バトルフィーバー隊

登録日:2011/08/22 Mon 18:20:49
更新日:2024/02/21 Wed 22:28:05
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『バトルフィーバー隊』とは、スーパー戦隊シリーズ第3作『バトルフィーバーJ』に登場する集団ヒーローの名前である。

部隊名はあくまで『バトルフィーバー隊』であり、『バトルフィーバーJ』というのは番組名(「J」はバトルジャパンのJを意味する)なのだが、本編でも一度だけ名乗った事がある。



◇バトルフィーバー隊とは?

世界征服を企む秘密結社エゴスの野望を阻止するため、国防省とFBIから世界のエリアごとに精鋭を集めて結成された特殊部隊。

メンバー全員が何らかのダンスの名人であり、ダンスを組み込んだ動きで悪と戦う。
「フィーバー!」の掛け声で一回転する事で通信機「バトルシーバー」から射出される「バトルスーツ」を身に纏ってエゴスと戦うのだが、あまり変身シーンを重要視していなかった為か、結構曖昧な設定であった。

よく勘違いされるのだが、メンバーはあくまでアジアやヨーロッパなど地域の代表であって国の代表ではない。
なのでバトルジャパンがカンフーダンスで戦ったりバトルフランスがフラメンコで敵を撃破する描写は何らおかしいことではない。*1
そのせいで逆にコサックの設定に矛盾が生じているのは内緒だ


◇バトルフィーバー隊のメンバー

  • バトルジャパン/伝 正夫
演:谷岡弘規

通称:ジャパン。
アジア代表の戦士にして天才的頭脳派のリーダー。
空手や功夫など格闘技の達人であり、戦闘時にはそれらを用いた「カンフーダンス」で敵を打ち倒す。
リーダーに相応しい冷静さもあってその実力は敵味方双方から「バトルフィーバー最強」と謳われている。
個人武器は柄の両側に刃のついた
幼馴染は15年後貴公子ジュニア
実はシリーズ屈指の天然キャラ。一例を挙げると
  • 敵を欺くべく味方を騙している最中にカットマン(エゴスの戦闘員)が壁の向こうへと消え去るのを見て「おい見たか!?エゴスは壁抜けが出来るぞ!」と大騒ぎして白石に殴られる。
  • 春先なのに道路が凍結したという四郎の報告を受けて、「本当に道路は凍っていたのか?このポカポカ陽気にと真面目な口調で尋ねる。
  • 女子大の寮へ潜入捜査をする際、真顔で「僕とフランスなら真面目な大学生に見えるよ」と発言し四郎を引かせる。
  • 写真を撮る時の掛け声が「ハイ、チーズ」ではなく「お目目くりくり、パッ」
  • 仲間とインベーダーゲームに夢中になり、エゴスが現れると連絡を受けると「ちきしょう。うるせえなぁ~」と不真面目に答え、早くインベーダーゲームの続きがしたいと油断して敵に敗北、鉄山将軍に叱責される。

そんな正夫も第8話「鉄腕エースの謎」ではかつて甲子園球児であったことと、バッテリーを組んだ親友・松井幸一を交通事故で亡くした過去が描かれている。
それ故か、二人が果たせなかった甲子園出場の夢を幸一の弟・幸二に託していたが、「天才スポーツクラブ」で偽のスポーツ少年サイボーグを世に広め日本を怠け者にしようとするエゴス教のスポーツ怪人の作戦に巻き込まれたことも。


  • バトルコサック/白石謙作
演:伊藤武史

通称:コサック。
ユーラシア*2代表の戦士でサブリーダー。趣味はパチンコ確率の研究。
その名の通りコサックダンスで敵を蹴散らす。得意技はコサック回転キック。個人武器は釵。
両親と早くに死に別れ、育ての親だった神父も地上げトラブルの末に暴力団に目の前で射殺され、鉄山将軍に引き取られたという悲惨な過去の持ち主。
第7話「お家が燃える!」ではエゴス教には従わなかったことで両親を放火で亡くしたヒデオ少年に自身の過去を重ね合わせており、彼との交流が描かれている。
第33話「コサック愛に死す」にて漢らしい最期を遂げたが、一部の心無い人々によってネタ扱いされるようになってしまった悲劇の勇者。
彼の死に様に対する誤解は根深い。詳しくはこちらへ。
任務中は基本的に真面目だが、すぐにかっとなって冷静さを失ってしまうところがたまにキズ。
初めて見る悪魔ロボットにも単身挑もうとしたものの、当然蹴り飛ばされてしまった。
女子大の寮に潜入捜査を図った際には四郎共々女装を敢行し、顔的に無茶だった四郎が叩きだされる横でまんまと入り込むも、自身もまた失敗した(その後上述の正夫の台詞になる)。
……てか何のためにダイアンやケイコがいるんだ。

彼のカラー区分について「黄色」とする資料もあるが正確にはオレンジであり、オレンジ色のレギュラー戦士は『列車戦隊トッキュウジャー』のトッキュウ6号まで35年間登場しなかった。
そして以降、『動物戦隊ジュウオウジャー』のジュウオウバード、『宇宙戦隊キュウレンジャー』のサソリオレンジといった具合でオレンジの戦士が登場してからは歴代オレンジの一員としてカウントされている。
※ゲスト戦士なら『特捜戦隊デカレンジャー』のデカスワンがいるが、こちらは白という解釈もある。


  • バトルコサック(二代目)/神誠
演:伴直弥

謙作の国防省時代の先輩。戦死した彼に代わりエゴスへの復讐の為にバトルコサック及び2代目サブリーダーになった。
射撃の達人で、変身前にも銃を所持している事がある。また、兵器研究所に勤めていた経験から科学知識にも優れている。
なお、変身後に使用する武器は初代コサックと同じだが、初代コサックがパワー系の戦士だったのに対し、2代目コサックはスピーディな技や冷静な頭脳プレーを得意とする。
初代と2代目のスーツの色と体格の違いは、初代コサックは赤めで濃いオレンジスーツでパワフルで小柄な体格に対し、2代目コサックはより薄い山吹色で黄色めのオレンジスーツで身長177cm前後のスマートでスピーディな体格となっている。またマスクの口周りが若干薄いシルバーグレー調となっている。

ちなみに雑誌書籍やレンジャーキー、『スーパー戦隊バトル ダイスオー』のカードといったバンダイ発売の後続の商品や、近年のクロスオーバースピンオフなどの後続作品では、この2代目コサックタイプの造形となっている。


  • バトルフランス/志田京介
演:倉地雄平

通称:フランス。
ヨーロッパ代表の戦士。バトルフィーバー隊のムードメーカーにして切り込み隊長。
基本的に温厚だが、キザでお調子者な性格で、女性にめっぽう弱くお洒落に気を使うが、一方で意地っ張りな面もある。
美容師でもありそちらの腕前も一流……のはずなのだが、第1話の「呼び出しを知らせる正夫の口笛に気を取られてうっかり客の髪を切り過ぎてしまい狼狽える」という姿がオープニングにも流用されているのでどうにも締まらない。
ダイアンと仲が良く、一緒に買い物やディスコに遊びに行ったりする関係。第24話でダイアンが帰国する際にも「体に気を付けてね」と寂しげに気遣っていた。
戦闘では得意のフェンシングとフラメンコを中心としたスパニッシュダンスで敵を粉砕する。
個人武器はサーベル。
次作『電子戦隊デンジマン』にはゲストキャラとして、ポール伊崎という彼とよく似た人物が登場するが、そもそも役者が同じである。


演:大葉健二

通称:ケニア。
アフリカ代表の戦士。天涯孤独の野生児でパワーファイター。大変明るい性格だが図太い神経の大食漢
動物の言葉が理解出来、しばしば動物と戯れる様子が見られた。
子供と接する機会も多く、お約束の子供から事件が発覚する際の窓口は大体彼。
戦闘ではアフリカ部族の踊りを模したトロピカルダンスと、動物のように身軽かつ俊敏な動き「アニマルアクション」でエゴスを翻弄する。
悪魔ロボットが登場する際の「また出やがった!」という台詞はお約束
因みにゴーカイジャーにバトルフィーバーJの大いなる力を授けたのは彼。
詳細は個別項目を参照。


  • ミスアメリカ/ダイアン・マーチン
演:D(ダイアン).マーチン
吹替:小牧リサ、横沢啓子(現・よこざわけい子、第15・16話)

通称:アメリカ。
アメリカ・オセアニア代表の戦士。BF隊の紅一点。何故か名乗りが「ミス・アメリーカ」とラテン系発音。
歴代スーパー戦隊でも珍しいアメリカ人女性で、日本語も達者。白いパンツスーツが特徴で冷静沈着だが気が強く、潔癖症で特にネズミが苦手。好きな野球選手はベーブ・ルースのみ。
ボスナ-捜査官は父親で、帰国する際にコウモリ傘の女に殺害された。
個人武器は投げナイフで、ディスコダンスとナイフ捌きでエゴスを蹴散らす。
第24話で妹のキャサリンが誘拐され、ドラキュラ怪人の吸血牙攻撃により負傷してしまう。
その後体調は回復するも、エゴスに正体が露見した為に日本にいては危険という鉄山将軍の判断や、キャサリンと安全に暮らしたいという本人の希望もあり、アメリカへ帰国した*3
なお、演じたマーチン氏が降板した理由は彼女自身のスケジュールとの兼ね合いである*4


  • ミスアメリカ(2代目)/汀マリア
演:萩奈穂美

ダイアンの父・ボスナーの教えを受けたFBI捜査官の日本女子。そのアクティブな性格はBF隊の雰囲気を和ませた。
キャサリンの護衛役としてスチュワーデスに扮装して来日した際にBF隊と知り合い、怪我の為に戦えなくなったダイアンからスーツを託され、その後帰国した彼女に代わってバトルフィーバーの一員となった。
なお、キャサリンの誘拐やダイアンの怪我も彼女が目を離したミスであり、後にサタンエゴスからも指摘されている。
水泳と新体操を始めとするスポーツ全般が得意で、柔軟な動きは戦闘でも大いに役立ち、水中戦も得意とする。
変身前に個人武器のナイフを使用したことがある。
終盤には鉄山将軍から電光剣・唐竹割りを伝授されており、バッティングへの応用として生身で放った。
劇中ではチーム最年少の19歳と年齢が判明しているが、演じた萩氏は前任者のダイアン氏より歳上だったりする。
初代と2代目のスーツの色と体格の違いは、初代は白がかったピンクのスーツに大柄モデル体格だが、2代目は若干濃い桃色のピンクスーツで身長156cmの日本女子の標準体格となっている。
また、マスクの口周りは初代の白調に対して若干薄いシルバーグレー調、2代目は髪型の形がロングボブショート調のセミロングヘアの髪型である。

2代目バトルコサック同様、雑誌書籍やレンジャーキーといった後続の商品や、近年のクロスオーバー作品ではこの2代目アメリカタイプの造形となっている。


  • 倉間鉄山
演:東千代之介

BF隊の創設者にして最高司令官を務める将軍。
国防省の重鎮として武道・戦略・技術・思考力・行動力のあらゆる面に秀で、司令官として冷静で確かな手腕でBF隊の指揮を執った。
その手腕はサタンエゴスすらも高く評価せざるを得なかった。
藤波白雲斎の許で一光流という剣術を学んでおり、その腕前はBF隊を圧倒する四面怪人を一刀両断し、幹部であるヘッダー指揮官との一騎討ちで失明しながらも独眼で勝利してしまう程。
つまるところバトルフィーバーより遥かに強い。
そのため、サタンエゴスは打倒鉄山将軍の為にバトルフィーバーを罠にかけ、エゴス怪人にしようとした。


  • 中原ケイコ
演:伊東範子

連絡員。基地内での通信業務やバトルシャークの発進準備、街での諜報活動を主な任務とする。
普段は隠れ蓑にレンタカー会社やスナック“ケニヤ”で働いている。
声を聴けば分かるが、演じているのは後に声優として人気になる日髙のり子氏である(当時は本名の「伊東範子」名義)。


  • 青葉ミドリ
演:司ゆり

ケイコ同様の連絡員。諜報活動が主任務。


  • 上野トモコ
演:菅野啓子

ミドリの後任。ケイコとも仲がいい。
クールなルックスとは裏腹に、意外とノリがいい性格の持ち主。


  • 九太郎
声:京田尚子

第7話から登場。鉄山将軍が作った電池式のロボット九官鳥。
BF隊のお目付け役だが、大変口が悪い上にメンバーの神経を逆撫でする発言を連発した為にBF隊との仲は最悪。
特に白石とは仲が悪く、一度は破壊されてしまった程。
ピンチになると口から冷凍ガスを吐く。この能力がビッグベイザーの危機を救ったことがある。


◇バトルフィーバー隊の装備

  • ビッグベイザー
BF隊の海底移動基地。
作戦司令室や隊員達の居住区、ロボット格納庫、バトルシャーク格納庫、兵器工場などBF隊の中枢として機能している。
地上との通路はスナックのトイレや下水道等に偽装され、迎撃装置を設置してエゴスの攻撃に備える。
場所を特定されないように海底を移動しているが、その光景を水中カメラマンに撮られてしまった事がある。


  • バトルシャーク
空海で行動可能な全長150m、重量5000tの万能戦闘母艦。
バトルフィーバーロボとその武器を格納して現場まで輸送、戦闘をサポートする役割を持つ。
バトルシャーク自体も高い戦闘力を持ち、ナバロン砲、ウイングミサイル、爆雷、船尾ミサイル、対悪魔ロボット用のマジックハンドなどで武装する。
BF隊の要請でビッグベイザーからオートコントロールで発進する事も多い。


詳細は個別項目を参照。


  • バトルフィーバーカー
主にバトルジャパンが搭乗。
一見普通のマツダRX-7だが、実はスーパーチャージャー・ジェットエンジンを備えた高性能車である。


  • スリーマシーン
コサック、フランス、ケニアが乗る高性能バイク


  • コマンドバット
BF隊の共通装備。それぞれの個人武器や様々なアイテムに変形する万能棒。
個人武器として投げつけた直後にペンタフォースに合体させる事も多いので、予備がある可能性も高い。


  • バトルショット5
ナイフを発射する銃。変身前でも使用する。


  • バトルシーバー
左手に装着する通信機。一応変身アイテム。



必殺技

コマンドバットを投げ、空中で合体させることによって2種類の必殺武器に変形する。
  • ペンタフォース(ロケット砲)
初期の必殺武器。ロケット砲へと変形させて二基のロケット弾でエゴス怪人を粉砕する。
砲手はその回の主役である事が多い。


第15話から使用される必殺技。大型ブーメランとなって敵を撃破する。
バトルジャパンがバトルフィーバーロボを操縦している時など、その場に全員揃っていなくても発動できる便利仕様。






鉄山将軍「君達はそれぞれ編集の名手だ。りどみのテクニックを項目に活かし、アニヲタWiki(仮)を追記・修正するのだ!」


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最終更新:2024年02月21日 22:28

*1 なお、柳田理科男氏は『空想科学読本』にてバトルフランスのフラメンコについて「それはスペインの踊りだ」と指摘した上で、「フランス、ロシア、ケニアは自国からメンバーを出すべきだった」と言及している。

*2 だが、ユーラシアというのはアジアとヨーロッパの合成語であり、その範囲もアジアとヨーロッパを足したものである。従ってバトルフィーバーJにはアジアの代表でもありヨーロッパの代表でもある戦士がおり、かつアジア代表とヨーロッパ代表が2人もいるというヘンテコな事になっている。

*3 だが、アメリカにもエゴスの支部があると言及されており、強化服を持っていない方がむしろ危険である他、第26話では全員エゴスに正体を知られてもその後も戦っているため、キャストを降板させるための急な脚本だった可能性がある。ちなみに第24話の準備稿の段階では「涙!ダイアン死す」というタイトルであり、当初は殉職する可能性があった模様。

*4 本作は当初6ヶ月間の放送予定だったのだが、期間が更に6ヶ月伸びてしまい、スケジュールと折り合いがつかなくなってしまったのである。また彼女はカタコトの日本語しか話せない故に別人が吹き替えていることや、撮影現場での彼女とのコミュニケーションはローマ字を使った筆談で行われたことから撮影上の問題も理由の一つにあると思われる。