有利)の戦闘を展開した。

だが、その後ワープしてきた白色彗星相手には数百隻もの大艦隊の一点収束した波動砲をもってしても高圧ガス帯を吹き飛ばしただけに留まり、都市帝国には波動砲も通じずに白色彗星の超重力と破滅ミサイルによって艦隊は壊滅。
アポロノームは轟沈、アンドロメダは波動砲を喪失、アルデバラン、アキレス、アンタレスの損害は不明だが、どうにか生き残ってアンドロメダや生き残った艦載機と共に離脱していった。

しかし、山南艦長もアンドロメダもこのまま終わるつもりはないようで……?




同型艦(2202)

◆AAA-1 アンドロメダ
グレーカラーの1番艦で戦艦型。要はいつものアンドロメダ。
地球艦隊の総旗艦として全体の指揮を執る。
艦長は山南修一等宙佐。


◆AAA-2 アルデバラン
紺色に舷側の白いラインが目を引く2番艦。戦艦型。
紺色の艦体色はスコードロンリーダー(戦隊旗艦)を示すらしい。
艦長は。『さらば』の無名艦長がモチーフと思しき谷鋼三。
波動砲艦隊の効果的な運用法の研究と艦隊の自動化を推進した人物で、「マルチ隊形」は彼の命名とのこと。


◆AAA-3 アポロノーム
3番艦。空母型。
アルデバランと同カラー。
他が神話や星座から名前を採っているのに何故かこいつだけ小沢さとる氏の漫画「サブマリン707」に登場する架空の空母から命名されている。
艦長は安田俊太郎一等宙佐。山南艦長とは宇宙防衛大学時代の同期で親友。


◆AAA-4 アキレス
4番艦。戦艦型。
色はアンドロメダと同一だが、舷側に白いラインが入っている。
艦長は仁科鷲雄。(劇中未登場)


◆AAA-5 アンタレス
5番艦。空母型。
色はアンドロメダ及びアキレスと同じグレーに舷側の白いラインだが、わずかに色が明るい。
劇中未登場の艦長は富山繁。


AAAアドバンスドステージ


時間断層内の無人工場で多数が建造中である様子が確認出来る。
『2205』に21番艦が登場したので、有人型の初期型アンドロメダは少なくとも20隻以上建造されたようだ。







2205』以降の動向

『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』のコメンタリーによれば、ガトランティス戦役を生き延びた艦は修復完了次第、艦隊に復帰しているという。

実際、続編の『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』にも背景同然のチョイ役だったが登場している。



◆AAA-21 アルフェラッツ
『2205』に登場した初期型アンドロメダ級の21番艦。

第11番惑星の周辺宙域で行われたヤマトら第65護衛隊の演習シーンにチラッと登場。
ガトランティス戦役時に投入された前期型(有人式)アンドロメダの1隻で、損傷しつつも大戦を生き延び、現在はガトランティス滅亡に伴って不活性状態に入ったカラクルム級の残骸の監視任務に就いている。

アンドロメダブラックなどに見られた複雑な紋様が無く、初代アンドロメダとほぼ同様のシンプルなカラーリングだが、これは公式HPによれば
「ガトランティス戦役時のマーキングは波動砲艦隊構想を内外に誇示するためのフォーマル・ドレスアップ・モード(礼装・儀仗運用)であり、現在のアルフェラッツのマーキングはサービス・モード(通常運用)として位置づけられている。」
とのこと。

ちなみに「アルフェラッツ」とはアンドロメダ座α星の別名。

元々は『2205』に登場する予定になかったが、アシェット・コレクションズ・ジャパン社が2019年から発刊している分冊百科がアンドロメダを『2205』名義で発売しているのに出さないのはマズい、ということで1カットながら登場することになったという。
カラーリングは福井氏が玉盛氏にお願いして「変な手を加えないオリジナル準拠のカラーリング」にしてもらったとか。






その他のアンドロメダ

『劇場版 銀河鉄道999』の終盤、機械化母星メーテルでの戦いでのこと。
機械帝国のマシン群の中に1カットだけアンドロメダが登場している。

厳密に言えば艦後半部が映るだけで本当にアンドロメダなのかは不明だが、何故かエンジン・サブエンジンノズルからレーザーを放ってアルカディア号を迎撃していた。




デザイン

アンドロメダのデザインを手掛けたのは『マクロス』や『ダンバイン』など、日本のメカニックデザイナーの草分けの一人として知られる宮武一貴氏。
しかし、艦橋部分のみ納得のいくデザインが書けなかったことから、相談の上で松本零士氏によってデザインし直されている。
『さらば』用にデザインされた地球側艦艇では護衛艦と並んで最初にデザインされたもので、この2隻の間を埋めるように主力戦艦から駆逐艦までの艦艇がデザインされたのだという。


ところで、旧アンドロメダの立体物を見て違和感を覚えた方はいないだろうか。
それもそのはず、実は映像中に登場する旧アンドロメダは見栄え優先で設定画よりも艦首に強くパースが効いたデザインとなっている為、立体化すると整合性が取れないようになっているのだ。*9
この為に3DCGや模型など、アンドロメダを立体化する際にはデザインが弄られるのが常であった。


そして時は流れて2015年。
旧シリーズをリメイクした『宇宙戦艦ヤマト2199』の続編『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の企画が本格的に始動。
続編公開決定と同時にtwitter上で公開された設定画の中にアンドロメダの姿はあった。

設定が再構築されたアンドロメダのリデザインを担当したのは、本作のメカデザインを務める玉盛順一朗氏。
パース絵優先で三面図と矛盾があった艦体のバランスが見直され、立体化しても旧アンドロメダのパース絵の雰囲気を違和感無く再現出来るようになっている。
これはコンセプト段階で監督の羽原信義氏と玉盛氏が三面図とパース絵のどちらを再現するかを話し合った結果であるという。
それにより、羽原監督は本作のアンドロメダを「完成版」と評している。

全体的な外観は旧デザインを踏襲し、新設定に合わせてディティールアップしたものだが、最も解りやすい差異として波動砲口が側面から見れば斜めになっていることが挙げられる。
これは再デザインによって小さくなってしまった波動砲を実際より大きく見せる為の処置で、旧デザインの三面図を見た玉盛氏が波動砲口の線が下面図に比べて上面図が太くなっていることに気付き、「実は波動砲口は斜めであるという宮武氏のメッセージなのではないか」と解釈したからだと語っている。

この他、この『2202』劇中において新アンドロメダのデザインを基準に複数のデザイナーが派生型をデザインしている。




商品化

人気のある艦なので、商品化の機会は多い。
旧シリーズの物は1/700メカコレクション超合金魂などがある。
中でも「超合金魂 GX-58 地球防衛軍旗艦アンドロメダ」は「GX-57 宇宙戦艦ヤマト」と同様の1/625スケール(44cm)の大物で、LEDによる本体の発光ギミックと台座のSE・BGMギミックが備わった逸品。


一方、2017年現在展開されている2202版はアンドロメダのみならずアルデバラン、アキレスが1/1000スケールで発売。
1/1000ながら旧1/700を上回る44cm。LEDとSEユニットを食い込んで発光&SEギミックも楽しめる秀逸な仕上がり。
その分お値段は張り、同じくLED&SEユニット付属のドレッドノート級やヤマト(2202版)の2倍以上の定価12,960円と手が出し難い物となった。
アキレスのみプレミアムバンダイでの販売だが、LEDとサウンドユニットが付属しておらず、半分以下の価格。

また、空母型に関してはLED及びSEユニットが付属しない代わりにお値段7,020円(税込)とお安くなったアポロノームが1/1000スケールで発売済。

2018年末には1/1000 地球連邦アンドロメダ級DXの発売されている。
このキットにはLED&SEユニットが付属しない代わりにアンドロメダ、アキレス、アンタレスを選択して組み立てられ、第六章以降に登場する予定のアンドロメダ級を再現出来る波動砲パーツやデカールが付属する。
肝心のお値段は8,100円(税込)と控えめになっている。


この他、アンドロメダとアポロノームは1/2000スケールでLED内蔵で発光ギミックを目玉とした輝艦大全、価格、大きさ共にお手軽なメカコレクションで発売している。
特にメカコレからはアンドロメダ5隻セットやノイ・バルグレイ、アンドロメダブラックも発売された。





追記・修正は連装波動砲の準備が完了してからお願いします。

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最終更新:2024年01月09日 19:13

*1 ゲーム版ではヤマトの艦長ではない

*2 設定上はビームジェネレーターの大型化や、砲身途中への陽電子収束機設置といった改良を施している

*3 アケーリアス文明が遺した遺産の一つで、完全な機械ではなく有機体で構成されている。

*4 余談だが、ノイ・ダロルドの艦長はドメル将軍の幕僚だったカリス・クライツェの兄ギュンター・クライツェ。

*5 ヤマトシリーズ本編とは直接関係は無い作品。

*6 そもそも『2202』はスタッフやデザインラインなど、そこかしこに『2520』~『復活篇』の要素を含んでいる。

*7 ヤマトがBBY-01、銀河がBBY-03。つまり…?

*8 製造年部分は掠れており判読不可

*9 前面図、背面図を見ると波動砲口からノズルまで同一線上にあるのに、側面図では艦首が艦尾よりも持ち上がっている形になっている