りんかねーしょん新撰組っ!

登録日:2014/05/22 (木) 21:36:24
更新日:2024/02/15 Thu 12:29:22
所要時間:約 3 分で読めます






三つどもえの戦いが幕を切って開けるっ!



りんかねーしょん☆新撰組っ!は2009年6月26日にりぷるが発売したエロゲー。
価格は8,800円(5%税込9,240円)でフルプライス。
クソゲーオブザイヤーinエロゲー板(以下KOTYe)2009大賞作品である。通称「りんかね」。

某所の2009年上半期クソゲー投票で知名度が低かったにもかかわらず2位に輝いたことで注目されたのが発端となって手が付けられたのだが、その余りの内容にスレ住人は頭を抱えることとなった。


【ストーリー】

魔物と呼ばれる怪生物が出没する近未来。
主人公・沖田祐実は通っていた他県の全寮制学園が統廃合で無くなってしまい、割り振られた御門学園へ転入することとなった。
魔物は当初こそ市民生活を脅かすほどの存在だったが駆除装置等の普及により害鳥害獣と同一視されるようになっていたのだが、
山奥から出てきたという一文字菊と出会った直後、祐実は凶暴な魔物に襲撃され大ピンチに陥る。
菊と共に不思議な力に目覚めて魔物を退けた祐実は同様の力を持つ魔女っ子集団「新撰組」と出会う。

紆余曲折の末新撰組とフランス出身のアンドロイド少女と共に戦うことになり、正体を隠して活動する内市民や生徒たちの喝采を浴びる新撰組は、
学園公認の魔物退治集団「海援隊」からライバル視され不毛で馬鹿馬鹿しい対立を続けることになる。
学園生活、魔物退治、恋に大忙しの祐実の目の前に、死別したはずの妹と同姓同名でまるで本人としか思えない少女、沖田祐未と出会う。

更に学園地下に封印された大魔王の存在が明らかとなり、戦いはよりヒートアップしていく。
大魔王復活を目論む玉藻、活動実績欲しさに励む海援隊、そして新撰組の三つ巴の戦いが幕を切って開ける…―
(公式サイトより引用・要約)


【登場人物】

沖田 祐実(おきた ひろみ)
幼少期に家族と死別し盥回しにされた後近藤家に引き取られた少年。
弓枝、時音から距離を取ろうと決意し他県の全寮制学園に編入したが、結局二人のいる御門学園に来ることになりげんなりしているものの、二人のことは大切に思っている。

一文字 菊(いちもんじ きく)
祐実とは過去に何かがあったらしい少女。
山奥の田舎育ちだと自称し、現代文明に不慣れ。「大和撫子」を体現しているつもりだが、うっかりな部分が多々あり完璧には程遠い。

近藤 弓枝(こんどう ゆみえ)
祐実を最後に引き取った近藤家の長女。
祐実にとってはやたらべたべたしてくる過保護な「弓ねえ」であり、とてもお子様っぽい性格。
涙もろく情に流されやすい部分があり、損ばかりしているが本人はあまり気にしてない模様。

土方時音(ひじかた ときね)
近藤家のお隣さんで、家族同然に付き合っていたことをからもう一人の姉となった「時ねえ」でボクっ娘。
弓枝とは対照的に理知的、冷静、そして意地悪。祐実には強権的に接するが大好きだからこそ強くあってほしいと思っている。

ミシュリーヌ・ブリュネ
数々の国家機関と企業秘密等を結集して製造されたアンドロイド美少女。意外に押しに弱い。
何事にも理由と原因を追求し、理詰めでの言動を取ろうとする。意見を遠慮なしに言うのでトラブルメーカーになってしまう事もしばしば。

中島 昇(なかじま のぼり)
特別な背景や産まれなしで新撰組に加わっているオタク少女。
馬鹿話や他のヒロインを冷やかすことが多いものの、自身の心の中を晒すことは滅多にない。

沖田 祐未(おきた ゆみ)
祐実の死別したはずの双子の妹に瓜二つな少女。本人は別人だと主張しているがやたら甘えたがりで、他のヒロイン達からの嫉妬の原因にもなっている。


これだけ見れば普通のシナリオ・ゲームである。……普通か?
だが…このゲームは…弾けた


【概要】

KOTYeのエントリーゲームとしては珍しく致命的なバグはなく、
たまにフリーズしたりCGモードが埋まらなかったりするだけであり、同年エントリー作の中ではまだましな方。

が、本作で抜きん出てダメであり、2009年度KOTYeの座を強奪したたった一つの要素がトンデモなくドでかい爆弾だった。


それは、シナリオである。


KOTYeが前年に誕生してから、あるいは本家スレの誕生以来様々なクソゲーを見てきた住人であったが、当時嘗て無いほどの電波シナリオだったのだ。
電波は体験版の時点で全力全開、製品版でも開始10分足らずでプレイヤー諸氏はポルポルパニックに陥り、余りの訳の分からなさに住人たちは悲鳴を上げた。
推敲すれば特定ルートに限れば名シナリオといわれるのだが、その推敲作業は「ヒエログリフの解読作業に匹敵する」と言われ、
作品スレを覗いた住人が「なんだろう、俺はマインドシーカーのスレにでも迷い込んだのだろうか」と呟くほどある意味破綻しているのである。

まず本作は転生モノに異世界モノを混ぜていて、
主人公は幻覚という形で前世の記憶を垣間見るのだが、その幻覚は所構わず現れる上に断片的過ぎて意味がわからない場合が殆ど。
しかも逃げてようが戦っていようが現れ、オマケに場面にほぼ関係ない記憶が出る場合が多々あるため、気を抜くとすぐに物語がわからなくなる。
場所・視点・時間軸すらすっ飛ばして挿入されるにもかかわらず演出も説明も脈絡もないせいで訳の分からなさに拍車がかかるのだ。

しかもミスリードを誘おうとする展開までもあるため余計に意味不明となり、
オマケにライターの自己満足としか解釈のしようがなく説明もへったくれも殆どない専門用語の数々、
意味もなく頻繁に挿入されるアイキャッチ、それらに付随する厨二病要素が唯でさえぐだぐだでグチャグチャなシナリオを余計グチャグチャにしている。

シナリオ構成そのものも住人及び総評曰く「麻薬をやってフラッシュバックしている」と形容されるほど滅茶苦茶に破綻済みで無駄に長く、
「恐らく厨二病要素を昇華させた先人達を真似しようとした結果、高周波な超電波シナリオが完成してしまったのでは?」という考察もある。

以上のことから、住人曰く「起承転結の内、承と転しかない」ほど説明不足かつ蛇足満載のシナリオの中からスクリプト抽出やバックログ等をフル活用して要点を抜き出し、シナリオを再構築しないと理解不能なシナリオになってしまっているのだ。

総評等をして「エスパーしか楽しめない」「NTに覚醒するためのゲーム」と言わしめるほどのシナリオの様子を端的に現した書き込みがある。
これだけでもシナリオの滅茶苦茶具合がわかる辺り恐ろしい。


もしも、このゲームのような超ダメ構成で有名文学を書き直したらシリーズ
走れメロス(太宰治)編

竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。
妹は頬をあからめた。
~アイキャッチ~
眼が覚めたのは夜だった。メロスは起きてすぐ、花婿の家を訪れた。
「おどろいた。国王は乱心か。」
爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。
~アイキャッチ~
「ああ、メロス様。」うめくような声が、風と共に聞えた。
~アイキャッチ~
メロスは激怒した。

END
この有様で住民は「まるで意味がわからんぞ!」と言ったとか。


本スレ住民やクソゲーハンター、ネット住民、アマチュアゲーマー、エロゲーファンやプロゲーマー達は超展開シナリオに悲鳴を上げ、次から次へと悲鳴が書き込まれた。

「今回のこれは、単純に構成がダメで、伝えることを怠った結果による混乱なので、これを良いとはとても言えない。
 麻薬をやってフラッシュバックしてるような構成だぜこれ 」
「なぁにこれぇ 電波すぎるゲームじゃない」
国語の古典と英語ごちゃ混ぜにしたようなもんじゃねぇか!ていうかこれガンダムで言ったら10話終了後にいきなり最終話が放送されるような物。
「今開始30分くらいだが正直バグかと思うくらい話が意味わからん
「これをやるのは絶対辞めといた方がいい。このシナリオはクフ王のピラミッドの謎を資料もなく解明しろと言ってるような物だから
「ライターの全くわけわからん文章を長く書けるその精神力には感服した」
「起承転結がしっかりしてないと基本アウトだよね。
 このゲームのシナリオ、承転しかないもん」
「流石にこのシナリオは厨二病全開すぎてついていけない。誰かライターそげぶしてくれよ…マジで」
「糞シナリオを通り越して珍シナリオに昇華しているある意味凄いシナリオだと思うんだ」
もーーーーーーー嫌だ!!!!
 「何で!こんな!!電波シナリオのくせにテキスト量が膨大なんだ!?」
 「何時間クリックして一向に終わらねぇ!!!」
 「ヒエログリフかよ!俺は考古学者じゃねぇぞ!!!
「パケ見たら当たりだと思って買ったんだけど、このスレ見てるとエスパーしか楽しめないじゃねぇか」
「ふむ、なるほど。 ニュータイプ覚醒の為のゲームだったのか。
「これは何だ!デスクリムゾンのオープニングのあの電波を全編に渡って流してるような物。ていうかまだデスクリムゾンのあの電波オープニングはまだ理解ができる方」
 「試されていたのは、ライターではなく我々だったわけだな」
「エスパーにしか楽しめねぇ!こんなのクロックタワー3再来じゃねぇか!」
「まだ戦極姫の方が何千倍もマシ」
「ハチャメチャ極まりないシナリオだ。これの名前は…エロゲ界の『マインドシーカー』にでもしておくか」
「ニュータイプ適性を試すためのゲームだ。でもこれ始まって10分しかしてないのに、意味が分からんかった」
「これあのアイ惨の方がシナリオしっかりしてるその位このゲームのシナリオはヤバイ」
「そこそこ面白いってわずかなご褒美のために、焼けた鉄板の上で土下座するくらいの苦行を強いられる」
本スレより引用一部「ネットの声」

そのシナリオ構成の破綻具合には本スレ住民すら匙を投げ、ゲームとしては何一つ破綻要素はなく、人気絵師の起用や声優にも問題がなかったにもかかわらず、
難解かつ説明不足な超展開シナリオのみというストロングスタイルで大賞受賞と相成った。

同年KOTYeの次点作品は
  • ベンチマークから大幅劣化した上に最悪PCの電源が落ちるというβ版級のバグを内包した「タイムリープぱらだいす」
  • シナリオが分岐もヘッタクレもない一本道なのに伏線その他を投げ出しまくって放置した上に引き篭もりEDの「MQ」
  • 内容も発売前後のメーカー対応も問題だらけの「ひしょ×ひしょ」
とどれもこれも特筆すべき酷さがあったものの、
「りんかね」のストロングスタイルは総評で「一種の爽やかさすら感じさせる」と言われた。


その爽やかさも頭痛と引き換えだがな!


【余談】

  • 有志がシナリオフローチャートを作成しWEB担当に見せた結果、「ライターより遥かにまとまってると思います」と言われ、遠回しに公式がシナリオ構成のグチャグチャ具合を認めた一幕もあった。
  • 本作シナリオライターのkozakana氏はりぷるの前作である「にーづまかぷりっちょ!」のライターであり、当時からシナリオの冗長さや説明臭さを指摘されていたのだが、まさかここまで色々と悪化したゲームを投げ込んでくるとは誰が思っただろうか…。
その為2009年KOTYeの選評の締めとして「 普通の萌えエロゲーを期待したらkonozamaだよ! ]という言葉が贈られた。




追記・修正は体験版をプレイして頭痛がしなくなったらよろしく。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • KOTY
  • クソゲーオブザイヤー
  • KOTYe
  • KOTYe大賞受賞作品
  • エロゲー
  • 超展開
  • りんかねーしょん☆新撰組っ!
  • クソゲー
  • NT覚醒ゲー
  • エロゲー版マインドシーカー
  • 新撰組
  • 今の僕には理解できない
  • 公式が末期
  • ロリ
  • 転生
  • 幻覚
  • ライターのオナニー
  • 難解
  • スレ住民は考古学者ではありません
  • ゲーム

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月15日 12:29